7 ソロモンの心

 ソロモンは紀元前971年から931年の問、イスラエル王国を統治した王さまです。父王ダビデとともに全盛期を築きました。
 まず第1列王記3章5節から14節までを読みくだ さい。ある夜神さまがソロモンに現われて「何が欲しいのか?」と尋ねられました (5)。彼は答えました。「国民を治めるための知識と知恵をください」(9)。神 さまは大層お喜びになりました。神さまがご覧になったのはソロモンの心でした(11)。「やはりおまえは私が選んだだけのことはある。おまえの心は立派だ……」  そしてこう約束なさいました。11〜13節をお読みください。つまり彼が願った精神的なものばかりでなく、合わせて物質的なものも十分にやろうということです。 これは神さまのあなたへの心でもあります。
 人は霊(精神)的な必要を持つと共に肉体(物質)的なそれをも持っています。両方とも大いに恵まれるために神さまがご覧になったソロモンの心とはどんなものかを学びましょう。

真実の自分を見る心

 7〜9節をもう一度お読みください。彼は王さまでありながら、国民をまとめて行 くだけの力がないと言っています。これは大きな問題です。しかしもっと恐ろしいこ とがあります。欠点に気がつかないでいる場合です。
 あなたを愛している神さまは時々いろいろなできごとを通してあなたの真実な姿を教えようとされます。まるで映画 でも見るようにはっきりと。果たしてそのときに謙虚に、正直に、「はい、私はそう いう人間なんです」と言えるかどうか。これはひとつの挑戦ですね。
 ヤコブという 人がいました。彼が一族を率いているとき、神の人(神さまから派遣された天使)が現れ、相撲を取ります。神の人はヤコブに勝てず、ヤコブの腰の関節をはずし、びっこにしてしまいます(創世記32:22〜32)。ヤコブとは「押しのける者」の意味です 。ヤコブは自我の強さ(自分勝手の心)と、神さまの前における全くの弱さとを教えられました。
 あなたは似たような経験をされませんでしょうか。強いと見えたのは自分勝手さであり、自分の弱さや醜さを押し隠すためであったということを。自分の真実の姿を正直に、飾らないで神さまの前に認めてください。プライドもあるでしょう 。ソロモンも王さまでした。でも勇気を持って真実の姿を認めるなら神さまはあなたを祝福してくださいます。

神さまを生涯のパートナーとする心

 私たちはどうしても神さまになりたいのです、「私の意見こそ世界で一番正しい。 あなたはあなたの意見を捨てて、私の意見を採用しなさい」というふうに。神さまはあなたを愛するゆえにこそその思いを抑制するように願っておられます。
 ペテロは「あなたこそ神の子キリストです」と言ってイエスさまを感激させましたが、それゆえ高慢にな ります。彼は自分の心をコントロールすることができません。高慢な心は生活に失敗や不安を招きます。イエスさまを諌めたり、十字架の前夜にはイエスさまを知らないと言って、裏切ったり。彼は孤独でした。もちろん彼には妻子も友人もいたようです。でも人の助言では限界があります。頼りがいのある実力あるパートナーが必要で した。
 信仰とは何でしょうか。「キリストの神さまをパートナーにすれば人生は安心だ。」という思いです。ペテロが変身したのはこのことを理解したときです。キリ ストはあなたを愛して十字架で身代わりに死んでくださいました。これを証拠にキリストの神さまをあなたの人生のパートナーとして受け入れましょう。神さまのことば (聖書)ひとつひとつが貴重な助言となって威力を発揮します。ソロモンは最高の愛と知恵によって導いてくださる神さまをパートナーとしたから大いに祝福されました 。      

良い夢を追いかける心

 ソロモンは国民を上手に治めることに夢を持ちました。生きているということはな にがしかの夢を待つということです。あなたにも夢が必要です。夢があなたの人生をダイナミックにしていきます。建設的な、前向きな、積極的な、肯定的な夢はあなたに立派な行動を約束します。逆に悪い夢は悪い行動を起こさせるものです。
 良い夢とは何でしょうか。自分も、他の人も、そしてすべての人の親である神さまも喜ぶものです。イエスさまはおっしゃいました。

 「心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くし て、あなたの神である主を愛しなさい。あなたの隣人を自分と同じように愛せよ。」 (マタイ22:34〜40)

 良い夢は必ずこの三つを満足させます。
 ソロモンの夢をもう 一度見てみましょう(7〜9)。彼の願いは国民一人一人が幸せな家庭生活、社会生活 を送り、国全体が明るくなるようにということでした。神さまの反応は非常に魅力的 なものでした。11−14節をお読みください.        

神さまの前で生きる心

 人は一人では生きられません。常にだれかが側にいなくてはいけないし、それゆえ 良い影響も受けるし、悪い影響も受けます。
 ところで私たちが何かをするときに何を動機にしたら良いでしょうか。「人にほめられるからやる。人に注目してもらうためにする」と、このような、人に期待する、人を当てにする生き方はいいものではありません。人も人の意見もともに変化するものです。目まぐるしく変わります。時には裏切ります。自分自身を見てもそうではないでしょうか。期待されても応えることができない場合だってあります。いざとなると自分がかわいい、それはお互いさまです。責めることも裁くこともできません。お互いに許(赦)しあうしかありません。余り期待しすぎないことです 。神さまを証人に立てて、神さまの前で生きる心構えが一番いい。「神さまが見ているからする、しない」という生き方。「神さまからむくいがあるからする、しない」これが 最高の生き方です。もっとも美しい生き方です。神さまに向かって良いことをしていきましょう。神さまの前であることを意識して人に向かって良いことをしていきまし ょう。神さまから評価されればよしとする心、そわがソロモンの心でした。神さまは あなたのなさったことを覚えておいでです。

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