翻へせば 雲となり 覆へば 雨となる 十一人,
聖代の侯 一言を 重んず。
古(いにしへ) 自(よ)り 人生 意氣に 感ず,
胸前の碧帶は 男兒の魂。
********************************
|
註: |
|
・翻雲…: |
杜甫詩『貧交行』「翻手作雲覆手雨,紛紛輕薄何須數。君不見管鮑貧時交,此道今人棄如土。」 に拠る。 |
・侯 : |
戦国時代の魏の隠士の名。自分の一言と、その信義のため、自ら言ったとおりに命を絶った故事による。侯 は、七十歳で夷門(東門)の監者となり、後、信陵君の客となる。信陵君が出陣するとき、侯 は、献策するとともに、老齢ゆえ従軍不能のため、従軍を辞退した。しかし、信陵君が目的地に着到すると思われる日に、自刎して公子(信陵君)を送ろうと言い、その言の如く自殺した故事に拠る。魏徴詩『述懷』 にも出る。『史記・魏公子列傳』に「魏有隱士曰侯年七十,家貧,爲大梁夷門監者。公子聞之,往請,欲厚遺之。不肯受,曰:“臣身藉行數十年,終不以監門困故而受公子財。”公子於是乃置酒大會賓客。…於是公子請仇亥。仇亥笑曰:“臣乃市井鼓刀屠者,而公子親數存之,所以不報謝者,以爲小禮無所用。今公子有急,此乃臣效命之秋也。”遂與公子倶。公子過謝侯生。侯生曰:“臣宜從,老不能。請數公子行日,以至晉鄙軍之日,北向自剄,以送公子。”公子遂行。」 とある。 |
・自古…: |
魏徴詩『述懷』「中原初逐鹿,投筆事戎軒。縱橫計不就,慷慨志猶存。杖策謁天子,驅馬出關門。請纓繋南越,憑軾下東藩。鬱紆陟高岫,出沒望平原。古木鳴寒鳥,空山啼夜猿。既傷千里目,還驚九折魂。豈不憚艱險,深懷國士恩。季布無二諾,侯 重一言。人生感意氣,功名誰復論。」 に拠る。 |
・碧帶: |
ブルーリボン。拉致被害者の救出を目指す組織のバッジ。リボン。 |