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十二月八日海鳴



朔北單冠今怎望,
濤聲訴我幾興亡。
波間旭日圖南艦,
一去未還堪斷腸。






                                                                                                          
朔北(さくほく)單冠(ひとかっぷ)  今 (いかで)か望まん,
濤聲(たうせい) 我に訴ふ  (いくばく)の 興亡ぞ。
波間( は かん)旭日(きょくじつ)  圖南( と なん)の艦,
一たび去りて (いま)(かへ)らざるは  斷腸に()へんや。

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 今日、テレビの歌謡番組で『ダンチョネ節』を聴いた。「ダンチョネ」とは「断腸ね」ということを知った。
 その驚きの詩。
今日は今から七十年前のこの日、昭和十六年十二月八日に大日本帝国海軍の機動部隊がハワイの真珠湾を攻撃し、太平洋戦争が始まった日。
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・朔北: きた。北方。
・怎望: どうして望めようか。北方領土の択捉(えとろふ)島は、現在望むべくもないところにあることを謂う。 「怎」:どうして。なぜ。いかでか。
・單冠: 択捉(えとろふ)島の中部にある単冠(ひとかっぷ)湾のこと。帝国海軍の機動部隊が結集した所であり、終結後、真珠湾攻撃に出撃した所。
・旭日: 朝日。また、旭日旗。帝国海軍の軍艦旗であり、帝国陸軍の軍旗。
・圖南: 〔となん;tu2nan2○○〕大事業を企てる喩え。鵬(ほう)という大きな鳥が翼をはばたいて九万里も空高く舞い上がり、南の海へ飛ぼうとしたたとえ話。また、後出・伊達政宗の詩では、南蛮征伐とをかける。『莊子・逍遙遊』のやや後の部分に「故九萬里則風斯在下矣,而後乃今培風,背負天,而莫之夭閼者,而後乃今將圖南。」とある。日本・伊達政宗の『偶成』に「邪法迷邦唱不終,欲征蠻國未成功。圖南鵬翼何時奮,久待扶搖萬里風。」とある。
・一去-: 燕・荊軻の『易水歌』に「風蕭蕭兮易水寒,壯士一去兮不復還。」とある。

平成二十三年十二月八日




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