月刊短波2019年10月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間 JST




◎Vatican Radio特別放送 第4版新規
 
Vatican Radioは10月13日にサンピエトロ広場で行われる「Holy Mass with Canonizations and Angelus」の特別中継放送を実施する。スケジュールは以下の通り。送信所はSt.Maria di Galeria、出力は250kW。
 10/13 17:00-19:00 15575 206度 アフリカ西部向フランス語 17635 165度 アフリカ南部向ポルトガル語  17865 86度 南アジア向英語
 このミサではJohn Henry Newman、Giuseppina Vannini、Maria Teresa Chiramel Mankidiyan、Dulce Lopes Pontes、Margarita Baysの各聖人が祝福される。(SWL Bulgaria News 10/11-12)

◎Reach Beyond日本語放送B19より周波数変更 第4版新 規
 Reach Beyond(HCJB)日本語放送の尾崎一夫師からの情報によると、同局の夜の日本語放送の周波数が10月27日からのB19シーズンでは25mbの 11905kHzに変更される。朝の放送には変更がない。
 07:30-08:00 15410 土・日 HCJB日本語放送 月~金 いのちのみことば
  20:00-20:30 11905 土・日 HCJB日本語放送
(京都府 永野正和氏)

◎Radio Thailandの暫定英語放送スケジュール 第3版新規
 
フィンランドのMauno Ritola氏によると、Radio ThailandのWorld Serviceは10月1日より一部の外国語放送を一時停止し、代わりに英語放送の時間を拡張した。英語放送の暫定スケジュールは以下の通りである。
 09:00-09:30 09:30-10:00 11:00-11:30 15590
  14:30-15:00 17640
  20:45-21:00 5875
  21:30-22:00 22:00-22:15 23:00-23:30 9390
  04:00-05:00 05:00-05:15 05:30-05:45 9920
(DXLD 1939) 日本語、ドイツ語、ビルマ語の放送が英語に置換えられています。

◎Unique Radioは9月23日より復旧 第3版修正
 
オーストラリアのUnique Radio社長Timothy Gaynor氏によると、同局はWINB中継も含めて放送の全面停止が続いていたが、9月23日より、5045kHzと3210kHzで放送を再開した。 (DXLD 1939) 資金の目処が立ちアンテナの破損を修理したためと思われます。

◎フランス・ヨットレースで特別短波気象放送 第2版新規
 
フランスのRemy Friess氏にようrと、フランス中部の大西洋岸ラ・ロシェルとカナリア諸島との間で10月2日より行われるヨットレース「Mini Transat La Boulangere」の期間中、気象情報を提供する特別短波放送が実施される。実施団体はBureaux Le Sextant, Local 23 / Collectif Rochelais Mini Transat, 1, rue de la Trinquette, 17000 LA ROCHELLE, Franceである。
 英国のDave Kenny氏によると、放送期間は10月1日~10月14日で、HFCCには次のスケジュールが登録されている。送信所はIssoudun、出力はAMが 250kW、DRMが100kWである。
  00:00-01:00 5970AM 6105DRM 13730AM 15300DRM
  実際に確認されているのは5970kHzで、10分間の気象通報が繰り返し放送されている。(WWDXC TP 1399)




◎令和版BCLマニュアル増刷に 第2版新規
 
発売直後に売り切れてしまった電波新聞社「令和版BCLマニュアル」の増刷が決定され、10月15日に発売が開始される。価格は税 込みで\2,420である。同日から開催されるCEATEC(幕張メッセ、10月18日まで、オンライン登録で入場無料)の電波新聞社ブースでも 販売される。なお日本短波クラブ(JSWC)の会員には特別価格で郵送される。(JSWC   大武逞伯理事) JSWC会員の申込方法・価格は日本短波クラブの項を参照して下さい。

◎All India RadioのHPに日本語・スペイン語・ドイツ語ページ新設 ~podcastも提供!
 
ドイツのHansjoerg Biener博士によると、All India RadioのHP(http://airworldservice.org)上にAIR海外放送では行っていない、日本語、スペイン語、ドイツ語のページ が掲載されている。テキストの他podcastも提供されている。(DXLD 1937) 日本語は「LANGUAGE SERVICES」の中から「旧本人」(意味不明!)を選択すると見ることが出来ます。日本語のpodcastも提供されており、9月末現在8月25日 制作の「打ち明け話 第三話」が公開されています。インド人アナウンサーのようです。

AIR HPの日本語画面


◎Radio Nacional da Amazoniaは廃止に

 ドイツのWolfgang Bueschel氏が、ドイツのTV局の報道として伝えたところによると、ブラジルのBolsonaro政権は国営企業の民営化または廃止を行う方針で、 その中にはRadio Nacional da Amazoniaも含まれる。同局の放送対象エリアであるアマゾンは商業メディアには魅力がないため、同局は廃止される公算であり、この地域からはラジオ が消滅し、メディアが存在しなくなりそうだ。現在11780kHzは聞こえていないが6180kHzは受信されている。(WWDXC TP 1396)

◎多数のインド局が短波放送廃止に
  インドのJose Jacob氏によると、インドでは7-8月に多くの短波局が送信を停止した。短波送信を停止したのは以下の局である。*は短波全面廃止。
     Aligarh 250kW×2 7/30廃止
     Bengalulu 500kW×1 8/23廃止
     Kurseong 50kW(4895/7230kHz) 7/30廃止*
     Mumbai 100kW(7340/11935kHz)  8/23廃止*
     Delhi Kampur 250kW×6 7/30廃止*
     Panaji 250kW×1 7/30廃止
     Shillong 50kW(4960/7355kHz) 8/23廃止*
     Port Blair 4kW(4760kHz) 8/23廃止*
  Mumbai送信所の100kW送信機廃止に伴い同送信所から行われていたAIR国際放送の以下の送信が停止された。
 09:25-13:30 17:30-20:30 7340 ウルドー語、21:30-24:00 7340 シンディ語、00:00-01:00 7340 バルチ語、02:45-04:45 11935 アフリカ東部向英語。
(WWDXC TP 1396) 
    Jose Jacob氏によると、9月6日現在確認できている短波局は以下の通り。
    Aligarh 250kW×2 海外向放送・Vividh Bharati用
    Bengaluru 500kW×5 海外向放送・Vividh Bharati用
    Bhopal  50kW 4810kHz
     Chennai 100kW×1 海外放送・FM Gold(7270kHz)用 50kW×1 4920 7380kHz
     Gangtok 10kW 4835kHz
      Hyderabad  50kW 4800 7420kHz
      Jaipur 50kW 4910 7325kHz
      Jeypore 50kW 5040kHz
      Leh 10kW 4760 6000kHz
      New Delhi 250kW×1 海外放送用 100kW×2 海外放送用・DRM放送用
    Panaji 250kW×1 海外放送用
    Srinagar 50kW 4950kHz(Radio Kashmir)
     Thiruvanthapuram 50kW 5010
(DXLD 1937) インドの短波放送消滅計画はいよいよ実行段階に入ったと言えます。

◎イタリアRASは3年後にFM放送廃止
 英国のMike Terry氏によると、イタリア・南チロル地方の公共放送RASは3年後にFM放送を廃止することを決定した。2017年以降RASはこの地方にある41 のFM局を廃止したが、今後3年間で残り67局を全廃してDAB+に転換する。FM放送にかかるコストの削減と、古臭い技術にこれ以上投資したく ないのがその理由である。(WWDXC TP 1396) 

◎ルーマニア政府Radio Romania International短波放送廃止を提案 ~ 放送委員会は拒否・当面継続か?
 ルーマニアのCristian Mocan氏によると、同国政府はRadio Romaniaに対して1000万レイの支出カットを要請した。Radio RomaniaのGeorgica Severin会長は、これを受けてRadio Romania International(RRI)の短波送信に必要な費用を送信会社Radiocomに支払わないことを決定し、短波放送は廃止されることになった。 短波は外国人向のもので、ルーマニア国民には不要であり、国内のFM放送網を充実する方が良いというのがその理由である。Radio Romaniaはルーマニア政府から2019年の大統領選挙、2020年の議会選挙に間に合うように目に見えた費用削減を行うように繰り返し要請されてい た。会長の決定に対してルーマニアジャーナリスト組合は8月26日に反対声明を出した。組合では反対理由として国内の政治的理由で海外放送を廃止 するのは不当であること、ルーマニアは世界でユダヤ人の多い国第2位であること、ルーマニアを母国としない人々が国内に970万人もあり、その 人達の母国と結ぶ海外放送が必要であることをあげている。短波放送廃止の決定でRadicomのTiganesti、Saftica、 Galbeniの3短波送信所は廃止され、これらの送信所を使っているRRI以外の5局も影響を受ける。RRIはインターネットで放送を続ける可 能性はあるが、インターネットは外国政府の統制でブロックされやすく、災害や戦乱等にも弱く、ルーマニアの声を世界に届ける手段としては不十分で あると組合は主張している。なおRRIは以上の事態について何も発表していないが、8月26日付のAGERPRES通信社はRadicom社の短 波送信所が廃止されることと、RRIのインターネット上での放送存続を伝えた。(WWDXC TP 1396) 
  ルーマニアのCristian Mocan氏によると、ルーマニアラジオ協会(Romanian Radio Society)は短波であれ中波であれ放送を廃止することには反対であると決議した。更にドイツのHansjoerg Biener博士がRadio Romania Internationalドイツ語部から受け取ったメッセージによると、局のラジオディレクター委員会は短波放送廃止の提案を拒否した。現状で従業員に は短波放送が継続するか否かは伝えられていない。(WWDXC TP 1397)
  ドイツの Hansjoerg Biener氏がRRIのドイツ語部長Sorin Georgescu氏から得た情報では、ルーマニア政府は財政難からRRIの中波・短波の放送を全面的に停止する提案を出してきたが、放送委員会はこれを 拒否した。同時に解決案が出るまで現在の放送を維持するための予算を継続するように要求した。政府がどのように回答したかは不明だが、RRIの短 波放送は当面は継続される見込みである。(DXLD 1938)

◎Radio Thailand日本語放送中断は数ヶ月?
 Radio Thailandは10月1日から日本語放送を中断するとアナウンスしているが、その期間を問い合わせたところ数ヶ月(a few months)という回答であった。長らく中断するとリスナーに忘れられてしまうと抗議したが、日本から大勢が抗議しないとそのまま中止されてし ま う恐れもある。rthworldservice @ gmail.com宛に継続希望のメールを英語で送って欲しい。(JSWC 大武逞伯氏) 昨年は1ヶ月中断しましたがそれ以上であると心配です。
 
◎WBCQ新たな周波数で試験送信
 米国のGlenn Hauser氏によると、9月初めより米国WBCQ局は新たな3周波数12120、15705、17735kHzで新500kW送信機からの試験送信を実 施する。送信出力は50kWから開始して100、150、200、250、500kWと順次増力する。スケジュールは以下の通り。
 18:00-20:57 15705 60度 中東向アラビア語
 21:00-04:57 17735 60度 中東向アラビア語
 05:00-17:57 12120 60度 中東向アラビア語
(WWDXC TP 1396)

◎WRMIがRAE中継スケジュールを変更
 中国のCahcn的自留地によると、 WRMI中継のアルゼンチンRAEのスケジュールが9月2日より変更された。新スケジュールは次の通り。
 10:00-10:30  9395  火-土曜 北米東岸向英語
 17:00-18:00  5950  火-土曜 北米西岸・アジア向日本語
 18:00-19:00  5950  火-土曜 北米西岸・アジア向中国語
 20:00-21:00  9955  月-金曜 ラテンアメリカ向ポルトガル語
 22:00-22:30 15770  月-金曜 北米東岸・欧州・中東・北アフリカ向フランス語
 06:00-07:00  9395  火-土曜 北米東岸向イタリア語
 07:00-08:00  5010  火-土曜 ラテンアメリカ向スペイン語
 07:00-08:00  9395  火-土曜 北米東岸向ドイツ語
 08:30-09:00  7780  北米・欧州向フランス語
(WWDXC TP 1396)
 
◎Radio Northern Starの近況
 英国のAlan Pennington氏らによると、ノルウェイのRadio Northern Starでは9月1日以降は14:25-09:07に5895kHz及び1611kHz(双方とも現行250W)で放送する予定である。1611kHz用 には新たな2kW送信機とアンテナ(逆Vアンテナ)を導入して現在200Wの出力で700Hzの音声を出す試験中である。受信報告は1000 @ northernstar.noまたはreport @ bergenkringkaster.noへ。(DXLD 1935)

◎ロシアでアナログ・デジタル併用FM放送の実験
 RUS DX 8/18によると、ロシアでは西欧型のDAB放送には否定的な見方が多く、デジタル化するのならばアナログ・デジタル併用のハイブリッドFM放送が適切と 考えられている。そこでSt.PetersburgでComedy Radio、Autoradio、Europa Plusの3局がハイブリッドFM放送の実験を開始した。実験の結論は出ていないが、メディア一般にはそれに伴うコストの増加を心配する声があり、また通 信省はデジタル化自体に乗り気ではない。Comedy Radioが7月から年内いっぱいの予定で開始した実験放送はアナログFM放送とDRM方式のFM放送を95.7MHzのアナログFM放送(3kW)にデ ジタル信号(0.4kW)を付加し、アナログFM放送のデジタルコピーと番組関連のテキスト情報、局のロゴ、関連画像を送信している。メディア側 による現在までの実感ではDRM方式のパフォーマンスはあまり発揮できず、現状のFM放送以上の利点はまだあまり感じられないということであっ た。またロシアは広大なためシステムの追加だけでも膨大な費用がかかる。Autoradioは全土で同じ周波数だが、他社は地域毎に周波数が異な るため自動車ラジオでは周波数の自動切替機能も必要となるなど克服しなければならない問題も多い。(WWDXC TP 1396)

◎VOAロヒンギャ語中波でも放送
 WRTHのFacebookによれば、VOAが20:00-21:00に開始したロヒンギャ語放送は、同じ日の22:00-22:30に Bangkok中継局より中波の1575kHzでも再放送されることになった。(WWDXC TP 1397)

◎クック諸島の中波局消滅
 Radio Cook IslandsのFacebookページによると、8月6日の深夜、同局の630kHz(2.5kW)の中波放送は永久に送信を停止した。そして8月7日 朝より108mの中波アンテナの撤去作業が開始された。送信所を住宅地にするための措置である。中波の廃止でクック諸島には全土をカバーするメ ディアがなくなり、津波やサイクロンなどの緊急情報が得られなくなったが、同局は中波の送信所を移転するつもりはなく、101.1MHzなどで FM放送を受信すれば良いとしている。但し日本製のカーラジオなどは100MHz以上のFM放送が受信できない問題があるとしている。 (WWDXC TP 1397) WRTHによるとRadio Cook IslandsのRarotonga局は89.9MHzでも放送している筈なのでそちらに切り替えれば?

ロゴにはまだ630kHzが入っている


◎Cesky Rozhlas Dvojkaプラハ局に新予備送信機導入
 チェコのPetr Stedronsky氏によると、チェコラジオ第2放送「Cesky Rozhlas Dvojka」はプラハのZbraslav送信所の送信機をTesla社製SRV40(40kW)からTram社製MW50(50kW)に交換した。周波 数は639kHzで、出力は10kW増力されて50kWとなった。Zbraslav送信所は本送信所であるLiclice送信所 (639kHz、750kW)の予備送信所で、Liclice送信所の送信がメンテナス等によって停止する時に同じ周波数で送信を行っている。新送信機は 4月よリLiblice送信所に設置され、750kWの送信機が停止している時間に調整のための送信が行われた、そしてメンテナンスのため Liblice送信所が休止した9月9-12日の期間にZbraslav送信所へ移設されて本運用に入った。 効果として音質が改善された。 (WWDXC TP 1397) 2年前位からZbraslav送信所からの予備送信は変調が浅く音質が悪いと苦情が出ていました。

◎Radio OZ-Violaも免許停止に
 英国のPaul Watson氏によると、デンマークのRadio OZ-Violaはfacebook上でWorld Music Radio(5840、15805kHz)の免許抹消に続いて、5825kHzで放送していた同局の短波放送免許も近日中に抹消されると報じた。同局は週 末の22:00より5825kHzで放送していた。9月14-15日の放送は「パーティーがあるため中止」された。 (WWDXC TP 1397) 

◎KVOHの最新スケジュール
 ドイツのHansjoerg Biener博士によると、米国本土からのVoice of Hope(KVOH)の9月1日付のスケジュールは次の通りである。周波数は17775kHz。曜日は開始時刻。
  月曜 23:00-04:05、火曜  23:00-06:00、水曜  23:00-05:00、木曜  23:00-06:00、金曜 23:00-04:00、日曜 00:00-05:00。
 日曜の放送のみ英語、他はスペイン語。詳細はhttp://www.voiceofhope.com/schedule /kvoh_program_grid.pdf参照。
(WWDXC TP 1397)

◎ロサンゼルスでVOA「The Long Reach of Shortwave」の展覧会
 英国のMike Terry氏によると、VOA・Greenville送信所の歴史を中心とした展覧会「The Long Reach of Shortwave」がLos Angelesの「The Center for Land Use Interpretation」で6/28-10/27に開催されている。場所は9331 Venice Blv, Culver City 90232である。詳細はhttp://clui.org/section/voice-america-long-reach-shortwaveを参 照のこと。(WWDXC TP 1397) Marina Del Ray方面から北西に延びるVenice Blvd沿いで、Metro Expo LineのCulver City駅下車です。
 
◎イエメンAden Al Hiswa送信所の現状
 オランダのMaarten Van Delft氏によると、イエメンのAden Al Hiswa送信所には100kW送信機があり5970、6005、6135、7190、11770kHzが使用されていたが、2014年頃から電波が途絶 え、2015年のサウジアラビア軍侵攻の際の空爆で破壊された。数年前ここを訪れたが、短波施設は空爆で破壊されたままであり、中波のみがここか ら放送されていた。なお2010年頃まで電波が出ていたSanna送信所はまだ残っている筈である。(WWDXC TP 1397) 

◎チリの海賊局75mbで試験放送
 チリのClaudio Galaz氏によると、同国の海賊局Radio Compañía Worldwide(RCW)は9月10日の08:00-08:15に3945kHzで試験放送を行っていた。(WWDXC TP 1397) 従来の6985kHzでも出ているとのことなので、増波のようです。

◎ドイツでラジオ放送開始100年の催し
 オーストリアのPaul Gage氏によると、ドイツ最初のラジオ放送は1920年12月22日にKoenigs Wusterhausenのアンテナから「聞こえますか、聞こえますか、こちらはKoenigs Wusterhausen、波長2700m」というアナウンスが流れたのが最初であった。来年は放送開始100年になることから、様々な催し物が予定され ている。Koenigs Wusterhausenにある「Sender und Funktechnikmuseum」(放送技術博物館)では独自の中波放送「welle370」から「放送発祥の地からの放送」として関連した 様々な放送を行う他、記念行事を多数催す。特に100周年記念日に当たる2020年12月22日には大規模な記念イベントを企画している。詳細は http://100jahrerundfunk.de/hoehepunkte/を参照のこと。
 またベルリンにある 「Museum für Kommunikation Berlin」(ベルリン通信博物館)では特別展「放送の100年」を2020年9月に開催する。ラジオの歴史を物語る受信機等の資料を展示し、見学者に 「ラジオは自分にとって何なのか」を問う内容となる予定であり。展覧会は翌年9月にはフランクフルトの通信博物館に巡回する。(DXLD 1937) 日本より5年も早いのですね。

Koenigs WusterhausenにあるSender und Funktechnikmuseum


◎ノルウェイNRK長波放送を廃止 ~中波1局は維持
 ノルウェイのBjarne Mjelde 氏によると、同国NRKは最後に残った長波局(Ingov局、153kHz)を10月に廃止する。AM局としてはSvalbard島の Longyearbyen局1485kHzが残っているが、こちらは逆に3kWに増力して継続する。
 英国のAlan Pennington氏によると、ノルウェイ文化省は近海の船舶や離島向けにNRKのIngov局、Longyearbyen局を残してきたが、現在行わ れているDAB放送の電波は海岸から50kmの沖合にまで到達するので、Ingov局の長波放送はもはや不要と判断した。 Longyearbyen局は現状1kWだが、この島を訪れるレジャー客に情報を届けるために維持が必要と考え、設置から50年を経過した1kW 送信機を3kWの新型に置き換えて維持する。10月以後はこの局がNRK唯一のAM局となる。(WWDXC TP 1398)

Ingovの長波局 153kW 100kW (DXing.info 27/10/2002より)



◎ルーマニアTiganesti送信所の状況

 オーストリアのPaul Gager氏が、Radio Romania Internationalから得た情報では、Tiganesti送信所では送信機の不具合で7355、9570kHzのAM及びDRMの放送が影響を受 けている。故障は特定されたが、故障したシステムは大変高価な上、交換に時間がかかる。そのため、同周波数が正常に復活するには少なくとも9月 いっぱいかかかる。代替周波数として欧州で朝の時間では9700kHz、午後の時間には9600kHzが使用されている。(WWDXC TP 1398)

◎VOV少数民族向放送
 米国のRon Howard氏によると、ベトナムVOVの少数民族向放送VOV4が6020kHzで22:00頃受信できる。この放送はダクラク省の省都Buon Ma Thuotから出ており、少数民族の音楽などが放送されている。URLはhttp://goo.gl/j9p6e4。(WWDXC TP 1398) WRTH2019ではVOV1を中継していることになっていました。HFCCには00:30終了で登録されています。放送局のQTH は619 Lê Duẩn, Khánh Xuân, Thành phố Buôn Ma Thuột, Đắk Lắkですが、本部はHanoiです。

◎CNRのインターネット放送再編
 9月初めより、中国の中央人民広播電台は、インターネット上で行われていた、中国民楽頻道、古典音楽頻道、相声小品頻道、長編聯播(評書)頻道 を停止し、中国広播(http://radio.cn)に吸収統合した。これら4放送を行っていた「蜻蜓FM電台」のサイト(https: //www.qingting.fm/)からはインターネットフィードが削除された。(Cahcn的自留地 9/25)

◎ドイツShortwave Radioの新スケジュール
 ブルガリアのIvo Ivanov氏によると、ドイツShortwave Radioは9月16日より以下のスケジュールで放送を行っている。送信所はWinsen、出力1kW、無指向性送信。放送は英語。
 23:00-07:00 6160 (01:00-07:00より拡張)
 01:00-08:00 3975 (以前と変わらず)
(DXLD 1938)

◎ロシア短波DRM試験放送続報
 9月5日以降ロシアの短波DRM試験放送は以下の様に行われる。送信所はKomosomlsk-na-Amur。
 05:00-12:00 12025 100kW 34度 ロシア語
 12:00-19:00 15735 100kW 34度 ロシア語
  05:00-19:00  11615  250kW 34度 伝播試験
(Bulgarian DX blog 9/3)

◎IRCA Slogans List新版発行
 International Radio Club of America(IRCA)のPhil Bytheway氏によると、同クラブより「IRCA Slogan List」の2019年版(Kraig W Krist氏編集)が発行された。米国・カナダに中波局で流されている局のスローガンを4600局分収録している。電子版は無料で https://www.ircaonline.org/editor_upload/File/2019_IRCA_slogans.pdfよりダウン ロードできる。冊子版(45ページ)は航空送料込みで$8.50。 IRCA Bookstore, 9705 MARY NW, SEATTLE WA 98117-2334, USAへ送金するか、Paypalでphil_tekno @ yahooに送金する。(DXLD 1938) 例えばKFI(640kHz)のスローガンは「More Stimulating Talk」と言った具合です。局でジングル等として流されるスローガンを受信することで、局名の推定や確認に使えるためと思われます。

◎Radio Stations in UK & Ireland第27版発行
 British DX Club(BDXC)の会誌Communications誌によると、同クラブよりRadio Stations in UK & Ireland第27版が発行された。75ページで、両国内の中波・FM放送(BBC・RTE局、商業局、コミュニティー局、低出力局など)をカバーして いる。価格は送料込みで£8.00またはUS$11.0である。申込・送金先はBritish DX Club, 19 Park Road, Shoreham-by-Sea, BN43 6PF, UK、Paypalでの支払い先は
bdxc @ bdxc.org.uk。(DXLD 1938) 英国在住の田中みさよ氏によると、BDXCのHPにはBritish DX Club, 10 Hemdean Hill, Caversham, Reading RG4 7SB, United Kingdomと本部の住所が掲載されており、同氏はここから入手できたそうです。Shoreham-by-Seaの住所は本書の申込・送金専用のものら しいです。




◎BDXC Guide to Radio Museums in the UK & Ireland新版発行

 英国及びアイルランドにある無線・ラジオ関連の博物館を紹介した「BDXC Guide to Radio Museums in the UK & Ireland」の最新改定版がBritish DX Clubから発行された。http://www.bdxc.org.uk/museums.html上で無料で参照できる。(DXLD 1938)

◎国立VOA放送博物館老朽化 ~寄付を募集
 米国のArtie Bigley氏によると、VOA旧Bethany送信所を利用した国立VOA博物館ではVOA放送送信開始75周年を記念した行事が行われる一方、建物自 体も75年を経て老朽化が目立つようになってきており、修理が欠かせなくなってきている。しかし連邦政府は運営費用や修理費用を一切支出しない方 針である。そのため運営も修理もボランティアが無償で行っているのが現状である。ボランティアの中心になっているのは地元のアマチュア無線クラブ であるWest Chester Amateur Radio Associationである。しかしその負担能力には限界があるため、一般からの寄付を募らざるを得ない状況になっており、そのため同博物館でオーク ションや食事会、説明会、ゲーム、ジャズ音楽祭等を開催している。行事に参加したり、寄付をしたい人は同クラブのwebサイト https://wc8voa.org/を参照して欲しい。(DXLD 1938)

国立VOA博物館のリーフレット 「Tell The Truth and Let the World Decide」がモットーである。(本林良太氏提供)

 

◎旧ソ連製ラジオすべての映像公開

 ロシアのAnton Yakuni氏によると、1924~2000年に製造された旧ソ連及びロシア製のすべてのラジオ受信機の映像が80分のスライドショー「Почти ВСЕ радиоприёмники СССР」にまとめられて公開されている。 https://www.youtube.com/watch?v=2KrAiYpitGwを参照のこと。(DXLD 1938)

1954年製 БАЛТИКА М-254

 

◎世界秘密局スケジュール公表
 9月末現在の世界の秘密局スケジュールがDX REMIX NEWS#1150に掲載されている。http://swldxbulgaria.blogspot.com/2019/09/dx-re-mix- news-1150.html。
(赤林)



出典の略称


 DXLD: DX Listening Digest
 DXLDyg: DX Listening Digest Yahoo Group
 WWDXC TP: World Wide DX Club Topnews
 HCDX: Hard-Core-DX
 JSWC: Japan Shortwave Club
 NDXC: Nagoya DXers' Circle
 WRTH: World Radio TV Handbook



トップページ