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静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径に、万葉の草花にちなんだ歌の刻まれた6基の歌碑があります。

この万葉の小径は、県道に並行して走る八代田林道に200m程度の間隔で置かれています。下の写真は「万葉の小径」であることを示す石碑です。

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径

 

以下、順に各歌碑を載せます。なお、各歌碑には副碑が並んで置かれており、歌の大意と、主題となっている草花の説明が刻まれています。ここでは、副碑の写真は省略します。

その1 「すみれ」

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑 その1

春の野に すみれ摘(つ)みにと 来(こ)しわれそ 野をなつかしみ 一夜(ひとよ)寝にける (巻8-1424) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 春の野にすみれを摘もうと来た私は、野に心をひかれたので一夜寝てしまった。

 

その2 「つゆくさ」

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑 その2

朝露に 咲きすさびたる 鴨頭草(つきくさ)の 日(ひ)くたつなへに 消(け)ぬべく思ほゆ (巻10-2281) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 朝露に咲き盛っていた鴨頭草(つきくさ)が日が傾くとともにしぼんでいくように、私の身も消えてしまいそうに思われる。

 

その3 「いちし」

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑 その3

道の辺(へ)の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我が恋妻(こひづま)を (巻11-2480) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 道のほとりのいちしの花のように、はっきりと人は皆知ってしまった。私の恋妻を。

 

その4 「おみなえし」

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑 その4

手に取れば 袖(そで)さへにほふ をみなへし この白露(しらつゆ)に 散らまく惜(を)しも (巻10-2115) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 手に取ると袖までもが色に染まる女郎花がこの白露に散ってしまうことが惜しいなあ。

 

その5 「やまたちばな」

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑 その5

この雪の 消(け)残(のこ)る時に いざ行かな 山橘(やまたちばな)の 実の照るも見む (巻19-4226) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) この雪の消え残る時にさあ行こう。山橘の実の照るのも見よう。

 

その6 「くず」

静岡県伊東市八代田林道万葉の小径の万葉歌碑 その6

夏葛(くず)の 絶えぬ使(つかひ)の よどめれば 事(こと)しもあるごと 思ひつるかも (巻4-649) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(大意) 夏の葛のように、絶えることのなかった使者が最近絶えてしまったので、なにか事があったのかと思ってしまいました。

 

所在地

静岡県伊東市鎌田1250 (→ 地図のマークの辺り。大体の位置です)。

行き方

伊豆急行線南伊東駅から南西へ1kmあまりのところにある八代田変電所が一先ずの目印です。南伊東駅近くを通る県道12号線で南西へ1kmあまり進むと八代田変電所に入る道があり、その道に橋(名称不明)が掛かっています。その橋を渡ってすぐ左折(南方向へ)すると川の左岸の上り坂になります。これが八代田林道です。この道を400mほど進むと「万葉の小径入口」の石碑があります。その先500mほどのところに最初の歌碑があります。但し、最初の歌碑だけはこの道沿いにはありません。この道から川に下りる細い道を下ったところにあります。ペンションの数十m手前に、川におりる細い道があります。他の歌碑は、林道に沿って置かれています。