動きそうにないと思っていたのですが、やってみるとそうでもなく、一応作動しました。
KATOの電気機関車にオプション設定されていたマグネ・マティックカプラーNo.2001は、蒸気機関車キットにもしばしば使われます。
ちょっと変わっているのは、製品1つにロングタイプとショートタイプが2個ずつセットされていることです。
私はほぼショートしか使いませんので、ロングばかり手元に余っていました。そのためトリップピンとスプリングもたくさん余り、もったいない状態でした。
(ただし製造元のマイクロトレインズ社からは、ショートタイプのみのNo.2004も販売されています)
足りないのはショートタイプのプラ部分のみなので、そこを3Dプリンターで作り足せば、余っているトリップピンとスプリングを使って代用品が作れると考えました。もちろん自分用ですヨ。
昔の本に出ていたケーディーカプラーの拡大実測図をもとにするつもりでしたが、それが本当に正しいのかは結局自分で測らないとわからないため、最初から実物をもとに作図しました。
カプラーの本体は寸法を拾いにくいので、実物を写真に撮り、トレスしてモデリングの助けにしました。
カプラーが収まる箱(ドラフトギヤボックス)はそれに比べて簡単ですから、直接物差しで測りました。
忠実にトレスできていない部分は私の実力の問題です。
1個作っても10個作っても造形時間は同じなので、サポートを付けて適当に6セット並べました。
造形後まで気づかなかったのですが、ドラフトギヤボックスのふたを配置するときに角度を誤ったらしく、少し斜めになっていました。
約1時間で造形できました。やはり、少し斜めになったふたが液晶のドットでガタガタになり、規則的な縦縞ができていました。
仕方ないので内側の面はヤスリで平らにしました。
(Phrozen Sonic Mini 4K/xULTRAT BLACK/t0.035/4s 室温25〜26℃)
ニッパーで切り離したパーツと、本物のパーツ(一度組み立てて分解したもの)を交互に並べたものです。形だけでは見分けにくいです。
しかし表面は本物のようにすべすべではないので、部品同士の摩擦は大きいです。細かいドットのガタガタ同士が引っかかってしまうこともありそうです。 擦れ合う部分はヤスリで整えたり、鉛筆の芯を塗り込んでみたりと、いくつか対策しました。
余っていたトリップピンとスプリングを付け、ドラフトギヤボックスにセットしたところです。
動きを確かめて、ふたをします。
本物はふたを重ねてハンダごてや焼いたドライバーなどで熱着しますが、このUV樹脂は熱着ができません。
ハンダごてを当てるとそこは柔らかくなりますが溶解せず融合しません。熱によって再結合するという性質はないのですね。
合わせ目につまようじで少量のUV樹脂を塗り、紫外線で硬化させて接着しましたが、別段有利な方法でもなさそうなので、2個目からは瞬間接着剤にしました。
KATOのED75(品番3028)に付けてみました。本物と同じように付き、突き当てての自動連結も幸い普通にできました。
アンカプラー上での自動解放、突放もできます。
ただし磨きが不十分なのか形が不正確なのか、うまく作動させるための取り付け角度などは実物に比べてシビアでした。そのへんも含めて、自動解放性能は本物の1割減といった感じでしょうか。自動連結性能はあまり変わらないような気がしました。
本物が入手できないときの代役は十分できそうなので、残りも全部組み立てました。数が揃うと嬉しいです。
いつもロングタイプを使わないため、買ったカプラーの約半分が無駄になっていましたので。
トーマモデルワークスの機関車や客車に付けてみました。本物のNo.2001が品薄傾向だったため今までは手持ちの品を節約し、客車や機関車前方にはナックル固定式のカプラーを付けていました。
この写真に写っている車両はすべて3Dプリント品で、キットをそのまま組み立て、何ら表面処理をせず塗装したものです。
なお、これまで付けていたナックル固定式のカプラー(キット付属)も、相手がマグネ・マティックカプラーなら突き当てて連結できることがあり、それほど不便はありませんでした。外すときは持ち上げる必要があります。