Nゲージ蒸気機関車2009年のメモ>2009.9.22(曲線上で連結)

曲線上で連結

2009.9.22

最近は端梁やスカートの外観向上のため、カプラーがボディーマウントされているものが主流です。しかし実は、狭いレイアウトで機関車と列車の自動連結・解結を行なうような遊び方ですと、少し困ったことがあります。駅が曲線部にあったりして、やむなく曲線上で連結しなくてはならないことがあるためです。

「そもそも、何で駅を曲線部に作るんだ?」いえ、ですから場所がないからでして…。


曲線上で起きること

C62の連結

蒸気機関車のテンダーのように車体が短く、台車のセンターピンからカプラーまでの距離が短いものでは、ボディーマウントでもあまり不都合がありません。

これは台車マウントの客車とボディーマウントの機関車を連結するところですが、ここで使っているC280程度なら問題ありません。

DD51の連結(ボディーマウント)

しかし、DD51やEF66ぐらい車体が長くなるともう無理です。これはKATOのDD51にボディーマウントしたマグネ・マティックカプラーですが(もともとケーディーカプラーはボディーマウントが基本のような気がしますが)、カプラーが車体の向きに沿ってカーブの外側を向くので、客車のカプラーと連結できません。

客車側もボディーマウントにすればカプラー同士が近い位置には来ますが、両方とも外側を向いているため、突き当てても連結できないことは多いです。

DD51の連結(台車マウント)

機関車を台車マウントにすればほぼ解消はされます。ちょっと時代に逆行しているような気もしますが、よほど急なカーブでない限り調子よく作動します。

DD51のトミックス改造+KATO

ただ、このDD51の場合は台車マウントに改造しても、外観的にそれほど大きな問題は出ませんが、電気機関車などでこれをやるとスカートに大穴を開けてしまいます。

カプラーを中心に引き寄せる

曲線上でカプラーを線路の中心線上に引き寄せることができればいいのですが、機械的にこれをやるのはなかなか大変です。カプラー周辺にはあまりスペースがないので、それなら本当に台車マウントにするほうがむしろ簡単そうです。
何かいい方法、ありませんか?

トミックスEF65

選手交代してトミックスのEF65です。KATOから最近発売された新しいEF65では、ナックルカプラー対応のため、従来のマグネ・マティックカプラーが取り付けられません。むしろトミックスのEF65のほうがマグネ・マティック化しやすいという変わったことになっています。

さて、マグネ・マティックカプラーは、鉄製のトリップピンを磁石で外側に引き寄せてナックルを開く仕組みなので、逆に曲線上では磁石で内側に引っ張ってやればよいと考えました。
連結可能な場所が限られますが、大体決まってきますし、いちいち手を伸ばして連結するよりはずっと便利そうです。

ネオジム磁石(200mT)の設置

確実に連結するにはある程度の長さの磁石が欲しいのですが、曲線の磁石はめったにないので、小さい磁石を並べることにしました。最初はマグネットシートを切り抜けばいいと思ったのですが、磁力が弱くてぴくりともしませんでした。ただ、探せば使えるものがあるかもしれません。

この間色々とアホな実験が入っていますが省略…

厚み方向に着磁されている小さいフェライト磁石を探しましたが見つからず、東急ハンズでネオジム磁石を買いました。 レールの間に置ける磁石が欲しかっただけで、特に超強力な磁力が欲しかったわけではありません。 100円ショップで売られている、書類を留めるクリップにもネオジム磁石が使われているものがありますが、大きさ的に合うものを見つけられませんでした。

だめ配置

追記
上の「アホな実験とは何か」とメールを頂いたのですが…。
最初、短い棒磁石がいくつかあったので、それを左図の上のように並べてテストしていました。動作はほぼ良好だったので本格的に製作したところ、いつのまにか下のようになっており(中間部が吸着しない)、外観からはわからないのでしばらく悩みました。

買ったネオジム磁石は新潟精機(株)の2個入りで、直径5mm×厚さ1.5mm、0.20テスラとなっています。しかし、結構あちこちにありそうなピップエレキバンEXが直径5.2mm、180ミリテスラだそうですから、ほぼ同じでリーズナブルな気が…。厚さはどうなんでしょう。

磁石を買って帰るときに、うっかり自動改札に通す切符と一緒にポケットに入れてしまうとマズいです。
一般の店ではあまり大きいネオジム磁石は扱われていませんが、大型のものの中には2個が吸着してしまうと引き離せないものがあり、手をはさんでケガをする危険もあります。

ネオジム磁石にカプラーが引き寄せられた

実は右の客車は、ネオジム磁石によってこの位置に引き寄せられ、すでにほぼ釘付けになっています。

左から機関車を接近させると、磁力でトリップピンが内側に動き、カプラーが向き合います。ちょっと行き過ぎるぐらいです。

連結はできたが…使えません

無事に連結はできました。が、残念ながら使えません…。

ネオジム磁石が強力すぎて、ここを通過するとトリップピンがいちいちペタペタとくっついてしまい、パワーを上げないと振り切れません。 しかも、後ろの客車が磁石につかまれて、機関車からもぎとられてしまいます。

また、モーターが低い位置についている車両は、モーターの界磁が影響を受けて、遅くなったり止まったりする恐れがあります。

というわけで今のところ成功してはいません。カプラーの向きを変えられるのは間違いないので、何かよいフェライト磁石を見つけるか、電磁石で工夫するなどして、うまく作れるのかもしれません。気が向いたら、またいつか…。


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