2002年に見た映画感想速報
 映画のあらすじと感想をまとめ続けてきましたが、なかなか文章をまとめるのが大変で、まとめた頃には古い話になっている事も少なくありません。そこで、速報的に公開する事にしました。

翌年へ

2002/12/29
「カリブの熱い夜」
 サントラは持っていたが未見だった作品で、
見てみるとジェフ・ブリッジスとかジェームズ・ウッズとか出てきて
小粒ながら何となく面白そうな雰囲気。
だが、見てみると、レイチェル・ウォードが何を考えているのかピンと来ず
結局、一味の悪事とかはウヤムヤになったようで煮え切らない。

2002/12/28
「キャプテン・ブーリーの大冒険」
 まだ若い頃のトミー・リー主演だが、
どうにもアクションが多いはずの海賊ものは柄じゃないと思ったら、
さほどアクションは見せず、勧善懲悪的な面白さも何だかテンポが悪い。

2002/12/26
「恋する予感」
ヒュー・グラントのお得意のラブコメかと思いきや
「処刑特急」に続いて題名にだまされたような感じで
主役はもっぱら少女。
では、ヒューが相手かと言うと、そうでもなく
どちらかと言うと、アラン・リックマンの方が相手。
ヒューは気むずかしいゲイの役で、
最初の内は出番が多いが、後半はほとんど見かけなくなる。
少女は一見おとなしげで、それでいて、世の中を渡っていくために必要ならばと
Hも平気なんてキャラがなかなか面白いが、
何と言っても、他の作品では無表情な感じのキャラが多いアラン・リックマンが
思い悩む姿なんか見せられると、戸惑ってしまう。

2002/12/25
「青春の輝き」
 登場する面々が、
ブレンダン・フレイザー、マット・デイモン、クリス・オドネル
そして、ベン・アフレックなんてそうそうたる人々で
彼らがやや前に出た青春もの。
主役なのは、この映画とは違う路線へ走ったフレイザーで
非の打ち所の無いような好青年を演じ、
同室のクリス・オドネルも、ちょっとばかりうろたえる所はあるが
基本的に、ありえないくらいいいヤツ。
一方、ベンはかなり脇役で、後ろの方をウロウロしているだけだったり
最後にもめる時だけ目立って、悪い方の1人という感じ。
一番悪いのは、マット・デイモン。
彼は、フレイザーがユダヤ人である事を差別していると言うよりは
むしろ、自分の立場をよくするために、その事を利用しただけという感じ。
普通、この手の話は、最後の大げんかの末、わかりあったりするか、
悪いヤツが懲らしめられたりするものだが、
どちらにもならないので、ちょっと煮え切らない感じ。
まあ、ユダヤ人が差別されていると言うのは知っていても
日本人的にはピンと来ず、
しかも、黒人とか1人も出てこないから、
どの程度の差別なのかは、とらえにくい。

2002/12/21
「K−19」
☆☆☆★

 潜水艦ものと言うと、U−571とか
クリムゾン・タイド、レッド・オクトーバーを追えなど、
最近の作品でもなかなか面白いのが多く、
ハリソン・フォード主演と言う事もあって、見逃せまいと思って見る。
冒頭はリーアム・ニースン艦長が、何やら緊迫した場面を展開するが、
ハリソンがいない事から、「これは訓練だな」とわかってしまう。
ウォーゲームなどで使われた、よくある手だ。
さらにハリソンが赴任してきて、前艦長となったリーアムと確執が起こるなんてのは
この手の映画ではよくある感じで、
まあ、中盤に多少事件があるが、割に何も起こらなかった方だ。
前半は厳格な新艦長の下、訓練ばかり続けて不満が高まり、
後半は原子炉からの放射能漏れで大変な事にと言う展開。
身を犠牲にして、原子炉を修理するなんて話は、
チェルノブイリでも聞いた話だが、よくよく考えるとどちらもソ連の話だ。
ここが泣かせどころという感じなのだが、このあたりで気づいたのは
この話、見る前に期待していたような、敵艦との攻防は全くない。
最終的に、魚雷の1つも発射しない。敵の罠にかかったわけでもない。
勝手に自滅しただけだ。
例えば、潜水艦を舞台にしたTVシリーズがあったとして、
その中の1エピソードだとすれば、こう言うのも面白いかも知れないが、
単品の映画としては、ちょっと派手さに欠ける。

2002/12/19
「スパイダーパニック」
☆☆☆★

 せっかく東京に来たので、他で見られない映画をと思い見る。
どうも、他の映画館でやってなさそうな感じで、映画館もかなりすいてて
客層もマニアックな感じ。
ゴジラのローランド・エメリッヒが製作にタッチし、
クモが、有毒廃棄物で汚染された池にいたコオロギを食べて、巨大化すると言うのだが
誰もが気になるのが、巨大なコオロギは出ないかという点。これが出ない。
田舎町の出来事なので、登場人物が少ないのは、
妙に大都市を舞台にした低予算怪獣ものよりも好感が持てる。
このクモが次第に人々を襲うのだが、大量だし、すばやいから逃げられない。
おまけに糸でグルグルまきにされる。
このグルグルまきが滑稽で、すぐに殺されるわけでなく、
主人公のおばさんなどは、最初にやられて、最後まで生きてた。
もっとも、後でやられた連中がミイラになってたし、どうもいい加減な感じ。
主人公は炭坑でおばさんだけは必死に探し出すが、
他の生存者は探す気がなく、さっさとあきらめてしまう。
そして、大量のクモを一気に倒す方法となると、薄々感づいたように、
やはり爆破で倒すしかなく、都合良く炭坑にメタンガスが充満してる始末。
ガスがあるから銃が撃てないなんて言うのは、サスペンス的に面白そうなのだが
全体的に、まじめなのかふざけているのか、どっちつかずと言う感じ。
最初から高望みしなければ、別の意味の楽しみ方はできる。

2002/12/17
「デッド・リミット」
 ピーター・ウェラー、トム・ベレンジャー、
ついでにダリル・ハンナだなんて、
かつて大作にも出たが、今はどちらかと言うとB級中心の人が勢揃いし
たまたま占拠された大使館に居合わせるという話で、
ダイハードなんかを連想させるが、建物の大きさはかなり狭い。
それでも、隠し部屋なんかにいると見つからないし、
屋根の上でも見つからないのは、一味の監視がザルと言うことか。
ウェラーとダリル・ハンナの愛あり、親子の愛あり等と
盛りだくさんにしようとしているが、どうにも取ってつけたようでまとまりがなく
肝心のボスとウェラーの対面は1度もない。
ウェラーは全然決まってなくて、おまけに調子の良さそうなキャラなので
頼りがいはない。
さらに、ベレンジャーが現れると、存在感でも負けて、画面にも全然出てこなくなり
ベレンジャーも何もせず、基地にいる将軍たちに再三邪魔をされると言う感じで
画面は、コロコロ変わって誰が主人公かわからない。
結局悪役だったはずのダリル・ハンナに対し
ウェラーが懲らしめたりするのかと思えば、それはなく
何となく勝手に、「まあ、許してやるか」みたいになるのが困りもの。
一番面白かったのは、大佐のニセ者を作るシーンか。

2002/12/16
「ザ・ブリード/NIGHTWORLD」
 人類誕生の秘密までわかる
大風呂敷を広げた割には、全体の印象は、物体X+プレデター。
しかも、エイリアンは仮面ライダーの怪人のような着ぐるみが
ウロウロするだけだし、
やられた方の人間の描写も、極力特撮とかを避けようとした意図が見え見え。
どう見てもやられるためにだけいると言う感じの上司も、強引さを感じる。

2002/12/15
「ディープ・ライジング」
 邦題は変わっているが、
実は、「シャークアタック」と言う映画の続編で、
まあ、そうは言われても、ピンと来たり来なかったりだが、
見てることは見てる。
前作はしょぼい印象を受けたのに対し、
今回はサメの出来はそこそこ。
とは言え、なぜかハッキリ写さず、ごまかされたような感も。
海岸閉鎖や、別のサメ釣ったりするあたりは、ジョーズ路線だし
改造するあたりはディープブルー路線で、オリジナリティは低い。
おまけに、最初は巨大なのが1匹かと思えば、
群れでいたりするして、怖さも半減。
唐突な感のあるラブシーンや、
海岸が襲われた際に、無意味に水上バイクでウロウロするあたり、
何となくのんき。
食われるためにいるはずの、館長も食われないので拍子抜け。

2002/12/14
「マイノリティ・リポート」 ☆☆☆★

 トム・クルーズとスピルバーグの組み合わせで、
それだけでそこそこ期待させたので見るが、
物語はブレードランナーやトータルと同じ人の原作らしくて、
バーチャル劇場なんて描写に、トータルに似た物が。
犯罪を予測して、未然に防止するなんて設定は、いかにも短編SF風。
予告編にも出てきた、滝のように下へ降下する車から車へ飛び移るシーンや
空飛ぶ人間用ロケットをつけてのアクション等は、
いかにも未来風アクションで、今までなかった物だし
網膜スキャンと言うところに重点を置いて、それで監視されているから
どこへも逃げられないなんて描写も面白いのだが、
肝心の、そんな制度を実現させると、首を絞めるぞと言うテーマの方は、
割にアピールされておらず、真犯人に関するヒネリもない。
トムが何度も網膜スキャンで施設へまんまと侵入するが、
一度はともかく、何度も同じ手口で侵入されてしまうあたり、
普通、そんな奴のコードは削除するはずだと思わせ、あきれてしまう。
細かい描写に荒が多いのは、元が短編だからか。
AIなんかと比べると、取っつきはいい方だが、いかんせん長い。
最近のスピルバーグ作品は全体的に長い。
しょせん、1時間半程度が手頃なテーマだけに、コンパクトにまとめれば良かったが。

「マグノリアの花たち」
 出演している俳優が女優中心で、
何となく固そうで取っつきが悪かったが、見てみるとこれが面白い。
豪華な女優陣が、すべて家族や友人なんて設定で、誰が主役だか最初はわからないが
フォレスト・ガンプを思わせる、強い母親サリー・フィールドだとわかってくる。
ダリル・ハンナが2度変貌するあたりと、
ジュリア・ロバーツの病気が物語に変化を与え、
それを意地の悪そうなシャーリー・マクレーンらが、
ああでもないこうでもないと言いながら、常に心配してると言う展開がよい。
一方、トム・スケリット、サム・シェパードなんて、
強そうな男優陣が、肝心な時には役に立たないと言うのも面白く、
女はたくましいと言うのがいい。
単なる難病ものにしないうまさも感じる。

2002/12/13
「ドラキュリア」
 今風のドラキュラ映画と言うと、ブレイドとかいろいろあるが
そんな中で、画期的な設定などと騒がれても、
正直言って、ドラキュラが復活する展開から、その正体まで、
あまり凄い物語とも思えない。
何と言っても見所は、ボイジャーのセブンを含める3人の美女吸血鬼で
彼女たちが並んで迫ってくるあたり、別の期待もあったりしたが、
意外に簡単にやられてしまって拍子抜け。

2002/12/12
「アメリカン・ビューティー」
 アカデミー賞受賞作で、取っつき悪そうだったが、
見てみるとなかなか面白い。
ケビン・スペイシーをはじめとして、家族や周囲の人々は、
飛び抜けてはみ出してると言う事もないのだが、
ちょっとずつ「普通」の人とはずれていて、
普段は平凡なようなのだが、
ちょっとしたはずみで、次第に歯車が狂いだして、
結局、2つの家庭がおかしくなっていくという展開。
冒頭に、ケビン・スペイシーが死んだらしいと言う思わせぶりがあり、
それも殺されたらしいと言う事から、
誰が殺すところまで行くのだろうと言う興味で見せるが、
実際の所、凶器はたぶん拳銃になると思えば、
拳銃を使えそうな人は限られていたはず。
個人的には、いい歳して娘の友達に夢中になる
ケビン・スペイシーのキャラが気に入った。

2002/12/11
「マン・オン・ザ・ムーン」
 サタデーナイトライブ他に出ていた
アンディ・カフマンと言うコメディアンの伝記映画で、
コメディアンの伝記は、それ自体はコメディではないとも思えるので、
ちょっと複雑な感じ。
最初は素人芸と言われた彼が、次第に人気を得るが、
ヤラセや視聴者を敵に回す言動がエスカレートしていくと言う展開で、
そのギャグは、面白い時もあるが、劇でも描かれるように、
ちょっと白ける時もある。
しかし、実在の人物のギャグと言われると、映画としてどう評価していいものやら。
ガンが発覚してからは、人が変わったようになり、
カーネギーホールでの舞台なんかも面白そうだが、
こんな感じの芸で貫ければ、一流と言えたのだろう。

2002/12/10
「危険な年」
 ひいきメル・ギブソンの、
またもとっつき悪そうなので未見だった作品だが、
これにメルが出ているのも知っていたし、
リンダ・ハントが、男役でアカデミー賞を取ったのも知っていたが、
それが同じ作品だというのがつながらなくて、
初期のメルの作品が、アカデミー賞がらみだったのかと
ちょっと驚かされた。
政情不安の国へ乗り込み、最初は誰にも取材できないが、
リンダ・ハントの不思議なコネで取材できるようになると言う
どこかで聞いたような展開だが、まあここらへんは面白いとして、
その後、シガニー・ウィーバーが出てきたり、
リンダ・ハントの素性が不思議だったりしつつ、
クーデターに巻き込まれていくのだが、
そこでメルが新たな取材行動を起こすわけでなく、
右往左往する内に傷を深めていくなんて、
何だか一般市民と変わらないようで困ってしまう。
当時は、リンダ・ハントも無名で、そう言う面白みはあったのだろうが、
今では他の作品の印象もあり、「女だ」と思って見てしまうので、
何か物語的に裏がありそうで、まったくなかったりすると、
ちょっとだまされたような感じ。

2002/12/09
「バウンティ 愛と反乱の航海」
 実際にあったというバウンティ号の反乱の話で、
ひいきメル・ギブソンの作品の中では、取っつきが悪そうで未見だったが、
これがなかなか面白い。
まだ微妙に若いアンソニー・ホプキンス船長に対する船員たちの不満が、
自然に包まれたタヒチの島で爆発し、
ついに故郷へ帰る事をやめ、船を奪うという展開で、
船長の陰湿なまでの抑圧ぶりと、南の楽園での開放感、
そして、ボートで漂流する事になってからの船長の態度など、
物語としての面白さを感じさせる。
イヤな船長を懲らしめるとか、南の楽園で生涯を謳歌するなんて展開に
ならないあたりが、現実の厳しさと言う事か。

2002/12/08
「怪獣大決戦ヤンガリー」
 北朝鮮が作ったプルガサリと混同していたが、
こちらは韓国製の、どうやらシリーズものらしく、
ハリウッド版ゴジラに対抗して、今風にアレンジした物らしい。
米国の会社と共同製作らしくて、全編、アメリカ人しか出ないが、
どうも国とか土地とか明確でなく、無国籍映画という感じ。
登場人物は極力少なく、
軍の基地で、宇宙からの攻撃に対処するような施設に、
7人くらいしかおらず、
将軍と称する連中が、3人くらいでいろいろ討論するが、
あまりにも人が少ないらしくて、電話番みたいになってるし、
宇宙を監視していたはずの大尉が、怪獣退治にも乗り出す始末。
宇宙人が地球を侵略するのに、たった1匹の怪獣を使用して、
1つの都市だけを破壊するという展開は
時代遅れとは言え、日本でもよくあった事だから良しとしても、
ラスト15分になって、今まで出てこなかった新怪獣が現れて、
今まで悪だったヤンガリーが、善に寝返るなんて、
ゴジラとかガメラとかの数作の流れを、1作でやってしまった安易さ。
さらに強力な怪獣を倒すには、怪獣とぶつけるしかないとか、
怪獣がどうもいいヤツらしいと分かったとか、そう言う展開もないのに、
いい大人が、安易に「ヤンガリーがんばれ!」なんて応援しているのを見ると、
もうこれは子供向けとしか言いようがない。
特撮の方は、CG多用という所だが、怪獣のデザインもさることながら
CGの出来がかなり悪く、人間が写っている実写シーンから、
いきなりゲームのような画像に早変わりして面食らう。
全体的にソフトフォーカスのような感じにして、
しかも全編夜のシーンにしてごまかそうとしたようだが、
全然ごまかされない。
まあ、これで出来が良ければ、日本のあそこの方向性も変わるのかも知れないが、
こんな出来であるのを見てしまうと、
まだまだ今のままでいた方が良さそうに思えてしまう。

2002/12/07
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 ☆☆☆★★

 大ヒットしたハリー・ポッターの続編で、
本作もヒットしている模様。混まないように、冬休み前に、それも第1回に見る。
前作は設定の紹介に時間を取られたのに対し、
今回はいきなり物語が始まるので、今回の方が面白いなんて話もあり、
確かに、さっさと物語は始まり、世話になっているおじさん一家の出番も短く
魔法学校へ戻ると、何やら我々素人にはわかりづらい専門用語やら
カタカナの名前が飛びかい、まあ雰囲気はわかっても、
物語を完全に把握するにはなかなか厳しい。
主役3人は、明らかに成長していて、ハリーの背も高くなり声変わり。
まあ、物語上も1年立ってるらしいから、仕方ないか。
いろんな魔法や、隠された秘密とか、過去のエピソードとか出てくるが、
それは何とでもなりそうだから、物語のうまさとはならない。
そして、今回のゲストである、ケネス・ブレナーがどんな存在かがポイントで
前回、怪しかったアラン・リックマンが、実はいい人だった事もあり
今回はブレナーも何かあるのかと思えば、まったく物語に絡まない上、
またもそれまで物語にあまり出なかった奴が犯人とあって、
物語の展開よりも、やはりいろんなアイテムの描写の面白さに終始すると言う事か。
だとすると、2回目のインパクト低下は否めず、
面白いとは思うが、大傑作とは言い難い。

「ジャグラー ニューヨーク25時」
 人違いで娘を誘拐された元刑事が奮戦する話で、
まあ最初の追跡シーンとか迫力あるし、怪しい風俗とか、危ない地区とか
そこそこ面白みはあるのだが、
人違いと言うところから特にサスペンスも生まれず、
主人公の元刑事も、彼に恨みを持つ刑事も、はたまた危ない地区の連中も、
いくら何でもこんな行動はすまいと言う事ばかりしている気がして、
話をややこしくしたくなる気持ちはわかるが、少しこなれていない。

2002/12/06
「ザ・ハッカー」
 トム・ベレンジャー狙いで見たが、
薄々感じていたとおり、彼は脇役で、もっぱら2人の男の攻防が中心。
天才ハッカーと、米国のハッカー対策要員の実在の下村努氏の攻防で、
ハッカーの技術の描写は、ウォーゲームがのんきな感じに思えるほどだが
実際の所、何をしているのかわからない部分も多々あり、
犯人の正体がだいたいわかっているのに、証拠がないと言う理由だけで手を出せず
ちょっともどかしいところも。
そして、ダイアルアップすると言う事自体が古くさく感じるのも時代の流れか。

2002/12/05
「処刑特急 テロリストの罠」
 ラブコメ風の作品にしか出ないヒュー・グラントが
SFとかアクションに出たらどうなるか気になっていたが、
作品リストには、いかにもアクションぽい題名があり、
たまたまビデオ屋で見つけたので借りる。
題名から、セガールの暴走特急のような作品を想像し、
ネオナチ、マルコム・マクドウェルと揃ったら、
そこそこの作品なのかと期待したが、これが違う。
何やら、冒頭からテロリストの陰謀系音楽が流れるが、
現れるのは、5人組くらいで、計画的な犯行をする一味と言うよりは、
ただ無軌道に暴れる若者で、頭は悪そう。
しかも、なぜか再三にわたり、回想シーンだか、幻想シーンだかが挿入され
普通のアクション映画とは違う感じ。
ヒューはネオナチの取材をする記者で、
一味の一人と同室になるなんて展開は、事件を予想させるが、
一味に絡まれても、あくまでもヒュー流でラブシーンとかあり、
一味が何を企んでいるのか分からないまま、目的地に着いてしまう。
どうもおかしい。これはアクション映画ではない。
そして、連中もテロリストではない。
だまされた。これは映画会社が適当につけた題だ。
仕方がないので見続けるが、
列車とはもう関係のないところで物語は進む。
なぜかヒューは記憶喪失になり、なぜかそれから1年も立ってしまい、
再び怪しい連中と出会って記憶を戻すというような話で、
どうも、悪魔とか天使とかを、幻想的に描いただけのかなりの珍品。

2002/11/27
「潮風のいたずら」
 カート・ラッセルとゴールディ・ホーンという
組み合わせで見る価値ありで、後に夫婦になった組み合わせだが、
ひょっとして、湿っぽい話なんではとも思っていたが、見ると全然違った。
最初こそ、金持ちメイクで、誰だか分からなかったゴールディだが
メイクが取れてからは普段通りのコメディエンヌぶりを発揮。
ラッセルの方も、ちょっとインチキくさいワイルドガイで
互いの魅力を出しつつ惹かれていく展開に、悪い所なし。
実は、後にプリティウーマンとかをやるゲーリー・マーシャル監督で
そう言われるとそんな感じのドタバタラブコメ。
悪ガキたちの動きもいいし。これは面白い。

「レスリー・ニールセンの2001年宇宙の旅」
 レスリー・ニールセン主演のドタバタ物となると
裸の銃の頃はまだ良かったのだが、その後はいろんな作品で登場。
どれも作っている人は違うはずなんだが、主人公のキャラは同じような物で
ただし、笑いの方はどんどん泥臭いというか、下品な方へスケールアップ。
本作は2001年という雰囲気は冒頭だけで、後はただの刑事もの。
吹き替えで多少フォローしてはいるものの、全体としてかなり退屈。

2002/11/24
「L.A.クラッシュ」  冒頭に撃ち合いとか追跡とかがあるが
それが何かはわからず、その一味が後半にも絡むようだが
基本的には個人的な復讐で、なぜ一味がそれに協力したのやら。
マイケル・マドセンはラストまで大して役に立っておらず
恋人の女性も、何度も犯人を近づけたり、遠ざけたりの繰り返しで
もう少し用心しろよと言いたくなる感じ。

2002/11/23
「ラ・ジュテ」
 「12モンキーズ」の元ネタと言う作品なので見るが、
これがかなり実験的な作品で、ナレーションと静止画だけで展開。
時間も30分と言う短さ。凱旋門の壊れた絵とかは出てくるものの
その他は、特に特撮もないのに、物語をSFにしてしまうあたりは凄いと思う。
ただ、どういう話なのかはかなりわかりづらく、ラストになって
そう言えば、12モンキーズにもこんなようなシーンがあったなと思った。

「フェニックス」
 レイ・リオッタ主演で
「L.Aコンフィデンシャル」のような話と聞いていたので、
悪徳警官ものかと言うのは、最初から感じていた。
それでも、なぜか借金している相手には手を出さず、他の借金取りを襲撃。
いろんな人物がからんで窮地に追い込まれるが、
何だかご都合主義というようにも思え、
普通なら、そうは展開しないのではと言いたくなる感じ。爽快感もない。

2002/11/22
「スイッチバック」
 デニス・クエイドとダニー・グローバーの対決かと思ったが
なかなかそう言う図式にならず、3人目の元医師を中心に展開したところがある。
元医師とダニー・グローバーのどちらかが犯人である事は間違いないのだが、
グローバーの行動に、早い内から犯人を思わせる点があり、
結局その通りだったから、その点でのヒネリはない。
元医師は替え玉として利用したような感じだが、
振り返るとそうとも言い切れない行動もあり。
何か男臭い俳優が勢揃いなので、もう少し面白くできそうだが。

2002/11/21
「フレッシュ・アンド・ボーン 危険なめぐり逢い」
 当時夫婦だった二人の、何作目かの共演作だが
冒頭のエピソードから何年かが経ったと言うところで、
あいつがこいつになって、あいつがこいつだなと言う予想ができて
しかも、それがピタリ的中してしまうから、その点での意外性はない。
むしろ、それに気づいた事で、クエイドらがどう動くかがポイントなのだが
デニス・クエイドが、メグ・ライアンを殺すわけないと思ってみれば、
まああんな感じでしょうと言う感じ。
作品全体の雰囲気は暗い。

「エル・ドラド 黄金の都」
 またまたディズニーもどきのアニメで、
吹き替えもそこそこ有名どころ。
エルドラドの伝説をめぐる話だが、
神のフリをしていた主人公たちが、
正体がばれても割に気楽な感じで、
「王になろうとした男」のような感じにはならない。
アニメだが、例えば風景とかはバリバリのCGで、
そこは好き嫌いが出そう。

2002/11/20
「ザ・セル」
 ジェニファー・ロペスがきれいだと言うから見たが
冒頭の幻想的なシーンに続いて、かなり猟奇的な犯人の描写で
見る映画を誤ったかととまどわされる。
その後ようやく物語の展開が見えてくると、
分裂症の人の意識の描写というのが面白い。
かつて「白い恐怖」なんかで夢分析とかもあったが、
あまりに明瞭なので、ちょっと違和感を覚えたものだ。
むしろこの映画のように、混沌としている方がリアル。
その分、それぞれの描写に、どんな意味があるかはよくわからず。
それにひきかえ、ジェニファー・ロペスの意識の中は、
桜とかが咲いていて笑ってしまう。
すごく穏やかだと言う事か。お坊さんじゃあるまいし。

2002/11/19
「ボイスレター」
 元死刑囚が殺し屋につけ回され、
ヘタをすると自分が殺人犯に思われると言う展開で、
犯人は基本的に4人の中の誰かはずなのだが、
今、疑われている人は真犯人ではないはずと言う原則を守っており、
残念ながら、衝撃の展開と言うにはちょっと及ばず。
真犯人でない人を、真犯人であると思わせるために、
わざわざ、捜査官がいろんな説を力説してくれるのが失笑を買う。
主人公も、まだ何もされていない頃から、妙にかぎ回ってわざわざ危険に飛び込むし
例えば犯人じゃなかった女性たちも、
嫌がらせの電話したりして危ない人だったりするし、
一番無事だったのが、主人公だと言うのがお気の毒。
ラストで犯人の指が戻っていたのが気になるが。

「テキーラ・サンライズ」
 以前も見た事があるのだが、
当時はメル・ギブソンだけが目当てで見たが、今はカート・ラッセルもチェック。
何か、「第三の男」的な話だったというような印象があったが
再見したらちょっと違った。
記憶では、カートばかり活躍して面白くないと思ったのだが、
再見すると、活躍しているのはメルばかり。記憶とは怪しいものだ。
カートの方は、ちょっと情けない感じで、
親友と恋する人のために、何がしたかったのか。
いろいろ苦労しているが、しょせん蚊帳の外という感じ。
メルとボス、ラウル・ジュリアの微妙な関係もとらえづらい。

「隣のヒットマン」
 隣の人物が殺し屋かもと言う事でビクビクする話で、
疑心暗鬼になるが、真相は後半までわからないのではと推測していたが、
意外にも早々に本物と判明したので、そう言う勘違いの笑いではない。
ではなくて、周囲が人殺しばかりになって、
この人は大丈夫のはずの、妻や助手までも殺しが平気と言う
ブラックな笑いの線へ。
ただ一人まともな主人公がオタオタする様が笑いのメインだが
あれだけ混乱しておきながら、
最後に丸く収まるのは、ちょっと強引と言う気がする。
ウイリスの妻役は、スピーシーズの脱ぎまくった人だが、
今回はおばはん風で脱ぎもせず
代わりに、最初は普通の女の子だったのに、
実は殺し屋で脱ぐのも平気な歯科助手の方が魅力か。

2002/11/18
「ペイ・フォワード 可能の王国」
 言ってみれば善意の押し売りネズミ講みたいな話で
劇中、「画期的なアイデア」とか言っているが、
その事自体はそれほどでもないのだが、
口コミ的に広がっていく過程が面白い。
記者がそれを逆に追うのも面白いのだが、
たった5人程度でスタート地点にたどり着いてしまい、
最後に全国から人が集まるような、広がりを見せたと言うのが
空々しい気もする。
例えば、うまく行かなかったパターンとかもあるはずで、
そう言うのも絡めて、それでも広がりましたという展開にすべきでは。

2002/11/17
「デンジャラス・ビューティー」
 サンドラ・ブロックと言うと、
あちらで最もセクシーな女優に選ばれた人で
セクシーボディを期待する日本では、ガタイがでかいし、
劇中も言っているように胸がないし、顔もきつめと言う事で
?と言う感じの人も多かったようだが、個人的には気に入っている。
まあ、マイケル・パレに逃げられたおっかさん役みたいなのは困ってしまうが、
本作のような、男っぽいが実は……なんて役柄はピッタリなのかも。
物語の方は、普段はむさ苦しい感じの彼女が、
必要に迫られて化粧とかしたら美人に大変身。
なんて、一昔のマンガのような安易な展開で、
潜入捜査官を捜す時に、CGで皆を水着にしたりするのだが
男の署長まで試したのに、サンドラが一番最後なんて調子よすぎる。
だって、最初から部屋にいたのに。
犯人の方もヒネリなどなく、中盤での推理がそのまま的中。
まあ、あまりどんでん返しとかがあると、物語のポイントがそれてしまうので
これはこれで仕方ないか。
彼女を、気むずかしいタイプと言うよりは
皮肉屋にしたのも、物語的に成功と言える。
あと気になる点は、サンドラも背が高いのだが、
マイケル・ケインがさらに背が高いため、
街で歩くシーンは、サンドラの背が低く見えてしまう事。
そして、かなりマヌケな脇役のカーク船長か。

2002/11/10
「チェンジング・レーン」
☆☆☆★★★

 ベン・アフレックとサミュエル・L・ジャクソンと言う組み合わせで
接触事故がもとで、窮地に追い込まれる話らしく
サミュエルの「交渉人」みたいな線も何となく期待してしまう。
いろいろベンを陥れるのかと思ったが、見ているとそうばかりとは言えず。
実は二人とも窮地に陥るという展開で
それもお互いに何かを知らなくてはならない期限が今日中と言うから、
時間的な余裕はほとんどない。
最終的に、人が一人も死ぬわけでもなく、無茶苦茶な悪事をはたらくわけでもなく
(まあ、個人情報の書き換えはあったが)
それでも2人がどんどん追いつめられていくサスペンスはすごい。
普通だと、追いつめてる側のシーンは余裕があるので、見ていて気楽な時があるが
今回は、2人とも追いつめられるという展開で、見ていてハラハラドキドキ。
心臓バクバクと言う感じ。
役所に書類を出す期限なんて、それほど遅い時間ではダメなはずで
ますます余裕はない。その間にいろいろハプニングがあるわけだから大変。
ひょっとすると、2人に感情移入する以外に
脚本家の気持ちにもなって、今日中に解決しなくちゃと言う気持ちもあったかも。
最終的にサミュエルがハッピーエンドになり、
ベンの家庭はちょっと問題が残ったが、悪い奴にはしてやったりの快感もある。

2002/11/09
「バニシングIN60”」
 ニコラス・ケイジの「60セカンズ」のオリジナルだが
昔の洋画劇場では、スーパーカーブームの元祖なんて言われたりもした。
前半は車泥棒のテクニックを描き、それは面白そうではあるものの
いかんせん、チームのメンバーの関係がいまいちわからず、
主人公がどの人かもピンと来ない。
後半は延々と40分以上続くカーチェースが展開し、
まあ、最初からそう言うのを狙っていたのだろうから、物語がどうとか言うのも何だが
どうにもチェースに芸がなく、警察がなぜなかなか道路封鎖をしないのかとか
ぶつけられた一般の人が気の毒とか、そんな事ばかり気になる。
ハリッキーの死後の再編集版を見たらしい。

「レッド・プラネット」
 確かトラボルタの「バトルフィールド・アース」と同時期で
あちらは評判が悪かったが、こちらはマシかと思えば、それほど評判良くもない。
でもバル・キルマーなので見る。
火星に酸素を作って移住しようとするが、と言う展開は何かミステリーがありそうだが
有名俳優のテレンス・スタンプがさっさといなくなり
他のメンバーも次々物語からいなくなる。最後にはあっさりバル・キルマーだけに。
ロボットとか虫、それに女船長の扱いも、どうもご都合主義と言う感じで感心しない。

2002/11/06
「バウンティ・ハンター 母娘賞金稼ぎ」
 かつてマークしていたアネット・オトゥールも
その後、さっぱり出なくなり、「48時間」の続編も不在だったりしたが
ここで再登場。ただし、ブランクは隠せず、かなりふけてただのおばはんに。
物語の方は、夫の賞金稼ぎ稼業を、妻と娘が継がざるを得なくなって
ドタバタを起こすという展開は、早い段階で分かってしまい、
実際その通りなのだが、
夫と言うのが、ちょい役だがクレイグ・T・ネルソンである事も驚かされるが
その役名が、ラルフ・パパ・ソーソン。
何と、スティーブ・マックイーンの遺作となった「ハンター」で描かれた
実在の賞金稼ぎの人物ではないか。
調べてみると、あのときの奥さんもドティ。
となると、これはもう実話としか言いようがなく、
この娘は、あの娘かなんて感慨もあったりして、別の意味で感激した。

2002/11/04
「私を野球につれてって」
 大リーグの試合では必ず合唱されるという曲を主題曲にし、
シナトラとジーン・ケリーなんてコンビのミュージカル。
間に入るのが、エスター・ウイリアムズで、水の女王とか言われていた人だが
案の定、野球の映画なのに泳ぐシーンあり。ただし、ガタイはごつい。
物語の方は、古い時代の野球で、どうにも野球場もセットぽく
本当の野球映画としての醍醐味はあまり味わえず。
八百長がらみのシーンもあるかと思わせて、ただ疲れさせるだけとは、
ギャングも良心的で、のんきな感じだ。

「救命士」
 マーチ・スコセッシ監督だけに
タクシー・ドライバーの救急車版と言った趣。
まあ、いろんな人々がいて、
次第に暗い気持ちになっていくのはわからないでもないが
そんなシーンだけで1本作られても、こちらまで暗くなってしまう。
タクシー・ドライバーは面白かったんだが。

「ドアーズ」
 バル・キルマーとメグ・ライアンなんてコンビだし
どうもメグ・ライアンが脱いでるらしいという噂もあって、
見逃せまいと思って見た。
が、映画の方は冒頭から何やら観念的な感じで、
ジム・モリソンが何を目指しているのかよくわからず、
体制に逆らう姿はいいのだが、最後にはただ堕落していくだけだし。
曲の方も、「地獄の黙示録」のジ・エンド以外は聞いた事もなく
ちょっと見ていてつらい。
ロングヘアーのカイル・マクラクランは、かなり違和感あり。
いつも背広着てた人だし。
メグ・ライアンは、「恋人たちの予感」よりも後らしいのだが
雰囲気はむしろ少女っぽい感じ。胸チラもあり。

2002/10/30
「フリントストーン2 ビバ・ロック・ベガス」
 恐妻家族とかいう題名のアニメの実写版第2弾で
今回は、彼らが結婚する前のエピソードに。役者も総入れ替え。
原始時代で恐竜がいたり、石器ばかりだが
なぜか建物とか乗り物とかは、現代と変わらないという設定で
物語は展開するが、
そこの所が当たり前になってしまうと、
物語の方は、たいして面白くもないカップルがくっついたり離れたりするだけ。

2002/10/29
「TAXi2」
 リュック・ベッソン製作のシリーズ第2弾で
飛行機で何度も見たが、マトモには見れなかったので見る。
いかにもフランス風という感じの、お手軽でのんきな展開で
日本人をバカにしていると言うよりは、
日本人と小手先でつきあおうとして、
恥ずかしい事を何度もする連中をバカにした感じ。

2002/10/28
「ザ・キープ」
 若いスコット・グレンやらユルゲン・プロホノフやら
何だかクセのありそうな男優が勢揃いで出ており
どんな映画か知らないが、面白いに違いないと思ってみる。
舞台は第二次大戦の独軍とか出てくるものの、戦闘シーンがあるわけでなし
もっぱら不思議な城の話で、幽霊みたいなヤツが暴れるだけ。
独軍の虐殺も多少あるが、物語上、特に必要とも思えない。
そして、主役と思っていたスコット・グレンは極端に出番が少なく
最初主役的だったユルゲン・プロホノフは、途中で殺される。
ようやく現れたスコット・グレンは最初から目が光って
普通の人間でないと言うのがわかり、その後は謎の力で戦うばかり。
眠くなりそうな話。

2002/10/27
「トリプルX」 ☆☆☆★★

 新種のシークレットエージェントとやらで
007を過去の遺物に葬り去るのはこいつなどと宣伝されているのを見ると
007のファンである私としては、あまり好意的に見る事はできず、
主演のヴィン・ディーゼルが前に出ていた「ピッチブラック」なんかも
エイリアンと対決するのだが、「死ぬのなんか怖くないぜ」と言うタイプの男で
それはそれでかっこいいのかも知れないが、
死ぬのが怖くない人がどんなにピンチになっても、
見ている方はハラハラしないと言うマイナス要素があり、そこも気に入らなかった。
本作では、やはり「怖くない」と称しながら、多少びびったり
銃の腕がヘタだったりするので、まあアレよりは好感が持てるかという感じ。
しかしながら、派手な音楽と派手なアクションで、観客に受けようとするのはわかるが
どうにも物語の方は雑な感じで、
しかも過去の遺物のはずの007の、定石のような展開をなぞった感じ。
秘密基地にいる悪玉に、最初は味方のフリして接近。
だが正体がばれ、捕らわれるが脱出。秘密兵器を使って大暴れ。
敵かと思った女スパイと、最後はいい仲になると言う感じで来たら
これが007でなくて何だと言うのか。
おまけに、トリプルXと言う名前も、007に出てきた女スパイのコードネームだし。
これもあまり気に入っていないミッション・インポッシブルの方が
まだ独自の物語で、まだマシという感じだ。
派手なアクションも、やたらパラシュート系が多い上
雪崩のシーンは、絶対スタントマンでも無理で、特撮だとわかってしまうし。
特殊装備の担当の男は、新時代のQと言う感じで、彼はちょっと好感が持てるのだが
007のような奇抜な物がない。どこかで見たような物ばかり。
007の魅力の1つはその音楽にあるのだが、
どうも本作の音楽は、アクションを盛り上げるのに役立っていない感じ。
敵一味も中途半端な連中で、よくあるテロリストでなく派手な組織のはずなのに
ワシントンやニューヨークとかでなく、プラハなんて場所を狙ってる。
ボスが死んでから、延々とアクションが続くのも困るし、
最後の毒ガスを始末する手口も、何だかよくわからない。
あのボートのデザインセンスの悪さも気になる。
007の魅力は、新兵器のデザインのかっこよさにあるのだ。
そして、組織のボスがサミュエル・L・ジャクソンだが
彼はほんの数年前に、黒人版007と言われる黒いジャガーのリメイク
「シャフト」に主演で出たばかり。おまえが現場に行けよと言いたくなる感じだ。
そう言えば、実際彼はプラハにかけつけるのだが、
毒ガスを満載したボートを爆破すると知ってるのに、関係者がかけつけるのはおかしい。
なんて感じで、007を葬ると言うのならば、奇想天外なアクションとか
そこらへんをさらに派手にしてほしかったのだが、そこまでには至らず。
10年後には、こっちのシリーズはもう終わっていて、あっちはまだ続いている感じ。

2002/10/26
「ハーモニーベイの夜明け」
 アンソニー・ホプキンスが囚人で何やら秘密を持ち
精神医がその真相を暴こうとするなんて展開は、「羊たちの沈黙」ぽくて
最近この人は、この手の役柄ばかりだという気にもなるのだが、
見てみるとなぜかゴリラの話に。
ゴリラとなると、実話をもとにした「愛は霧のかなたに」にかなうはずもない。
おまけに、なぜ殺人を犯したかが、謎解きのメインのテーマとなるわけだが
ホプキンスが悪い人ではなさそうと言うのが早めにわかり、
そうなると、きっとアレだろうと想像すると、結局その通りでヒネリも何もない。
さらに驚かされるのは、エンディングに来ると、
なぜかショーシャンクかそこらの映画の雰囲気になり、
結局の所、いろんなヒット作のええとこどりで、くっつけてみましたと言う感じだが
あまりにもそれぞれが異質なテーマなので、違和感は隠せない。

2002/10/23
「裏切りの密輸船」
 ハンフリー・ボガードの「脱出」のリメイクらしく
元ネタも見たはずだが、こんな話だっけと言う感じ。
借金のおかげで引き受けた仕事のせいで、事件に巻き込まれるのだが
自分がさほど窮地に陥るわけでもなく、
なぜ危険を冒して一味を倒す必要があったのかと言う感じ。
酔っぱらいのじいさんにはちょっと味がある。

2002/10/22
「左きゝの拳銃」
 「左ききの」と言うから、左利きである事を生かした
ちょっとひねった展開でもあったのかと思ったが、ほとんどその点は描かれず。
実は主人公はビリー・ザ・キッドで、追うパット・ギャレットも登場。
彼らの物語は、何度か映画化されており
細かい展開は違えど、結末は同じわけで、そう言う意味では先が読める。
若きポール・ニューマンは、後の作品からは想像もできないやんちゃ坊主ぶりで
「海底二万哩」のカーク・ダグラスもこんな感じだったが、ちょっと調子狂っちゃう。

2002/10/21
「Lifeエディ・マーフィの逃亡人生」
 エディ・マーフィの近年の作品は感心しない物が多いが
この作品はなかなか出来がいい。
物語はショーシャンクを彷彿させるような展開だが
なにぶん主役の二人が黒人キャラだけに、やたら口論が多い。
真犯人が登場する展開は、ある程度予想がついてその通りに。
にもかかわらず出所できないと言うあたりまで予想できてしまう。
最後に脱走すると思わせて、死体が見つかったので失敗だったかと思わせるが
やはりと言う展開も読めちゃうんだけど、安易すぎるというわけでもなく
なかなかほのぼのした感じ。
そんな中で友情が芽生えると言うあたりが、いまいち弱い気もするが。

2002/10/14
「ロード・トゥ・パーディション」 ☆☆☆★★

 トム・ハンクスが初めての悪役に挑戦と言うが
悪役と言うよりは汚れ役と言うわけで、物語の悪役は別にあり。
キャスト・アウェイでせっかくやせたのに、元の通りの体型に。
太っていると、どうにも悪い奴に見えるから、悪役でも行ける気がする。
ポール・ニューマンも殺し屋のジュード・ロウも意外に出番が少なく
奥さんのジェニファー・ジェーソン・リーに至っては、言われてもわからない。
物語は、どこかで見たような話で、
ニティと言うギャングは、アンタッチャブルの殺し屋の名前だった。
親子で銀行強盗するあたりは、ちょっと微笑ましくていいのだが、長続きせず。
パーディションとは町の名前である一方で、絶望という意味もあるらしく
物語の方も、何だか悪い方向へどんどん進んで暗い感じに。
冒頭は回想シーンで始まるので、トム・ハンクスが今は生きておらず
少年が生き延びるのはわかってしまい、そう言う意味では展開は読める。
ポール・ニューマンを、根っからの悪役にはしないと言う配慮も感じられ
トム・ハンクスも必要以上の殺人はしないわけで、
そうなると、物語はああなるしかないかと言う感じ。
面白い作品とは思うが、ちょっとばかり意外さに欠けると言う感じで物足らない。

2002/10/10
「エドTV」
 ジム・キャリーも同じテーマの話に出ていたが
あちらが生まれた時から、撮影されている事を知らないで育ったというのに対し
こちらは当人も承知の上。周囲も当然意識して会話し
広告を盛り込もうとしたりするあたりがリアル。
ただ、テレビが撮影している以上、周囲はそうそう意識しない会話ができるとは思えず
あんなドタバタにはならない気がする。
まあ主人公が怒るのは当然の成り行きと言う事か。
それにしても、マシュー・マコノヒーとウディ・ハレルソンが兄弟で
父がデニス・ホッパー、義父がマーチン・ランドーなんて家庭、
それだけで大変そう。

2002/10/09
「ピッチブラック」
 出演者に有名な人はおらず
唯一凶悪犯は、トリプルXの主役の人だが、どうにもかっこつけすぎて気に入らない。
宇宙船内のアクションかと思っていたのだが、舞台はもっぱら惑星で
しかも3つの太陽があって夜がなく、22年に1回だけ日食がと言う特異な設定。
乗客の生存者もいろんな連中がいるが、説明があまりなく
最初は惑星の住民なのかと思ってしまった。
凶悪犯が暴れるかと思えば、実は怪物が暴れる話で
最初はコウモリみたいなヤツで怖がらせて、最後にでかいのがと思わせて
最後までコウモリのようなヤツで終始。
まあ多少はサイズがでかくなるが、小型のギャオスかレギオンかと言うデザインで
暗闇でよく見えず、しかも襲われるとあっという間にやられてしまい、
わけがわからない。
凶悪犯と賞金稼ぎと女船長がラスト3人になるだろうと思わせて
それさえも裏切る展開になり、この話、ちょっとずつひねってるなと言うのはわかるが
もう1回脚本を推敲した方がいいのではと言う荒さも気になる。

2002/10/07
「ミュージック・オブ・ハート」
 と言うわけで、ちょっと太ったメリル・ストリープ主演の映画で
口は悪いが、がんばりやのおっかさん役。
ハーレムの小学校でバイオリンを教えるが、生徒の家族が殺されたり
生徒自体が殺されたり、夜逃げしたり、人種差別があったり大変そうだが
割にすんなり展開して拍子抜け。
恋人も映画の中で2人も出てきたりするし
子供たちもさほどぐれたりしないし、苦労した人の話にしてはトントン拍子。
それでも、バイオリンを通じて子供の心が一つになると言うのもなかなかいいし
カーネギーホールで演奏してしまうクライマックスもいい。
まあ、最後の演奏の半分はプロの演奏だが。
もう少し脚色すれば、鳥肌もののシーンになったやも。
アイザック・スターン他大物が本人役で出てるすごさもあり。
この監督、普段はホラーばかり作っている人らしいのだが
やればできるじゃんと言う事か。

2002/10/06
「リプレイスメント」
 キアヌ・リーブスが出ているアメフトの話で
ジーン・ハックマンがコーチで
TV「ザ・インターネット」のアンジェラ役の人も出ているというので見たが
ふたを開けてみると、アメフト外の連中までかき集めた珍チームになり
それでも奮闘するという展開で、メジャーリーグアメフト版という発想。
がんばれベアーズとかもあるし、アメリカの人はこの手の発想が好きなのかも。
この手の話は、脇の人の奇想天外さにあり
怪しい日本人力士とか、やたら足の速いヤツとか、何にでも突進するヤツとか
そう言うのは事欠かないが、その分キアヌがあまり目立たず。
チアガールとなったアンジェラとの絡みも、何だかお約束的で上っ面だけの描写だ。

2002/10/05
「渚にて」
 核戦争の恐怖を描いた話で、
派手な戦争シーンや核爆発、そしてパニックのシーンをまったく描かす
それでいて怖さをアピールすると言うやり方はなかなかすごい。
人がまったくいない都市のシーンの圧倒的な迫力。
ヘタに、破壊された廃墟とかを見せるよりも良い。
まあ、物語としては、絶望へどんどん向かっていくと言う展開で
ちょっとつらい物があるが。

「フィスト」
 ちょっと人気の出たスタローンが、社会派劇をやりたくなったわけで
物語としては、次第に組合が力を持つまでの展開はなかなか見応えあり。
会社をギャフンと言わせるのはいいが、友人との関係が煮え切らず
また組織が関与しているのも気づきそうなのに、気づかないのが困りもの。
いきなり時代が数十年飛び、急に騒がれて殺されてしまって急に終わって驚かされる。
もう少し話を交通整理したら面白かった気もする。
とは言え、そこそこ面白かったのに、彼が二度とこういう作品に出ない所を見ると
儲からなかったに違いない。

2002/10/03
「ティーン・ウルフ」
 マイケル・J・フォックスが
バック・トゥ・ザ・フューチャーより前に出て、その人気で掘り出された作品だが
いかにもお手軽な作りで、物語は学校内で終始。
別の高校のチームと試合しているのかと思いきや
相手チームに、恋敵がいるところを見ると、ただの練習試合。
狼男になっても、あまり思い悩んだりしないのはいいのだが
物語しては軽すぎ。

2002/10/02
「フィアー&デッド」
 マイケル・パレが出れば何でも見るが
今回は宇宙ステーションをテロリストが占拠するという話で
ちょっと前にも似たような話を見たので、また可という気もしたが見ると
マイケル・パレは序盤から、ちょっと怪しい科学者の役で、いかにも怪しそう。
そう見せておいて、実は真犯人は別にいたと言う展開かと思いきや
最後までそのまま。物語としての主役は別の人だったというわけで
パレの活躍を期待した向きには、ちょっと失望させられる作品だが
最近のパレの事を考えれば、いかにもパレらしい作品という気もする。

2002/10/01
「殺意の香り」
 ロイ・シャイダーなので見るが
ヒッチコックばりに、オークションのシーンとか夢分析とか出てくるものの
それほど生かせているとは思えず。
真犯人はそれが分かるまでに出ていなくてはならないと言う原則から考えると
当時の人気からもメリル・ストリープが犯人ではあり得ず
したがって、ああならざるを得ないと言うのはわかるが
それにしては、それまでほとんど出ていなかった人物なので唐突という感あり。
夢分析も面白そうなのだが、事件解決にさほど役立っていない。
殺したはずのロイ・シャイダーを生きてたあたりも、半端な犯行という気がする。

2002/09/30
「沈黙のテロリスト」
 セガール主演のニセアクションシリーズかと思わせて
実は主演はトム・サイズモア。
セガールはちょっと太り気味で後方支援。
相棒を殺されて云々という展開はあまりにもお約束的。
デニス・ホッパーの爆弾魔はスピードを思わせるが
ちょっとひねって、黒幕は別にいたと言う展開があるが
どうにもとってつけたような違和感はある。
セガールが爆弾処理班のくせに最後に大立ち回りするのもご愛敬。

2002/09/29
「放射能X」
 巨大アリが暴れる話で、確かに巨大生物ものにしてはマジメな作りで
何てもでかくすればいいと言う安易さはないが、
やはり一昔前の、どこか怪しげなSF設定と言う印象は否めない。
エイリアン2の元ネタと言う説もあるものの、
アリなら卵があるはずだし、他にも仲間がいそうと考えるのは当然で
さほど画期的なアイデアと言う気はしないが。

2002/09/28
「ギャラクシー・クエスト」
 スタートレックを思わせるカルト的人気のSFシリーズの出演者が
番組が終わってもファンにつきまとわれ続け、人気のある艦長以外は腐っていたが
ひょんな事に本当に宇宙に行くハメになると言う展開で
実はサボテンブラザースと同じ設定。
高度な技術は持ちながら、ドラマの存在を知らない異星人と言う設定に無理はあり
最後の決め手となったオメガ13も、正体不明なのに再現してしまったのは無茶。
それでも、やはりスタートレックの裏話的に見れば楽しめ
異星人役の人に、怪しい虫の食事を出されるシーンが笑える。

2002/09/23
「13デイズ」
 キューバ危機を描いた作品で、
JFKに続いて、ケビン・コスナーがケネディがらみの作品に出る。
何やらやばい事があったとは知っていても
例えばビッグス湾事件なんてのも、キューバ危機の内かと思えば
広い目で見ればそうなのかも知れないが、
どうも最悪の状況とは別のタイミングらしい。
ビックス湾事件は、キューバがカストロ政権になり
米軍が侵攻を計画したが失敗した作戦らしい。
その後、ソ連がキューバにミサイル基地を設置し
米国が報復も辞さないと言う態度で対したのがキューバ危機だ。
物語は最悪の13日の展開を描く。
すべて実話だという重みはあるものの、ケネディ兄弟とグロムイコ外相以外は
ジャクリーン夫人程度しか有名人が出てこず
コスナーの役柄とか、その他のタカ派の将軍とかも
いたのかも知れないがピンと来ない。
そして物語の展開の方も、かなりやばい状況だというのはわかるが
軍部と兄弟がもめている中で、何日も経過しているので
おいおい、そんなにのんびりしていいのかという気にさえなる。
実話だから、実際になかった見せ場をでっち上げるわけにはいかないものの
13日間必ずしも一進一退の攻防が続いたわけでなく
双方煮詰まったところがあるのはわかるが、そこをもう少し面白く見せられたら。

2002/09/22
「恐怖のワニ人間」
 この時代風のチープな設定とチープな特撮。
舞台は小さな村どころか、1つの屋敷の周囲だけで終始。
もっともらしい理由でワニのエキスを注射してワニ人間になってしまう展開で
狼男がいいなら、ワニ男もいいはずと言うようなノリで作ってしまったのだろうが
もう少し神秘的にするとか、科学的にこじつければまだいいのだが。
まあ、70年代になっても、まったく同じ発想でヘビ人間と言うのもある事だし。
物語自体はしごくマジメで、女優さんも美人だが
出てくるワニの口が縛ってあったり、作り物だったりで動かないし
急に変身してしまったワニ人間は、よく言われるように人間にワニの頭をつけただけ。

2002/09/21
「プルーフ・オブ・ライフ」
 メグ・ライアンとラッセル・クロウの関係が話題になった映画だが
確かに俳優陣の中で1番に名前が出てくるものの
映画を見ると、目立っているのはラッセル・クロウとデビッド・モースばかり。
ラッセル・クロウが「交渉人」としていろいろやりとりするあたりはいいのだが
途中で救出作戦しかないとなると、ベトナム戦争映画か何かのようなノリに。
ほとんど目立たなかったメグ・ライアンと唐突にくっつくのも妙だし
夫と半年ぶりに再会したクセに、夫を放ってデビッド・モースと話すのも考え物。
見せ場を作るためにはこういう展開にせざるを得なかったのだろうが
もう少し工夫が欲しいものだ。
宣教師か、救出班のリーダーのどちらかが死ぬと思ったが、どちらも死なず。
この救出班のリーダーデビッド・カルーソは、
「死の接吻」でニコラス・ケイジを向こうに主役を張った人だし
宣教師もどこかで見たと思ったら、「007/ゴールデンアイ」のロシア将軍。

2002/09/16
「アバウト・ア・ボーイ」 ☆☆☆★★

 ヒュー・グラントは相変わらずのインチキプレイボーイぶりで
サスペンスやSFを演ずる姿が想像できない。
印税で悠々自適に暮らし、一人が一番だと
女性とつきあってもすぐ別れるのをベストとしていた彼だったが
たまたまついたウソが原因で、少年親子と知り合い
少年と会っている内に、母さえ知らない秘密を共有するようになると言う展開。
シングルマザーの会で狙った女性が、少年の母でなく、
ヒロインであるレイチェル・ワイズでもない。
そして、少年の母がレイチェル・ワイズでもないと言う、ちょっとヒネリがあり
少年が幸せになるには、母とヒューが結婚するはずと思わせる(先が読める)
従来のありがちな物語とはひと味違う。
ヒューと少年の独り言が、交互に展開し、面白いエピソードをまじえ
ヒューの方が意外に子供だという展開もありがちだが面白い。
人は島ではないと言う、ジョン何とかさんの言葉があるらしいのを
冒頭のあちら版ミリオネラで軽く紹介し
ヒューは冒頭で、少年はラストで
それをジョン・ボン・ジョビの言葉だと言うのもおかしい。
世の中はカップルだけで成り立っている訳ではないと言うのがテーマとわかり
そう言う話はあまりなかったので感心させられる。
ただ、少年があの舞台でヘタな歌を歌い、ヒューが助けに入った事が
どれだけ周囲の彼らを見る目を変えたのかは、いまいち説得力がなく
悪そうなエリーという少女が、少年に心を許すのはよいとして
ラストで、家族のようにつきあっているのは、ちょっと無理がある気がする。
全体として面白い作品である事は認めるが、
「カップルの愛こそ世界で最も大切」と言うような映画ばかりの中で
それらの映画にも、当然いい映画はいっぱいあるわけだが
同系列ではないこの映画を、それらの映画より面白いかどうかを比較するのは難しく
「ちょっとひねてるよ」と言うしかあるまい。

「アンブレイブル」
 「シックスセンス」でああいう手を使った監督が
新たに奇妙な境遇の二人を対比して作った物語。
その境遇の対比が面白そうだと思わせるのだが、
意外にサミュエルの方はあまり触れられず、
もっぱらブルース・ウイリス中心に展開。
何か神秘的な物を感じさせつつ、サミュエルはあくまでコミックのヒーローだと言い
それが何となく、作品を陳腐に思わせている気がする。
スパイダーマンとかその手の作品が、実際にあり得たらと言う仮定で
科学的に説明するのでなく、神秘的という説明でクリアするという
新たなやり方にも思えるが、いずれにせよ大風呂敷広げたくせにという感じ。
ラストはどんでん返し風だが、
意外に簡単にブルース・ウイリスが通報して解決したりして
あの後は、正義のために戦わなくなっただろうとも思えるし。

2002/09/15
「インビジブル」
 ポール・バーホーベンが現代版の透明人間に挑戦。
「コールガール」「スターシップ・トゥルーパーズ」と感心しない作品が続いたので
この作品も、あまり期待しないようにして、ちょっとHな期待をして見た。
透明人間自体が、科学的に不可能と言われており、
(眼球が透明になると物が見えなくなるため)
現代風にリアルに表現しようとするためには、そこを説明せねばならないが
まったく省略されてしまい、透明になるのは簡単だが、戻るのが大変と言う。
しかし、透明になる技術と戻る技術は、同時に生まれそうな気もする。
元に戻れないベーコンが、よこしまな考えを起こすようになるが
今までのように金目当てと言うよりは、Hな方へ走るあたりは、面白いのだが
肝心のエリザベス・シューはどうにもならず。
天才のはずなのに、のぞき方面へ利用する事をなかなか思いつかないのもマヌケ。
熱探知のメガネで居場所がわかるにもかかわらず、皆なかなかつけようとせず
大勢いるのに、わざわざバラバラに動いて一人ずつやられるとは
科学者もたいした事ないのではと思わされる。
透明になる前に、暴れたらどうするかとか、居場所がわからなくなったらどうするか
決めてからにすべきと言う気もする。
冷凍室に電気ショックの装置があったり、都合の良すぎる展開が続き
最後はリポビタンD級の握力でシューが助かるのも驚き。
リアルさもHさも中途半端で、気持ち悪さばかりが強い。

2002/09/08
「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」 ☆☆☆

 シリーズも早くも3作目。
ちょっと品のないギャグが気になるものの、
米国ではヒットしているからこそのシリーズだし
豪華ゲストが出てくるのも、そこらへんを裏打ちしているのかも。
トム・クルーズやジョン・トラボルタが出ているという噂は事前にあったし
CMではオープニングが凄いと言っていたから、
そこに出るのはある程度予想がついた。
毎度、オースティンが踊っているから
その中に参加するのだろうと思っていたが、さにあらず。
今風の派手なアクションを見せ、
トムらがそれを演じていたと言うのはちょっと不意打ち。
その気になれば、こういうアクションも撮れるけど、
あえてそれをしないと言う意味かも知れない。
しかし、ちょっと違うと言って、毎度のオースティンのペースに持っていってからは
いつもの通りの展開に。
「オープニングが凄い」との日本での感想は、
裏を返すと、「オープニング以外は、ちょっといただけない」と言う事かも。
MI2とか、本家007とか、電撃フリントあたりのパロディをまじえるが
パロディはパロディに過ぎないし、3作目にもなるとマンネリは否めない。
マイケル・ケインをゲストにしたのはユニークな人選だし
必ず富士山が見える日本を舞台にした珍妙な光景は、そこそこ面白いが
スマッシュヒットと言うには至らず。
下品なネタも、あまり引っ張られると苦痛にも思える。
オースティンとドクター・イーブルが兄弟だったと言う強引な展開もあり
この後、どうするつもりか知らないが、一応息子のスコットも残してあるし
たぶんまだ続けるつもりに違いない。

「オクトパス」
 この手の話はいかにバカバカしいかがポイントだが、
巨大タコだけを出すのもどうかと思ったのか、
キューバ危機やらテロリストを絡めたりして、物語をふくらめようとしたのが逆効果。
主人公のCIAは、いかに人質を取られているからとは言え、
わざわざテロリストの手錠をはずしてしまうし
相棒を殺したテロリストを、「丸腰の相手は撃てない」等と称してみすみす見逃し
その後、お約束のように蛸にやられると、
「ヤツは死んだぜ」等と、自慢げに語るのが困りもの。
おまけに、豪華客船の船倉に時限爆弾があり、
「あと4分で爆発する」と言う状態で、潜水艇に乗り込んで、
蛸の腹に爆弾を投げ込むが、
あんな客船では、潜水艇にたどり着くまでに、4分たっていそうだが。
特撮も適当だし、主要登場人物以外が簡単に全滅するのもお約束的。
やはり、もっとタコの登場場面が多くなくてはダメだ。

2002/09/06
「ラストパトロール」
 ドルフ・ラングレン主演で
冒頭から大地震で崩壊した後の社会と紹介されたので
さぞ異色の設定の、戦いのシーンを見せるためだけの映画かと思って
それならそれでも面白いと期待したが
いざ見ると、何やら生存者のリーダーになるだけで
特にラングレンらしきパワーは発揮されず、敵もさほど脅威でなし。

2002/09/01
「ウインドトーカーズ」☆☆☆★★★


 ニコラス・ケイジが主演で
最近見かけないクリスチャン・スレーターも出ているらしいし
彼らがジョン・ウーつながりだと言うのはあるのだが
これは見逃せないと思って見たが、正直言ってジョン・ウーなので
あまり物語の方は期待していなかった。
ニコラス主演で展開するのかと思えば、最初は何やらインディアンが出てくる。
インディアンを差別する同僚の話も出てくるが
さほど差別が激しくないのは、物語進行の都合上か。
物語は、むしろ彼を主演のようにして展開して、
ニコラスは同僚を全滅させてしまった影のあるタイプの上官。
このタイプは戦争ものとかではよくあるタイプで、
同じような状況になるが、次回は手際よくやってのけるはず。
ニコラスとこのインディアンが、日本兵と捕虜に扮し
片言の日本語で「ホリョダー」と言って敵陣地の通信機を使うのは武勇伝的。
クリスチャンは、最近の出演作の少なさから、部下の一人かと思ったら
ニコラスと同様の任務を受けた男で、わりに活躍する役なのかと思ったが
中盤で殺される。それももう1人のインディアンと一緒に。
と言うよりは、インディアンを殺したのはニコラス自身で
捕虜にされるくらいなら殺せと言うのが任務だから、
そこらへんでようやくこの映画の狙いが見えてくる。
ニコラスは護衛すべきインディアンを守れるか、それとも殺すのか。
(殺す訳がないと言うお約束はあるのだが)
そしてお約束のように、上官たちが死んでいき、再び彼が指揮を執る事に。
今度は部下を守れるかと言うのが主眼になるはずだった。
しかし、指揮はたいしてとらず、物語はもっぱらインディアンとの関係をメインに。
無謀にも二人で通信機を回収するため敵陣のまっただ中へ。
そしてニコラスはインディアンを殺さず、自分がやられて死ぬと言う展開は
武勇伝としての面白さと、戦争の悲惨さ、戦場での命令の非情さを
絶妙のバランスで描いていて、意外な掘り出し物だと感じさせられた。
ドロドロした人間模様のシーンは少なめで、派手な戦闘シーンが続き
痛そうな描写が多いのは、最近のはやりか、ジョン・ウーのお得意か。
もう一息、ニコラスの死を泣けるように見せる事ができれば
これはすごくいい映画だと言ってしまうのだろうが、そこまでには至らず。

2002/08/28
「パーマネント・レコード」
 やや古い映画なので
キアヌ・リーブス主演と言っても、実は脇役なんではと思ったが
一応主役だった。
しかし、物語の方は、前半はまさにとりとめもない話が延々と続き
このまま最後まで行くのではと思ったが、中盤で親友が自殺。
それで、周囲が動揺するのだが
やはりその様をとりとめもなく描くばかりで、
何かしてやったとか、何かが変わったというようなハッキリした展開は
あまり感じられない。

2002/08/27
「悪いことしましょ!」
 ブレンダン・フレーザー主演で
願いが7つだけかなう事になり、いろんな素性を体験するがと言う話で
毎回、割に極端にキャラが変わって、なかなか笑わせるが
それにしては、結末が何か地味すぎて、面白味に欠ける。
素朴なところにこそ幸せがあると言う事だろうが。

2002/08/26
「遠い空の向こうに」
 実話に基づくと言う作品で、宇宙を夢見る少年の話だが、
ライトスタッフのような、現場の物語までは行かず
4人がほのぼのとしたムードで取り組む姿は、「スタンド・バイ・ミー」風。
しかし、父との確執のあたりになると雰囲気は変わり
まあ、最後に父も彼の仕事を認めて成功するからいいようなものの
ちょっと重苦しい感じ。
本当にNASAの技術者になったらしいが、そこまで見たかった気もする。

2002/08/25
「スーパーノヴァ」
 TVスタートレックの1エピソードをわざわざ映画化したような
チープさを感じさせる作品で、ワープをわざわざジャンプと言い換えて
別の設定だぞとアピールしているあたりに、卑屈さを感じる。
物語は、ヒッチハイクで乗せた男が殺人犯だったと言うような展開を狙ったのだろうが
実体はエイリアンのバリエーションにしか見えない。
しかも、未知の力を得たとは言え、素性のわかっている人間で、恐ろしさもいまいち。
バーティカル・リミットやエンド・オブ・デイズに出ていた
ロビン・タニーと言う人が出ていて
Hしまくると聞いていたのでそう言う期待もあったが
いざ見ると特に裸があるわけでもなく、簡単に殺される脇役。

2002/08/24
「トータル・フィアーズ」☆☆☆★★★


 シリーズ第4作で主役のジャック・ライアンも3代目。
俳優は若返り、ライアンも未婚に逆戻りするが、
時代は先へ進むと言うわけで、ちょっと意識的に見なくてはならない。
どういう話かはよく知らずに見たが、核爆発は起こるらしい。
物語は、米ロを対立させ、その漁夫の利を得ようとする
007等でよく聞く手口だが、あれらが割に大味な展開なのに対し
ここではなぜ戦争に行こうとするのかが、克明に描かれていて面白い。
イスラエルで埋まっていた核爆弾を使用すると言うのも、入手方法としては可能で
現実に起こりえると言う感じなのだが
敵組織が、右翼やネオナチなどその手の組織が手を組んだと言う組織で
仮面ライダーとかの歴代の敵が手を組んだようで、ちょっと空々しい。
スーパーボール会場で核爆発が起こるシーンは、
パンフなどにも書かれている「ブラックサンデー」を連想させる物で
現代風に迫力満点で描いてくれるのではと期待したが
それ自体の描写はなく、いきなり周囲の建物が吹き飛んだりする始末。
あれだと、ベンも恋人も死にそうな気がするのだが、意外に平気で
放射能の影響すら受けていない。風の向きがどうとか説明していたが
そこらへんが、実際に核の被害を受けていない国の映画の甘さか。
そこから米ロ戦争へどんどん迫る展開は、「未知への飛行」あたりを連想させる展開。
両国とも、攻撃賛成派と反対派に別れるあたりもお約束だが
ありがちなように、単純に戦争に進んでいっているのではない描写に好感が持てる。
しかし、事態に気づいているベンが、混乱しているはずのボルチモアで走り回り
活躍しすぎると、ちょっとウソっぽくなってくる。
核爆発の影響で電波干渉とかありそうだし、皆も携帯をかけまくりそうなのに
意外に簡単に通話できるのも妙だし、長官を簡単に見つけるのも妙。
そこからペンタゴンとかいろいろ簡単に移動してしまい、
彼一人だけが事態を理解しているとは言え、スーパーマンぶりに驚かされる。
原作のトム・クランシーが、前作までのハリソン・フォードが
スーパーマンになったのを快く思わず、その点を改善したとかの事だが
むしろシリーズの中で、最もスーパーマン的な活躍と言える。
最後に戦争を回避するのはお約束だし。
スパイものは、「実は現実に起きていたのかも」という程度に抑えるのがミソで
核爆発など起きてしまっては、その面白さが半減。
まあスパイ物と言うよりも、スペクタクルとして見ればいいのだが、
がんばりつつも、最後の方には大味になるのは仕方ないか。

「デッドカーム 戦慄の航海」
 やや古い映画で、登場人物は主に3人なのだが
3人ともそこそこ有名。冒頭の子供が死んだシーンが、物語に影響しそうなのだが
あまり関係あるようにも思えない。
限定された空間で危機に陥る展開は、オーソドックスだがなかなか面白い。
ヒューイがなぜ殺人を犯すのかは説明がなく、
死んだかと思ったのに最後に再び現れるあたり、ホラー映画風なのが気になるが。
主に活躍するのはニコール・キッドマン。
トム・クルーズとの結婚してた時期の作品は感心しないのだが
これは出会い以前でなかなかよい。
アイス・ワイド・シャットで初公開かと思った裸もあり。

2002/08/23
「タイタス」
 アンソニー・ホプキンス主演のグラディエーターの線を期待しつつ
さすがにちょっとは違うのだろうなと思ったが
いざ見てみると、冒頭から車とかマイクとか出てきて、小道具が現代風。
ジーザス・クライスト・スーパースターと同じ手法だが、その意図はよくわからず。
そして物語は、皇帝を尊敬していたが裏切られると言う
グラディエーターとそっくりの展開。
ヒロインになるのかと思ったジェシカ・ラングは、かなりの悪女ぶりだが
そんな事よりも何よりも、中盤からの残虐描写の気持ち悪さ。
手を切る、舌を切る、娘の首を折る、果てには人肉を親に食べさせる始末。
さすがはハンニバルと言う感じだが、なぜ同じようなキャラを演ずるのか。
それほどひどい事をされ、倍にして返したと言う意味はわかるのだが、
見ていて痛快に思えず、寝る前に見るのには適さない。

2002/08/18
「ダドリーの大冒険」
 と言うわけで、ブレンダン・フレーザーと言えば
ハムナプトラ以外の作品では、ハンサムガイだがちょっと抜けてる役柄が多く
この作品もそんな感じ。
まあ、それもある程度までは面白いのだが、度が過ぎるとイライラするし
相手を倒す過程も奇抜な手口があるわけでなく
時間も1時間ちょっとの短さで、安易な作りという印象は否めない。

2002/08/09
「タイムマシン」☆☆☆


 と言うわけで、原作はH・G・ウェルズの有名なSF作品で、
孫だかが監督で映画化。
かつてジョージ・パルが映画化しており、その話はなぜか劇中でも語られる。
原作はタイムトラベルを初めて描いたような作品なので
その発想だけが画期的だったのだろうが
いざ後年映画化してみると、タイムトラベル物の面白みと言うべき
タイムパラドックスとか、未来社会の描写とかがまったくなく
何だか原始人のような連中に振り回されるだけで
他のウェルズの原作の他作品に比べると、貧弱な感じだった。
本作ではそこらへんを改善したかと思ったが、
まず最初に死んだ恋人を甦らせようと過去へ戻るあたりが、目新しい。
タイムマシンを作った動機を描いたという感じで、リアル感を増そうとしたのだろうが
それにしては、タイムマシンがいきなりできるのが違和感ありすぎ。
ロケットでも、少しずつ改良するのだから、
タイムマシンも、例えば10秒だけ移動とかそう言う実験があってしかるべき。
さもなくば、画期的な理論や物質を発見するシーンがなければ。
途中、多少他の時代の描写があるが、結局はやはり80万年後へ。
途中が抜けすぎてるあたりが前作で気になったところだが、今回もそれは同じ。
エロイやモーロックの描写は、特撮技術の向上で
前作の村レベルにしか見えないよりは多少マシに。
それでも、何だか猿の惑星のバッタ物にしか見えないのは、目新しさがないためか。
かと思えば、なぜこうなったかを語るために、
管理人的な存在のジェレミー・アイアンズが唐突に現れ、これまた調子狂う。
結局、この時代に留まるのはいいとして
タイムマシンを暴走させると、爆発するなんてこと、なぜ知っていたのか。
おまけに逃げて、モーロックは巻き込まれて全滅するが
例えば、地球が壊滅してしまうのではとか言う不安はなかったのか。
タイムマシンから落ちると朽ち果てると言うのも説明がない。
かなり無茶な話と言う感じだが、最後のお手伝いさんが出てくるシーンはなかなか良く
冒頭のシーンも面白かったから、ダメなのは80万年後のシーンばかり。
原作をもっといじった方が良かったと言う事か。

2002/08/08
「白い烏」
 ロイ・シャイダー主演のナチ残党ものと聞いて見るが
やはりロイ・シャイダーは今回もちょい役の脇役で
しかもナチの残党自体は特に暗躍せず、
むしろ現在活躍している人々が悪者なので、ちょっと調子狂う。
ダイヤがどれほどの物か知らないが、
それ1つを血眼になって追うほどではない気がするが。

2002/08/01
「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」
 ケビン・コスナーの野球3部作完結編などと言われ
実は全然関係ない話ばかりなのだが
今回も彼は野球選手役で、野球シーンもそこそこ迫力あり。
序盤から試合が始まり、優勝をかけた一戦と言っている事から
映画自体が一試合で終わる事がわかり、
むやみに試合をいくつも展開し、
途中で、試合外のシーンで中だるみするよりもいいと思ったのだが
実際見ると、回想シーンが多くて、野球の映画である事を忘れそうなほど。
恋人とやり直す事になるのはお約束だし
完全試合達成も、ちょっとひねった脚本なら、あと1人で失敗するのだが
ケビンなら達成するだろうなと思わせ、その通りになるし。
もう少し比重的に試合のシーンが多ければ、それはそれで面白かったと思うのだが。

2002/07/31

「ハリウッド・ミューズ」
 「愛と追憶の日々」他の監督が、自身の監督主演で作った作品で
ハリウッドの裏側を描いたという感じだが
いろんな監督の本物が出てきて、女神にお伺いを立てている様が面白い。
お約束的な展開が多く、先がけっこう読めてしまうのが難だが、まあ楽しめる。
シャロン・ストーンのキャラには途中主人公同様に頭に来そうだが
最終的に、皆ハッピーになったのだからよしか。

2002/07/29
「レジェンド 光と闇の伝説」
 何やら類似作品が多くあるファンタジー計の作品だが
エイリアンやハンニバルのリドリー・スコットにしては
ずいぶんゆるい作品を作ってしまったという感じ。
人間の出演者はトム・クルーズとミア・サラ程度で
後は魔法やら妖精やらでいろいろ展開するが
何だかリアリティがないので、見ていてピンと来ない。

2002/07/27
「プリティ・ブライド」
 プリティシリーズなどと言われ
監督も主演二人も「プリティ・ウーマン」と同じだし
ホテルマンの人も常連になってるが、話はまったく無関係。
基本的には、リチャード・ギアにも悪い点はあるのだろうが
自己中心的にしか思えないジュリア・ロバーツのキャラには共感が持てない。
最後に二人がくっつくのはお約束なので
4番目の婚約者が失敗するのは分かり切っていて、そう言う面白みはない。
設定としては面白いし、所々に面白い展開もあるのだが
全体としては何だか強引という感じ。

2002/07/26
「ベストキッド」
 シリーズとなった作品で、
少年が主人公だからお手軽な感じかと思えば
これがしっかりできていて、ムダなシーンが少ない良くできた作品。
戦うのではなく防御が大事だと、空手の精神を教えるミヤギのとぼけた味は
日本人恐るべしと思わせるのだが、続編以降はちょっとずれた方向へ。

2002/07/24
「K−911 やっぱり俺たち最強コンビ」
 K−9の続編で、ジェームズ・ベルーシも再登場しているが、
犬とか他の出演者は同じかどうかわからないし、だいいち前作も記憶にない。
たしか、渋々犬とコンビを組んだが、意外に活躍という展開だった気がするが
今回は最初から、なぜかコンビ解消だけはしようとせず
それでいて、犬が老いてさっぱり役に立たず
最後にはお約束のように活躍するが、それも多少という感じで盛り上がらず。
怪しい犯人の方も中途半端。

2002/07/23
「美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント」
 ディズニーが最近乱発した後日談ものの1つで
でもメインは回想シーンだから、(だって野獣じゃなくなっちゃてるし)
前回語られなかったシーンを見せられたという感じ。
アラジンの続編とかに比べると出来は割と良い。
パイプオルガンの描写も、CGなのかなかなか見せるが、あの曲はない。

2002/07/22
「オータム・イン・ニューヨーク」
 お約束のような難病もので
ライダーが死ぬ事は当たり前として
前半で、ギアの時計を取り上げ、「忘れた頃に返す」というセリフが
「それが死んだ後になって泣かせる気だな」と読めてしまった。
ギアはまさにプレイボーイで、それが真の恋で改心するという展開はいいのだが
いかにもあちらこちらに女がいて、
実の娘も出てくるのだが、これさえも恋人なのではと勘違いさせられてしまった。
おまけに、彼の元恋人とかいろいろ大勢死んだりしてるみたいだし
もう少し、人物関係をすっきりさせた方が良かったのでは。

2002/07/21
「バトルフィールド・アース」
 トラボルタが気に入って自分で製作・主演してしまったSFで
あまりの評判の悪さに、ラズベリー賞独占とまで言われた物。
出演者の中で、有名なトラボルタやフォレスト・ウィテッカーは
エイリアンメイクだし、地球人側は知らない人ばかり。
どうにもトラボルタがエイリアンというのに違和感がある。
では、地球人側だったら良かったかと言うと、それでも違和感がありそうで
出てはいけなかったのでは。
物語は、猿の惑星のシリーズ各作品をブレンドしたような感じで
SFテイストとして面白い面もある気はするのだが
エイリアンが、精神的にも技術的にもたいして進化しているように思えず
一度は完全に蹴散らされたはずの、ただの戦闘機にやられたりするし
核爆弾で星が爆発したりするし
フォート・ノックスの情報なんか、エイリアンのデータベースから得たはずなのに
エイリアンはそこにまったく手をつけていなかったと言うのも変な話だ。
最後は、ID4を思わせる派手な戦闘シーンだが、
これがなければもう少しマシだった気がする。

2002/07/19
「ダンジョン&ドラゴン」
 ドラゴンクエストやらスターウォーズやらも
この物語がオリジナルだと言われる作品で、元はゲームだと聞いたような気もする。
ドラゴンの瞳を手に入れるところで、仕掛けがいっぱいの通路を通るあたりは
まさにゲームのようと言うか、たけし城のよう。
しかし、全体の雰囲気は、多少メンバー構成は違うが
ロード・オブ・ザ・リングを見ている感じ。
世界観も、すごく狭い村だけの話という感じだ。
ジェレミー・アイアンズ主演のはずなのだが、彼の出番は少なく
むしろ、手下のブルース・ベインが出ずっぱり。
こいつもすごく悪いヤツだか、こき使われてかわいそうなヤツだかわかりづらい。
見た目はハムナプトラのイムホテップそのもの。
「パッセンジャー57」で、愛想ゼロと言われた悪役だが
本作では何だか中途半端な感じ。
例えば、ジョーズとか007とか、そのジャンルの元祖となる作品は
その後、雨後の竹の子のごとく亜流作品が生まれても
オリジナルが一番だという状態を維持し続けたものだが
この作品は、何だかこっちが亜流だという印象しか受けない。
主役のリドリーが、新スーパーマンの2代目ジミーで
ちょっと軽そうなのも、良くない印象を受ける要因か。
もう少し、元盗賊だが、次第に使命感に燃えて……というあたりを表現してほしい。

2002/07/17
「シャフト」
 「黒いジャガー」のリメイクで
オリジナルの主役リチャード・ラウンドトリーも割に目立つ役で出ている。
当時は黒人が主役のアクションが少なくて重宝されたようだが
映画としてはあまり面白くなかったのに対し
本作はシャフトのはみ出しぶりがそこそこ面白い。
とは言え、物語は何やら悪役やら追われる人やら、いろんなところへ描写がウロウロし
感情移入しにくいと言うか、シャフトの事を忘れそうな時もある。
黒人を差別しているはずの男が、黒人のボスと手を組んだり
最後に犠牲者の母に射殺されたりする展開も
部分的に見ると面白そうなシーンだが、全体としては変な感じ。

2002/07/13
「メン・イン・ブラック2」☆☆☆


 アダムス・ファミリー、ワイルド・ワイルド・ウエストと言った
TVのリメイクばかりしていたバリー・ゾネンフェルド監督の作品で
アメコミがらみらしいメン・イン・ブラックの続編。
前作はウイル・スミスが新人でとまどいつつ戦うのに対し
トミー・リー・ジョーンズが、マジメなんだがどこかおかしい雰囲気で
そのコンビで笑わせるのだが、
この監督の作品は、いつも妙な方向にスケールをでかくしすぎる傾向あり。
今回もその傾向は維持され、周囲のいたるところにエイリアンがいたとか
宇宙船が飛び交っているが、皆記憶を消されて覚えてないだけとか
そう言うシーンも、2回目になると(1回目から?)あまり笑えない。
むしろトミー・リー・ジョーンズが、普通の郵便局員に収まっていた姿とか
そう言うシーンが笑えるのだが、復帰してからは、前作の繰り返し。
90分に満たない短い作品で、全体的に軽い感じという印象は否めない。

「コットンクラブ」
 なかなか豪華キャストの作品で
コットンクラブに出入りする当時の俳優の顔ぶれも豪華。
そんな中でギャングの抗争がと言う話で、実在した店の話らしいが
リチャード・ギアとダイアン・レインの恋の話が、どうにもついでという感じで
そう言う人たちが出入りしていた店の風景を描く事にばかり集中しすぎた感じ。
まだ無名で、コッポラの甥であるニコラス・ケイジは、いかにも最初から殺されそう。

2002/07/10
「ナッティ・プロセッサー2」
 もともとは「底抜け大学教授」のリメイクだった作品を
さらに発展させた続編。
今回は若返り薬でひと騒動かと思いきや
ラヴが実体化して暴れ出すという展開で
遺伝子を抜き出すくらいはできるかも知れないが、
それに犬の毛が付着しただけで実体化したり、
溶けた遺伝子を飲むと元に戻ったり、ちょっと非科学的すぎる気がする。
家族をすべてマーフィが演ずるのも毎度の事だが
下品なギャグが多くて感心しない。

2002/07/07
「ホワット・ライズ・ビニース」
 たぶん幽霊物だったはずと言う程度の記憶で見て
最初は、隣の家をのぞき見したりしていたので
現代版の「裏窓」かと言う気がしていたがさにあらず。
後半はもっぱら、ハリソン・フォードが犯行に絡んでいるかが中心になり
例えば、ヒッチコックのサスペンスでも、スター俳優は犯人でないと言う鉄則が
割に守られていたので、今回もそうだと思っていたら裏をかかれる。
しかし、そのために、この後にどんでん返しがあるのではと思い続けて
結局そのままだったので、考え過ぎかも知れないが何か拍子抜け。
ハリソンもめずらしや悪役にと言う感じだが、
単なるサスペンスにせず、幽霊がらみにしたところが異色か。

2002/07/06
「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」☆☆☆★★


 やはりここ数ヶ月の最大の関心だった作品だが
冷静に考えてみると、アナキンとかアミダラたちがどうなったかと言うあたりが
気になって気になって仕方ないと言う訳でなく
最新の技術でどういうシーンを見せてくれるかと言うのが関心事か。
それでも見ていると、前回では初登場だった連中が、
再登場すると、今度は説明的なシーンが不要なので、いきなり派手な見せ場が展開。
今回は、物語が大きくアナキンとベンの2つに別れ
アナキンの方は、グレるためにまずアミダラと恋に落ち
割に唐突に故郷へ帰り、母の死で怒りを覚えるように。
ベンの方は、何やらスパイのような事ばかりして
今まであまり戦わなかった、ヨーダ以下ジェダイ戦士たちと共に派手に戦うばかり。
特にスピード感のある戦闘シーンに、ヨーダの似合わない事。
「ジェダイの復讐」の際に、ヨーダ対ダースベーダーを期待してかなわず
それから20年。ついにヨーダのライトセーバーさばきが見られるが
製作側はマジメに作ったのだろうが、笑わずには見られないシーンだ。
クローンはストームトルーパーの先駆けとなるはずで
それを作らせたヤツも、悪意で作ったはずなので
ヨーダがこれを操って戦ったりすると、かなり混乱する。
だいたいが、いろんな連中の思惑が絡みすぎて、話がよくわからない。
また、アナキンとアミダラの恋の方も、禁じられてるはずなのに
割に黙認状態で、どうも最後は結婚したと言う事らしいから驚かされる。
ベルトコンベアのシーンも激しいが、あれはただ工場に迷い込んだだけで
敵がいるわけでもないから、見せ場としてはおかしい気がする。
全体として、アクションをボンヤリ見ていると面白いが、
話が入り乱れていて物語としてはわかりづらい。
エピソード1と4を無理矢理つなげようと言う感じ。
実は、どうつなぐかというあたりが、この映画の最も面白い点と言える。
それでもまだ、つながりきらない部分があるので、
エピソード3では、大勢死んだりいろいろあわだたしい事になりそう。

 ちなみに、予想される展開は、
まず、エピソード2に出ていてエピソード4以降に出ない人は皆死ぬはず。
それは、アミダラを筆頭に、マスター・ウインドウ他、ヨーダを除くジェダイの人々。
ジャージャー、オーウェンの父親。クリストファー・リーも死なねばならない。
そして、アミダラはルークとレイアを産み、
オーガナ氏とオーウェン夫妻にそれぞれ預けられる事に。
ただし、レイアは母の記憶あり。
オーウェン夫妻の結婚は、会話で流される可能性もあるが
彼がルークに、ベンやアナキンとの関わりを止めた事から
何らかのイヤな思いをするはず。
ボバ・フェットは、アナキンやベンに恨みを抱いても良さそうなのに
なぜか後にアナキンに使われるハメになり、(正しくはジャバザハットか)
むしろハン・ソロを追うのに夢中になって犬死にする。
パルパティン議長は、後に銀河皇帝になるわけだが
すでに存在するダーク・シディアスとは別人と考えるべきで
となると、ダーク・シディアスが死に、後釜になる訳か。
最終兵器と言ってたデススターも完成するはず。
ストームトゥルーパー以下の兵隊や兵器のデザインも変わるはず。
アナキンがなぜ、頭に縫い目ができて、あの衣装を着るかも明らかになるのか。
クローン軍団が、ヨーダらの手を離れて、結局悪の手に落ちる展開もあるはず。
そして、C−3POとR2−D2は、ベンとアナキンの記憶を消されて
レイアの船に乗らなくてはならない。
エピソード4の冒頭のシーンで終わらせたら面白いかもね

「天使のくれた時間」
 ニコラス・ケイジと言うだけで、どんな話か知らずに見たが、
物語は別の人生を体験するという話。
例えば、彼の出演したペギー・スーの結婚とかにもあるような
タイムトラベル物で行く事が多く、割に人生のやり直しになる事が多い気がするのだが
今回の特徴は、やり直しにはならず、突然立場が変わって
そこから先を演ずるハメにと言う展開。
当然、奥さんの誕生日も知らないし、ドタバタする内、
そちらの良さに気づいて、戻りたくなくなると言う展開は予想できるのだが
意外に後半になっても、まだ実業家になる夢を捨てきれないでいたりして
ちょっと見ていて戸惑わされる。まあ、イヤなタイプと言うほどではないが。
そして元の世界に戻り、
相手がずっと彼を待ち続けていて、すんなり元のサヤに戻ったら
よくある話だという感じだが、ここでも彼女はとうの昔に彼をあきらめており
割にイヤなタイプの弁護士になっていたから、妙な感じ。
まあ、最後によりを戻すのはお約束とは言え
その前にこういうシーンがあったので、
逆に彼女が心変わりするに至るのがあまり納得いかない。

2002/07/05
「ブラボー!火星人」
 かつてのTVシリーズのリメイク的作品なのだが
どうやら前作の出演者がまだ地球にいたという設定もあり、続編的意味合いも。
これも日本未公開だが、クリストファー・ロイドが騒ぎまくる展開は
バック・トゥ・ザ・フューチャー等で見慣れたせいか、違和感なし。
エリザベス・ハーレーとダリル・ハンナの2大美女も見所と言う感あり。
何かにつけ、「ムカッ」と言うマーティンが面白い。
地球人だと怒っている事になるのだが、ちょっと使い方が間違っている感じ。

2002/07/04
「処刑人」
 題名から派手なアクションを期待して見たが
撃ち合いのシーンの派手さは見せるものの
全体として、やはり宗教的な部分を感じさせられ、いまいちスカッとしない。
なぜ彼らがそうなったのか、そこらへんもわからない。
冒頭では割に普通の人っぽかったのだが、あそこまでになるには
それなりの理由があるはずだが。
途中から仲間になった、殺し屋の素性もよくわからない。
ウイレム・デフォーは、最初は切れるFBIと言う感じだったが
途中からだんだんおかしくなり、最後には妙に似合う女装までする始末。
あの顔でと言いたくなるが、なかなか気がつかない連中もマヌケ。
あれは、一味に感化されて同じ道に走ったと言う事か。

2002/07/03
「GO!GO!ガジェット」
 と言うわけで、主題歌はアメリカ主題曲集に入ってくらいだから
元は有名なTVシリーズらしいが、いかにもディズニー風に。
しかし、日本未公開に終わったのは、出演者がやや貧弱なせいか。
何となく3人くらいで物語が展開している気がするし。
実写にしづらいテーマというのもあると思うし。
一番おかしかったのは、エンドクレジットになってからの
元子分を救う会のシーンで、オドジョブやグリーンホーネットのカトー風に加えて
本物のジョーズことリチャード・キールがいた事か。

2002/07/02
「アンナと王様」
 かつて「王様と私」や「アンナとシャム王」として描かれた話の
再映画化で、今回はシャム国王がチョウ・ユンファなので、
今までの作品よりはそれっぽい。
しかしながら、本来、習慣の違う土地で孤軍奮闘するあたりが
物語のメインのはずなのだが
そのあたりは、あっさりしていて、簡単に周囲が従ってしまうので拍子抜け。
最後には、今までの作品にはなかった戦闘シーンが割に唐突に展開し
どんなテーマの作品でも、派手な見せ場を作らねばならない今の映画制作のあり方には
ちょっと疑問を感じざるを得ない。王様死なないし。

2002/07/01
「フロム・ダスク・ティル・ドーン3」
 と言うわけで、シリーズ第3弾は、時代も古くなり趣も変わる。
主役の悪党ぶりもなかなか面白いのだが、やはりテーマは別のはず。
いつ出てくるのかと思わせて、今回はなかなか出てこない。
最後に一気に出てくるのだが、今度は皆やられてしまい
最初、こいつが吸血鬼かと思わせた作家が生き残る。
あの作家、「俺自身が武器だ」とか言ってたが
それって吸血鬼って事じゃなかったのか?

2002/06/30
「アート・オブ・ウォー」
 と言うわけで、スナイプスが活躍するアクションで、そこそこ面白そうと思い見る。
高層ビルからの盗聴やら、事務総長でなくアン・アーチャが黒幕という設定も面白いが
マイケル・ビーンは殺されるシーンすらなく、最初から死んでいない事が見え見え。
最近、いい役がさっぱりないし、スナイプスは凄腕風だったのだが
孤立してからは、何やらキレが悪くなった感じで苦戦。
最後の国連ビル内での対決でようやく盛り返す。
何やらいろいろ入り組んだ感じでわかりにくい部分もあるが、
あまりにもウソっぽい組織で、
何とかもう少しリアルに描けなかったのかという気がする。

2002/06/22
「誘拐犯」
 何やら日本語の題名のアクション系映画が連発された中の1作で、
007の悪役も印象的でアカデミー賞も取ったベニチオ・デル・トロー主演。
ちょっとコメディ風の描写もあるが、
ジェームズ・カーンは最近似たような役柄ばかり。
チンピラに見えつつ、意外にやり手な二人の活躍は見ていて面白いが、最後は残念。

「フロム・ダスク・ティル・ドーン2」
 ジョージ・クルーニの前作とはほとんど関係ない続編。
吸血鬼を相手に派手なアクションを展開。
ほぼ不死身の吸血鬼なのに、なぜか金をほしがるのはよくわからないが
彼らが包囲する警察を蹴散らすのは見ていて面白い。
しかし、やはり主役はロバート・パトリック。
いかにして連中を倒すかだが、敵の数が多い分、
1人1人は意外に簡単に倒せるのがちょっと物足らない気も。

2002/06/17
「ドクター・コネリー キッド・ブラザー作戦」
 007関係ではいろいろバッタ物が現れたが
その中でも、ショーン・コネリーの弟を担ぎ出した珍品。
アドルフォ・チェリ、アンソニー・ドーソン、ダニエラ・ビアンキと言う
シリーズにゆかりのある人物もさることながら
当時まだレギュラーだった、バーナード・リーとロイス・マクスウェルのコンビが
本家と同じような役柄で出てくるのも見所。
ボンドの弟ではなく、ショーン・コネリーの弟と言うのが珍妙だし
なぜ整形外科医が催眠術に詳しいかとかも気になるが
全体的に、当時量産されたC級のデタラメな作り。
脇役の豪華さに対して、主役にほとんど魅力がないのもいただけない。
吹き替えは矢島正雄だったが、どうせなら若山玄蔵にしたいところだ。

2002/06/10
「グラディエーター」
 ローマ帝国の闘士となった元将軍の話で
その素性はスパルタカスのようだし、コロセウムでの戦いはベンハーのよう。
その手の映画の最新版という感じだが、最新の特殊技術で見せる。
痛そうな描写は、さすがは「ハンニバル」の監督という感じ。
数奇な運命は面白く、皇帝にどう立ち向かうかが見所で
虐げられて虐げられて、最後にしてやったりという展開を期待したのだが
妻子を殺されて奴隷になってからは、意外に後は上り調子一本で拍子抜け。
戦った相手を殺せと観衆が叫ぶのに、殺さなかったあたりで
普通なら人気が落ちそうなものだが、そのまま人気を維持できたあたりは調子よすぎ。

「バイオ・ディザスター」
 アウトブレイク的な細菌ものを期待して見たが
カサンドラクロス風でもなく、何かスケールが妙に小さくて拍子抜け。
たちまち死んだり、意外に簡単に治ったりで調子よすぎと言う感じ。
巨大な陰謀がバックにありそうで、そこらへんは適当にしか描かれず。
ウイリアム・ハートは、何かはげ上がったような髪型で変だし、
ピーター・ウェラーは、なぜこんな役と言いたくなるくたびれた老人の役。
他に老人の役者はいないのか。そして彼に他の役はないのか。

2002/05/31
「アイズ」
 他でもない若きトミー・リー・ジョーンズを見るために見た。
カメラマンが殺人現場の幻影を見るようになり、事件に迫ると言う展開で
身の回りには怪しそうな連中がゾロゾロ。
だが、この手の話では、怪しい奴は犯人ではないとの原則があり
この映画でもそれは守られ、ある意味、やはりこいつかと言う感じ。
フェイ・ダナウェイの能力の説明はまったくなく、
真犯人が突然ラストで豹変するのも唐突な感じ。
トミー・リーは、当時どういう路線で売ろうか迷っていたという感じで
ハンサム路線を狙ったようだが、違和感が楽しめる。

2002/05/26
「パニック・ルーム」☆☆☆★★★


 「セブン」や「エイリアン3」等
ちょっとわかりづらい所のあるデビッド・フィンチャー監督とあり
一抹の不安があったものの、話を聞いていると、
いわゆるヒッチコックタイプのスリラーらしい。
ここのところ、サイコホラーが続いていて、ちょっと食傷気味だったが
やはり、オーソドックスなスリラーが待たれたところだ。
パニック・ルームと言う脱出できない空間での物語は、
エレベータやら船の上やらに代わる、新しいシチュエーション。
そして、母は閉所恐怖症。娘は糖尿病の発作あり。
母の方はあまり物語に影響しないが、いずれにせよさらなるハンデありだ。
敵は3名で、「暗くなるまで待って」あたりを連想させていい。
閉ざされた空間で、いかなる攻防を見せるかがポイントで
前半はそれなりに見せ、この状態をラストまで維持できるのか心配されたが
後半になると、母が外へ出てしまい、助っ人まで現れて
娘が人質に取られているとは言え、なぜ警察に助け呼んだりしないのか
自分だけでも逃げてしまいたくはならないか、と思わせる。
母の愛が重要かも知れないが、あまりがんばりすぎると、
見ていて共感が持てなくなるものだ。
敵が仲間割れするのは、この手の話のお約束だが、
何しろジュディがいろいろ移動して、作戦を立てたりするので
物語としてはバタバタしすぎ。「ホーム・アローン」みたい。
フォレスト・ウィテッカーが、最初から人殺し否定派で
最後までその線を維持してしまうのが弱く、
それでいて、それはあまり主役には伝わらない。
最後にこいつが豹変して襲いかかったりしたら、怖かったかも。
いずれにせよ、前半のペースを維持してもらいたかったもの。
フィッシャー監督しては、わかりやすい作品で、
最近にしては良質のスリラーと認めるが、もう一工夫欲しい。

「インサイダー」
 インサイダー取引の話かと思ったが、
どうも内部情報を告発する人の話で、実話らしい。
実話でなければ、もっと派手な題材を使いそうだが
タバコの害あたりをテーマにしている所が、妙にリアルで、
それだけに、テレビ局に圧力をかけるあたりの怖さを感じさせられる。
最後に一応は逆転を見せるのだが
何だか、主人公たちにさほど特にもならなかったと言う感じでスッキリしない。

2002/05/25
「ジュエルに気をつけろ!」
 「メリーに首ったけ」と同じパターンで、いろんな男が同じ女性に振り回される話。
Hぽさを落とした代わりに、犯罪に手を出す危ない展開に。
マット・ディロンがここでは気が小さそうな男の役で
3人の男が、それぞれ彼女の事を他人に相談しつつ
最後に一堂に会すると言う展開は、まあそこそこ面白いのだが
目新しさはいまいち。ラブコメとしての後味の良さはなく
ランディにとってハッピーエンドでなし。
製作に関わったと言うマイケル・ダグラスが、何やらいい気分のエンディングに。
エンディングをもう少し変えれば、ラブコメとして面白かったかも知れない。

2002/05/12
「スパイダーマン」☆☆☆☆


 さえない青年が強力な力を得る序盤から、共感が持てるが
どこか、スーパーマンの1作目とかとダブるところがある。
協力に力を得たのに、それを特に疑問にも思わず、
研究所に相談にも行かないのは強引だが
それでも、最初はコスチュームがみっともなかったり、
なかなか糸が出せなかったりするあたりも、等身大のヒーローとして面白い。
おじさんの死はちょっと犬死にっぽいのだが、
その怒りからヒーローへと走るあたりは、鳥肌が立ちそうな感じ。
走り出して、ヒラリヒラリとビルを飛び移るシーンは、
できるなら自分でもやってみたいような活躍と言える。
新聞社に出入りするあたりもスーパーマンとダブるが、
特筆すべきは、編集長がスパイダーマン否定派である点。
そして、警察もどう対処していいかわからないが、結局応援するのもいい。
親友ハリーは、父の死をスパイダーマンのせいと決めつけるエンディングも面白く
いかにも続編で対決しそう。
MJとの関係もなかなか良くて、最初からスパイダーマンにあこがれたりせず
いろんな連中を経て、それでスパイダーマンに行きつつ
ピーターにも惹かれる展開はなかなかいいし、
キスでスパイダーマンと感づくあたりは、TV「新スーパーマン」を思わせる。
いずれにせよ、成長過程にあるヒーローの人間模様として面白いのだが
ちょっと残念なのは、敵のウイレム・デフォー。
最初はそれほど悪い人物ではなかったのだが、人体改造で悪へと走る。
その設定もなかなかよく、空中を飛行できる機械も面白いが
中盤からのスパイダーマンとの対決が、いまいちスケールが大きくならないのが残念。
TVの主題曲は、映画では使われなかったが、
エアロスミスのアレンジでCDには入った模様。
それにしても、この企画、最初はシュワちゃん主演だったはずだが
ピーターがシュワちゃんだったら、あまり共感が持てなかったに違いない。

「スペースカウボーイ」
 クリント・イーストウッド監督主演の映画で
最初はライト・スタッフの焼き直しみたいだが
後半は現代の話で、彼を含めて4人の往年の人気俳優が勢揃い。
彼らが宇宙へ出て活躍する話だが、まあお約束にも思えるハプニングとかが発生。
やはりドナルド・サザーランドとジェームズ・ガーナーは最近の活躍が少ない事から
出番もそれなりで、物語は残る二人がメイン。
その中で、トミー・リーが癌となると、若造が何かヘマをしでかして
それを補佐して、彼が犠牲になると言う展開が、目に浮かぶようで実際そうなる。
それにしても、ラストはちょっとビックリ。
それはちょっと無理だろうという感じだが、こういうラストもいいかも。
ちなみに、もう1人、地上でサポートするジーン役のウイリアム・ディペインも
ちょっと古い俳優で、「ローリングサンダー」でトミー・リーと共演済み。

2002/05/17
「追想」
 アニメにもなったアナスタシア妃の伝説の映画化で
実際に彼女と称する女性が、
近年DNA鑑定で別人とわかったとか言う話を聞いた事があるが
この映画が、その話を元にしているのかどうかはよくわからない。
演ずるのは、イングリット・バーグマンで
不倫によりハリウッドを追放されていたが、これは復帰作でアカデミー賞を受賞。
対するブリンナーも、同年に「王様と私」でアカデミー賞を受賞しているから
ベストな布陣と言える。
物語の方は、彼女が実は本物という感じで展開するのかと思ったが
そこらへんは曖昧に。
どちらかと言うと、本物であるかのように訓練するシーンがメインで
「マイ・フェア・レディ」を思わせる展開だ。
ブリンナーの方が恋に落ちてしまう展開はわからないでもないが
逆にバーグマンの方が恋に落ちるに至る心理変化は
いまいち理解できない。

2002/05/12
「コラテラル・ダメージ」☆☆☆★★★


 テロで妻子が殺され、復讐に向かうという展開で
シュワちゃんが、普段のようなアクションのプロではなく、ただの消防士。
コロンビアに潜入し、いきなり撃ち合いが始まり
普段のような超人的な活躍ではなく
子供たちをかかえてあたふたする姿を見ると、涙ぐましい物がある。
いろんなアクション映画を見たが、泣けるアクション映画と言うのは初めてだ。
ただ、刑務所から脱出した頃から、普段のようなプロっぽい感じに。
爆破をたやすくするあたりは、まだ消防士の知識なのかとも思えるが
それ以外のアクションは、ちょっと妙な感じ。
現地の言葉は勉強したのだろうなと想像できるが
そう言うシーンがあっても良かったのかも。
そのついでに銃とかの訓練しても、説得力があって良かったかも。
本来、政府が頼りなくて自分が行かざるを得ないと言うのが、
この映画のミソなのだが、そこらあたりはあっさり進んで
気がついたらサッサと潜入していた。
もう少し、そこらへんのモタモタを描いて、怒りが頂点に達した方が面白かったかも。
コロンビアのシーンが長い気がするので、その分、短縮するという手もあり。
一味の襲撃目標が駅とわかり、普通だとなぜか主人公が首を突っ込んで
専門家でもないのに現地へ行ったりするが、彼が留まっており
真の目的に気づくあたりは、割にうまい展開と言える。
敵もこっちも、殺しをしている事に変わりないと言うテーマは、ごまかされた感じ。
少年が、養母でなくシュワを選んだあたりは、よくわからず。
最初は連れて行く気だったようだが、だとするとバイクに3人乗りはできないかも。
全体として、もう少し工夫すべき余地があるが
泣けるアクションとして、個人的には割に評価してる。

2002/05/11
「偶然の恋人」
 奇妙な縁で知り合った男女が恋に落ちる話で
元恋人と言うグウィネス・パルトロウとベン・アフレックが共演。
特に悪い事をしたわけでもないから、ベンには共感が持てるし
中盤でケンカし、最後に仲直りする展開は、お約束と言ってもいいほどの定石で
好感が持てるのだが、もう少しひねってほしいと言う気もする。
最後に仲直りするあたりの説得力がない。

「シビル・アクション」
 実話だと言うが、ジョン・トラボルタが弱小法律事務所にあって
大企業を相手に奮戦する話だが、他にも同様の話はいくつもあり
その意味では、相手をこてんぱんに倒せない結末がどうにも物足らない。
それにしても、前半の展開はそこそこ面白いのだが
中盤から、経理担当の人が金の工面に苦しむシーンが目立つようになり
それが実態なのかも知れないが、やはりスカッとしない。

2002/05/06
「オクトーバー22」
 最初に、彼が乱射事件を起こしたらしきシーンが出てきて
どうしてそうなったかと言うシーンに。
ところが、出てくるのはいろんな人々の人間模様で
最初の内は把握しづらいが、
それらの人々が同じレストランに集まってくると言うのが面白い。
面白いんだけど、どこかで聞いた事があるような気がするのも否めない。
その分、肝心のパレはあまり活躍せず。
むしろ、犯人だった方が、見ていて面白かったかも。

2002/04/24
「クリムゾン・リバー」
 実はフランス映画にはちょっと偏見があって
あまり好きではないのだが、ジャン・レノが出ているので見る。
物語は、「羊たちの沈黙」的な猟奇殺人の話で、
2人の刑事の話が、前半は絡まないあたりは工夫あり。
だが、ファニーが関係している事は容易に予想でき、実際その通りに。
後は、いろいろ入り組んでいて、実際の所どうだったのかは説明不足で
よくわからない。ナチの巣窟と言う大学は放置されたままだし。

2002/04/25
「地上より何処かへ」
 「地上より永遠に」のリメイクと聞いた気がしたが、全然違った。
気まぐれな母に振り回される娘の話で
ちょっと前に見たジェシカ・ラングの「ブルースカイ」とダブる面もあるが
ナタリー・ポートマンが感情面を激しく表さない事が多く
どちらかと言うと淡々とした感じで展開。
たぶんそれが彼女の魅力なのだが、ヘタをすると退屈に。

2002/04/24
「マイアミ殺人事件」
やや古い映画だが、カート・ラッセルは似たような雰囲気。
アンディ・ガルシアは「アンタッチャブル」より前で若々しい。
物語はどこかで聞いたような感じで、
「羊たちの沈黙」以降のサイコ殺人鬼の走りみたいな部分もあるが、
展開としては簡単。マリエル・ヘミングウェイは豊胸手術の成果を披露。

2002/04/23
「ブルースカイ」
 最初は終始ジェシカ・ラングに振り回される話かとと思ったが
途中から核実験の話とか出てきて、そうでもないと言う展開に。
大佐は「サドン・デス」でも悪役だった人で顔に見覚えあり。
最初から何か悪い事しでかしそうな気がしたら案の定その通りに。
うっかりそうなっちゃったと言うには、ちょっと行動が不審すぎたかも。
クリス・オドネルはこの頃はたいして活躍なし。
なぜか、最後には主役夫妻の子供みたいになって、残されたお母さんが気の毒。
少佐が薬を盛られたのは、実験の秘密を隠すためのように思えるのだが
最終的に、大佐だけが罪をかぶる展開はピンと来ない。
少佐を陥れるために、大佐がわざと奥さんに浮気させた説もあるが?
ジェシカ・ラングはモデル出身で、キングコングの頃とかは美人なのだが
その後、この作品を含めてアカデミー賞を2回もとり
ガタイがでかいだけに、ごっついおばはんと言う印象。
今さらムダにも思えるヌードシーンもあり。

「チャトズランド」
 ブロンソンがアパッチ役で、保安官を射殺して
追跡する連中と対決という図式に、まったく問題はないのだが
いかんせん、ブロンソンの出番は極端に少ない。
いつも待ち伏せしていて、山の上とかから見ているだけ。
そして、寝込みを襲うというような感じだ。
ジャック・パランスはかっこいいのだが、途中であきらめてしまって
仲間に殺される始末。
ブロンソンの吹き替えが、なぜか内海賢二で
バランスの方が旧五右衛門の人となると、逆にしたらと言いたくなるが
何しろブロンソンのセリフはほとんどない。

2002/04/22
「ロミオ・マスト・ダイ」
 最初の内は人間関係がとらえづらかったが
整理できてくると、中国人グループと黒人グループが抗争しているとわかる。
そして、メインの登場人物が双方にいて、男女で、仲良くなるとあれば
題名に「ロミオ」とある事だし、アクション版「ロミオとジュリエット」かと思った。
が、途中からそうでもないと言う展開になり、入り乱れてわけがわからなくなり
最後には父の仕業だったとなると、拍子抜けだ。
アクションの方は、マトリックスばりのワイヤーアクションが多発だが
どうも個人的にこれの乱用は感心せず。
消防用のホースで暴れるシーンは、少林寺のヒモみたいなのを使う技の
バリエーションで、こっちの方が面白い。
が、全体的にジェット・リーがそこそこの歳なのに童顔で
アメリカ系アクションに出るには半端な感じなのがマイナス。
踊りのセンスも悪そうだし、ラブシーンもできなさそうだし
ちょっと生き残るのは大変そうな気がする。
相手役のアリーヤは、なかなか良いタイプの歌手出身の黒人女優だったが
この後に墜落事故で事故死し、
「インタビュー・ウイズ・バンパイア」の続編等が遺作となったらしい。

2002/04/21

「英雄の条件」
最後に各自のその後の状況が説明されていたので
実話っぽい感じだが、いかんせんビデオテープが燃えてしまって
真相の方が結局よくわからず、ほら見た事かと言う痛快感がないのが弱い。
考えてみると、サミュエル・L・ジャクソンは、「評決の時」でも似たような役柄で
同情はできるが法的にはどうなのかと言う状況に追い込まれる。
で、最後に使った手法が、どちらも泣き落とし的で拍子抜け。
裁判ものとしては、衝撃の証言とかを聞きたかった。
大使夫人を寝返らせるとか手はあったはずだが。

2002/04/14
「ロード・オブ・ザ・リング」☆☆☆★★

 
ハリー・ポッターと同様に
原作を見ると、かなり細かい記述が満載の小説を
映画なりにこなした物に違いないと思って見る。
物語は明らかに続編を前提としており、中途半端な終わり方だと、
事前に聞いていたのでそう言うつもりで見た。
まず冒頭からして、物語の設定を説明し始めるが、
地球でも、我々の人間世界に似た土地でもない設定の上
物語は何千年もの経緯を経て現代に至る等と、わずかの時間で語られあわてる。
イライジャ・ウッドができてからは、基本的に彼が主人公として展開するので
比較的把握しやすいのだが、彼がホビット族と言う事も最初はよくわからない。
他の連中が出てきて、ようやく彼らの背が小さいとわかる。
それでも、ホビット族は比較的若い俳優で揃えているからいいが、
その他の種族は、なかなか区別がつかない。ちょっと説明不足という感じだ。
それでも、いろんな種族が集まって、一つの目的のために旅するようになると
何かどこかで見たような気がする。アニメとかドラクエとかみたいな感じだ。
もちろん、あちらの方が「指輪物語」をマネしたのだろうが、
映画としてこういう世界が描かれるのを見るのは、初めてのようにも思える。
同行する仲間に、恩師と言うべきガンダルフがいるのも妙な感じだが、
途中で死んでしまい、(悪の世界に落ちたとか言ってたから、違うのかも)
後は残された者だけで戦うのも、お約束的だが面白い。
物語は3時間の大作で、話は中途半端だと聞いていたので
ここらへんで「続く」となるのかと思ったが、ここからが結構長い。
仲間の中に、指輪を狙う者がいると言う事で、疑心暗鬼になるシーンもいいが
たぶん不明のまま続編に行くのかと思ったら、結局わかってしまう。
おまけに、一番怪しいショーン・ビーンがそのまま犯人だったのは
ハリー・ポッターと違ってひねりなし。
007の悪役で記憶に残る彼が、レギュラー出演するのかと期待したが
彼も死に、今度こそ続編へ続く。しかも一行は2班に分かれる始末。
主役の一人のように言われていたリブ・タイラーの出演シーンは
ほんのわずかで、続編以降は出るのだろうが、ここは裏切られた感じ。
続編へつなぐので、中途半端に終わるのは仕方ないとして、
それでも作品としては盛り上げて終わらせようとするため、
何だか後半が妙に長いのがつらい。
「スターウォーズ/帝国の逆襲」のような終わり方ならベストなのだが。

2002/04/06
「ブラックホーク・ダウン」☆☆☆★★

 ジョシュ・ハートネットとユアン・マクレガーが共演する
戦争物というつもりで見たが、ちょっと違った。
どちらかと言うと、戦場における群像劇と言う感じで、
ユアン・マクレガーはその中でもあまり目立たない一人。
ジョシュとの絡みなどほとんど皆無。
ジョシュも一応リーダーシップをとるが、リーダーが大勢いて
指揮系統がだいぶ混乱しているのも、作品の狙いなのかも。
一番の責任者であるサム・シェパードは、事態をどんどん悪化させる感じで
例えば、「エネミー・ライン」のジーン・ハックマンなどと違って
ちょっと頼りないできない上官という感じ。
監督のリドリー・スコットは、ハンニバルで気持ち悪い描写に慣れたのか
この映画でも、かなり痛そうな描写が続発。
と言うか、戦闘シーンは過去に類がないような感じ。
かつての戦争映画は、確かに死者も出るのだが、
主役はかっこよくて、戦闘シーンもどこかのんきな調子だったが
「プラトーン」以降、そうでもないと言う描写が目立つように。
だが、この映画を見ると、それすらも半端に思えるほど
数秒も気の抜けない撃ち合いが続き
自分の意志に反して死に直面してしまった兵たちの姿が、かなり強烈に描かれる。
民兵をなめすぎて、敵のまっただ中に乗り込んだのと、
一人の負傷兵のために3台も車を引き替えさせたのが失敗の原因と
パンフレットには書かれているが、
近代戦ならではの、システムの問題点が露呈したという感じだ。
こっちもあっちも必死。近代戦はゲーム感覚だと言われるが
やはり現場はそうでもないと言うのが実情だ。

2002/03/30
「ハート・オブ・ウーマン」
メル・ギブソンが女性の心理が読めるようになり
そこでひと騒動起きる話で、ラブコメ物は奇想天外な設定が多いが
これもそんな感じ。まあ、その設定で引っ張って見せているが
相手が自分を好きなのがわかっちゃうあたりが簡単すぎると言う気もするし、
最後にダーシーが一回怒るシーンがありそうな物だが、それもない。

2002/03/28
「X−メン」
アメコミを原作にしたと言う超能力者たちの戦い。
敵が完全には倒されないし、味方も死なないあたりに
続編を作ろうという思惑が見え見えなのがいただけないが
自由の女神の上での戦いなど、まさに超人的なシーンが見所。
意外に豪華なキャストもいいが、
個人的には、ゴールデンアイの怪女優ファムケ・ヤンセンが見逃せない。

2002/03/17
「エネミー・ライン」☆☆☆★★

 パイロットが主役の話だから、激しい空中戦が続くのかと思えば
早々に撃墜され、後は山中で追われる話。
敵のまっただ中で、味方の救援は得られず、孤立無援と言う展開はなかなか面白く、
何だか安定しないカメラワークと
最新の特殊効果による、激しく戦闘シーンも迫力があるのだが
何となく、それぞれの見せ場が細切れと言う感じで
どんどん窮地に陥っていくと言う緊迫感があまり感じられないのが残念。
敵だらけの状態で、背中にスキがありすぎの主人公にも疑問があるし
隠れ場所がなさそうな雪原の真ん中へのこのこ行ってしまう
ジャージのスナイパーもちょっとマヌケ。
ジーン・ハックマンらの出動シーンが3回もあり、
毎回同じような演説があるのもおかしい。
クリスと相棒の風貌が似ていて、最初は区別がつかないのも難で
相棒が片付いてくれて、ある意味安心して見られた。

2002/03/10
「最終絶叫計画」
 学生が殺人犯に狙われるという話のパロディで
どうも元ネタは「スクリーム」と言うやつらしいのだが
見ていないのでそのあたりはよくわからず。
まあ知らなくても、それっぽい映画のパクリと言うのはわかるが、
パロディとしては中途半端な印象は否めず。

2002/03/09
「デンジャーゾーン 摩天楼からの脱出」
 高層ビルで女性が戦う話と聞き、女性版ダイ・ハードと思って見る。
まあ、パクリでB級だとは予想していたが、最初からやたら脱ぐ上、
巨乳には違いないのだが、どうにも体がでかい。
よくよく聞いてみると、元プレイメイトらしく、
それだけではなく、富豪の未亡人で、ものすごい遺産を手に入れたらしい。
となれば、自分が活躍する映画を作りたくなるのもわかるが、
ビルを制圧したと言っても、ザルのような状態の一味も気になるし
人質も異様に少ない上、一味の狙っていた武器の目的もよくわからない。
警察はかけつけたがほとんど手を打たず、夫である刑事もウロウロするだけ。
主役の女性は一応活躍しているかに見えるが、緊迫感はほとんど感じられず、
敵が後ろから撃つのにまったく当たらない上、
必要もないのに良く脱ぐ。最近、珍しいほどの困った映画だ。

2002/03/01
「アパッチ」
 まだそれほど知名度が高くなかったニコラス・ケイジと
トミー・リー・ジョーンズが共演した戦闘ヘリの話で
ブルーサンダーのような派手な航空アクションを期待してみると
前半はやたら休暇ばかりで、恋愛が展開するのんきさで
終盤にようやく出動になるが、敵の素性もよくわからずただ撃ち合いだけ。
ヘリ版トップガンと言う狙いが見え見え。

2002/02/28
「荒野の隠し井戸」
 コバーン主演の西部劇だが、
よくよく考えると、若い頃のコバーンが一人で主役を張る映画って
そんなには見ていないわけで、電撃フリントもそうだが、
この映画でも何だかとぼけたキャラで、
追ってるはずの保安官と意気投合するあたりが面白いわけだが
そんなノリだから、悲劇的な結末になるとも思えないし、派手な撃ち合いもない。

2002/02/26
「100万回のウインク」
バルモアちゃんといえば、
かつてはバットマンの脇役にまで落ちぶれたが、その後、盛り返す。
自作をプロデュースしたり、恋人を変えたり、
マドンナをほうふつさせる点も多いが、
映画の方は、ちょっと奥手の女の子を演じさせたらばっちりはまり、
本作でも、本人としては浮気してる気はなかったと言う念の入れ様。
展開が予想できちゃう良心的な面もあるが、
ラブコメに戦闘ヘリが出ちゃうあたりが異色。
最後は、一家のもめ事になって、バルモアちゃんが蚊帳の外なのが
物語としてはマイナス。そのあたりが、未公開の原因かも。

2002/02/25
「進め!人力潜水艦ハンレー号」
 南北戦争時代に実在したと言う潜水艦の話で
負けるとわかっている側の話だから、Uボートのような悲壮感があるが
何しろ、浸水に対する対策がまったくない中、
最初から沈むのがわかっていたはずで、あまりにも無謀すぎる感あり。

2002/02/16
「ストーム・キャッチャー」
 ドルフ・ラングレン主演でステルスに乗ったアクション物と来れば
派手な航空アクションなどが展開するのかと思いきや、
主にドラマは地上で展開し、ラングレンもそれほど強くない上
いかにも怪しそうな将軍がやはり一味の親玉だったり
普通なら殺されそうな妻や友人が、死を免れる甘さ等もあるが
まあまあ、そこそこは楽しめる。

2002/02/08
「ロイ・ビーン」
 実在したと言われるロイ・ビーンの物語で
必ずしも正義とも言い切れないところが特徴か。そして必ずしもスカッとしない。
ジャクリーン・ビセットとエバ・ガードナーがいつ出るかが関心でもあったが
エバ・ガードナーに至っては、最後の数分のみの登場。
ここにちょっと味があるのだが、とってつけたような気もする。

2002/02/07
「脱出」
 バート・レイノルズ他、この当時のくせ者俳優が4人もそろい
山で危険な住人と対決する話と思い、激しいアクションを期待したが
結局、敵は2人だけで、肝心のレイノルズは後半弱ったままでは拍子抜け。

「エンゼルハート」
 ミッキー・ロークが怪しい事件に巻き込まれ、
それが悪魔がらみだとわかると言う話で、怪しい魔術とか出てくるのかと思えば
そう言うのはなく、結局ミッキー・ロークも関係していたとわかる結末は
ショッキングなつもりなのかも知れないが、私的には拍子抜け。

2002/02/06
「エスピオナージ・エクスプレス」
 北朝鮮を舞台にしたスパイ物でその点でかなり異色。
冒頭から潜入スパイが捕まるまではかなりよく、最初はこの人が
トム・ベレンジャーかと勘違いしたほどだ。
ところが、それを過ぎると、彼は作戦の指揮をする役柄で
最後には実地へ行くものの、何となくのんき。
肝心の潜入スパイが処刑されてしまうのも、ちょっと後味が良くない。
それにしても、北朝鮮から東京への定期便はないはずだが。

「FAILSAFE未知への飛行」
 「博士の異常な愛情」と同時期に
同じテーマをまじめに取り組んでしまった「未知への飛行」のTVリメイク。
なかなかの豪華キャストだが、出番はそれぞれ少なく
後半はリチャード・ドレイファスが一人で奮戦。
ジョージ・クルーニも出てくるが、やはり出番は少ない。
物語は白黒ドラマで、セットなので閉鎖的な感じ。
前作はちょっとずれた感じもあったが、今回は現代風にややアレンジ。
ただし舞台は50年代か。
ブラッキーの最後も悲しいがいまいち緊迫感に欠ける。

「カジノ・ジャッカー大逆転!暴走ベガス」
 意外な豪華キャストな上、色んな立場の連中が入り組んで
しかも見せ場も派手と来たら、面白くないはずがないのだが、
何かどこか緊迫感とかが足らず、驚くほど面白くない。

2002/02/05
「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」
 ボディ・スナッチャー物の元祖。
時代は古くて白黒だが、周囲の様子がおかしくなる恐怖の雰囲気は
後のリメイク作品などよりもずっといい。
ヘタにスケールを大きくしなかったあたりが当たりらしい。

2002/02/04
「リプリー」
 「太陽がいっぱい」のリメイクではなく、
オリジナルである小説の、再映画化と称する作品。
前作はアラン・ドロンの出世作で、完全犯罪がすんでの所で崩れる話だったが
どうも口まねとサインのマネだけに頼るあたりが弱かった気がした。
今回もその点は同じで、大筋も同じなんだが、時間が長くなって、
危機に陥る展開が増えてるのがポイント。
殺人シーンが痛そうなのと、最後まで結局捕まらない終わり方も印象的だ。

2002/02/03

「シックス・センス」
 話題になった映画で、第6感と言うような題名なので
超能力少年の話かと思えば、死者の姿が見えるだけで
本人としては特に奇抜な行動をするわけでなし、なのに周囲が気味悪がると言う話。
秘密がわかっても、激しく展開するわけでなく、何か淡々とした感じ。
それでも惹きつける物があり、ラストのブルース・ウイリスの運命もショッキング。
しかし、ブルース・ウイリスは、少年の母と話していた気がするが?記憶違いか?

2002/02/02
「プリティ・プリンセス」☆☆☆★★★

 プリティシリーズ第3弾と言われた作品だが
見ていると、ジュリー・アンドリュースが出ている事もあり
彼女とは因縁があるオードリー・ヘップバーンの2作
「マイ・フェア・レディ」と「ローマの休日」をひっつけて現代風にした感じ。
引っ込み思案の女の子が、次第に王女様になっていくのは「マイ・フェア・レディ」的
そして王女様が普通の女の子として恋をしていくのは「ローマの休日」的だ。
主役の女の子もなかなか好感が持てるし、
ジュリー・アンドリュースも60歳を越えているのだがまだ若い感じで
それでいて、物わかりのいいおばあさんと言う雰囲気も持たせていて良い。
ミアがいきなり王女様になってとまどう様子もかなり笑えるし
恋人との理想的なキスシーンを夢見て、一度それに失敗し
最後に実現。それで噴水が上がるエンディングはかなりいい。

「アンフォゲタブル」
 ちょっと危なげなレイ・リオッタが主演の
サスペンスぽい題名なので見たが、割に早い段階でこの映画の主題が見えてくる。
デビッド・マッカラム主演の「二重スパイ 国際謀略作戦」と同じ設定。
30年近く昔とまったく変わらない発想だ。
次から次へと注射してしまう展開も予想できれば、真犯人もだいたい予想できた通り。

「イントレピッド」
 ジェームズ・コバーンが久々に主演かと思いきや
ギャラが高いからトップに出ているだけで
実際の主演はTV「シークレット・エージェントメン」の人。
豪華客船ハイジャックで激しいアクションでもあるのかと思えば
なぜか核爆弾が爆発し、なぜか船がアッという間に逆さまに。
これだけでも「ポセイドン・アドベンチャー」のパクリだが
船の中にジョーズは現れ、狙ってくるのはジャッカルと称する殺し屋。
人間ドラマ風の物もあるが、広い船のはずなのに数名が行ったり来たりするだけ。
安易なごった煮映画で、この強引さは「アトミック・トレイン」を思い出させる。

2002/02/01
「ジャンヌ・ダルク」
 フランスのために殉死したという話ではよく聞く
ジャンヌ・ダルクの話を映画化したわけだか、細かい話は知らないので関心あり。
過去にも映画化されたはずだが、その頃に比べても描写とかも過激になったはず。
特に前半、連戦連勝するあたりは、けっこう残酷ぽいシーンもあり
だからこそ、神がかり的な力を感じさせられて、かなり痛快感あり。
後半になって、そんな彼女が用済みになって処刑されると言う展開も面白いはずだが
何やら悪魔とか出て悩まされるシーンが続き、ちょっとはっきりしないのがダメ。

2002/01/28
「インカ王国の秘宝」
 「ハイジャック」に続けてチャールトン・ヘストン主演の映画を見る。
今回はペルーでガイドをしつつ、インカの秘宝を狙うインチキくさい男の役柄で
インディ・ジョーンズとかのモデルになったとも思える雰囲気もあり。
だが、なぜかヒロインが簡単に博士寄りになったり、
結局ヘストンに落ち着いたりするのもわからないし、
肝心の秘宝の方も、博士たちが見つけられないのに、
ヘストンだけが簡単に見つけてしまうのもひっかかる。

2002/01/28
「ハイジャック」
 主演がチャールトン・ヘストンの旅客機ものとなると
「エアポート75」と混ざりそうだが、
こちらは何だか乗客の数が少なく感じられる。
普通のハイジャックは、いきなり犯人が銃を突きつける感じだが
この映画では前半、姿を見せないあたりがいい。
しかしながら、怪しい人物が1人しかおらず、結局彼が犯人だったので拍子抜け。
ソ連まで行く展開もまあいいが、見せ場の数がちょっと足らない気がする。

2002/01/28
「ノートルダムの鐘」
 ターザンと並んで、ディズニーぽくない題材をディズニーアニメ化。
カシモドの、昔で言うところの「ノートルダムのせむし男」のアニメ化で
やはりカシモドが、アニメに向いていない気がするのは否めない。
それでも、ノートルダム寺院の周囲の風景を上空から見ると、
本物の風景と似ているような気がして、行った時の事を思い出す。
最後には大活躍するのは爽快に思わせるが
最後の最後に、カシモドは英雄として称えられはするが、
ヒロインとくっつくのは、昔からのディズニー風ヒーローの方と言うのは
ちょっといただけない。

2002/01/27
「新・逃亡者 第2弾」
 TV「逃亡者」リメイク版の2話をくっつけただけ。
キンブルが熱にうなされて、妻の事を思い出す話は、
ネタがなくなった時に良くやる、回想シーンばかりで1話作るのといい勝負。
人質に取られるが、保安官がむしろキンブルを狙う話は
もう少し、そのあたりを掘り下げればおもしろかったかも。

2002/01/26
「オーシャンズ11」☆☆☆★★

 豪華キャストによって金庫を襲うと言う映画なので期待して見たが
まず、アンディ・ガルシアとジュリア・ロバーツが一味でない点で
だまされた気がする。
仲間が11人いるわけだが、それぞれの特徴があまり明確でなく
例えば、爆破のプロと電気のプロは別だが、
スパイ大作戦なら同じ人が担当しそうで、そこらも区別しづらい。
一味のブラッド・ピットとマット・デイモンは5大俳優の内だが
こいつらがまたまた活躍しない。
マット・デイモンは金庫に入るからまだましだが
それにしても、作戦通りに動いただけ。
ブラッド・ピットに至っては、作戦室みたいなところで指示したり
医師に扮して乗り込んだりするが、ほとんど成功に影響していない気がする。
ジョージ・クルーニ対アンディ・ガルシアと言う印象は強い。
ジュリア・ロバーツがまたおまけで、簡単に心変わりするのも納得いかない。
アンディ・ガルシアに愛想を尽かすあたりまでは作戦通りに行くかも知れないが
それにしてもきっかけとしては弱いし、彼がダメならジョージ・クルーニと言う
都合の良い展開になる事は奇跡に近い。
肝心の作戦の方も、スパイ大作戦やルパン三世的な面白さが期待されるが
何か意外に簡単に片付いてしまう。
全体として、作戦はそこそこ面白いが、
豪華キャストを期待すると、一人一人の出番は少ないので失望させられると言う感じ。

2002/01/19
「ハリー・ポッターと賢者の石」☆☆☆★★★

 世界中で大ヒットしているだけあって
長い間劇場も大行列が続き、見に行くのがためらわれたが
さすがに沈静化してきたのでようやく見た。
子供が多いのと、何回か見ているので解説しつつ見る人がいるのが閉口したが
しばらくするとおとなしくなった。
物語は、魔法使いと言う古くさい設定が
いろんな理由で隠れているので、実在しても人々が気づかないだけと言う感じにして
今っぽい描写で描かれている。
おまけに、魔法やら、魔法使いのゲームやら、怪物みたいな連中やら
いろんなアイテムが出てきて、それらを覚えるのも楽しそう。
ファンタジー映画は、アイテムが多いほど楽しめる気がする。
スター・ウォーズもスター・トレックも、初期の007も
アイテムが多いからこそ面白かったのだと言う感じ。
もちろん物語自体も面白くなくてはいけないのだが、
物語は標準以上であればいいのかも。
そう言う意味では、このハリー・ポッターは、めちゃくちゃ奇想天外と言うわけでなし
悪役は当たり前にダイ・ハードの人かと思ったか、そこは多少ひねりあり。
しかし、真犯人があまり目立たなかった。
物語としては当たり前な感じなのだが
やはりこのアイテムの多さで楽しめた気がする。
小説はもう少しワクワクするのだろうが、映画としては描ける世界に限界があるかも。

2002/01/08
「Aladdin ジャファーの逆襲」
 ヒットしたアラジンの続きをビデオ版として作成。
同時期、この手の続編ものが乱発された。
物語全体としては、前回のなぞりと言う印象は否めず、
それでいて、ジーニーが魔法が使えず、
ジャファーか魔法は使えるが人は殺せないと言うあたりが、どうもしっくり来ない。

2002/01/08
「ターザン」
 昔から何度も映画化された「ターザン」をディズニーアニメにした物
どこかしら安っぽい映画が多かったものの、
原作に忠実だと「グレイストーク」のようになるわけだからさぞ奥が深いに違いない。
今回の特筆すべき点は、ジェーンのキャラで、ただの清楚な女性でなく
ちょっとじゃじゃ馬風な所が魅力かも。
ただし、できるならば、彼がグレイストーク卿である事や
ロンドンへ行って大騒動というあたりも描いてほしかった。
ちょっと、はしょりすぎの感あり。

2002/01/07
「恋するための3つのルール」
 いつもインチキくさいプレイボーイを演じているヒュー・グラント。
今回も似たような話かと思えば、早い段階にそうでないとわかる。
ギャングルの世界に飛び込んでしまって巻き起こる騒動の話で
「裏切り者」でもギャングを演じていたジェームズ・カーンが似たような役柄。
ただし、今回は良心的な人の役で、物語の方もいろいろ窮地に追い込まれるが
ハッピーエンドになるはずと言う気楽さはある。

2002/01/06
「スパイ・キッズ」☆☆☆

 一昔前のスパイ映画をパロディにしたような感じで
子供が意外に活躍すると言う設定はなかなか面白いと思うのだが
いかんせん、観客層をやや低めに設定したと思わしき点がそこそこにあり
ちょっとそこはマイナスの要素。
「新スーパーマン」以来ひいきのテリー・ハッチャーが出てくるのに
髪の毛をこがしてハゲになって登場するシーンも、見たくなかった感じ。
事件の解決方法も、大人風ではなく、パロディもの風の安易な方法と言うわけでもなく
子供心に訴えると言う感じで、そもそもそう言う映画ではないはずなので
ちょっと安易に作っちゃったなと言う印象は否めない。
しかし、最後にジョージ・クルーニが出てくると、
子供はクルーニを知らないかも知れないし、ちょっと得した気分。

2002/01/05
「バニラ・スカイ」☆☆☆

 トム・クルーズが主演で
彼がキャメロン・ディアスという恋人がありながら、
ペネロペ・クルスという女性に惹かれ、それに嫉妬したディアスが
クルーズを道連れに自殺を図り、クルーズが生き延びてしまったばかりに
殺人の容疑をかけられるハメになると言う、
ヒッチコック風、ちょっとこっちにも落ち度がある、巻き込まれサスペンス
かと思って見たのだが、どうもそうではない事がわかってくる。
物語は、夢と現実が入り交じった感じで、何が現実で何が夢かわからない話となり
そうなれば、その入り組んだ話をどう解決するかに関心が移るが
結局、「観客の判断に任せる」と言った感じで終わりにされていて
ちょっと拍子抜け。最後に「オープン・ユア・アイズ」と言ったのは誰?とか
謎を残したままにして、監督が楽しんでいる様子だが
例えば「氷の微笑」の際も、真犯人は誰とか言って、
監督が後に、実はシャロン・ストーンだったとか発表しているが
映画の中に確たる証拠が提示されていなければ、
そんな話はどうとでもなりそうで、感心できない。
もう何十年も経過していると言う結末は、何やら「A.I.」をまた見せられたよう。
いろいろ議論しやすい映画ではあるが、期待した展開とは違い、
その意味では失望させられた。

2001/12/30
「ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃」☆☆☆

 期待したとおり、ゴジラとバラゴンが戦う前半は良かったのだが
後半になってモスラ・キングギドラと戦う段になると、
1匹ずつとしか戦わず、最後はキングギドラだより。
その度にやられるギドラが、2度も奇跡で甦るあたりは都合良すぎ。
せっかく4匹出てくるのだから、1対3で、それでもゴジラの方が強い
と言うシーンが見たかったものだ。
ギドラの首は、いつも上を向いていて短い。
これは吊っているのではなく、中の人が手を入れているからだが、
それが露骨にわかるようでイヤだ。
新山千春は、今風のヒロイン設定でまあまあいいとして、
宇崎竜堂の自衛官はピンと来ない。そう言う俳優を選んだらしいのだが。
ジャスコとかに入っている複合館は、近年のゴジラには珍しく満席の状態が続き、
来年も、似たような同時上映と、同じ監督になる気がする。
ちょっと気に入らない。

2001/12/08
「スパイ・ゲーム」☆☆☆★

 冒頭からブラッド・ピットが中国の刑務所に潜入するシーンで
しかもボンドのように派手な秘密兵器とか使うわけでもないから緊迫した感じで
タイトル後に、本題の事件が発生するのかと思いきや
簡単に捕まってしまい、後はロバート・レッドフォードによる回想シーンばかり。
いろいろ彼が何やら画策しているのはうかがえるのだが
何を企んでいるのかがわかりづらく、
いろいろ伏線を張ってるのかと思えば、それほどの計画ではなかったと最後に判明。
大金を使うから、ブラピを助けて、自分も利益を得ると言うエンディングかと思ったら
ブラピだけのためとわかると、ちょっと裏切られた感じ。
最後の最後にようやく、ちょっとニヤリとさせる展開となるわけだが
やはり痛快感という意味ではだいぶ物足らない。

翌年へ