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C55 1次形後期門鉄デフ(3Dプリンター)

3Dプリンターで出力したC551次形後期

2021.11.23

先日作ったC551次形前期のデータをいじって1次形後期にしました。少々外観に違いを出したくなって門鉄デフにしてみました。

1次形前期 | 1次形後期門鉄デフ


構造・作図

構造 公式側3D図

動力部は引き続きトミックスのC57 1号機を使いました。またジャンクなので先頭部がふらついたり、テンダー側面に瞬間接着剤?が飛び散ったりしていましたが、私の適当な造形物に合わせるので十分です。

構造 非公式側3D図

1次形後期のためコンプレッサーと給水ポンプ位置を下げ、接続されている配管を付け直しました。これが結構大ごとで作り直したほうが早いところもありました。

珍しく特定機にしてみようと思い、「蒸気機関車の角度」などで比較的多くの写真があった15号機にしました。しかし、私は15号機の実機に面識はありません。

晩年の姿なのでATS発電機の追加や砂撒き管の増設など色々変化も出ています。淡々と作図しました。

門鉄デフ支柱

デフはC57の門鉄デフも参考にしつつ微妙に長くしましたが(といっても+0.09mm)、出来上がりはもう少々伸ばしてデフォルメしてもよさそうな印象でした。再造形の機会にでも調整したいです。

一番試しておきたかったのは強度的なことで、支柱をどの程度まで太くしても許せるかでした。画面上で恐ろしく太く見えても、造形すると頼りない細さになってしまうものなので、迷いつつこの程度にしました。さらに補強用のフチも薄く付けています。

門鉄デフ支柱厚さ

厚みも結構あります。個人的にはこの倍は欲しいところですが、テストの意味もありここでガマンしました。

結果的に強度は特に心配なかったと思います。乱暴な取り扱いはできませんけども。

デフ部サポート

造形時はサポートだらけ。

造形

3Dプリンターは引き続きPhrozen Sonic Mini 4K、UV樹脂はxULTRAT BLACKです。
(Phrozen Sonic Mini 4K/xULTRAT BLACK/t0.035/4s 室温25〜26℃)

FEPフィルムはPeopoly製です。4月以降同じ1枚を使っていますが、傷みは少なくまだまだ行けそうです。

造形

1日ほどで全パーツの造形は終わりました。GOボタンを押せば全部3Dプリンターがやってくれますから、そこには何の工作テクニックもありません。従って工作経験は全然ないんですよという方でも同じようにできます。

造形後のサポート除去などの仕上げは手作業になるので、そこに最初は経験の差が出るかもしれませんが、すぐ慣れるので大したものではないと思います。失敗したら再造形すればよいです。

蒸気管

あとでドキッとしたところです。この蒸気管は強度確保のためボイラーから浮かせずに一体化したつもりでしたが、ツナギがなく浮いています。

見栄え的には別によいものの、取り扱いに神経を使う箇所が増えるのはいつも避けていました(ただ、ここはまだ破損の恐れが少ない箇所)。

ツナギが不徹底

データを調べたら、ツナギは付いていたものの少なすぎ、完全にボイラーまでは伸ばしていませんでした。

たぶん画面上での見かけの強烈さに負けてこの程度にしてしまったのでしょう。簡単に壊れなければ問題はないので、この先の取り扱いでどうなるか様子を見ます。

標識灯の取っ手

このように作ろうとしたわけではありませんが、標識灯の細い取っ手の間が埋まらずに抜けていました。

触っただけで壊れそうな気もしますが、抜けていたら抜けていたで楽しいのでたまにはいいですか…。ここは非常に小さいため強度的には意外と大丈夫かと思います。すぐそばにつかみ棒があるので、うっかり手をかけて壊すとすればそちらでしょう。

ほか、使ったジャンク品のC57 1号機のドローバーが、C57 135号機の長いドローバーに交換されていまして、切り詰める作業などがありました。
ジャンク品や中古品は十分選んで買うわけにもいかず、入荷したそれを買うしかないことが多いので、色々なことが起きます。まあこの用途では上物はどうでもいいので、最低限走ってほしいですね。

完成

基本塗装はアクリジョンのブラック:つや消しブラック=3:1程度、微妙にツヤを増しました。白線は息を殺して面相筆で入れました。
ナンバープレートはテプラによるシール式です。昔のKATOの蒸機にナンバープレートシールを貼るのと似た感じです。

デフとキャブの側面のみ軽くペーパーがけして積層の模様を抑え、他は何もしていません。将来もっとよい3Dプリンターで造形すれば勝手にきれいになると思っていまして。その将来が私にあるかどうかは何とも言えないのですが。

C55 1次形後期

こちらは先日のC55 1次形前期です。
C55 1次形後期

こちらは先日のC55 1次形前期です。

3Dプリンターに限りませんが、データに再利用性があり派生モデルを作りやすいのはデジタル製作の利点かと思います。

C55 1次形後期 前から

C55 1次形後期 後ろから

テンダー本体はC57 1号機のままで、石炭部分のみパーツを作って交換しました。
内部のダイキャストフレームは未加工のため、増炭枠の後方が実物のように深くはありません。

C55 1次形後期 非公式側

途中で面倒になってごまかしたところは無数にあります。作図自体は単純作業ですけども、補助線や補助面をいくつも作っているうち、何やってるんだかわからなくなることがありまして(笑)。

C55 1次形後期

C55に関しては今後もメーカー製のちゃんとしたものが出てくると思いますので、私の中ではいったんここでおしまいです。
→ワールド工芸のサイトを見たら、先日出たばかりのC55 49号機(塗装済完成品)はもう完売してしまいましたね。またメーカー完成品ばかりでなくキットの再生産も少しずつ続いているのはありがたいです。


●おもな参考書籍(書籍名のみ)
・門鉄デフ物語 ネコ・パブリッシング
・鉄道模型趣味No.255(1969年9月号 C57門鉄型ディフレクターとバルブギヤーの前進位置) 機芸出版社
・蒸気機関車の角度 機芸出版社
・蒸気機関車メカニズム図鑑 グランプリ出版

他はC55 1次形前期と同じです。


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