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モラルハラスメント |
モラルハラスメントをホームページにあげ始めたのが、2000年8月です。
その数ヶ月前から、わたしたちは、家庭や職場、学校、サークルその他、
2人以上の人がいるところで起きている暴力に、場所や関係性は違うのに
何か似通ったところがあると思い、そのキーワードをまとめていました。
ちょうどそのとき、イルゴイエンヌさんの本によって、わたしたちが問題にしたかった
状況に「モラル・ハラスメント」という名前がついていることを知ったのです。
名前がついているのなら、その名前で呼び、説明していけるということになります。
そこで、モラルハラスメントというものがこの社会の中に多く存在しているということ、
そして、それは暴力であり、被害者ではなく加害者に責任があるのだということを、
より多くの方に知っていただきたいという思いでホームページにあげてみました。
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それから、やがて3年になろうとしています。
この間、わたしたちの予想以上の反響がありました。
被害体験者として、また、加害者かもしれないと心配して、そして第三者として
モラルハラスメントという概念をどう受け取るか、などなど…。
それらの声を聞きながら、わたしたちはまた、さまざまなことを考えてきました。
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この暴力は、いつどこで誰に起きてもおかしくないものであり、それだけ、
この社会そのものが、モラルハラスメント的なのかもしれないと思います。
そのような中、「モラルハラスメント」という言葉は、ある程度知られるようになって
きたとは思いますが、これだけ多いのにもかかわらず、ぜひ知っておいてほしい
「専門家」の方たちには、まだまだ認められていないところがあるようです。
立場上、わたしたちに何かの診断ができるわけではありません。
また、法律の専門家でもないため、そのようなサポートもできません。
今のわたしたちにできることは、モラルハラスメントという暴力があるということを
広く知らせることと、被害者への心理的なサポートだととらえています。
だからこそ、医師、カウンセラー、弁護士の方など、医療や法律の専門の方々には、
モラルハラスメントにしっかりと目を向け、この概念を理解してほしいのです。
被害者のモラルハラスメントからの脱出や回復のために、ぜひ力を
貸していただきたい方々だからです。
それとともに、第三者として関わるかもしれない可能性のあるすべての人たち、
つまり、この社会を構成するすべての人たちが、モラルハラスメントについて
理解をしておく必要があるのだと感じています。
医療や法律の専門家だけではなく、相談業務の担当として、会社の上司として、
友人として、家族として、この社会で生きているわたしたちは、いつ誰が
被害者のサポートをする立場になるか分かりません。
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誰も、ひとりだけではモラルハラスメントに対応できません。
そのため、被害者にはサポートをする人が必要になります。
ただ、その人たちが、モラルハラスメントについてどんな認識があるのか、
そしてどんな関わり方をするのかによって、大きな違いが出てきます。
場合によっては、被害者の助けにならないばかりか、二次加害(第三者が
被害者に接するとき、言葉などによってさらに傷つけてしまうこと)が
起きてしまう確立が高いように感じます。
第三者が、よかれと思って選んでいる言動が、実は二次加害に
なってしまっているように思うのです。
多くの場合、被害者が相談をした第三者が、加害者の暴力に気づかずに
その状態を容認してしまい、暴力という構図の中に被害者を戻そうと
するかのような働きかけがなされてしまっています。
そして、かえって被害を拡大し、長引かせてしまうのです。
また、戻そうとはしないまでも、第三者が被害者を新たに傷つけてしまう
こともあります。
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被害体験者は、どちらかというと、まず「大変だったね」と言ってほしい
という気持ちが大きいのだと語ります。
そして、自分の身に何が起きたのか、聞き取ってほしいと思っていることが
多いのです。
モラルハラスメントは、まわりの人のほとんどが、その暴力性に
気づかない中で行われる暴力です。
その状況の中で、被害者は加害者によって、「誰も助けてはくれない」
「わたしは独りなんだ」「誰にもこのことは分からないんだ」という
孤立感や絶望感を感じさせられていきます。
そして、自分の力やエネルギー、能力などがこぼれ落ちてしまったかのような
無力感を感じてしまっているのです。
ですから、誰かがきちんと現場検証を行い、その暴力の目撃者や証人の立場で
いることで、その「孤立感」を打ち破り、「無力感」を感じる必要のない状況をつくる
必要があるのだと思います。
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わたしたちは、モラルハラスメント的な社会の仕組みやものごとのとらえ方、
考え方、人間関係の取り方そのものを変えていきたいと考えています。
ひとりひとりが、自分自身のこともまわりの人たちのことも尊重し、
人権や尊厳を守りながら関係をつくっていくことが大切なのだととらえていますし、
それは実現可能なことだと思うのです。
そのような社会を、ぜひ、ともに創っていってほしいと願っています。
気づいた人から、そして行動に移せる人から、少しずつでも形にしていきましょう。
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