Nゲージ蒸気機関車2015年のメモ>2015.10.16

ワールド工芸 C60東北型 川崎Aタイプ

12年ぶりにリニューアルされたワールド工芸のC60キットです。
キットはテンダーの形状違いでA・B2タイプが発売されました。組み立てたのは平底テンダー・鋼板組立台車のAタイプです。


組み立てについて

先にリニューアルされているC59と構造はほとんど同じです。
以前の自分の組み立てメモを見ながら進めました。

従台車

従台車は真鍮エッチングとホワイトメタルです。
C60の従台車はC62と比べ、前側が少し下がり、その部分の三角穴が大きいのが特徴です。

動力部

動力ユニットの絶縁側フレームは、2枚重ねになって丈夫になりました。
上からの力が加わっても、テンダーが傾きにくくなったのではないかと思います。

いくつか説明書の図が実際の部品構造と違う部分もありましたが、いつものことなので軽く流し(たぶん、もうほとんど経験者しか組まないので、それで成立しているのだと思います)、ハンダ作業を終えたところです。

組み立てやすいキットで、スムーズに進みました。配管類の密度もちょうどよいと思います。細かい配管受けや配管バンドも付属していますが、素組みであれば使うことはないようです。

塗装前

塗装はアクリジョンのみで行いました。この夏に新しい「エアブラシ用うすめ液」が発売されたので、それを使ってみました。
指定の割合に希釈して使ってみたところでは、今までよりずいぶんシャバシャバと薄くなるようで、噴射量を少なくしないとタレや弾きが起きやすいようです。
細かい霧にして弱く噴霧すれば、今までのうすめ液に比べ、塗装中の粒状感は少ないようでしたが、そのぶんエアブラシが詰まりやすく何度も手を止めることになりました。

乾いてしまえば、塗装面の状態は今までと違うようには見えませんでした。ブラックとつや消しブラックを半々に混ぜて使ったので、完全な光沢色なら違う結果になるのかもしれません。
見違えるほどきれいに塗れる、というわけではありませんでした。→このへんは腕の問題かもしれません。そんなに大満足という感じではなかったです。

上廻り

上廻りは黒塗装のあと、安全弁やナンバープレートなどを接着し、空気作用管に筆で色差ししました。

空気作用管はあまりピカピカさせたくなかったので、銅色と黒を半々に混ぜて面相筆で塗りました。目立たせないという意味で、黒のままにしておくことも私は多いのですが、多少のアクセントをつけました。

一般的なプラ製の模型に比べ、金属製品の素材は非常に薄いため、デフや窓廻り、配管がすっきりできます。
細部のモールド的なディテールはプラ成型品のほうが表情豊かだったりしますが、金属キットの好きな人が金属キットに期待するのは、素材の薄さや滑らかさに起因する全体的な「感じのよさ」と「組み立ての面白さ」でしょうね。また自分で組み立てた模型がレイアウトを走るのは、それはそれは楽しいものです。
ただ似たようなキットの組み立てが続くと、いくら好きな機関車でも「組み立ての面白さ」は薄れ、辛いばかりになってくるので、ほどほどにやったほうが良さそうです。

下廻り

主台枠には上下に稼動する牽引力増強装置のテコがあり、力点に小さいサブウェイトが乗っています。
初期の製品に比べてサブウェイトが小さいので、今では牽引力増強よりも、動輪をレールに押し付けて安定走行させる役割のほうが大きいようにも思います。これは素人考えなのでわかりません。

従台車はフレーム後部に付いている線バネによって、中央付近に定位するようになっています。

削る部分

動力ユニットの組み立てです。
前後にスイングする動力台車の小ギヤが当たらないよう、床板の一部(赤の矢印部分)を削るよう指示があります。
説明書の図には、フレームの内側から7mmと書かれていますが、実際にはフレームの外側から7mmのようです。

モーターとウォームの取り付け

モーター軸にウォームギヤを取り付けたところです。
ウォームギヤの端がモーターの端から10mmのところに固定するよう指示されています。が、付属していたウォームはそれ自体の長さが10mmぐらいあったため、指示通りには付きませんでした。 ウォームの端に当たりそうなウェイトを内側から少し削っておきました。実際に当たるのかどうかはわかりませんが、あとで苦労したくなかったので…。

テンダー

テンダー上廻りをかぶせたところ。ウェイトは石炭部分のほか、後方内部にも組み込まれています。

後部妻板の電気配管は3種類が付属しており、好きなものを選んで付けます。エアホースはカプラー取り付けの邪魔になるので一時的に曲げています。

完成

ハンダ付け工作を何ヶ月かやっていなかったので、できるかどうか不安がありましたが、意外と何ともないものですね。
キットは、できるようにできています。

C60 東北型川崎Aタイプ

機炭間隔も今までより狭く作られているようです。最近の模型はこのへんリアルですごいです。 もちろん、大型蒸機をリアルな形態のまま走らせるには、心がけとして無茶な線路配置はできませんから、走らせたい機関車に合わせてレイアウトを考える必要があります。

C60 東北型川崎Aタイプ

C60 東北型川崎Aタイプ

C60 東北型川崎Aタイプ

年末に予定されているKATOのC59を改造して、C60にしようと計画されている方もいらっしゃると思います。私もやってみたいのですが、従台車を作るか買うか、何とか用意しないといけません。


「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る