Nゲージ蒸気機関車2010年のメモ>2010.7.10(マイクロエースC59+トミックスC57)

マイクロエースC59+トミックスC57

もしマイクロエースのC59のボディーと、トミックスのC57 135の下廻りだけが余っているという不思議な状況にありましたら、試してみませんか。
私は持ち合わせがなく、考えてみただけでちゃんと作ってはいません。

2010.7.10


マイクロエースのC59を改造する方法は色々あると思いますが、あちこち手を入れると大変なので、とりあえず一番気になる腰高を手っ取り早く解消することを考えます。
ダイキャストブロックをガリガリ削ってもいいのですが、今はトミックスのC57の走り装置という有意義なものがあるので、これを使います。
最終的に作っていないので、他の模型をばらして組み合わせた様子だけで失礼します(わかったことだけ書きます)。

トミックスC57の分解

動力装置を取り出すために、ボディーを外します。
正しい方法がわからないので、いつもやっているとおりに剥ぎ取りました。もちろん、壊しても誰も面倒を見てはくれません。

キャブ後方を浮かせる
[1] 動力部後方を押さえ、キャブ後方と上下に引き離すようにしました。
ボイラー後部を外す
[2] さらに上方に持ち上げ、動力部両脇とボイラー内側の噛みあわせを外しました。別パーツのランボードが浮いてベロベロですが、この程度なら大したことはありません。
デッキを外す
[3] この辺でやめて、前デッキをまっすぐ前に抜き取りました。ライト2個をなくさないように…。
ボイラー前部を外す
[4] ボイラー(煙室)前端に指をかけて、動力部と上下に引き離しました。動力部前方にもボイラー内側との噛み合わせがあります。

C57の再組立のとき、煙室扉のツメを乱暴に押し込むと、副灯がポーンと飛んでいってしまう可能性が非常に高いので、十分お気をつけください。
煙室外周と煙室扉を一度にパチンと押し込もうとせず、まず煙室外周だけでライト2個を保持してしっかりボイラーに合わせ、ぴったり合わせたまま煙室扉を押し込みます。
四次元の入り口は意外と近くに口を開けているかもしれませんよ。

C59との組み合わせ

●ボディーをかぶせる

マイクロエースのC59の上廻りは一般的な方法で簡単に外れます。
これをトミックスの動力にかぶせます。

C59ボディーとC57動力

C57の動力には、左右に2箇所ずつ、上廻りとかみ合わせる出っ張りがあるので(赤の矢印)、ここがC59の上廻り内側にきつく当たります。
ちゃんと改造するにはボイラー内側を少し削るなり、動力を削るなりの調整がいるかもしれませんが、ここではただ押し込んでみました。

シリンダーブロックの上部とランボードがぴったり合わずに少し隙間ができますが、C59のシリンダーブロックはC57よりも高いので、最終改造するにはここに何かを挟んで埋めることになります。ここでは、ただ考えただけなので何もやっていません。

●ドローバーの調整

トミックスのC57は、第1動輪とテンダーから集電されることになっていますが、実は大部分をテンダーに頼っており、第1動輪の集電はろくに効いていません(これが効くような軸重または動輪径のバランスであれば、今度は逆にダブルゴムタイヤの効果が薄くなるでしょう)。
マイクロエースのC59のテンダーを連結する場合も、きちんと通電する必要があります。

もとの集電線
トミックスのC57は、2本の集電線の内側にテンダーの接点が当たるようになっていますが、マイクロエースの台車は外側に接点があるため、そのままでは接触しません。
改造して台車に接触させる
そこで集電線を外側に曲げ直して接触させます。これにより2本の集電線の途中がショートしやすくなるので、間隔が狭くなっているところに何かを挟んで防ぎます。

●テンダー高さの調整

エンジン側が低くなるので、元の状態よりテンダーが相対的に高くなります。場合によってはテンダーも下げたほうがよいかもしれませんので、ちょっと検討しました。

もとのテンダー これはマイクロエースのC59のテンダーをそのまま付けたところです。
この程度のボディーのかぶせ方では、あまり気にならないかもしれません。ボディーをもっと深くかぶせると、目立ってきます。
テンダーを下げたもの 底板の梁を少し削り、ついでに上端のフチを切り取ってテンダーを下げたもの(別の改造品より)。
1〜2mmの差なので、この例では大して変わらないかもしれません。

想像上の完成

組み合わせただけですが、こんな感じになります。

未加工 未加工品 マイクロエースのオリジナルです。
加工品

加工品 組み合わせてみたもの。前述の部材をただ合わせただけですが、腰高に関してはずいぶん落ち着いたような気がします。

デッキが下がりすぎ(給水温め器が上下に長すぎるためですが)とか、キャブ裾が下がりすぎとかは別の改造の領域なので、ここでは無視します。

ワールド工芸 参考:ワールド工芸 テンダーの連結を忘れて少し離れています。ごめんなさい…!前側だけ見てください。

このあと加工品は分解して、部材はそれぞれもとの模型に戻りました。

●気の付いたこと

・元のウェイトはそのまま使うことはできませんが、何とか補重しないと機関部が軽くて空転しがちです。
・テンダー集電はここでご紹介した方法で大丈夫でした。
・ライトはそのまま点灯します。もとのマイクロエース製品よりもハッキリ光ります。

しかし、都合よくC59の上廻り(+テンダー)とC57の下廻りが余っていれば別なのですが、コスト・パフォーマンスはかなり悪そうです。
定価ベースだと、現在の製品で27,195円となってしまいます。
わざわざベース車両を買ってまでやるとしたら、もう徹底改造に踏み込む覚悟になってしまいます。

もし1996年時点でこんな動力を開発できていたら、マイクロエースの蒸機のラインナップやその評価も、ずいぶん違ったものになっていたでしょう。
しかしマイクロエースの一連のシリーズがあったから、こういう動力が他社から生まれるきっかけになったのかもしれません。


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