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つれづれなるざれごと

魅力とは、誠に不思議である、あると言えばあるし、無いと言えば無いし、しかし現実に魅力のある人はいる。

魅力とは
 深沈厚重ナルハ其レ第一等の資質
 磊落豪雄ナルハ其レ第二等の資質
 聡明才弁ナルハ其レ第三等の資質
                                       呂新吾  『呻吟語』
『深沈厚重』(シンチンコウジュウ)
 「かの人は誠に妙である。一日、かの人に接すれば、一日の愛生ず。三日、かの人に接すれば三日の
  愛生ず。
  しかれども予は接するの日を重ね、今や去るべくもあらず、この上は善悪を超越してかの人と生死を共に
  するほかない」
西郷に接した増田栄太郎の言葉
 深い沼のような魅力である。その前に立つとぐいと引き込まれそうな、無為にして化する魅力である。
  私心や作為というものが全く無い、あたかも人間が日光に欲し、空気を吸い、水を飲みながら、これを
  意識しないのと同じように、何となしに人々を幸福にし、禍はいまだ来たらざるうちに消してしまう。
  といって、すごく頭が切れるとか、勇気のある人だとかの評判や、華々しい手柄をたてたというような
  事も無く、知らず、識らずのうちに人民がそのおかげを受ける。
  とにかくいるのかいないにか、わからないような存在でいながら、人民に無事太平を楽しませている。
  たしかにこれならば最高の魅力であろう
  初めから「深沈厚重」の魅力など身につくものではない。やはり、挫折し、傷つきさまざまな人生の
  紆余曲折を経て成長していくにである。

 望之似木鶏(之ヲ望ムニ木鶏ノ似シ)

『磊落豪雄』(ライラクゴウユウ)
  磊落とは、大きな石がごろごろと転がっている状態で、型を脱した線の太い面白さがあり、些事(サジ)に
  拘泥(コウデイ)せずバリバリと仕事を進めていく陽性の人である。
  「今の世に時めく人々は、皆、難のうちどころがない。頭もいいし、才もある。交際も上手で当り障りもない。
  たいして酒も呑まぬし、女も漁らぬ、すべてがまことに整っている。しかし、さっぱり旨味がない。
  感激がない。
  なにやら、終始忙しそうに働いてはいるが、要するに何をしているのか、どうでもよいような、誰にもできる
  ことをやっているにすぎない。過もない不可もなしという類である。そんなのは幾千幾万集まっても、その
  時代を動かす力とはなり得ない。
  それよりも欲しい人物は、もっと手ごたえのある男である。そういう男には凡人の持ち得ない短所があるだろ   う。
  だが、これがまた魅力である。ああなんという退屈な人間どもだ」
幕末の儒者、春日潜庵(センアン)
 
『聡明才弁』(ソウメイサイベン)
  頭もきれて弁もたつ、いわゆる口八丁手八丁だが、そうゆう人物は、えてして、軽薄才子の謗(ソシリ)を
  まぬがれ得ない。
  「ストア哲学者のヘカートンが『私がいかなる進歩をとげたというのか、それは私が自分自身に対して、
  友となり始めたことである』といったのを聞いたセネカが『それはたいした進歩だ。彼は絶対に孤独では
  ない。こういう人は万人のためにも友であると知らねばならぬ』と答えた」
  ショーペンハウエル(独・哲学者)は「孤独はすべてのすぐれた人物に課せられた運命である」と、喝破して
  いるが、その孤独のなかにあって、悠々と自己との対話が楽しめるようになれたら、それは大変な人物で
  あろう。
  「男が一番仕事がやれるのは、四十五歳から六十五歳までの二十年間です。四十五歳まではどんな失敗
   をやらかしてもすべて、経験として吸収され、プラスとなって機能します。」
 『不言』
  習学はまず、『不言』を習うべし、始めは勉強力制して、数日、一語を発せず、漸(ヨウヤク)くにして数ヶ月、
  一語も発せざるに至る、かくの如くなれば即ち、蓄うる所のもの厚く、養うところのもの多し。而(シコウ)して、
  言わずんば則ち已(ヤ)む。言わば則ち経を残さむ」
  学問や教養は身につけなければならない。しかし、その上で、それを何時でも捨て去る覚悟をもたぬと、
  ホンモノになれない。
人間的魅力とは
 性格こそ魅力
  友を選ぶ場合には、何よりも気質性格が合うことを第一として、主義主張お合う合わないは第二にすべきであろう。
  主義とか主張だとかは、それを信じている時には、きわめて強いもののように思われるが、一朝にして変
  わってしまう危険性もあるのだ。 主義主張で友人になると、それが一変したら最後、仇敵になってしまう。
  ところが、気質、性格とかは大体一生変わらない。 ということは生涯の交わりを結ぶためには気質、性格
  を互いに気に入り認め合えるようなものでなくてはならない。 つまり、互いの人格の中で共鳴し魅力を感
  じ合い、結合したものが永遠の友である。



「運命は偶然よりも必然である。『運命は性格のなかにある』という言葉は等閑(ナオザリ)に生まれたものでは
 ない」
芥川龍之介         


「何事かを成し遂げるのは、その人の才能ではなくて性格である」

司馬遼太郎         
「人間の面白味はどこのあるか。 それは性格である。 性格によって言葉つきも違えば考え方も違う。
 性格がその人の運命である

不明             
「人生、一知己を得ば、以って恨なかるべし」

不明             
「許せない欠点とは、その人が卑しいということだ。 何故ならば、人間と動物との違いは、尊敬する気持ちと
 恥じを知ることの違いである。 特に廉恥心(レンチシン)を失うには人間としての一資格を喪失することだからだ」

不明             
「天下になくてはならぬ人になるか、あってはならぬ人になれ。牛羊となって人の血や肉と化してしまうか、
 豹狼となって人類の血や肉を食い尽くすすか、どちらかになれ」

河井継之助        
「好きと嫌いとどれほど違う、命ただやるほど違う」

不明            
「好きな女のなら糞でもくらう」

不明            
「相性が悪いというのは決定的なことで、ホンのちょっとした出来事が悪いというのは決定的なことで、ホンの
 ちょっとした出来事が相手の全人格を否定してしまうことになる。」
不明            

追加

「山岡鉄舟が清水の次郎長に、『お前は随分と子分を持っているけれど、そのうち何人がお前のために体を
 張ってくれるかね』と聞くと、『残念ながら一人もおりません』と答えた。
 鉄舟が怪訝(けげん)な顔をすると、次郎長は『しかし、わっちでしたら、子分のために何時でも命を投げ出す
 覚悟ができておりやす』
 剣禅一如の極意に到達していた鉄舟が『う〜ん』とうなったままだったと言う。

 愛すべし。狎(な)れしむべからず。
 愛さるべし。狎るるなかれ
清水の次郎長     
まだ続く、製作中

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