「ライトがまったく付かなくなったので、集電板を曲げ直した」というだけです。
1994年にKATOから発売された、品番10-325 旧キハ81系セットのキハ81です。その5年前に宮沢模型から発売されていたものと同形です。
一方の先頭車のライトが点かなくなっていました。車輪と台車集電板はきれいなので、先に電球が切れていないか調べたいと思いました。
古い製品のため屋根から外すタイプです。屋根は何とかボディーとの間に隙間を作って外しました。同タイプの車両では、連結面の窓からドライバーを突っ込んで屋根を押し上げようとして(当時メーカーが示していた方法のひとつ)、屋根を突き破ってしまったことが何度かあります。
ライトのユニットは後方に引っ張って持ち上げるのだろうと思いましたが、これだけでは後部が引っかかって外れませんでした。
床を外し、座席を持ち上げようとしても外れません。この手のはどういう順番で分解するのでしたっけ。
手当たり次第に、外れそうなところから外したため、関係ないところまでバラバラにしてしまい、何だか雑な進め方です。
1)屋根を外す→2)床のツメを緩めて床を外す→3)左右のガラスを内側に傾けて外す→4)座席とライトユニットを外す でよいようです。こうして書いて見ると普通ですけど…。
でも車両の分解は、方法を知らなければ見当もつかないことがありますよね。
分解は構造を考えて落ち着いてやりましょうとカタログなどに書かれていますが、落ち着いたまま固まってしまいます。
電球は2個使われており、進行方向によって切り替わります。直接通電してみると電球は生きていました。
ということは、台車集電板とライトユニットの間のどこかに接触不良がありそうです。
集電シューの「へ」形に軽く曲がっているところが完全に平らになっており、中央の通電ウェイトへの接触が甘くなっていたようでした。
ラジオペンチで軽く曲げ直しました。写真は曲げ直したあとです。
元通りウェイトを重ねました。ちょっと浮いていますけども、ボディーにはめ込めば押し付けられると思います。
ライトユニットの底から出ているリード線が、このウェイトに接触して通電します。
無事点灯しました。前進時は上の電球で、運転台上部のライトとヘッドマークが点灯します。
後退時は下の電球で、テールライトとヘッドマークが点灯します。
ヘッドマークは前進時のほうがやや明るく点くようです。上下2個の電球の位置や向きで変わるかもしれませんが、正常だったもう一方の先頭車も同じだったのでそのままにしました。
電球色に光るヘッドマークがレトロな感じです。それまでの紙のシールなどとは違い、ツライチにはめ込まれる樹脂パーツであり、なんてリアルな外観だろうと思いました。
白色LEDが発明されるのはこの翌年あたりで、瞬く間に普及し、チップLED化とともに鉄道模型の光演出を劇的に変化させましたね。
余談ですけども、はめ込んだヘッドマークを外すには、ボンネットを取り外して裏側から押す必要があります。
ボンネットの外し方として、説明書には「前に押し出す」と書かれていますが、角度などにコツがあるのかうまくいきませんでした。もう手に脂っけがなくてカサカサというのもあるのかも。
ボンネット下側には小さなツメがあり、それがボディー前方にはめ込まれています。もし床板を外していればの話ですが、このツメを緩めれば楽に外れます(ツメを折らぬよう注意です)。
発売当時、仕事の締め切りを終え、徹夜明けのもうろうとした頭と解放的な気持ちで買いに行ったため、この製品は妙に印象に残っています。