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若い母親のあなたへ 8
ふれあい(タッチング)
現代は、真の意味での「人と人とのふれあい」が欠けている、と言われています。
健全な人間関係が持てずに、テレビやファミコンに逃げている人も、多く見受けられます。
幼児期に問題があります。今回は、そのようなことが起きないように、幼児期に必要なふれあいについて、学ぼうと思います。
ところで、人にとって他の人格との初めてのふれあいは、
いつ? 誰と?
でしょうか。
それは永遠の昔に、神様と、です。
神様はまず霊魂を造られ、後に地上に生まれさせるために肉体を造られました(ここで既に2度のふれあいがあります)[詩篇139:13〜16]。
人は、他の人格とのふれあいを通して初めて人となることが、分かります。
では、次にふれあう人格は誰でしょう? そうです! お母さん、あなたです。
神様は、お母さん、あなたに期待していらっしゃいます。
順を追って見て参りましょう。
第1は、おなかの中で。
「胎児は見ている」(T・バーニー著 祥伝社)という本によりますと、胎児も、ひとりの人間として意識があります。従来は、出産してからと言われていたのですが、そうではないと言うのです。この期間のふれあいは、ボディータッチです。子宮の羊水の中に、体を丸めてプカプカ浮いています。
あたたかいお風呂に入っているようなもので、とても心地良いようなのです。それは、そのままでお母さんにタッチされている状態と言えます。
よく見かけますが、子供がフトンの中で丸くなっていますね。子宮時代を懐かしんでいる、というわけです。胎児はまた、お母さんの心音も聞きます。
お母さん、あなたの務めは何でしょう?
そういう心地良さを壊さないことです。
どういうことでしょうか? いつも平安な心でいてほしいのです。
「アンタなんか、ナニよ?」
と言って夫婦ゲンカをしているのは、よくありません。心が荒れれば、心音も不安定になります。
怒ってばかりいれば、母胎自身が毒物を製造し、胎児に悪影響を与えます。アルコールを飲む、煙草を吸う――決していいことではありません。
「でも、私はもう産んでしまったから遅いのです・・・・」
いいえ、そんなことはありません。もし悔い改めるなら、イエス様は過去にさかのぼって、傷を癒してくださいます。
第2に、胸で。
突然、胎児は心地良さを奪われます。出産の瞬間です。外界にほおり出されて、余りいい感じを受けないことは事実です。胎児は、元の心地良さを回復したいと思うようです。
一番いい方法は、お母さんが胸に抱くこと。できるだけ接触面積を大きく。なつかしい心臓の音も聞こえ、赤ちゃんは安心します。
学者によると、右利き、左利きに関わりなく、お母さんは左胸に頭をもってくるそうです。心臓のある方です。新しい環境が与えるショックから、赤ちゃんを守るための神様の知恵でしょう。
もし、このような時期に保育園に預けるとすれば、それは良くないことです。ことばのやりとりも少ないとすれば、愛情飢餓に陥ります。
第3に、遊びで。
まず親子で。お母さん、遊んであげて下さい。子供はお母さんと遊びたがっています。(将来、寂しい思いをしないためにも。──遊んでくれなかった親を、子供は訪ねないものです。)
遊んでもらっていない子供の心には、非常に大きな負担がかかっています。そのストレスは、愛情飢餓人間、つまり常に欲求不満で、性格的に未熟で、エゴイストな人間を作ります。
お母さんこそが、子供を理解して遊んであげられます。子供もうまく反応してくれます。
次に、子供同士で。
これは、社会へのデビューということができます。お母さんには、遊び相手を選ぶ役目があります。少しずつルールも学ぶようになります。悪い友達と遊ばないように注意してあげて下さい。
第4に、ことばで。
- 名前をしばしば呼びましょう。呼ばれると、うれしいものです。大人だってそうでしょう! 人と親しくなりたいなら、何度も名前を言えばいいのです。ふれあいます。
○○(ちゃん)!○○(ちゃん)! - たくさん話しかけましょう。意味が理解されなくてもいいんです。それなりの反応をしてくれます。
真実に心と心のふれあいをしようとするなら、上位にあるものがまず、へりくだって話しかけるものです。
キリストご自身が模範を示されました。
「キリストは神であられる方なのに、仕えるものの姿をとり、人間と同じようになられたのです。キリストは人としての性質を持って現われ、実に十字架の死にまでも従われたのです」(ピリピ2:6、7)
私たちはいつも、謙虚でなければいけません。話しかけられ、触れられて、成長させていただいています。また、これが生きる楽しみや、力となります。
話しかけられない子には、これがありません。生きる楽しみは、人格と人格のふれあいによって生まれます。無口より、ケンカの方がいいんですよ! ふれあっているからです。何かが生まれます。
ほめましょう。叱りましょう。同じ気持ちになりましょう。
何か良いことをしたら、忘れずに必ずほめてください。もっと良いことをしようとします。ふれあいは良いものを生みます。
悪いことをしたなら、きちんと理由を説明して、叱らなければなりません。謝ったなら、すぐに抱いてあげましょう。
「痛い!」
と泣く時、その気持ちを理解しましょう。
上手にできて、うれしそうな時には、一緒に喜びましょう。
「良かったねェー! お母さん、とってもうれしいわ!」
対話しましょう。裁かないことがコツです。
「○○をしちゃったの!」
と言う時、お母さんが
「一体何をやってるの!」
と責めたら、子供には救いがありません。
心の扉が閉じ、何度も繰り返されるうちに、心はカチンカチンに固くなってしまいます。本人が自首してきたときには、そのことをほめましょう。
子供のことばをそのまま繰り返すこともいいし、語尾だけでもいいでしょう。
「さっき、おうちの前で○○ちゃんに会っちゃった!」
「へェー、会っちゃったー?」
こうして会話が続きます。ちょっとした工夫で、楽しい実りある会話にすることができます。
ふれあいの中でのみ、人は人になっていきます。その理想は何でしょうか?
「人はその父母を離れ、妻と結ばれ、一体となるのである」(創世2:24)
とあるように、神様や他の人との距離を健全、かつ適切に持つことができること、また、ふれあいを楽しみ、発展させていくことができること、お互いを高めることができることです。
このような構えを持っている人こそ、良い家庭を築き上げ、また明るく健全な社会の発展に、貢献できるのです。
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