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静岡県熱海市梅園町熱海梅園の万葉歌碑

静岡県熱海市の熱海梅園に、万葉の草花にちなんだ歌の刻まれた8基の歌碑があります。

下の写真は熱海梅園のマップです。この地図の上中央の少し左のBが中山晋平記念館です。

静岡県熱海市梅園町熱海梅園マップ

下の写真は、中山晋平記念館の入口です。この門をくぐりぬけたところが前庭で、そこに歌碑があります。

静岡県熱海市梅園町熱海梅園中山晋平記念館

 

 

その1 「いにしへに」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その1

古(いにしへ)に 恋ふる鳥かも 弓弦葉(ゆづるは)の 御井(みゐ)の上(うへ)より 鳴き渡り行く (巻2-111) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 昔を恋うる鳥だろうか。弓弦葉の御井の上を鳴き渡って行くなあ。

 

その2 「うめのはな」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その2

梅の花 今盛りなり 百鳥(ももとり)の 声の恋(こほ)しき 春来たるらし (巻5-834) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 梅の花は今を盛りに咲いている。沢山の鳥の声が恋しい春がやってきたようだ。

 

その3 「ひともとの」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その3

一本(ひともと)の なでしこ植ゑし その心 誰(た)れに見せむと 思ひそめけむ (巻18-4070) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 一本のなでしこを植えた私のその心は、誰に見せようと思いたったのでしょう(貴方にお見せしたかったのです)。

 

その4 「たちておもひ」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その4

立ちて思ひ 居(ゐ)てもそ思ふ 紅(くれなゐ)の 赤裳(あかも)裾(すそ)引き 去(い)にし姿を (巻11-2550) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 立っては思い座っても思う。紅の赤い裳の裾を引いて去っていった姿を。

 

その5 「はるののに」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その5

春の野に すみれ摘(つ)みにと 来(こ)しわれそ 野をなつかしみ 一夜(ひとよ)寝にける (巻8-1424) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 春の野にすみれを摘もうと来た私は、野に心をひかれたので一夜寝てしまった。

 

その6 「もののふの」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その6

物部(もののふ)の 八十(やそ)娘子(をとめ)らが 汲(く)みまがふ 寺井(てらゐ)の上(うへ)の 堅香子(かたかご)の花 (巻19-4143) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 大勢の少女が入り乱れて水を汲んでいる、寺の井のほとりの堅香子の花よ。

 

その7 「ひぐらしの」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その7

ひぐらしの 鳴きぬる時は をみなへし 咲きたる野辺を 行きつつ見べし (巻17-3951) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) ひぐらしが鳴いた時は、女郎花の咲いている野辺を歩きながら見るのがよいでしょう。

 

その8 「あさがほの」

静岡県熱海市熱海梅園の万葉歌碑 その8

朝顔(あさがほ)は 朝露負(お)ひて 咲くといへど 夕影(ゆふかげ)にこそ 咲きまさりけれ (巻10-2104) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 朝顔は朝露に濡れて咲くというが、夕方の光の中でこそ、いっそう美しく咲くなあ。

 

所在地

静岡県熱海市梅園町8 熱海梅園内 中山晋平記念館前庭 (→ 地図のマークの辺り)。

行き方

JR東海道本線来宮駅から県道11号線で西へ600mほどのところに熱海梅園があります。熱海梅園の中央の若干北西よりに中山晋平記念館があり、その前庭に歌碑が置かれています。