ワールド工芸が昨年から次々に発売されているクラウス小型タンクは、キャブの屋根が二重になっています。
そのエッチングパターンには2タイプあり、ひとつは見本どおりに組もうとすると苦労します。
キットでは二重屋根を左の写真のように表現しています(クラウス10形15号)。
歯形のような模様のついた断面が特徴的です。
これは上下2枚の貼り合わせになっています。
(絵を描くほどのことはありませんが)
ちなみに屋根はきれいにプレス曲げされています。これは本当にありがたい配慮です。
図は下板のエッチングパターンのつもりです。
前後のフチの部分にでこぼこのエッチングが施されており、これが2枚の屋根の間隔を保つステーの表現になっています。
また側面も少し引っ込んでエッチングされており、横から見ても2重屋根に見えるようになっています。
…と、こうなっているのが便宜上Aタイプとしたものです。昨年発売の10形17号・15号(Bタンク)と、今年発売の1400形・1440形(Cタンク)がこれでした。
一方、今年発売の26号と25号(Bタンク)では、エッチングのパターンが少し違っていました。
でこぼこの模様が表に出ておらず、端にフチが付いています。側面もそうです。
こちらはそのまま上下の屋根を貼り合わせると、でこぼこの模様が表に出ません。厚みのある1枚板のようになります。側面もそうなります。
実物がどう見えるかは別として、Bタイプのほうも説明書の図や見本写真はAタイプと同じなので、そのとおりにできないのはイヤだったりします。
その場合、フチをそっくりヤスリで削り取るのが楽そうです。屋根の前後長が短くなりますが、削りすぎなければAタイプとそれほど変わりません。
しかし、実際にやってみると結構難しいです。ヤスリによって断面に若干のめくれができるので、模様があまりシャープに現れません。それで1個1個を細いヤスリで整えたりするのですが、なかなか揃いません(もっとも、これは特別へたくそかもしれませんが)。
遠目にはまあ大体Aタイプに近くはなります。※写真はクラウス25号
最も二重屋根を主張する側面がそのままなのはアレですが(笑)、ここも内側の角を面取りしてやればよいのでしょうね。
なぜ模型に2タイプあるのかわかりませんが、Aタイプのほうも小さい模型なりの表現であり、こうしなければならないというわけではありません。
実物など、前後の隙間に細い化粧ステーで意匠をこらしてあったりもします。これをそのまま表現するにはNゲージではムリでしょう…厚さが1mmもありませんから。
1/80ぐらいでも悩みどころですよね。
これだけのメモでございます。