千葉県市川市の真間万葉顕彰碑
千葉県市川市の真間は、万葉集に十首ほど載せられています。それらの中でも、真間の継ぎ橋、手児奈の奥津城(墓)、真間の井は、万葉集をはじめとして、その後も詠われてきたそうです。そこで、元禄九年(1696)に万葉の旧跡を末永く顕彰するために、万葉顕彰碑が三基建てられました。その場所は、真間の継橋、手児奈霊堂入口、亀井院入口です。現在、市川市の市重要有形文化財に指定され、「真間の三碑」と呼ばれているそうです。建立者は鈴木長頼という学識豊かな大工頭で、碑文も長頼とのことです。
下に、三碑の写真、碑文、ゆかりの歌(万葉集)、その大意を載せます。
真間の継橋のたもと
(碑文)「継橋 継橋興廃 維文維橋 詞林千歳 万葉不凋」
ゆかりの歌
足(あ)の音(おと)せず 行かむ駒(こま)もが 葛飾(かづしか)の 真間(まま)の継橋(つぎはし) やまず通(かよ)はむ (巻14-3387) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 足音せずに進む馬が欲しい。葛飾の真間の継橋をとおり、いつも通いたいものだ。
手児奈霊堂入口
(碑文)「真間娘子墓 今手児奈(二字不明) 真間井 在鈴木院之中」
ゆかりの歌
われも見つ 人にも告げむ 勝鹿(かつしか)の 真間(まま)の手児名(てこな)が 奥つ城(おくつき)ところ (巻3-432) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 私も見た。人にも伝えていこう。勝鹿の真間の手児名の奥つ城(墓)どころを。
亀井院入口
(碑文)「真間井 瓶甕可汲固志何傾 嗚呼節婦与水冽清」
ゆかりの歌
勝鹿(かつしか)の 真間(まま)の井(ゐ)を見れば 立(た)ち平(なら)し 水汲(く)ましけむ 手児奈(てこな)し思ほゆ (巻9-1808) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 葛飾の真間の井戸を見ると、頻繁に通って水を汲んだ手児奈のことが思われる。
所在地
千葉県市川市真間
行き方
JR総武線市川駅の北1kmの辺りです。