老子談國防
承平常照八洲仁, 雖有甲兵無所陳。 君不聞小國寡民是大憲, 協和信倚四邊民。 |
承平 常(とこしへ)に照らす 八洲(はつしう)の仁, 甲兵 有りと雖(いへど)も 陳(つら)ぬる所 無し。 君 聞かずや 小國 寡民は 是れ 大憲にして, 協和は 信倚す 四邊の民に。 |
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※兵衛府が兵部省に昇格するとの報道に接し、詠じた。 老子が国の護りについておっしゃった: 平和を希求する日本の精神は明瞭であり、 武装は、しているとはいえども、これを繰り広げることは欲しない。 貴君も御存知のことだろうが、「小国寡民」(国民主権、恒久の平和、基本的人権の尊重)は、重んずべき国憲にして、 平和については、(平和を愛する)周辺の諸国民を信頼し、以て万世のために太平を開かんとするものである、と。 ---------------------- |
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・承平: | 平和。 |
・八洲: | 大八洲(國)。日本のこと。ここでの「八洲」(●○)は、平仄の関係から採用した。「大和」(●○)でも可。ここは「扶桑」(○○)、「神州」(○○)、また「日本」(●●)では不可。 |
・陳: | 並べる。繰り広げる。しく。また、のべる。ここは、前者の意。 |
・甲兵: | 武器。 |
・小国寡民: | 平和主義の理想郷。 |
・信倚: | 信頼する。『日本国憲法・前文』の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」(We have determined to preserve our security and existence, trusting in the justice and faith of the peace-loving peoples of the world.)に拠る。 |
・四邊民: | ここでは、前出・「諸国民」を謂う。 |
平成十八年十二月二十九日 |
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