Nゲージ蒸気機関車2008年のメモ>2008.12.13(ユニトラック4番ポイントの微妙な寸法)

ユニトラック4番ポイントの微妙な寸法

あまり大したことではありません。ユニトラック(KATO)の4番ポイントと固定式線路の標準ポイントは同じ寸法に見えますが、実際には少し違います。ユニトラックで4番ポイントを多用される方はとっくにお気づきかもしれません。

2008.12.13


複線片渡りの比較

Nゲージの線路の片渡り線は、同方向のポイントを2個使って代用します。固定式線路でもユニトラックでも、このようなシングルクロスオーバーの全長は、直線の基本長124mmの2倍(248mm※)となります。

※カタログ上では、ユニトラックの基本長はその248mmとされています。

固定式線路・標準手動ポイント

かつてはアトラス製の6番ポイントなどもありましたが、その後関水金属製の標準ポイントのみとなりました。2007年頃から品切れが続いています。

固定式線路の標準ポイントで作った渡り線

ユニトラック・4番ポイント

ユニトラックは道床が広いためにポイントの小型化に適さず、当初は6番ポイントのみでした。その後4番ポイントが発売され、このサイズが固定式線路の標準ポイントに相当します。こうした渡り線を作るには道床が邪魔になるので、道床の一部を斜めに切り取った補助線路が付属しており、それを併用します。

ユニトラックの4番ポイントで作った渡り線

一見、固定式線路・ユニトラックとも、ポイントの直線部の長さは基本の124mmに見えます。
しかし、よく見ると少し違います。

中央部拡大

固定式ポイント拡大
固定式線路 中央のジョイント部に線を引いてみると、両方のポイントが一直線に並びます。
ユニトラック拡大
ユニトラック 点対称にはなっていますが、ジョイントは一直線になりません。

補助線路の寸法

あらためてユニトラックの渡り線に寸法を書き入れると次のようになります。実はユニトラックの4番ポイントの直線側は、基本長の124mm(=固定式線路の標準ポイント)よりも2mmほど長くなっています。

ユニトラック寸法

このほか見慣れない長さなのが、上図に赤色で示した補助線路です。一見、通常の単線路の62mmと同じに見えますが、2mm短い60mmです。これにより、2mm長いポイントの長さを相殺できます。 2つを組み合わせれば6番ポイントと同じ(186mm)になります。

6番ポイントとの比較

なぜ、4番ポイントの直線側が微妙に長いのかはわかりませんが、分岐側のジョイナー付近に寸法の余裕がほとんどないので、ちょっと長くしないと収まらなかったのかもしれません。

補助線路を挟まず、4番ポイントだけを一直線にいくつもつないで分岐を増やしていくと、ずれが結構大きくなることがあります。極端な例では、6本つなぐと1.2cm長くなりますから、併走する基本長の直線線路と無視できない違いが出ます。ただ普通の線路は、多少のズレなら無理につないでも何とかなるので(良く言えば柔軟性、悪く言えばガタ)、こんな意地悪なつなぎ方をしなければあまり意識しなくてもよいようです。

ちなみにKATOのカタログの4番ポイントの使用例では、どんな場合でも必ず60mmの補助線路と組み合わせて、直線側の寸法にずれが生じないようになっています。


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