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扇形機関庫(KATO)

KATOのターンテーブルの発売から半年たち、ようやく扇形機関庫も発売されました。これでトミックスに遅れること約35年、KATOも自社製のターンテーブルと扇形機関庫を持つことになりました。

2014.11.8


製品の情報は十分発表されており、使用レポートも多数あると思いますので、先駆者のトミックス製品と並べて部分ショットのみご紹介します。
トミックスの扇形機関庫は手持ちの旧成型色のものです。形状は現在の製品と同じです。

入り口

いずれも3線となっており、それを並べて規模を拡張する方式です。
ちなみにKATOの電動ターンテーブルはトミックスの電動ターンテーブルをものすごく参考にしているようで(私はそういう印象を受けました)、外周ギヤの構造もほぼ同一ですし、レールブロック(外周線路)もトミックスと同じ3連のネジ留め式です。厚みも同じです。

KATO

KATO
扉やガラスのないシンプルなものです。内部には専用の庫内線路がセットされています。

トミックス

トミックス
こちらは扉付きです。機関車を中に入れて奥のバンパーを押すと、自動的に扉が閉じます。こういうのが流行った時期があったかもしれません。
庫内線路は別途普通のレールを用意します。

側面

KATO

KATO
ストレート屋根に6箇所の側窓です。

トミックス

トミックス
2段屋根に8箇所の側窓です。

窓廻りの表現

全体にKATOはフラットでシンプルな感じ、トミックスは掘りが深く骨が太い感じです。人により好みが分かれそうです。

KATO

KATO
窓は全閉で、窓枠に銀が入っています。

トミックス

トミックス
窓はあちこちが開いていまして見た目に楽しいです。現在のトミックスのC57やC61の窓が全閉となっているのと対照的です。

設置サイズ

ターンテーブルの大きさは両者ほとんど変わりませんが、外周線路の中心角が異なるため(KATOは10度、トミックスは15度)、設置長さは9センチほど違います。

KATO

KATO
機関庫の入り口までが長くなるため、設置長さは55センチ少々です。大規模の機関庫の再現に適した外観です。

トミックス

トミックス
機関庫がすぐ近くに来るため、設置長さは46センチぐらいです。

2連(6線)にした場合

長さを見ると、狭い場所ならトミックスが有利に思えますが、常にそうというわけではありません。中心角が大きいために機関庫の後部の幅が広くなり、レイアウトによってはKATOのほうが設置しやすくなることもあります。

KATO

KATO
ほっそりしていますので、こういう置き方をすると幅は45センチぐらいです。

トミックス

トミックス
幅は51センチぐらいと、トミックスのほうが大きくなります。

設備全体の円周はトミックスのほうが小さいので、たとえば180度の扇形機関庫を作る場合は、トミックスのほうがコンパクトになります。大規模な機関庫を作るには大きな面積がいるのは当然かもしれません。
つまりこの両製品は用途的にバッティングすることはなく、市場に共存できるものではないかと思います。レールシステムが違うので、そう自由に選べるというわけでもないでしょうが。

KATOとトミックス

KATOの庫内線路

KATOの機関庫の上屋は、基礎の床板に置かれているだけなので、持ち上げると床板が取り残されます(機関車が入っていると、すくい上げられて厄介なことになるので要注意)。
ただ、上屋を外せば庫内線路の位置がフリーになるので、ターンテーブルへの接続はしやすいです。トミックスの場合は床板にレールがしっかりはめ込まれているため、ターンテーブルの外周のジョイントと接続するのがちょっとやりにくいのです。

KATO


おまけ(ターンテーブルについて)

以下の画像はトミックス、KATOの説明書からの引用です。

◆トミックス 電動ターンテーブルの説明書(2009年)

赤で着色したあたりを、まずはご覧ください。

トミックス

◆KATO 電動ターンテーブルの説明書(2014年)

赤で着色したところを比べてみてください。

KATO

“組立式(フロアレイアウト)で使用した場合、図のようにレールと床の間にスキ間ができたり、勾配がつきますが、車両走行上支障はありません。”
文がトミックスに似ているどころか完全に一致。「スキ間」のように珍しいカタカナの使い方まで同じです。

なおこれは初回出荷分なので、夏以降の追加生産分についてはわかりません。
(おわり)


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