
2025年の静岡ホビーショー時期に限定受注された、コッペルと客車・貨車のセットです。機関車はやさしいキット方式になっています。

今までのコッペルの限定受注品と異なり、しっかりした紙箱に収められています。
出し入れもしやすいので、使い勝手もよさそうです。見た目もたいへん楽し気です。
貨車・客車は今まで発売された製品や、その番号違いでまとめられていますが、機関車は新作です。

車両を箱から取り出すと、底のスポンジの下に客車・貨車のパーツと説明書が収まっています。
車両の分解や部品の取り付けは説明書に詳しく書かれているので、それを読めば特に迷うところはありません。どの部品を使おうかという迷いは別として…。

このセットの目玉のコッペル4号機です(写真は未塗装・車輪をはめ込んだだけの未組立)。車輪も付属します。
機関車(ダミー)はトーマモデルワークス製の3Dプリント一体造形で、ロッドもキャブ室内機器も一体です。
後ろの有蓋車ワ105動力車とのセットで、幽霊方式※の機関車を形成します。
※小さな機関車にモーターを積まず、その後ろの車両に仕掛けて、いかにも機関車が牽引しているように見せる方式。明らかにモーターが入っていないように見えてしまうより、ひょっとしたら入っているのでは? と思わせるような作り方ができると面白い
写真の手前にあるのは付属の底板とドローバーです。

複雑な配管類も全部浮いた状態で造形済。3D造形の得意とするところですね。
とはいえ、トーマモデルワークスのようにノウハウを積んできた会社でないと、製品として使える造形物を得るのはなかなか難しいと思います。自分一人が使うだけのものなら、ある程度できると思いますが。
ダミーですのでロッドは左右対称のようです。車体のサポートはほとんどきれいに取り除かれています。

機関車の底板(車輪押さえ)は、造形ベース部分からカッターなどで切り離します。慎重にやったつもりでしたが、ちょっと欠けてしまいました。
超音波カッターではなく普通のデザインナイフでやりました。
客車、貨車にも最低限カプラーの取り付けは必要です。

光造形の車体と底板、ドローバーを黒で塗装しました。全体的にはアクリジョンのブラックとつや消しブラックを混ぜました。アクセントを付けようと窓周りの木部のみつや消しにしたのですが、ほとんど効果が出ませんでした。

後部にドローバーを差し込んで付属のネジで留めました。特にタップでねじ切りはせず、セルフ・タッピングの要領で付属のネジを直接ねじ込みました。

軸受けに付属の5.0mm車輪を入れ、底板をネジ留めしました。これでダミー機関車側は終わりです。

ダミー機関車と動力貨車はドローバーによる連結になります。私はそれ以外の箇所はアーノルドカプラーにしました。
動力ユニットの様子も見たかったので、上廻りを取り外してからカプラーを取り付けました。

動力部の裏側です。ギヤがたくさんあるので一見2軸駆動に見えますが、1軸駆動です。車体にはウエイトがしっかり入っていますが、やはり1軸なので5両全部を連結すると空転しがちです。説明書でも、始動時は軽く車両を押すことをすすめています。

前方のドローバーフックはそのまま下から床板にはめ込みました。
後方のアーノルドカプラーはカプラーポケットに入れ、下からはめ込ました。

客車のカプラーは、上廻りを外し、上から床板にはめ込みます。
そのままですとカプラーが少し垂れ下がってしまうので、極薄のプラ板を上から重ねて、カプラーの根元が浮かないように押さえました。

私はカプラー取り付けぐらいしかしなかったので、これで終わりですが、客車のベンチレーターなど数多くの部品が付属しています。

前からコッペル4号機+木造有蓋車ワ105、木造2軸客車フハ4・5(後期・鋼板仕様)、木造有蓋緩急車ワフ102です。
宮崎交通コッペル4号機+ワ105
(拡大写真)
走る機関車として扱ううえで、この2両は不可分です。
ロッドが固定式なので、なるべく目立たないようにロッドも黒塗装にしました。それでもただ押されている感じは争えません。



走りのほうは、1軸駆動なこともあり、あまり大きく減速できていないこともあり、まあそれなりです。
出発のときには少し手を出して、スローでがんばったりはせず、すぐにやや速めの速度まで持っていったほうが快適に走れる様子でした。できればポイントもないほうがいいです。通過のたびにはらはらドキドキです。

トーマモデルワークスは13年前(2012年)すでに金属キットで宮崎交通コッペル4号機を発売しています。
→宮崎交通コッペル4号機の組み立て

前が自走式の金属製品、後ろが今回の津川洋行のダミー(トーマモデルワークス製造)です。

奥の金属製品も非常に小さな模型ですが、手前の3Dプリント品はさらに小さいですね。

先月再生産された、トーマモデルワークスの日車Cタンクと。
これぐらいの、手軽に組み立てられてすぐ遊べるキット/セットは息抜きとしてぴったりですね。
走らせてもいいですが、一般的なレイアウトではそれほど実用的というわけではないので、きれいに仕上げて飾っておくのも楽しいかなと思います。
