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香川県丸亀市中津万象園の万葉歌碑

香川県丸亀市にある中津万象園を訪ねてきました。中津万象園は、1688年藩主の京極高豊が創設したもので、とても素晴らしい庭園になっています。その中には、丸亀美術館が開設されており、又、柿本人麿の万葉歌碑があります。なお、訪れたのは2010年2月で若干季節外れではありました。

万象園に置かれた歌碑の写真を下に示します。この歌碑には、柿本人麿の万葉集巻2−220〜222の長歌とその反歌2首が刻まれています。長歌には、中乃水門(ナカノミナト)から船を漕ぎ出して、、、とあります。万象園の脇を流れる金倉川の河口がナカノミナトと呼ばれたようです。なお、ここの地名は現在中津町ですが昔は那珂郡だったとのこと。

中津万象園

中津万象園原文

玉藻よし 讃岐の国は ・・・ 愛(ハ)しき妻らは  (中略) (巻2-220) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 長歌の前半では、讃岐を賛美し、中段では、波や風の激しい自然の厳しさを詠っており、後半では、岩の間に死人を見て、その人の親や妻のことに思いを馳せている。

妻もあらば 採(つ)みてたげまし 佐美の山 野の上(へ)のうはぎ 過ぎにけらずや (巻2-221) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 妻がいたら、二人で摘んで食べていただろうに。佐美の山の野に生えた嫁菜(ヨメナ)は摘むにはもうすっかり時期が過ぎてしまってはいないだろうか。

沖つ波 来よる荒磯(ありそ)を敷栲(しきたへ)の 枕と枕(ま)きて 寝(な)せる君かも (巻2-222) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) あなたは、沖の波がうち寄せる荒磯を枕にして寝ていらっしゃるのですね。

所在地

丸亀市中津町25−1 中津万象園 (歌碑→ 地図のマークの辺り)

行き方

香川県の予讃線の讃岐塩屋駅から歩いて10分ちょっとのところに中津万象園があります。金倉川の河口の脇です。歌碑は、万象園の入口を入ってすぐのところにあります。