本サイトは情熱的な宋詞を中心とした詩詞の鑑賞と解釈のページです。初めて訪れて下さった方のために、次に簡単に「詩詞」の意味を述べさせて頂ます。(パスの人は、ここを押す) 広義の「詩」は詩経を始めとして、広く韻文を指しますが、狭義の「詩」は、唐代に隆盛を極めた中国の韻文形式を指すでしょう。それ故、これを唐詩と呼んだりもします。もっとも、中国では、唐代に作られた詩だけをそう呼んでいます。 唐詩の中でも、七言絶句や五言絶句、また、七言律詩、五言律詩等の形式の近体詩(今体詩)が有名です。 「詩詞」として並べて云う場合は、主に後者を指すでしょう。 日本でも漢詩と呼んでいるものの多くは、この近体詩です。もっとも、日本語の「漢詩」の呼称は、「和歌」という名称に対応した呼び名であって、「中国古典詩」というわけで、唐詩以外の詩の形式が混じる場合も当然ありますが、日本人の感覚としては、ここはあまり厳密にしても意味がうすいようにも感ぜられますが…、如何なものでしょうか。 この詩形が日本では、隆盛を極めました。 「詞」は、別名「填詞」とも言われます。宋代に詞の名人・名作が輩出し、それに因んで「宋詞」とも呼ばれています。但し、中国では、宋代の詞だけを指します。詞は形から謂えば、唐詩のように一句の文字数が五字や七字という風には決まっていない、長短句入り混じった変化に富んだな形式で、その種類だけでも八百種類以上あります。また、詩よりも格段に複雑な規制があります。これは「歌詞」として発達したことからの制約なのでしょうか。詞は、詩を作る手すさびとして作ったためとも謂われて「詩餘」の名もあります。なお、「填詞」の名称は、作り方に基づいて生まれた呼び方です。 詞は、内容からいっても、詩とは全然違った感情を詠みます。「詞」を「小唄」「端唄」等と訓んでみたりすることからも分かるように、嫋々としたもの、艶麗なもの、豪胆なもの等と、詩とは、趣を異にしたものを うたい込みます。詞には、詩とはまた異なった別の天地があります。それは、喩えれば、「春雨に煙る柳の堤を眺める乙女の風情…」の世界でしょうか。それ故か、日本では、やはりマイナーな存在になっています。 「詩詞」という言い方は「唐詩・宋詞(の形式)」つまり「近体詩・填詞」というのと余り違いがないようです。なお、「詩」と「詞」の日本語での発音は、共に「し」で同じなので、わたしたちは、この両者を共に話題に上せる場合、上記のような言い方で区別をしていますが、中国人にとっては、「詩」(シー:陰平)と「詞」(ツー:陽平)は、発音と声調が全く違うので、誤解の生じない限りは「詩」や「詞」と、簡単に謂っても問題はないようです。 それでは、唐詩宋詞の風雅な世界にひたって、堪能していただきましょう。
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99. 4月 9.15改 10.18改 00. 5.11補 7.21補 03. 7. 2補 |
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