Nゲージ蒸気機関車>2006年のメモ>2006.6.3

スハ43系の窓枠を自分で塗る

KATOの新しいスハ43系客車は、別売のメイクアップパーツセットを使うことによって、簡単にサッシガラスに交換することができます。しかし、自分で窓枠を銀色に塗ることができれば、似たものを安く作ることができます。
窓枠の色指しは、プラ用塗料を細筆で塗るのが普通ですが、試しに市販の塗料ペン(ガンダムマーカー)を使って塗ってみました。

慣れた方なら、「窓枠をガンダムマーカーで銀色に塗ってください」の一言で済んでしまう内容ですが、初めてだと様子がわからないので詳しく書きます。道具がペンになっただけで、本質は筆で塗るのと変わりません。
工作の結果について私は保証できませんので、申し訳ありませんが試される方はご了承ください。


分解してガラスを外す

窓枠を塗るにはガラスを外さなければなりませんが、落ち着いてやれば簡単です。自分で塗らずメイクアップパーツを買う場合でも、これができなければ始まりません。

まず、ボディの下側を軽く外側に開くようにして、床板を下側に抜き取るようにします。すると床板が浮いて外れます。スハフ42の場合は、テールライトのないほうから先に外すようにします。そうしないとレンズが引っかかってうまく外れません。
次に、ガラスを内側に傾けて、ボディーの窓穴から外しながら、下側に引き出します。

メイクアップパーツセットのガラスと、スハフ42(ブルー)から外したガラスを比べると、次のようになっています。

外したガラス 下が外したガラスです。裏側が黒くなっているのがなぜかわかりませんが、これは無視して構いません。
白いトイレ窓は、左右2箇所のピンでガラスに差し込まれていますので、外しておきます。

道具を用意

ガンダムマーカー

ここでは多くのお店で手に入る、ガンダムマーカーを用意しました。色とペン先の形は各種ありますが、とりあえず「ガンダムシルバー」の「平芯」を買いました。他に極細芯もありますが、細い窓枠が相手ではかえって塗りにくいように思います。
はみ出したときのために、「消しペン」も1本買っておきました。

このほか、綿棒かティッシュペーパー、つまようじ数本、不要な紙などを手元に置いておくとよいと思います。

ペン先を準備

使う前に、キャップをしたままよく振って、塗料を十分かき混ぜます。

かき混ぜたらキャップを取り、いらない紙の上にペン先を当て、紙に押し付けて戻す作業を繰り返します。ペン先は、押さえつけると引っ込むしくみになっています。5〜6回のうちには塗料が出てくるので、十分にペン先に染み込ます。

ときどき紙の上に試し書きをして、塗料が軽く出てくるかを確かめます。ごしごしこすらないと出てこないようではいけません。逆にペン先からポタポタ塗料が落ちたり、ペン先を付けただけで塗料がボタッと広がるようではうまく塗れません。実際に窓枠に乗せる前に、外から見えない部分を少し塗ってみて、どのように塗料が乗っていくのか確かめておいたほうがよいです。

一度色を塗った窓枠は、元の青色に戻すことはできません。消しペンや溶剤などでふき取ることはできますが、もとの青色も一緒に取れてしまいます。ここから先は後戻りできませんから、それでもいいという方のみお試しください。

窓枠の広いほうを塗る

窓枠の下側を塗る

窓枠は、下側の幅が広いところから塗ってみたほうが楽だと思います。

ペン先を窓枠の端に少し乗せ、一方向に軽くそーっと動かしながら塗料を置いていきます。ペン先をこすりつけてはいけません。出た塗料がペン先にふき取られてしまいます。塗料を窓枠にそっと乗せていくようなつもりでペン先を動かします。塗料が出にくいときは、また紙に押し付けて塗料を出し、余分な塗料を除いてから続けます。

同じところを何度もペン先でこするのは良くないのですが、少し多めに乗ってしまったら、多少ペン先で塗り広げても大丈夫です。

ペン先の当て方

ペン先は、とがった先が窓枠の内側にはみ出さないように当てます。そうしないと余分な塗料が内側のガラスにはみ出しやすくなります。窓枠の外側になら、はみ出しても構いません。

1辺終了

同じように、隣の窓の下側も次々に塗っていきます。時々紙の上でペン先を上下させ、塗料がきちんとペン先に回るようにしておきます。

最初の2〜3個は、かすれたりはみ出したりしてうまくいかないかもしれませんが、すぐにコツがわかるでしょう。はみ出しは、あとできれいにすることができますから、あまり気にする必要はありません。大きくはみ出したときは、手で触って周りを汚さないよう、とりあえず綿棒などでふき取っておきます。

一度塗ったところは、乾くまで触らないように十分気をつけてください。知らずに塗料が手についていて、その手でガラスをいじりまわしてしまうと大変です(よくやるんですよ…)。
広い窓枠に塗ると、乾くにつれて塗料の銀粒子が周囲に散っていき、少しムラになります。しかし、下地の青がはっきり見えるのでなければ、あまり神経質にならなくてもよいのです。塗り足すときは、完全に乾いてからにしないと余計汚くなりますから、すぐいじりたい気持ちをぐっとこらえます。

窓枠の細いほうを塗る

窓枠の細いほうを塗る

次は窓の上辺を塗っていきます。

こちらは細いので少し難しいですが、やり方は同じです。ペン先が窓枠の内側にはみ出さないようにし、丁寧に窓枠に塗料を置いていきます。塗料が出過ぎないように、時々紙の上でペン先を整えます。塗りにくいときは反対側からペンを動かすと、うまく塗れることがあります。
ペン先にゴミが付くと、余計なところに塗料がついてしまうので、取り除いてください。

同様に、残りの窓枠も塗っていきます。

はみ出しを修正する

消しペンを使う

目立つところにはみ出してしまったら、消しペンを当てて液を出し、軽くこすって塗料をペン先に吸わせるようにします。または、少し多めに液を出して、綿棒やティッシュペーパーに吸わせるようにします。

ここで注意するのは、隣の窓など、うまくいったところに消しペンの液が付かないようにすることです。

つまようじの使い方

ちょっとしたはみ出しは、消しペンを使わなくても、つまようじの先でこすると目立たなくなることがあります。ただし、強くこすりすぎてガラスを傷めないようにしましょう。塗料がついたつまようじで何度もこすると、かえってこびりついて取れなくなります。新しいつまようじを使うか、先を時々ナイフで削るとよいでしょう。ちょっと試してだめであれば、消しペンでふき取ってやり直します。

完成

塗り終わったガラス

終わったら、よく乾かします。数十分で乾くと思いますが、多めに塗料が乗っているとなかなか乾かないことがあります。塗り終わったときに、ガラスの外から見えない部分にも少し塗料をつけておき、そこが乾いたかどうかでだいたいの目安にすることができます。

その後、かすれているなど塗りが足りないところがあったら、その部分を塗り足します。メイクアップパーツセットのように一様な感じにならず、多少でこぼこになるかもしれませんが、それは市販品に頼らず、自分の力で作業したということです。

メイクアップパーツセットに比べれば、銀の輝きは少しにぶいですが、車体にはめ込んだ感じは決して悪くないでしょう。

最初のうちはあまり仕上がりを追求せず、多少の塗りむらは目をつぶったほうがきれいにできます。将来もっと上手になったらやり直せばよい、というくらいの気持ちで気楽にやりましょう。また、もっと丈夫な塗膜にしたいときは、プラ用塗料の筆塗りにも挑戦してみてください。

完成

十分乾いたら、トイレ窓を取り付け、窓ガラスを車体に元通りはめます。次に床板をはめ込みますが、スハフ42の場合は先にテールライト側を差し込みます。

銀色ペンと消しペンの2本を買ってもたったの400円、これでかなりの数を塗ることができます。メイクアップパーツを買うほどきれいにはできないかもしれませんが、両数によっては浮いたお金で機関車を買うことすらできます。
なお、旧製品は窓枠がボディ側に表現されているので、とてもこんなに簡単には塗れません。


おまけ(メイクアップパーツ)

メイクアップパーツセットには、スハフ42は1両分しか入っていないのですが、もしスハ43用が余るのでしたら、それをスハフ42に利用してはいかがでしょう。乗務員室付近は切り落とし、そこは元のガラスから切り取って使うのです。

ガラスの切断方法

スハ43用メイクアップパーツは、▼印の線から2つに切り離し、左側だけを使います。
次に、スハフ42のガラスに合わせて、薄い赤色で示した部分を切り取ります。
スハフ42のガラスは▲印の線から2つに切り離し、右側だけを使います。

直線の切断は、カッターナイフで全体の厚みの1/3程度までスジを入れ、パチンと折り取ります。あまり窓のふちギリギリで切らないほうがよいでしょう。細かい縦方向の切り込みは、模型用の「カッターのこ」があると便利ですが、端からカッターで少しずつ削り込んでも構いません。

ここで使わないスハ43の右端のガラスと、スハフ42の左側のガラスは、あとで青色サッシに戻したくなったときのためにとっておきます。

組み立て

短いほうのガラス(スハフ42由来)は、両面テープやゴム系接着剤でボディー内側から貼り付けます。長いほうのガラス(メイクアップパーツ由来)は、特にテープなどを使わなくてもきちんと固定されますが、外れやすいようなら中央下部の出っ張りを両面テープで止めます。もしうまくはまらないようなら、削り忘れた場所がないか確かめてください。

組み立て後

ガラスが付いたら床板をはめます。固定ツメがなくなっているので、外れやすいようなら、小さく切った両面テープを床板の側面に貼り付けて固定します。


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