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群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑

群馬県高崎市山名町にある石碑之路(いしぶみのみち、高崎自然歩道)を歩いてきました(2010/5)。下の写真のガイドマップによると、石碑の路には27基の万葉歌碑があるように読めますが、万葉歌碑ではない石碑も数えているようです。

群馬県高崎市山名町石碑之路のガイドマップ

ここでは、季刊万葉情報誌ウォーク万葉 の「上州”多胡・佐野”コース」に従い、山之上碑への階段下にある歌碑(上のガイドマップの4の碑)を第1番として数えることにします。今回は、ガイドマップのオレンジ色の歌碑(5を除く)と、緑色の歌碑、計15基を確認しました。その他の歌碑は確認できていません。又の機会に訪ねたいと思っています。

以下、順に、歌碑の写真とそれに刻まれている歌を記載します。

 

第1番 「吾(あ)が恋は」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第1番

吾(あ)が恋は 現在(まさか)もかなし 草枕 多胡(たご)の入野(いりの)の 奥(おく)もかなしも (巻14-3403) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 私の恋は今も切ない。多胡の入野の奥ならぬ、行く末も切ない。

 

第2番 「日の暮(ぐ)れに」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第2番

日の暮(ぐ)れに 碓氷(うすひ)の山を 越ゆる日は 夫(せ)なのが袖(そで)も さやに振らしつ (巻14-3402) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 碓氷峠を越える日は、夫が袖をはっきりと振ってくださった。

 

第3番 「明日香川(あすかがは)」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第3番

明日香川(あすかがは) 堰(せ)くと知りせば あまた夜(よ)も 率寝(ゐね)て来(こ)ましを 堰くと知りせば (巻14-3545) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 明日香川が渡れなくなると知っていたら、幾夜も泊まってくるのだった。渡れなくなると知っていたら。

 

第4番 「遠しとふ」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第4番

遠しとふ 故奈(こな)の白嶺(しらね)に 逢(あ)ほ時(しだ)も 逢はのへ時(しだ)も 汝(な)にこそ寄(よ)され (巻14-3478) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) (遠くにあるという故奈の白嶺で)会うときも逢わないときも、貴女だけに心が引き寄せられている。

 

第5番 「小竹(ささ)の葉は」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第5番

小竹(ささ)の葉は み山もさやに 乱(さや)げども 我れは妹思ふ 別れ来(き)ぬれば  (巻2-133) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 小竹の葉は山の中を風でざわめいているが、私は妻のことだけを考えている。妻を置いて別れてきたので。

 

第6番 「紫草(むらさき)の」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第6番

紫草(むらさき)の 根(ね)延(は)ふ横野(よこの)の 春野(はるの)には 君を懸(か)けつつ 鶯(うぐひす)鳴くも (巻10-1825) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 紫草が根をのばす横野に春が来ると、貴女を思っているかのように鶯が鳴いている。

 

第7番 「妹(いも)をこそ」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第7番

妹(いも)をこそ あひ見に来(こ)しが 眉引(まよびき)の 横山辺(へ)ろの 鹿猪(しし)なす思(おも)へる (巻14-3531) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) あの子に逢いたくて来たのに、それを家の人は私のことをあたかも横山あたりの鹿か猪のように思っているとは。

 

第8番 「利根川の」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第8番

利根川の 川瀬(かはせ)も知らず ただ渡(わた)り 波にあふのす 逢へる君かも (巻14-3413) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) (利根川の浅瀬がどこにあるかも分からずにずまっすぐ渡って波にぶつかるように)ひたむきに逢いに来て、わが君に逢えました。

 

第9番 「わが家(いは)ろに」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第9番

わが家(いは)ろに 行(ゆ)かも人もが 草枕 旅は苦しと 告(つ)げ遣(や)らまくも (巻20-4406) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 我が家に行く人がいてくれるといいのだが。旅は辛いものだと伝えたいものだ。

 

第10番 「伊香保(いかほ)ろの」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第10番

伊香保(いかほ)ろの 八尺(やさか)の堰塞(ゐで)に 立つ虹(のじ)の 顕(あらは)ろまでも さ寝(ね)をさ寝(ね)てば (巻14-3414) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) (伊香保の山の高い堰に立つ虹のように)人目につくまで供寝を続けていたならば、、、 。

 

第11番 「伊香保嶺(いかほね)に」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第11番

伊香保嶺(いかほね)に 雷(かみ)な鳴りそね わが上(へ)には 故(ゆゑ)はなけども 子らによりてそ (巻14-3421) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 伊香保の山に雷よ鳴ってくれるな。私には支障はないが、私の恋人のためだぞ。

 

第12番 「上野(かみつけの」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第12番

上野(かみつけの) 可保夜(かほや)が沼(ぬま)の いはゐ蔓(つら) 引かばぬれつつ 吾(あ)をな絶えそね (巻14-3416) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) (上野の可保夜が沼のいはゐ蔓(つら)のように引けば抜けて)私と切れることはあってくれるな。

 

第13番 「上野(かみつけの」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第13番

上野(かみつけの) 佐野の茎立(くくたち) 折りはやし 吾(あれ)は待たむゑ 今年来(こ)ずとも (巻14-3406) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 上野の佐野の青菜を折って飾り、私は貴方を待ちましょう。例え今年来ないとしても。

 

第14番 「夕闇(ゆふやみ)は」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第14番

夕闇(ゆふやみ)は 路(みち)たづたづし 月待ちて 行(い)ませ我が背子(せこ) その間(ま)にも見む (巻4-709) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 夕闇は路が確かではありません。月が出るのを待ってお出かけなさい。貴方。その間、貴方を見ていたいのです。

 

第15番 「伊香保(いかほ)風(かぜ)」

群馬県高崎市山名町石碑之路の万葉歌碑 第15番

伊香保(いかほ)風(かぜ) 吹く日吹かぬ日 ありと言へど 吾(あ)が恋のみし 時なかりけり (巻14-3422) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 伊香保おろしは吹く日と吹かない日があるのに、この苦しさはいつもいつも絶えず私を襲うのだなあ。

 

所在地

群馬県高崎市山名町。

行き方

上信電鉄山名駅からスタートします。