以前、トミックスのC57にKATOのC11の動輪を合体させ、にせC55を作ったことがありまして、その続きです。
2015.9.25
最近よく見る無料プログラムのAutodesk 123D Design(PCダウンロード版)で適当な図形を作っているうち、何となく動輪っぽく見えてきたため、先のにせC55に取り付ける輪心パーツを作ってみました。
画面上での作業のため幻のようなものですが、ある程度やり直しもききますし、ケガキと切断・組み立てが一度にできるようなものですから気楽です。ただ数時間はかかりました。
形は単純で、曲面同士の編集が必要な箇所もありませんから、この無料プログラムでも十分作れました。
最初の1本のスポークをSnapでリムにくっつけるところが憎らしく、思わぬところにくっついたり(外側ににょきっと生えたり)して笑い転げていました。なんでそうなるの(笑)? 1本がくっつけば、あとはPath Patternで円周に沿ってぐるっとコピーするだけで、ずいぶんと楽です。
直径10.1ミリの中に作るので、細かい部分をゴチャゴチャ作っても仕方ないはずですが、そのへんの加減がわからず無駄な部分がたくさんあります。素人らしいです。
実物の寸法を正確には調べたわけではなく結構いいかげんです。ただし元々動輪サイズが少し小さいので寸法どおりにはできません。バランスウェイトをもう少し大きくすれば良かったなァ…1個を画面に拡大して作っているときは、この程度でいいと感じたのですが。
素材の固さがわからなかったので、ヤスリ加工が必要になったときに壊すといけないと思い、予備も含めてランナーに配置しました。一応、造形できる先端形状や最小寸法、強度的なものは考慮して作りました。考慮といっても今まで使ったことがある工作材料の経験だけで、それほどの根拠はありません。
作り方が悪く無駄なポリゴンも多いため、これだけ並べると画面の動きがひどく重くなって困りました。
Nゲージは細かいので、ネットの出力サービスを利用し、高精細3Dプリンターで造形してもらいました。
出力サービスはたくさんあります。どれが適しているのかは正直わかりません。利用要領は紙の印刷の印刷通販と同様でした。ファイルをアップロードして数日でできました。
最初にデータチェックの過程があり、構造に問題があればNG連絡が来るのですが、幸い一発で通りました。
あまり無駄な図形を増やすと、最終出力するファイルサイズも大きくなってしまい、プリントを受け付けてもらえません。
ProJet 3500HDMax(HD3500Max)という機種のXtreme High Definitionモードで、積層ピッチは16μmだそうです。XYZ解像度は750×750×1600dpiです。
素材はアクリルです。造形モードによってはいくつか色を選べます。このXtremeモードではクリアーのみでした。
ランナー部にはちょっと反りがありましたが個々の部品は何でもありません。
想像していたよりシャープに抜けていました。スポーク部分はもっと斜めの線がガタガタになったり、抜けない部分が出るだろうと思っていました。スポークに関しては積層ピッチより、水平方向の解像度が関係するだろうと思います。
上面には細かいシマシマの模様が木目のように存在します。ここは積層断面ではないので平らになりそうに思えましたが、そうではないようです。削って平らにすることは容易ですが、やはり出力したものをそのまま使用したらどうなるかが見たいものなので、後天的な表面仕上げは何もしませんでした。
下面にはサポート材が付くため、表面がややざらっとした感じ(1000番の紙ヤスリよりは細かそう)です。
中央の穴とクランクピン穴は少し小さめにしていたので、そこだけ少し広げて使いました。造形の結果、開口部が収縮気味になるのか拡張気味になるのかわからなかったので、大事をとって小さめにしておいたのです。実際には思ったより正確な寸法で出力されていました。
プラ用塗料で黒に塗りました。表面の様子がわかるよう逆光気味に撮影しました。
白(透明)のままではディテールがよくわかりませんが、塗ると急に感じが出てきます。
モデリングは何かヘンですが動輪です。実は結構テンションが上がっておりました。
あとはC57にはめ込めば完成です。
こちらは最初に作ったC11の輪心です。
今回思いつきで作った輪心です。スポークは強度を考えて太めにしたつもりですが、出来上がってみると十分細かったです。画面上に拡大表示された3Dモデルと小さな造形結果との違いは、経験を積んで覚えていくものなのかもしれませんね。
出力費用は3,000円台でした。安いと思うか高いと思うかは、これをどの程度の道楽/勉強と考えるかによって変わります。
このプリンターは買えば1300万円ぐらいするようです。個人では買えませんが(買ってどうするというのもありますが)、必要なときに出力を頼めるのであれば十分です。いずれ個人向け3Dプリンターの性能が向上して取り扱いも楽になるでしょうから、3Dデータさえ残しておけば、自宅で造形できる日が来るかもしれません。
注文してから出来上がりを待つまでの気持ちは、むかし写真の現像・プリントを頼んで出来上がりを待つまでの気持ちに似ていました。
初代にせC55(C11の輪心利用)です。
にせC55 2号(3Dプリント版)です。スポークは2本増えて実物どおりになりました。
結構面白かったです。これまで私が思いつきそうだった工作方法(スポークをプラ帯で1本ずつ接着するとか…)ではとても無理でした。画面上で好きなように拡大して、老眼でも関係なく形を作れるのは便利だと思いました。
でも出来上がったものが見えないんですよね(笑)。
何も後加工をせずプリント品をそのまま使ったら(穴は広げましたが)こんな感じです、ということでご参考までに。