基本的なエンドレスでもポイントがつくと、ずっと変化のある運転ができるようになります。
鉄道の好きな方なら、ポイントは興味のある線路だと思います。単純なエンドレスでは同じところを1列車が走り続けることしかできませんが、ポイントがあれば列車の進路を変えたり、駅にいくつもの列車を停めておいたりすることができます。
現在、トミックスやKATOから発売されているポイントの多くは、リモコン式にポイントを切り替える電動式ですが、ポイントについている切り替えレバーを動かして、手で切り替えることもできます。また、トミックスには手動専用のポイントもあります。これはあとでポイント起動ユニットを買い足せば電動化できますが、いくぶん割高になります。
電動ポイントを切り替えるには、専用の切り替えスイッチ(ポイントコントロールボックス、ポイントスイッチ)が必要です。現在のトミックス(ファイントラック)や、KATO(ユニトラック)のポイントは直流(DC)で作動するので、必ずそれぞれの専用パワーパックの専用端子に接続してください。他社製のパワーパックや、専用端子のない古いパワーパックでは使えません。
トミックスのファイントラックにはとても多くのポイントがありますが、駅や引込み線を作るのによく使われるのは、電動ポイントN-PR541-15(F)・電動ポイントN-PL541-15(F)です。前者が右分岐、後者が左分岐です。電動化するには、ポイントコントロールボックスN-Sが必要です。
電動ポイントは¥3,100+税、ポイントコントロールボックスN-Sが¥960+税ですから、合計¥4,060+税です。手動でよければ手動合成枕木ポイントN-PR541-15-SY(F)・N-PL541-15-SY(F)も¥2,080+税で発売されています。この場合、ポイントコントロールボックスは要りません。
写真で茶色のリード線の右側に写っているのは、飾り用のパーツ(ポイントモーター)なので、付けなくてもポイントの機能には関係ありません。
KATOのユニトラックでは、大きさの点で電動ポイント4番(右分岐EP481-15R・左分岐EP481-15L)がよく使われます。ほかにポイントスイッチ24-840BKを買うと電動化できます。ポイントには各種の補助線路が付属して¥3,000+税、ポイントスイッチが¥700+税となっていて、合計¥3,700+税が必要です。
ユニトラックは道床が広いため、4番ポイントでは分岐側で両方の道床が重なってしまい、普通の線路をそのまま接続できません。そこで付属の補助線路を挟みます。補助線路は片側の道床を斜めに削ってあるので、隣り合った分岐側の線路の道床とぶつからないようにできています。この線路は別売されていないので大切にしてください。
配線はトミックス、KATOともごく簡単にできます。ポイントとポイントコントロールボックス(ポイントスイッチ)をリード線でつなぎ、それをパワーパックの側面コネクタにはめ込むだけです。
ポイントを複数つなぐ場合、ポイントコントロールボックス(ポイントスイッチ)を、重ねてどんどん接続していくことができます。
ポイントが遠くにあって、付属のリード線では長さが足りないときのため、両社からそれぞれの延長コードも発売されています(もちろん自分でリード線をハンダ付けして延長しても結構です)。また、トミックスには2つのポイントを1つのスイッチで同時に切り替えることができる、ポイントコントロールボックスN-Wというものもあります。
その他、こんなものがあったらいいなというような配線パーツはたいてい発売されています。特にスイッチ類はカタログにたくさん載っていて、中にはどういうときに使うのかよくわからないものもあります。複雑なレイアウトを作るようになり、こんなスイッチがあったらいいのにと思ったときに、こうした部品が助けになってくれるでしょう。
電動ポイントのポイントコイルには、とても細い線が巻いてありますから、何秒も電流が流れると焼けてしまいます。ポイントコントロールボックスのつまみは、切り替えたい方向までパチンと一度に確実に切り替え、中間の位置で止めたりしないでください。正しく使っていれば、電流はポイントを壊さないよう瞬間的に流れるように作られています。
また、ポイントを切り替えるとコイルが一瞬とても熱くなります。1秒以内に連続して同じポイントを切り替えると、発熱でポイントを傷めることがあるので、やはり注意が必要です。
ポイントは手で直接つまみを動かして切り替えることもできるので、ポイントコントロールボックス(ポイントスイッチ)のレバーと一致しなくなっていることがあります。こんなときは、ポイントコントロールボックスのつまみを、数秒おいてパチン、パチンと2回切り替えると元に戻ります。トミックスの説明書には「リセット操作」という言葉で説明されていますが、それほど大したことではありません。
ポイントは普通の線路に比べてかなり高いので、一度にたくさん買うことができません。特に小中学生のお小遣いでは厳しいものがあって、せっかくレイアウトを作ろうと思っても、1年に2本も3本も買うことは難しいと思います。なるべく少ないポイントで楽しく遊べるように考えてみましょう。