KATOのポケットラインのチビロコセットがリニューアルし、動力が新型になりました。
品番が10-500-1から10-503-1に変わり、走りの様子が大きく変わっています。
動力は旧製品と同様、車輪の上あたりのツメで、ボディの窓ガラスの下部に引っ掛けられています。
旧動力で最上部にあったコンデンサーはなく、2箇所にあるS字形の切れ込みから、コアレスモーターが横置きされているのが見えます。
旧動力の車輪は固定軸でしたが、今回はイコライザー的な仕掛けになっており、例えば前の車輪が上がるとシーソー的に後ろの車輪が下がります。レールへの追随がよくなって、集電性能がはっきりアップしています(私のレイアウトでの体感ですけど…)。
コアレスモーターのため、パワーパックのつまみを少し回しただけで動き出すので、今までより感触が軽いです。出だしは大変スムーズでスローもよくききます。人により、また使っているパワーパックにより、お好みの違いはあると思いますが、想像以上に良くなったと感じました。何しろ安定しているので、走らせていてもより楽しいです。
以上、個人の感想です。使用パワーパックは普段通りKM-1+KC-1、およびスタンダードSXです。
左が旧動力(たのしい街のSL列車 初回品)、右が新動力の裏側です。
イコライザー構造が追加されて集電機構も変わり、モーター底のカバーも金属から樹脂に代わっています。もう一両のトレーラー客車の底カバーも同様に樹脂に代わっています。
初回品のカプラーポケットは2軸貨車と同じものでしたが、現在では復元バネが追加され、首振り幅も大きくなっています。
カプラーも初回品に比べますと、一部の角がカットされて少々形が変わっています。カーブでも連結しやすいように変更されていたのかもしれません。
あまり途中の生産品を知りませんが、少なくとも海外向けの「オーストリア連邦鉄道BR88」ではすでにそうなっていました。
最小通過曲線は半径150mmとされています。
私のレイアウトには半径80mmという狭小な路面軌道がありまして、試しに走らせてみました。
動力客車自体はそのまま走りますが、3両編成にすると、カーブで内側のバッファー同士がぶつかりますので、
片側のバッファーを1本ずつ引き抜けば、3両編成でちゃんと走りました。カプラーは大丈夫かなと思いましたが、首振り角度が大きくなったために何とかなっているようで、小カーブをくるくると回っています。
メーカー保証外ですけど、ちょっと嬉しいです。
客車の下廻り以外は、初回の「たのしい街のSL列車」(10-500-1)と同じのようです。私の手持ちの品では、緑の塗装が以前より若干淡くなっていますが、ロット差なのか仕様変更なのかは不明です。
ちなみに客車の上廻り(緑色の部分)は一体ではなくて、窓下の部分で上下に2分割されています。もともと、最初のチビロコセットの客車がそこで2色に分かれていたためです。
ところで先月、海外向けチビロコの「オーストリア連邦鉄道 BR88」(レムケカトー)が国内でも発売されましたが、これはまだ旧動力でした。
この旧動力を外して、今回の新動力をはめ込んでみますと、
もちろん新動力の動作に支障ありません。走りはまるで別物になったような気がします。
この新動力は別売が決まっていますから、今まで発売された各種チビロコの客車も、好みに応じて新動力に交換することができると思います。
チビ客車の換装以外にも、使い道は広そうです。
チビロコセットの機関車と客車の上廻りをそっくり入れ替えて、日本の地方鉄道や産業鉄道風に近くするキットが色々出るかも…と昔は思いましたが、あまり大々的に出て流行した例は知りません。個人でもやればできるだろうなとは多くの方が感じたと思いますけど、それほど多くの工作は紹介されていないように思います。私も、思うだけでサッパリやりませんね(笑)。
動力が新しくなり、レイアウトによっては主力列車にもなり得るので、これからはそういう楽しみ方をされる方も増えるかもしれません。
小さい機関車は欲しいけれど、客車に押されて走るのでは物足りないなァという方には、アルナイン(アルモデル)の産業用Bタンクなどもいいと思います。
チビロコほどではありませんが結構小さく、その割に走りもスムーズです。簡単な折り曲げと接着程度でできる金属キットで、動力部は組み立て済みなので、接着式のプラ模型の組み立てや塗装の経験が多少ある方なら、完成できると思います。