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 これは風散士雅兄の詩で、読みも風散士雅兄のものです。
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次韻『唐國漢詩初心者』大人明智光秀而作天王山決戰

連歌墨蹟未乾秋、
智將叛心窮僻幽。
京洛屯營破麾下、
備中反撃忘豼貅。
瓢旗正道生雄志、
梗旆邪謀受復仇。
ゥ戰輸贏存大義、
古今江水向低流。




連歌れん が の墨蹟 未だ乾かざるとき
智将の叛心はんしん 僻幽へきいうに窮まる。
京洛の屯営 麾下きかを破るも、
備中の反撃 豼貅 ひ きうを忘る。
瓢旗へう き の正道は 雄志を生み、
梗旆きゃうはいの邪謀は 復仇ふくきうさる。
諸戦の輸贏 ゆ えいは 大義に存し、
古今 江水は 低きに向かって流る。  

               *********

・天王山: 京都府大山崎町にある山、1582年羽柴秀吉と明智光秀との決戦場。
・連歌: 和語。「時はいま 雨が下しる 五月かな」をさす。
・未乾: 梅雨どきを意識する。
・僻幽: 片田舎、領地の丹波亀岡城下をさす。本能寺の変の出発地。
・屯営: 本能寺。
・麾下: ここでは織田信長の僅かの旗下。
・備中: 鴻儒頼山陽は「本能寺」の結句にこのように詠じている。『敵は備中にあり 汝よく備えよ』
・豼貅: 勇猛な将士。ここでは秀吉勢をさす。
・瓢旗: 秀吉の旗印の千成瓢箪。
・梗旆: 光秀の旗印の桔梗紋。
・輸贏: 勝敗。

※参照:

※この作者『唐国漢詩初心者』大人は『初心者』と謙遜されていますが、何の何の。「豼貅」の対語として「獬豸」と使用されています。小生は「豼貅」は認識していましたが、『獬豸カイチ、カイタイ・一つの角をもつ、鹿に似た神獣。人の曲直を知るという』を存じませんでした。大人は他国である日本の歴史を実に細かく研究されています。小生が玉韻に次するには中国の歴史を賦するのが礼儀でありますが、如何せん膚学の小生には学習不足ですので、拙詩をもってご寛容をお願いいたします。
                                              風散士
2009.7.4




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