靑篷伯夷
園叢叔齊幽隱蓑， 落木深深深幾何。 孤笛忽聞林裏冽， 山鷹雲上孤旋渦。 |
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| 園叢の叔齊 幽隱の蓑， 落木 深深として 深きこと 幾何（いくばく）ぞ。 孤笛 忽（たちま）ち聞こえ 林裏に 冽たり， 山鷹（さんよう＝コンドル） 雲上に 孤（ひと）り 旋（まは）り 渦（めぐ）る。 ******************************** |
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| 公園の南端は深い森になっている。深い落ち葉に埋もれた小径を辿っていくと、どこからともなく『コンドルは飛んでいく』の笛の音が聞こえてきた。ブルーテントの人が吹いている。美事である。森の梢にメロディーが吸い込まれていく。 落ち葉の小径と、誰聞くともない哀しげな曲。 欧陽脩（或いは李清照）の一節の意を借りて一首を作る。 |
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| ・山鷹： | 『コンドルは飛んでいく』の漢名。女子十二楽坊のCDにある。元は、南米の原住民のスペインに対する抵抗の歌という。 |
| ・靑篷： | ブルーテント。 |
| ・伯夷、叔齊： | 殷・周の間の隠棲をした人物名。 |
| 平成十八年十二月三十日完 十六日原 |
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