Nゲージ蒸気機関車2021年のメモ>2021.8.20

テプラによるナンバープレート印刷

テプラSR5900P

PC接続用のラベルライター「テプラ」PRO SR5900P(キングジム)を使い、黒テープに金文字のナンバープレートを印刷してみました。
解像度の点でやや注意は要りましたが、紙にインクジェットプリンターで印刷するより平滑度が高く、切り抜きや貼り付けもしやすくて楽しく使えました。


画像を作る

「テプラ」PRO SR5900Pは、無線/有線LANやUSBでパソコンに接続して使うのが前提の機種で、1辺15センチ程度の小さい立方体スタイルです。
自分で作った画像を印刷できて、解像度がそこそこ高いという条件に合う機種はあまり多くないようでした。ただあまり熱心に探していません。

この機種の解像度は360dpiありますが、それでもNゲージのナンバープレートの文字はさすがに小さく、1文字の幅が8ドット程度になってしまいました。昭和のワープロの外字作成のようです。以下は一例です。

ドット表現のイメージ

蒸機のナンバープレートAD66398(昭和22年〜)の高さは200mmですから、1/150にすると約1.33mm、これを360dpiで描くと19ピクセル程度になります。実物のプレート幅はいくつかの条件によって変わりますけども、小さい模型ではその模型のデザインに合わせて調整することもあるかと思います。

画像作成ソフトで白黒の点を1個ずつ打ちました。中間調が使えないため、PCのフォントを縮小入力すると切れ切れで何だかわかりませんでした(笑)。文字の線は太すぎるか細すぎるかで決めにくいですが、画面と印刷結果の印象は大きく違うので、印刷して考えます。

とりあえずトラムウェイのC11 199のナンバープレートを置き換えてみることにしました。これでは3文字しか作っていないので、あとで別の文字も作ってみています。

使用した画像

これはあとの作例写真で実際に使用した画像(文字の太さ2ピクセル)です。
画像サイズは510×170ピクセルで作りました。360dpi換算では(割り切れませんが)ほぼ横36mm×縦12mmです。使用したテープの幅が12mmだったため、縦を安易に12mmにしました。ただテープ幅いっぱいには印刷できないかもしれないので、周囲は切れてもよいように適当に空けました。


印刷する

使ったテープカートリッジは幅12mmのSC12KZ(黒 GOLD INK)です。他の幅もあります。他にも白文字や透明テープなど色々あって楽しいです。

ソフト起動

慣れていた古いソフトから画像を印刷しようとしたら、細いテープの用紙設定がうまくいかず、あきらめてメーカーの専用アプリを使いました(たぶんそれが普通です)。

起動後の新規作成画面で「横書き文字」を選びました。

画像選択

最初は文字入力モードになっていたため、適当なところをクリックしてキャンセルしました。

画面左の「イメージ」アイコンを選び、使う画像ファイルを開きました。

実寸に合わせる

画像を開いたらサイズが変わっていたので、作成時の36mm×12mmに変更しました。位置も調整しました。
周囲の余白が少し切れるようですが、たぶんナンバープレート本体は印刷可能な範囲にぎりぎり収まっているでしょう(てきとうですみません)。

「減色方式」という項目は一応白黒モードにしました。あらかじめ2値に減色して作ったので、どれでも同じ結果になるような気もします。

あとは印刷の設定をいくつか確認して印刷しました。印刷速度には高速印刷と低速印刷があり、気のせいか低速のほうがきれいに出るように見えました。印刷長さが短いので低速でも5秒程度で終わりです。


結果

C11印刷例

文字の太さ3pxと2pxを比べてみました。どちらでもよい気もしますが、私はいつも太めにする傾向があるので今回は細いほう(細2)を使ってみました。

D51印刷例

一回り大きい規格のD5123も作って印刷してみました。これは実際に模型に合わせてみないとわからないですね…。字形ももうひと頑張りしたほうがよさそうですし、今は使いません。

印刷したテープは一度黒色プラ板に貼りました。

テプラのテープはご存じのとおりツヤツヤなので、私は上からタミヤのフラットクリアー(水性アクリル)をさっと筆塗りしました。黒いテープの地がピカピカ光らなくなり見やすくなりました。

その後ナイフで周囲を慎重にカットし、目指すトラムウェイのC11に取り付けました。
交換前と交換後は次のようになります。

製品のナンバー
交換前 製品付属のナンバープレートです。製品も平面板への印刷で表現されています。
テプラのナンバー
交換後 新しくテプラで印刷したナンバープレートです。

交換前後で少し撮影角度が変わってしまってすみません。取れかかったつかみ棒を先にどうにかしろという感じですが―あとで直しました―、ナンバープレートは思ったよりずっと自然にできました。

超拡大してみると画像のドットは見えますし、旧字体のように凝ったセリフのあるデザインも難しそうですが、シンプルな字形であれば違和感なく使えると思います。
たとえば旧KATOの傷んだ紙ナンバーを貼り替えたり、製品に付属していない番号で軽くバリエーションを楽しんだりする際には便利そうです。

製品の超拡大
製品付属ナンバーの超拡大です。
テプラの超拡大
テプラ製ナンバーの超拡大です。

簡易ナンバープレートは通常のプリンターや3Dプリンターなどで色々作ってきましたが、これが総合的に一番簡単でした。 素材のテープが平滑で適度に薄く、大きさも手ごろで無駄が出にくいのと、糊付きのためすぐ裏打ちして使えるところが便利でした。

最初にドット文字を作るところに一番手間を感じるかもしれません。ただどの方法でも印刷データの用意が必要なのは同じでして、お好きな方はお好きな作業かと思います。

C11 前面

C11 公式側

トラムウェイのC11もちょっとタイミング的にかわいそうだった感じはありますね。何か色々あったようで遅れもしましたしね。

全数字のテスト

その後も少しずつドットの置き方を変えて、他の数字もテストしてみました。一通り何とかなりそうです。

まああんまり、難しく考えない方がよいようです。画面上で1ピクセルずれたら強烈に感じが変わりますが、印刷してみるとそこまで変わらないこともあります。

この機種は手軽に使えますし場所を取りませんが、価格帯は通常の家庭用プリンターとあまり変わりません。というか今はレーザープリンターが1万円台で買えるなど、昔に比べればプリンター全体が別世界の安さですね。誰も儲かっていないのではないかと心配してしまいます(消耗品売りのご商売だと聞きますが…)。


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