愛すべきサクラケイザンオー
２００２．９．８
ネーションワイド・・・サクラケイザンオー産駒で分かっている９頭の内の中央登録２頭の一頭。
新馬戦だ。人気無い・・・
じっと見入るＨＡＲＫの面々。みんな、頑張れ！君は強いんだよ！という熱気を帯びた顔で・・・
内心、なんとか掲示板に載って欲しいという願望を持って・・・
スタートした。どうなんだ？
あ〜〜、なんてケイザンオーに似てる馬なんだろう。まるでケイザンオーが走っているようだ・・・
頑張れ！！
直線、伸びてきた！勝てるかもしれない。みんな立ち上がってテレビの前に詰め寄った。
２着・・・惜しい・・・
でも、思ったより全然いい結果だ。嬉しい！涙が出た。嬉しくて嬉しくて、次は勝てるよ！って。
サクラケイザンオーの事を知ったのは、ケイザンオーがデビューする年の春だった。某誌にサクラ軍団の
特集記事が出ていて、ひときわ目立つその写真に吸い込まれそうだった。
なんて綺麗な馬なんだろう・・・強そうだ！
早くこの目で見てみたいな・・・何処でデビューするんだろう？などと心躍らせていた。
そうだ、横断幕を作らなくちゃ・・・スピードオーのが完成したらシンオー、その次にケイザンオーと決めて
いた。デビューする順番は分からなかったが、何となくそう思ったら結果的にその通りに。
ケイザンオーって確か亡きオーナーが、これっていう素晴らしい馬が産まれたら自分の故郷のケイザンから
とってサクラケイザンオーって名前を付けて欲しいという遺志があってついた名前だったなぁ〜と思い出した。
ケイザンは慶山と恵山のふたつの山がある。さて、どっちだ？そういったいわれがあるんだったら、どうしても
漢字にしたい。
さくらコマースの知人に聞くと分からないから調べておくとの返事。
暫らく経って慶山の方だと分かった。
「夢よ はばたけ さくら慶山王」
３つのクラシックと有馬記念を制覇出来ますように！と思いを込めて金の星の刺繍を４つ付けた。
初戦は年明けになった。
東京競馬場。自分で言うのもおかしいが、慶山王の横断幕は輝いて見えた。
パドックに彼が登場した時、「なんて美しい馬なんでしょう！！」と絶句した。
実際に見る慶山王は、これがこれから走るなんて思えないほど綺麗で美しく、そのまま飾っておきたいような
気持ちにさせる容姿だった。性格は置いといて・・・である（苦笑）
応援も空しく初戦勝ちは出来なかった。
その後、中舘騎手で２勝し中山に戻りセントライト記念でバラの騎士ローゼンカバリーの２着。
本番の菊は善戦空しく４着。
そして、あの悪夢のジャパンカップ・・・・
予想もしなかった骨折。
その後、復帰したがパッとしなかった。頭のいい馬は骨折した時の事を覚えていると言う。
いつも４コーナーあたりから怪しげな走りになる・・・
引退が決まって、種牡馬になった時は安堵して涙が出た。
後継馬が残せる・・・マック付きでも何でもいい。とにかくお嫁さんが来て欲しい。
結局、２０００年産駒で分かったのが９頭。
そのうち、リンカーンホークはもう既に地方で勝っている。嬉しかった。
あんなに綺麗で美しく、牧場に居る頃に品評会でも優勝し、期待されたサクラケイザンオー。
種牡馬となって、中央でネーションワイドが初出走で２着！
凄いよ。
いい仔が出てくれるようにいつも願っていたよ。
来年は、少しお嫁さん増えるかな？
もう、マック付けなくても一杯来てくれるかな？
悲しい思い出
ジャパンカップが終わって、私たちＨＡＲＫは慶山王のしんがり負けにどうしても納得が行かなかった。
何かあったんじゃない？
脚悪くしたんじゃ・・・
おかしいよ、いくらなんでも・・・
等と言いながら情報を待った。がしかし、別に何の情報も得られず、首をかしげながら横断幕を外しに
パドックへ。
「無い！！、横断幕が無いよ！」
誰かが叫んだ。私も走っていって見たが・・・無かった。
もしかしたら、ボロ負けしちゃったから誰かが頭に来て捨てたのかも・・・とか言いながら片っ端から探した。
ごみ箱も、後ろの公園も、考えられる所は全部必死になって探しまくった。
暗くなってきて、人もあまり居なくなった。
事務所に行って見つかったら連絡してもらうことにしたが、事務所の方の話だと何年か前にやはり横断幕
が盗まれた事があったと言う。
特に手作りの物は盗まれやすいんですよねぇ〜って。ファンが持ってくケースが多いって・・・
私はあの横断幕を初戦の半年以上前から時間をさいて何日もかけて作ったんだぞ！
亡きオーナーの分まで心を込めて、夢を希望を一筆、一筆塗り込んだんだぞ！
そんな思い、盗んだ奴になんか分からないよ。
本当のファンだったら持っていかないよ。
私たちは、涙でぐちゃぐちゃになった顔で、冷たく暗い冬の東京競馬場を後にした。
思えばあのジャパンカップの日は最悪だった。
慶山王はしんがり負け。横断幕は盗まれる。後で慶山王が骨折していたと言う事を知る。
某誌にその時の事を原稿募集の欄に載せてもらおうと投書したが載せてはもらえなかった。
結局、面白いものでなくてはダメなのか・・・所詮、雑誌か・・・
その週からもう某誌を買うのを止めた。
今、あの横断幕は何処にあるんだろう。もう、ゴミになってしまったんだろうか。
結局、慶山王が復帰した時横断幕は作らなかった。
もう、あんな思い入れのある横断幕は２度と作れないと思ったからだ。
慶山王よ。いい仔を沢山つくってサクラ軍団復活を！期待してるよ。
そして、競馬界に新旋風を。
夢よ はばたけ さくら慶山王 by ＨＡＲＫ