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千葉県東金市赤人塚の万葉歌碑

 千葉県東金市(とうがねし)にある万葉歌碑を訪ねてきました。

 雄蛇ヶ池(おじゃがいけ)という灌漑用貯水池の近くの田んぼの中にありました。赤人塚となっています。ここは、昔から地元では赤人の墓として伝わっており、円墳があったようです。写真の左がその墓石だそうです。時代が流れ、円墳が削られ田んぼになり、古くからある石碑(写真左)の横に、平成8年に、右の歌碑が建てられたようです。なお、写真の奥に見えるのは池ではなくて田んぼです。

千葉県東金市

歌は、「田子の浦ゆ・・」(巻3-318)です。田子の浦は、駿河国(静岡県)蒲原、由比あたりの海岸とするのが主流ですが、なぜ房総のこの地に「田子の浦ゆ・・」が刻まれているのか、という理由は、例えば鋸南町のホームページの町報歴史資料館 に書かれています。

それによると 江戸時代後期のある学者が、山部赤人は上総山辺郡(現在の東金市と周辺)生まれであること、内房の勝山港(鋸南町)の田子台の下の海が当時田子の浦と呼ばれていたことから、この歌は上総から富士を眺めて詠んだものと唱えたことによるようです。しかし、赤人上総出身説は根拠が薄いため、この説は広く認められてはいません。

そんなことを言われると、赤人伝説が否定されてしまいますが、赤人が故郷から都へ向かう時に、内房の浦から富士を眺めた、なんて風景を想像するのはいいですね。

田子(たご)の浦(うら)ゆ うち出(い)でて見れば 真白(ましろ)にそ 不尽(ふじ)の高嶺(たかね)に 雪は降りける (巻3-318) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(作者) 山部赤人。

(大意) 田子の浦を通って広いところに出てみると、真白に富士の高嶺に雪が降っているなあ。

所在地

千葉県東金市田中 までしか分かりません。JR東金線東金駅の西側約3kmの辺りです。正確な場所は、地図を参照して下さい。地図のマークのところにあります