十六字令 | ||
伊勢丘人 | ||
歡。 一日勞劬今夕餐。 三分醉, 紅蕾綻枝端。 |
歡 び。
一日 の勞劬 今夕 の餐 。
三分 の醉 ,
紅蕾 枝端 に綻 ぶ。
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◎ 私感註釈
※伊勢丘人:1943年生。備後福山在住。
※十六字令:詞牌の一。填詞中最短の詞牌。
※歡:よろこばしいことだ。 ・歡:(うれしがって声や気持ちに表して、にぎやかに)よろこぶ。
※一日勞劬今夕餐:一日の苦労に(対して)、今宵(こよい)のごちそう(は)。 ・勞劬:〔らうく;lao2qu2◎○〕骨折り疲れる。 ・今夕:今宵(こよい)。 ・餐:〔さん;can1○〕たべもの。ごちそう。
※三分醉:少しばかりの酒の酔いに(赤く火照り)。 ・三分:少しばかり、わずかばかりの謂い。 ・分:〔ふん;fen1○〕少し。少しばかり。わずか。単位。度合い。
※紅蕾綻枝端:(更に喜ばしいことは、同じように)枝先に赤いつぼみがほころび始めている。 ・紅蕾:赤いつぼみ。 ・綻:花が咲きかける。ほころぶ。晩唐/蜀・韋莊の『浣渓沙』に「淸曉妝成寒食天,柳球斜裊間花鈿,捲簾直出畫堂前。 指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,含顰不語恨春殘。」とある。 ・枝端:枝先。
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◎ 構成について
十六字令。単調。十六字。平声一韻到底。韻式は「AAA」。。『十六字令』は、『歸字謠』、『蒼梧謠』ともいう。この『歸字謠』は、『歸自謠』や『歸國謠』とは異なる。韻脚は「歡餐端」で、詞韻第七部平声。
○(韻)。
●○○●○(韻)。
○○●,
●●○○(韻)。
平成23.2.4 |
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