静岡県富士市田子の浦港の万葉歌碑
静岡県富士市田子の浦港には度肝を抜く万葉歌碑があります。聳えるような柱状の石碑が何本も立っており、山部赤人の富士山の長歌と反歌が刻まれています。下の写真です(2010/7)。
歌
天地(あめつち)の 分(わか)れし時ゆ 神(かむ)さびて 高く貴(たふと)き 駿河(するが)なる 不尽(ふじ)の高嶺(たかね)を 天(あま)の原 (はら) 降(ふ)り放(さ)け見れば 渡る日の 影(かげ)も隠(かく)らひ 照る月の 光も見えず 白雲(しらくも)も い行きはばかり 時じくそ 雪は降りける 語り継(つ)ぎ 言ひ継ぎ行かむ 不尽の高嶺は (巻3-317) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 天地の分かれた時から神々しく高く貴い富士の高嶺に天遠く目をやると、空を渡る太陽の光も隠し、照る月の光も見えず、白雲も行きとどこおり、絶え間なく雪は降る。語り継ぎ、言ひ継いで行こう。富士の高嶺を。
田子(たご)の浦(うら)ゆ うち出(い)でて見れば 真白(ましろ)にそ 不尽(ふじ)の高嶺(たかね)に 雪は降りける (巻3-318) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(大意) 田子の浦を通って広いところに出てみると、真白に富士の高嶺に雪が降っているなあ。
所在地
静岡県富士市前田443 (→ 地図のマークの辺り)
行き方
JR東海道本線吉原駅の西1.5km辺りです。東海道新幹線新富士駅からは東へ2kmほどです。潤井川が、国道1号線富士由比バイパスをくぐり、田子の浦港へ注ぎこむあたりです。