先日の8100の修理(ギヤ外れ)がうまくいったため、同種の寿都鉄道8105タイプも予備的な補強を施したところ、
…要らないことをしたらしく、かえって不調になってしまいました。
キットの構造のままでは調整を繰り返すことが難しいので、まず分解調整がしやすい構造に改造しました。
2014.12追記 8100形は2014年にリニューアルされ、下廻りが分解できる構造に変わりました。2012年に書いたこの記事は、本当に過去のこととなりました。
ワールド工芸のキットを組んだ方ならご存知のことですが、なぜ一度組み立てたら分解できなくなるのか書いてみます。 ワールド工芸の動力は、台枠の穴をそのまま軸穴として使用します(従ってここの状態が走りに大きく影響します)。 動輪は中空軸になっており、それをプラ製の駆動軸に左右から圧入して組み立てます。 次に台枠の外側から、動輪を駆動軸に圧入します。これにより車軸が太くなるので、軸穴の切れ目を通り抜けることができなくなり、外せなくなります。 調整のため分解するには、一度圧入した動輪を駆動軸から引き抜かなくてはいけません。この際に柔らかい駆動軸はダメージを受け、見た目に正常でも再使用が難しくなります。分解のたびに新しい駆動軸を使うようにとされています。当然、面倒な位相の調整などもやり直しです。 |
これがプラ量産品なら、別パーツになっている軸受けごと台枠から取り外せるので簡単ですが、現状のキットにはそこまでのメンテ性はありません。各自が工夫する必要があります。
また、現状の構造をとったからこそ模型化できたと思われる形式もあります。
この模型は長く使いたいので、軸穴を切り開いて動輪を着脱できるようにし、別途床板で押さえることにしました。
これはとっくの前から実施されている方がいらっしゃいまして、ブログで拝見したことがあるのですが、名前を覚えておらず今回見つけられませんでした。
しかし、おぼろげな記憶から参考にさせていただいております。ありがとうございました。
軸穴は外側に切り開き、ヤスリで仕上げています。 床板の構造をどうすればいいかわからなかったので、手持ちのプラ板をあてがいながら適当に決めました。後方は、キャブの下部あたりに付けたツメに引っ掛けるようにし、前方はブレーキシューの取り付け穴にネジ留めするようにしました。 これで簡単に下廻りを分解できるようになり(当たり前のような気もしますが)、気の済むまで調整できます。 ―絶望するまで― |
大破というのは大げさですが、問題を残したまま慣らしのつもりで高速回転を続けたり、無理な走行を続けたりすると、ロッド周辺が突然バラバラになってしまうことがあります。線路際をたどって、落っこちたクランクピンを拾い集める姿は情けないです…。
Ω形だった軸穴を∩形にしたので、そのままでは軸が暴れて噛み込みを起こすかもしれません。 ただ、通電して回転テストしたところ、特に問題はなさそうです。このままひっくり返して線路に乗せたら一応走りました。 |
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指に伝わってくるコツコツという異振動がなくなるように、軸穴を紙ヤスリなどで整えていき、しだいにスムーズになっていきました。 最終的にはかなり良くなりましたが、もう一歩!と考えてさらに整えたところ、軸の動揺が大きくなってやや調子が落ちました。軸穴が少々広がりすぎたようです。よって、これまで見た最良の状態から若干戻った感じで終えました。 |
調整が繰り返せるようになっただけで、だいぶ勉強になりました。
これまでは、重要性として軸穴:噛み合わせ:位相=4:3:3ぐらいで考えていましたが、
今の気持ちとしては、8:1:1ぐらいまで軸穴の重要性が増しました。
他の重要性が減るわけではないので、書き方としては24:3:3のほうがぴったり来ます。
なお、分解できる構造にしたことにより、左右の動輪を台枠の外で組み立てられるようになったため、位相合わせは楽になりました。
のんびりした小編成もいいものです。
もっとよくしたいのですが、初回の組み立て時に動輪の軸なども傷めているので、部品の交換や軸穴の作り直し(=台枠の作り直し?)も必要です。
今のように丸ヤスリでゴリゴリねじ込むように軸穴を削る方法では、傷めないのが不思議とも言えるので、今後キットを組み立てるときは何か考えないといけません。