2003年に見た映画感想速報
 映画のあらすじと感想をまとめ続けてきましたが、なかなか文章をまとめるのが大変で、まとめた頃には古い話になっている事も少なくありません。そこで、速報的に公開する事にしました。

翌年へ 前年へ

2003/12/30
「コール」
☆☆☆★★

 セクシー路線のシャーリーズ・セロンと、
危ない路線のケビン・ベーコンが対決。小粒のサスペンスらしく、
公開のされ方が、見逃しかねない感じだったが見た。
物語は完璧な誘拐を何度も成功させていると言う一味の、5回目の犯行として展開。
ベーコンが、失敗する連中は、ここがいけないみたいな事を語るが、
そんなに完璧な計画にも思えなかったのだが、
(人質らに堂々と素顔を見せて、その後解放するなんておかしい)
家族3人を別の場所で監禁するのは、まあそこそこ効果がありそう。
最初のサスペンスは、娘ダコタ・ファニングにぜんそくの持病があり、
薬がないと死んでしまうと言う点から巻き起こる。
かつて一度も殺しをしていない一味が、そのために予定が狂う
なんてのは、完全犯罪ものの、失敗のきっかけとしては面白い。
ところが、ベーコンのキャラがちょっとくせ者で、
意外にいい人かと思えば、シャーリーズに迫ったりするし、
意外な真相で事件を起こしていたなんて話も出てきて
だとしたら、過去4回の事件は、何のためにやったの?と調子狂っちゃう。
夫スチュアート・タウンゼントはあまり活躍せず、
人気の出てきたダコタちゃんも、この映画では脇役に徹しており、
もっぱらシャーリーズ対ベーコンの図式なのは面白い。
男のくせに脱ぎたがるベーコンが、ここでも本領を発揮し、
脱ぐのは負けないわよとシャーリーズも下着姿で奮戦。
ただし、これはクライマックスにはならず、
この見せ場を過ぎると、シャーリーズは急におとなしくなってしまい、
今まで役立たずだった夫が急に活躍しだして、
物語としては確かに一本なのだが、何か横道にそれた感じ。
派手な見せ場もあり、木材を積んだトレーラーなんて、
クライマックスを派手にするためだけに走っているようなものだが、
いくら誘拐事件のためとは言え、あんなに派手な事故を起こしていい物やら。
せっかくサスペンス色を出してきたのだから、
最後にアクション映画のような見せ場を作るのでなく、
ベーコンとの最終決戦(それもシャーリーズと)みたいなのがあっても良かったはず。
全体としては、面白い素材を集めたのに、何か少しずつはずしてる感じ。

2003/12/23
「トラップ・ゲーム」
 ピアース・ブロスナンが007に出る前の若い頃の作品で、
いろんな連中を集めて宿敵を罠にかける話だが、
どうもいろんな連中の使い道や手口がハッキリせず
結局のところ、ブロスナンが1人でやっているような印象を受ける。
恋人がどっちにつくかなんて点は別とすれば、
ブロスナンが失敗しそうな気がせず、ハラハラするなんてところもない。
音楽は意外やジョン・バダム作以外では見かけないアーサー・B・ルービンスタイン。

2003/12/21
「ピーター・パン2」
 ディズニーはビデオ用に続編ものを乱発したが、
これは劇場用なので絵もきれい。
物語の方は、妖精とかを信じていなかったジェーンが、
ネバーランドへ来て驚くと言う展開で、まあ続編としては妥当な線。
お約束的展開も多く、
1時間強という短尺にもかかわらず、まだるこしい気もする。
ただし、大人になったウエンディと再会するあたりは割にいい感じ。

2003/12/18
「ローラーボール」  かつてジェームズ・カーン主演の世紀末風SFのリメイクで
ジョン・マクティアナン監督作だが、これが意外なほど評判が悪い。
見てみると、何だか見せ方が散漫で、確かに前半は限りなくつまらない。
後半になって、やや陰謀めいた話になり多少マシになるが、
前作のように政府の方針でやってるとかそう言う話が出てこず、
視聴率だけのためにやってると言う感じで、
クライマックスはもう少し面白く出来そうだが、
革命になってしまったなんて結末は、どうもピンと来ない。

2003/12/17
「オーロラの彼方へ」
 映画公開時のCMとかから、
何かもの悲しい家族愛の話とかと思っていたが、
いざ見てみると、そう言う展開は前半まで。
後半は、バック・トゥ・ザ・フューチャーかタイムコップかと思うような、
タイムパラドックスを利用したアクションに変貌し、
まあ、そこそこは楽しめるものの、
どうせ、デニス・クエイドが、生きながらえるラストになるんだろうな
と思ったら、案の定その通りだから、かなり安易な感じ。
家族愛の話だけでは物足らないから、アクションも入れちゃえと言う発想が
この映画をごった煮にしてしまって、これを蛇足と言う。

2003/12/16
「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS」
☆☆★★★

 恒例行事のゴジラで、
去年の×メカゴジラは、何か安易な感じだったのに、
今回はその続編だと言うから、全然期待できなかったが、
そこはそこ恒例行事だから見る。
期待していなかったせいか、前半は意外に楽しめる。
小泉博老けたなとか、吉岡美穂のセリフは子役と競るほどヘタだとか、
あれ釈由美子出てるジャンとか、意外な4匹目の怪獣の登場とか。
長くて妙にリアルなモスラの足とか、
ハリウッドゴジラを意識したような、泳ぐゴジラの姿とか、
ザ・ピーナッツが出てきて、どう見てもその40年後とは思えない小美人とか
それは感心したり、突っ込みどころだったりもするが、
そう言うのがテンポ良くあれば、それは面白いわけ。
ひょっとしたら、今回はそこそこ行けるのではと思ったが、
幼虫モスラが出てきたあたりから、極端にテンポが悪化する。
どうもゴジラとメカゴジラが共鳴してると言う点に力を入れすぎてる感があり、
主人公のメカゴジラへの思い入れも何かしっくり来ない感じ。
メカゴジラがいろんな物をはずすと、意外や旧メカゴジラに似てたり、
国会議事堂を破壊したりもするが、
基本的に東京から移動しないし、何か周囲がバタバタしてるだけで、
本当に今回のゴジラは脅威なのか?と言う疑問が出てくるほど、
ゴジラに存在感がない。
結末のメカゴジラの動きも何だかなあと言う感じで、
せっかく閉じこめられた主人公が、ただ脱出するだけで、操縦はしないし、
毎度のようにゴジラは死んでないみたいだし、
モスラも本当に登場する意味があったのかという感じだし。
最後まで来ると、またこんな感じかと言う印象。
来年の予告編もなかったし、だんだんお手軽になってきたのは否めない。
いっそのこと総進撃にしてしまえ。

2003/12/14
「バッド・ボーイズ2バッド」 ☆☆☆★

何年か前に、妙にかっこつけた黒人コンビのアクションが公開され
微妙に話題になったが、さほど評判にもならず、
それから数年が経過し、実は監督がマイケル・ベイで、
主演がマーチン・ローレンスとウイル・スミスだったとわかったと言うか、
3人とも大出世したところで、久々に第2弾が登場したわけ。
前作への思い入れというのはないのだが、
派手なアクションもあるようだし、上映時間の長さが気になるが見る。
有名になったコンビと監督で製作し、
金もかけてるとわかる、超ド派手なアクションが何回も展開。
高速道路のアクションなんかは面白いのだが、その他は工夫があまりない感じ。
ラスト近くで、キューバの小屋を突き抜けるカーチェイスなんて、
派手は派手だが、物語としては必然性のかけらもなく、何かあきれてしまう。
やはり映画はかなり長く、アクションのないところは人間ドラマと言うわけだが
ありきたりのドラマで、テンポをかなり悪くしてるし、
おまけにかなり程度の低いギャグまでおりまぜていて台無しって感じ。
皆でキューバへ行く事になるクライマックスは、
ちょっと感動させるような展開ではあるが、
上司も反対してもいないみたいだし、何か命令違反の面白さもない。
と言うか、軍とかをさしおいて、
キューバへ警官が乗り込むなんて展開があるわけもなく
もし行ったとしても、敵の軍にかなうわけもない。
だがどう見てもこの映画でやっている事は、ただの軍の特殊部隊て感じ。
どうせなら、大勢で行くのでなく、2人で行って、
警官ならではの手口で敵を出し抜くなら面白かったが。
1時間半くらいにすればシャープな映画になったと思うが、
「パールハーバー」等で長い映画を作りすぎて、
テンポ良いと言う言葉の意味を忘れたのだろうか。
有名俳優をそろえて、金をかけて、派手なアクションを見せても
これほどつまらなくできるかと言う見本。

2003/12/09
「酔いどれ天使」
 黒沢作品としてはかなり初期の作品で、
戦後直後の怪しげな雰囲気が出ていて面白い。
出演者も意外に有名な人をそろえているようだが、
個人的には主演2人以外はよくわからず。
セリフも聞きづらいし、もう少し派手な展開があっても良かったという気はするが。

2003/12/04
「抹殺者」
 バンデラス主演ではやりの3文字漢字の題名だから、
B級よりのアクションかと思って見たが、
これがアクションは皆無に近い作品だった。
キリストの遺体が見つかったと言うから
インディばりのオカルトかと思えばそうでもなく、
いろんな思惑の人が右往左往して、
その人たちが何を目指すかいまいちわからず。

2003/11/30
「スターリングラード」
 戦争物でも狙撃手に重きを置いており、
その腕前は、「山猫は眠らない」とかを連想させるが、
物語の方は、戦争の悲惨さとか、戦地での男女の恋とかを描いていて、
ちょっと盛りだくさんという感じ。
その分、狙撃手の凄腕ぶりが、前半はちょっと感じられたけど
後半はちょっとだれ気味。
レイチェル・ワイズは、なぜだかいるだけでHな感じなのだが
そう言う面でもちょっと肩すかし気味。
もう少し、すさまじい狙撃手同士の対決でもあれば、
もっと面白かった気がするのだが。

「スノー・ドッグ」
 キューバ・グッディングJrとジェームズ・コバーンが親子
なんて奇抜な設定はさておき、
いかにもディズニーらしい、がんばれば丸く収まる的展開で
いろいろ苦労はしていても、安心して見られる感じ。
それにしても、主人公の義理の母が、
よく出てきそうなおばはんなんだが、
よくよく見ると、スタートレックのウフーラで、
ありゃ、まだ出てるじゃんと言う感じ。

2003/11/29
「フォーンブース」 ☆☆☆★★

 コリン・ファレルも最近注目株と感じているが、
彼が電話ボックスで正体不明の敵に狙われて、身動きとれないなんて
場面が動きそうもないだけに、面白そうなサスペンス。
時間が短めなのも、歯切れの良い作品を感じさせてられて見る。
この映画で連想させられるのは、ヒッチコックの裏窓やロープ。
ある場所から動かないサスペンスで、主人公にもちょっと引け目があり、
基本的に映画と物語が同時進行。
ロープが秀作かどうかはともかくとして、裏窓には見せ場も目白押しで面白かったが
本作は派手な見せ場が、ポン引きが殺されるあたりくらいで、
後は延々と主人公と犯人の会話で展開。
主人公が人殺しと疑われるなんてのは面白いが、
どうにも不自然な行動から、電話の相手に脅されていると言うのは、
容易に想像できるところ。
実際、割りに簡単に刑事が気づいてしまうし、
にも関わらず、犯人は自分の存在をばらさないようにしたのか、
なかなか派手な行動を起こさず、90分に満たない短尺にもかかわらず
長く感じさせられたのはその見せ方のせいか。
主人公のに引け目があると言っても、実際に浮気したわけでもないし、
もっと悪い奴はいっぱいいそうだし、
犯人自体、自分の身を守るためにピザ屋を殺してるし。
犯人が実は生きているなんてのはお約束で、
今までずっと顔を見せなかった犯人が姿を見せるのは面白く、
それに有名俳優を使用したのもいいのだが、
正直、一目で「この人か!」と思わせるほどのインパクトがない。
犯人と大立ち回りしないにしても、もう少ししっくりしたラストがほしかった。

2003/11/26
「タイムクラッシュ・超時空カタストロフ」
 歴史を狂わせる一団とそれを戻そうとする一団の戦いなんて
この手の発想は良くあるのだが、むしろ敵が戻そうとしてるあたりが新味。
ある男が過去のいろんな惨事の写真に写っていた事から事態に気づくのだが、
男の観光客の1人なので、この人だけが全部に写っているのはおかしい。
一味と主人公がもめだしてからは、何やら訳わからない理由をつけているが
むしろ序盤よりもつまらなくなった感じ。
マーチン・シーンが黒幕的存在で、まともにはまったく出演しないのは面白い。

2003/11/24
「バグズ・ライフ」
 何か同時期に作られたアンツと混ざって、
見た気でいたが未見だった。
こちらがディズニー版で、
だめなヤツががんばれば皆のヒーローになれると言うお約束のパターン。
いろんな出来事が、虫の視点だと人間と異なるというあたりのおもしろみはある。

2003/11/23
「ラッツ」
 動物ものはいろいろあるが、ネズミは実際ありそうな不気味さあり。
大量に出てきて気色悪い感じだが、
あれだけ出てくれば、1回の爆破で一網打尽には出来ないと気づきそうなもの。

2003/11/22
「”アイデンティティー”」
☆☆☆★★★

 モーテルに集まった男女が事件に巻き込まれるなんて
古典的なサスペンスの設定も面白そうだが、
出演するのが、ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、アマンダ・ピート、
クレア・デュバル、レベッカ・デモーネなんて、微妙な線を押さえた布陣。
何としても見ねばと思い、終了しそうなスレスレの所で何とか見た。
皆がとりつかれたようにモーテルに集まり、しかも、護送中の殺人犯が逃げて
次々と人々が殺され、嵐で外へは出られないし応援も呼べないと言う展開。
全く別の場所で、死刑囚の再審審理が行われていて
当然、護送中の殺人犯がそれかと思いきや、さにあらず。
安易な予想の裏をかくだろうと思ったとおり、殺人犯も途中で殺されてしまう。
にもかかわらず、審理の方は続いており、犯人の死を知らないとは言え、
映画の構成としてはおかしい。つまり、審理してるのは別の人物の事で
いったいどこでモーテルの連中とつながるのかと言うのが関心に。
そうこうしていると、次々殺された人々の死体が姿を消し、意外な共通点が判明。
それがあまりにも神懸かりな話で、オカルト的な結末かと思い
ちょっとガッカリしかけたが、そうでもない。
そうでもないが、ネタは終盤のやや手前で明かされる。
まあ、ここらへんがどんでん返しと言うべきで、
後はちょっと笑ってしまうくらい先が読めるのだが、
ホントの最後にもう1回どんでん返しあり。
それほど意外でもないが、ちょっと意表をつかれた感じではあり、
「ああそう言う手を使うわけね」と言う感じ。
何か、もう少しスマートにまとめられたら良かった気がするが。

2003/11/21
「D−TOX」
 スタローンも地味な作品に出る事が増えたが、
この作品も派手とは言いがたい感じ。
それでも、トム・ベレンジャー、ロバート・パトリックなんて所を筆頭に
チャールズ・S・ダットン、ディナ・メイヤー、
クリス・クリストファーソンと豪華な布陣。
警官専用のいわば精神病院で、歴代ライダー大集合的なノリも感じるが、
スタローン以外の素性は大して明かされず、そっち方面のわくわくさはない。
と言うか、冒頭で恋人を殺されたスタローンが主人公だから、
終始映画の雰囲気は暗い感じ。
真犯人がわかっても、こんな奴いたっけと言う感じで、推理物の面白さもない。

2003/11/20
「ロードキラー」
 激突やヒッチャーを思わせる巻き込まれ物だが、
終始兄弟は一緒なので、先日見た「ランナウェイカー」と同様心理的には楽。
敵が一度は彼らを許して、中盤気が抜ける点がマイナスな気がするし、
無線で声を聞いてしまったために、怪物性が薄れた気がする。
その割りに、最後生き延びたりして、ちょっとご都合主義かも。

2003/11/18
「タイガーランド」
 ベトナム戦争物の中でもちょっと異色の感じの作品。
戦争シーンのないしごき物はボチボチあるのだが、
コリン・ファレルは終始やる気のなさそうなキャラで、
他の兵をやめさせる手口ばかり考えているが、なぜか自分はやめない。
そこにこの映画の特殊性があるのだが、
その分、ベトナムが大変だという実感がさほど伝わってこず、
戦争を描写せずに戦争批判すると言うのはよくあるが、
今回は何か半端な感じがする。
コリン・ファレル以外知らないのも、いまいち面白く見られない理由か。

2003/11/17
「恋する街角」
 サンドラが出れば見るが、
これがとんた食わせ物で、サンドラが主役でない上に、
ラブコメですらない。
職業学校の生徒たちの無軌道な生活ぶりを、とりとめもなく描いた感じで、
本当に脈絡もなく、登場人物の違いもよくわからず。
サンドラはまゆげが太くて印象が異なり、言われなかったら気づかなかったかも。
この映画、実はサンドラが裸を披露しているらしくて、
いろんな情報から間違いないようだが、
テレビで放送した物は軽くクリアされた感じ。
しかし、そのためにわざわざ、この映画のビデオを借りるほどの物か。

2003/11/11
「ビデオドローム」
 クローネンバーグ監督で
ジェームズ・ウッズ主演なんて映画なので見る。
ビデオに取り込まれてしまう男の話で、
「イグジステンス」を思わせる気色の悪いシーンもあり
ただ、テレビと現実との違いがわからなくなるような話は
これ以前にもあったはずで、それがテレビになっただけなら目新しさはない。
しかも、ビデオテープが動くとか、テレビから手が出てくるとか、
そう言うシーンのイメージに、何となく古くささを感じる。

2003/11/10
「リービング・ラスベガス」
 ニコラス・ケイジとエリザベス・シューというひいきの組み合わせで
ニコラスは賞をもらったらしいし、
シューはどうも脱いでるらしいとあれば、これは見ざるを得ないのだが、
なかなかテレビでやらないので、ビデオを借りて見た。
ニコラスはだらしない男が結構似合うし、
シューのセクシーな感じと、
それでもニコラスに惚れてしまうはかない感じがなかなか良かったが、
例えばちょっと出るだけのバレリア・ゴリノも含めて
さわやかそうな一人が一人も出てこず、
「最後に立ち直りました」って展開でもないと、
やはり見ていてさわやかに気分にはなれない。

2003/11/09
「ティアーズ・オブ・ザ・サン」
☆☆☆★★

 ブルース・ウイリスの出演作はだいたい押さえているつもりだが
昨今は頑固そうな軍人役が多くて、
また皆のために奮戦し、最後まで生き延びるが、
最後の最後に残った仲間を助けるために、自分を犠牲にするような役柄が多い感じ。
今回の作品は、ダイハード4用に作られたネタを大幅に脚色したとの事で
そのままになっていたら、どんな話になったか想像するのも面白いが。
いざ見てみると、ジョン・マクレーンが軍人になったとは思えないし、
ちょっと想像できないくらい変えられた感じ。
最初は指令だけを守ろうとするが、現地の人々の悲劇を目の当たりにして
心を変えて命令違反を犯す展開は、アメリカ人と言うか、我々も好きそうな話で、
次第に兵士たちがやられていくあたりに、胸が熱くなるものもないではない。
主役の兵士たちが、例えばベトナム戦争もののちょっと前までは素人だった連中でなく
プロの兵士である点が、この手の作品ではやや異色と言えるかも。
そのプロであるが故のかっこよさと、胸の熱くなるドラマで面白く見られるが
よくよく考えると、似たような作戦を何度もやってて平気なはずなのに
何で今回だけあっさり心変わりしたの?と言うあたりの説明はない。

「キル・ビル」
☆☆☆★★

 クエンティン・タランティーノ久々の作品で、
「パルプ・フィクション」でこの映画マニア的な才能をかいま見させたが、
今回はなぜか日本にだいぶ傾倒したような感じで、
それ以外にもB級アクションとか、TVシリーズへの思い入れとか
もうこの人マニアなんだなと言う感じが詰め込まれた感じ。
まず主役のユマ・サーマンは「パルプ・フィクション」のつきあいだからいいとして
彼女が追う5人組なんて、
今回は出ないデビッド・キャラダインを筆頭に、
ダリル・ハンナ、マイケル・マドセン、ルーシー・リューなんて
微妙な線の俳優陣をそろえて、何ともB級アクションごのみ。
アニメが入ったり、そもそも女子高生の殺し屋なんて日本アニメの発想だし
死亡遊技を思わせるファッション、どう見ても模型の飛行機とビル群。
復讐相手を見つけるたびに流れるウィークエンダーのテーマこと(これが笑える)
「鬼警部アイアンサイド」のテーマや「グリーンホーネット」のテーマ。
そう言えば、日本の殺し屋が大量に出てくるが、全員が加藤のマスクをしてる。
エアー沖縄と言う怪しい航空会社が出て、その座席には刀を差すところがあるし
(ハイジャックは心配していないらしい)
千葉真一の寿司屋はどう見ても寿司屋に見えない。
日本に関する誤解はとどまるところを知らない、と言うかわざとやってる感があるが
そこはそこ、そう言う映画だと思えば笑って見られる。
こういうのが許せない人には、絶対に嫌な映画だと思うが、
個人的にはニヤニヤして見られた。
問題は、話題になっていた、気持ち悪いほどの血しぶきシーンで
それがなければ直ちに見たが、それでためらったほど。
まあいざ見ると、吐き気を催すと言うよりは、グロテスクだがやや滑稽という感じ。
それにしてもいくら何でも敵多すぎだろと言う感じはある。
この血しぶきシーンがあるばかりに、
ビデオを買って保存版にまではしたくないと言う気持ちになるのも事実だ。
しかし何と言っても、たどたどしい日本語での会話。
ユマ・サーマンとルーシー・リューが日本語で会話するシーンは失笑もの。
これは日本人が見るからだろうが、
こんなのならもう吹き替えちゃっても良かったのではと言う気がする。
何はともあれ、近年の映画の中ではインパクト抜群で、
まだ強敵が3人も残ってるので続きも気になるところ。
日本趣味が残るのかは微妙な気がするが、ビルは千葉真一の弟子らしいし。。。

2003/11/04
「キラー・コマンドー」
 最近はTVの仕事が多いらしいブライアン・デネヒー主演で
これもどうやらTVくさいのだが、
B級アクションを思わせる題名に対し、
実際はエド・マクベイン原作という推理もの。
もっとも、マクベインの小説を読んでいるわけでもないので
元がどんな物かわからないが、まあ今風に作っているがベースは推理物という感じ。
とは言え、コロンボやクリスティのような純粋な推理物までは行かず
何となく普通に思いつきそうな推理だけで、解決していく感じ。
これまた久しぶりのメアリー・スチュアート・マスターソンが、
新人の検事役と言うので、主人公をやりこめたりするのかと思ったが、
ほとんど出てこないので拍子抜け。
通訳のベトナム人女性は、スタートレックのケイコ。

2003/11/03
「キャデラック・マン」
 ロビン・ウイリアムズと
まだカラーが定まっていない頃のティム・ロビンスが共演。
調子のいいセールスマンが立てこもり事件に巻き込まれて、
調子のいい事を言って、犯人を丸め込んで投降させるが、
それを利用して自分がも受けちゃうようなコメディかと思いきや、
そう言う展開がまったくなく、あれ、何が言いたいわけ?
と聞きたくなるようなエンディング。

2003/10/28
「情婦」
 クリスティ原作「検察側の証人」の映画化で、
邦題はネタ晴らしになるなどと言われたが、
この邦題であの結末を連想するのはちょっと強引な気もする。
とぼけた味の弁護士に、謎の多い被告の妻の面白さに対して
どこかのんきな被告がどうもしっくり来なかったが、
最後に唐突にも思えるどんでん返しがあり、何か急に展開してしまって、
それが面白いのかも知れないが、やはり唐突すぎるという印象は否めない。
今まで慎重に罠を仕掛けたのに、急にばらしてどうすると言う感じ。

2003/10/27
「シュレック」
 正攻法ではディズニーに勝てないと思ったか、
逆手にとったようなアニメが登場。
一癖あるキャラクターに、知名度の高い俳優が声を担当し
有名なキャラを脇役にすると言う発想はまあ面白いのだが、
さほどシュレックの行動が破天荒とも思えず、
こぢんまりとまとまっちゃったって感じ。

2003/10/26
「レーガン大統領暗殺未遂事件」
 米大統領の暗殺と言えば、ケネディやリンカーンが有名だが、
たしかにレーガンも暗殺未遂の目に遭っており、
犯人のヒンクリーも話題になったから、そこらへんをテーマに描くかと思いきや、
早々と事件は冒頭で起きてしまい、もっぱらその後のドタバタを描くと言う物。
しっかりしているようで、意外に指揮系統が混乱したりして
アメリカ政府の危なさを思い知らされる。
リチャード・ドレイファスが主演と言うから、彼がレーガンかと思ったら
レーガンはリチャード・クレンナが演ずる。これが微妙に似てるのが面白い。
その他、有名どころでもブッシュとかレーガン夫人もボチボチ似てる。
後の大統領であるブッシュがかなり情けなかったりするのも面白いが、
まあ大作映画と言うよりは、TVスペシャルが適当という題材。

2003/10/24
「トゥー・デイズ」
 どんな話か知らなかったが見てみると
ジェームズ・スペイダー、エリック・ストルツ、ジェフ・ダニエルズ、
テリー・ハッチャー、有名になる前のシャーリーズ・セロンなんて面々が出演。
微妙な知名度の連中が出ているのがポイント。
実はスペイダーとエリック・ストルツの区別が最初つかなかった。
シャーリーズはまだまだ悪女の役が似合う頃で、当然のような裸あり。
テリー・ハッチャーは007のような大人の女性ではなく、かなりのドタバタぶり。
物語はいろんな連中がいろんな経験をするオムニバス風だが、
実はそれが互いに関係していって、最後には1つにまとまると言う感じで
パルプフィクションを思わせる脚本の妙がある。
ただし、あっと言わせるほど面白い展開と言うわけでもない。

2003/10/22
「SF巨大生物の島」
 安っぽいSF風だが、南北戦争が背景にあったり
海底2万哩のネモ船長が出てきたりで、あの話の続きとわかる。
ノーチラス号のデザインも同じだから、映画としても正当な続編ぽいが、
日本での扱いは、題名からもわかるようにそれなり。
ネモ船長の登場はかなり後半で、それまでは長々と島での生活を描き、
巨大生物の存在はさほど登場人物に驚きを与えず。
南北戦争とかも物語に全然影響せず、
戦争から逃げてきたのに、島を脱出したら平和のために尽くすだなんて、
そんな簡単に戻れるのかも怪しい。

2003/10/21
「ブルー・ストリーク」
 コメディ中心のローレンスがアクションに挑戦という感じだが、
何しろ泥棒が刑事に扮すると言うので、ドタバタはお約束。
最初やり手と思われ、途中で正体がばれかけても、
勝手に周囲がいい方へ解釈してくれるなんてのも面白い。
どうせならどんどん泥沼へはまる感じを強調すれば良かったが、
基本的には宝石さえ手に入ればいいという感じで、
さっさと逃げてしまった方が良かったのではと思わせるのが難。

2003/10/20
「ワンス・アンド・フォーエバー」
 これもとっつき悪そうだったメル・ギブソン主演映画だが、
舞台はベトナム戦争の開始後数日間。
何とか高地の戦いとか、歴史上の有名な戦闘があるわけでなく、
ただひたすら、リアルタイムでの再現のように戦闘シーンが続く。
激しい撃ち合いの音よりも、静かにヒュンヒュンと弾が飛び、
それにちょっと当たっただけで死んでしまう描写の方が怖い。
まあ、戦争は大変だと言う主張はわかるが、
なにぶん戦闘シーンだけで終始し、たまに奥さんの情景とか出てくるが、
それは時間的には後の出来事のはずで、ドラマ的な面白さはちょっと。
最後にのんきそうな記者が大勢来たのは面白かったが、
やはりドラマ的な面白さが弱いとなると、2時間半は長い。

2003/10/19
「蝿男の呪い」
 蠅男の恐怖のシリーズ第3弾。
第2弾は、なぜか白黒になり、話は第1作のなぞりのようで工夫がなかったが、
今回は科学者と結婚した女性を狂言回し風にして、(半端な部分もあるが)
夫の謎の研究に迫ると言う、マッドサイエンティストものの図式で展開。
人が良さそうなのに、助手や家族を実験台にして、
不要になったら始末するなんて、あまりにもひどい話で
例えば動物実験ではいけなかったのかと言う気もするし。
しかし、今回の実験がうまく行かない理由は、あまり明らかにされず、
ハエすら飛んでこない。
と言うか、この3作目はビデオ化さえされなかったと言うが、
その理由は最後まで見ると明らかになる。
何しろこの映画、蠅男は出てこないからだ。
最後に、シリーズはまだ続くかもと言う意味で
「IS THIS THE END?(これで終わりか)」と出るが、
まさに、おいおい、これで終わりかいと突っ込みたくなる。

2003/10/17
「蠅男の逆襲」
 「ザ・フライ」でリメイクされた蠅男の恐怖の続編。
前作で死んだ主人公の遺志を受け継いだ息子が、
おじさんの反対も聞かずに、転送装置の研究を続けるが、
2つの物体が混ざると言う根本的な問題は解決する気がなかったらしく、
またも蠅男になってしまうと言う展開。
途中でモルモットと混ざったモルモット男も出てくるが、そちらは出番が少なく
どんな場合でも、必ず混ざり方は同じと言うのが妙な感じ。
そして、何か改善したわけでもないのに、もう1度転送すると戻るのも困りもの。

2003/10/16
「ランナウェイ・カー」
 ただ車が暴走するだけと言う設定で、ずっと引っ張ると言う発想は
「激突」を思わせるが、これ自体たぶんTVムービー。
たまたま乗り合わせた3人と赤ん坊が脱出不能になり、
警察とかがいろいろ作戦を立てるが、
なかなかうまく行かないと言う展開は、ボチボチ面白いのだが、
誰も味方になってくれない「激突」に比べると、
かなり心理的な余裕があって、ハラハラ度も劣る。
携帯電話があると言うのも、心理的な余裕を増すが、
警察もほとんど手を打たず、ただついてきただけと言うのは×で、
携帯の電池がなくなる事を想定して、予備を窓から投げ入れたり、
競技場みたいなところを、ガソリンがなくなるまで走り続けさせるとか、
いろいろ手はありそうな気がするが。

2003/10/14
「ジャスティス」
 ブルース・ウイリスとコリン・ファレルが共演する話で、
見てみれば第二次大戦中の捕虜の話で、物語はファレルを中心に展開。
当初は、尋問で白状したファレルとウイリスの確執のような部分があって、
それから黒人の上官と白人の部下の対立みたいな話になり、
最後にはある計画に隠れされた、茶番の裁判へと展開すると言うわけで、
何となくどんどん話が横道にそれていったような印象は否めない。
実際はかなり柄が悪いらしいファレルが、ここではまじめな兵を演じていて
真相究明と、最後には苦渋の決断をするという展開はなかなか面白いが、
ウイリスの最後の行動は、何かとってつけたようで、
主役だからいいところ見せましたと言う感じで好感が持てない。

2003/10/13
「ポセイドン」
 北朝鮮をめぐって、原潜が機器に陥るなんて言うから
ちょっと期待したが、北朝鮮は物語にあまり影響せず、
序盤からわかるように、クリムゾン・タイドとかでよくある艦長と副長の対立劇。
そうなると展開は見え見えで、不用心に外へ出て放射能汚染するなんて問題もあるし
いくら何でも、敵もわからないのに攻撃しようと言う副長もどうかと思うし
俳優陣の知名度も低いし、(と言うか主役以外は知らない)
何かパクリで作ってみましたと言う程度。

「ミミック2」
 2とか言われても、前作もあまり印象にないし、
俳優さんも変わってるし、なぜ生き延びたなんて説明もないくせに
前作を見ていなくてもいいように、怪物が生まれた説明があるわけでもない。
とにかく怪物が現れて、再び追われると言うわけだが
出てくるのが非常に狭いエリアで、しかも主人公を追ってただけなんて言われると
もはや出し殻にもならない感じ。

2003/10/12
「ジ・エンド」
 バート・レイノルズが割に絶頂期に、割に豪華なキャストで
自身で監督した作品なのに、未見はおろか存在すら知らないと不思議に思ったが
なるほど日本未公開で、内容もアクションとかでなく、
何やら湿っぽい話で、レイノルズがどういう心境でこういう作品を作ろうと思ったか
ひょっとすると自身の身の回りに何かあったのかと勘ぐりたくなるが、
作品としては苦笑させられこそすれ、
ホロリとするとか、笑えたりスカッとするわけでなく
一応はハッピーエンド風だが、病気の問題も解決してないし。

「パトリオット」
 かつてはアクション中心で見逃せなかったメルも
最近はこの手の、ちょっと取っつき悪そうな作品が多く、これも未見だった。
それで見始めると、案の定最初はなかなか盛り上がらないが、
息子が殺された頃から一転して、復讐に燃える父という感じで盛り上がる。
ただ、それからがちょっと長い感じで、ダラダラとしていて
もう1人の息子も殺されたり、宿敵である英大佐をなかなか倒せなかったりで
何だか煮え切らない感じ。

「パニック・イン・ザ・ダーク」
 新スーパーマンのディーン・ケインが主演で、
あれ以来見かけなかったが、B級アクションなら主役が出来るのかと期待したが
どうも服装が違うとピンと来ない。
それはともあれ、物語は海底の鉱山で、主人公はそこの保安官という特異な設定だが
それに関する説明はほとんどなく、何だかドタバタしたあげくに窮地に陥るが、
何の事はない「真昼の決闘」の構図で、あれが何となく追い込まれたのに対し
こちらはわざわざ味方を断ったようなところがあり、あまり同情できない。
わざわざ助けに来た恋人は何の役にも立たず、
腹黒い同僚は、何かするかと思えば何もしない。
食塩水を使ったトリックも、とっさに思いついたわけでもないようなので、
計算づくかと思えばあまり感心しない。
ヒロシマ級の爆発があっても平気みたいだし。

2003/10/11
「シェイクダウン」
 エリカ・エレニアクが出れば見るが、
久々の出演作では、ちょっと太ったか、
あの迷作「デンジャーゾーン」のアンナ・ニコール・スミスを彷彿させるボディに。
最悪のウイルスが盗まれ、それが破滅的な教団の手に。
その取引現場が銀行強盗に遭い、さらにビルを崩壊させるほどの大地震に遭うなんて、
何とも思いつきな展開で、エリカはほとんど必然性もなくその現場に居合わせ、
割に頼りない主人公の刑事と、他の人質が途中大勢殺されても、
なぜか2人だけはほぼ無傷で生き延びてしまうし、
もう大勢死んでるのに、ウイルスを奪われないために奮戦するし。
大地震がここぞという時に起き、特に地震が謎の理由で発生したとか言うわけでもなく
そんな地震なのに、平気だったFBIは核攻撃しようとするし
画面をぼかしてごまかした地震の特撮は、70年代くらいの古くささで
まるで日本沈没の使い回しでも見ているような唐突さ。
教団の計画とかもよくわからないし、
かなりビルを上ったのに、その階に銀行行員が人質に取られていたりするし、
久々にデタラメな映画を見た。

2003/10/04
「マッチスティック・メン」
☆☆☆☆

 実はSWATを見ようかとも思っていたが、
ことのほか評判が悪いようなので、こちらに切り替えた。
ニコラス・ケイジは、自身も潔癖性で、叔父コッポラに怒られたそうだが、
それをふまえたような企画で、詐欺師と言う、人と話してだます部分が売りなのに
潔癖性であるが故に、人と話すのが苦手と言う、ユニークな主人公。
まあ、犯罪者を主人公にして、どこかコミカルな物語を作ると言うのは
たとえば「ファミリー・ビジネス」なんかもそうだったが、
あれは家族の湿っぽい話が延々と続いてダメだったが、
ここでは、ちゃんと詐欺の手口も見せてくれたりして飽きさせない。
さらには、そこへちん入者と言うべき娘が出現し、
ニコラスの生活が一変するだなんて、どこかで聞いたような気もするが、面白い展開。
ニコラスは引退を考えているようで、娘との関係を含めて、
どのようになっていくのかが、物語の最大の関心事になるのだが、
そこには大きな罠が待ち受けており、ニコラス自身がだまされてしまう。
いい味を出している映画で、もう少し面白くしようと、
サスペンス風の味付けをして失敗する作品が少なくないが、
これもヘタをするとそうなりそうな部分があったのだが、
実はさらに、その後があり、だまされたんだけどハッピーエンドと言うのがいい感じ。
どんでん返しのある映画って、2度見るとつまらなかったりするものだが、
これなら別に問題なく見られそう。

2003/09/21
「トレーニング デイ」
 頑固にまじめな役柄が多かったデンゼル・ワシントンが、
麻薬捜査官の教官を演じており、アカデミー賞を受賞したという作品。
新人警官が面食らう悪い事をいろいろ教えていき、なんてのは目新しくもなく、
デンゼルのキャラから、ひどい悪いヤツなのでとは思わせて、
最後の最後に、実は刑事をやってくためには仕方がない、芯は正義の味方なんです
なんて展開になるのかと思っていたが、最後まで悪いままだった。
そこらへんが見えないので、見ていて何だかどういう話かわからず戸惑ったが
後半に入って、どうやらマジらしいとわかって雰囲気が見えてくる。
まあ、イーサン・ホークの気分になって見せられたと言う事かも知れないが。
ギャングのいとこと言う娘の序盤に会うのは、後の伏線になりそうと思ったが
案の定その通りに。それにしても、イーサンはあの後どうなったのやら。

2003/09/20
「トゥームレイダー2」
☆☆☆★

 男勝りの決まってるお姉ちゃんアンジェリーナ・ジョリーが
再び考古学者で、かつ荒っぽく銃とかを振り回す女性を演ずる事に。
今回はMI6の依頼で動くし、考古学が専門なんて話も考えれば、
ボンドものやインディものの女性版としてシリーズ化を企んでる感じ。
見せ場を派手にしようとするあまりか、行動が無謀すぎる気がする。
まあ、派手なアクションでテンポ良く見せ飽きさせないが、
世界各地を飛び回っているに見せて、アジアがやたら多いとかも気になるし、
何かラストの相棒との確執もとってつけたような感じだし。。。
と、いろいろケチをつけたいところだが、
実際のところ全体としてこぢんまりとまとまっていて、
ヤン・デボンとしては、スピード2のような失敗作ではないと思うが、
だからと言って、熱狂させられるほど面白い作品でもなく、まあ及第点程度。

2003/09/19
「アンダー・ファイア」
 ニック・ノルティが主演してた頃の作品で見逃していたので見る。
ニカラグアでカメラマンをする男が出会う事件の話という感じで、
まあ何か似たような話が他にもあった気がするが、
死んだ反乱軍のリーダーの写真をでっち上げるあたりは面白い。
その後、それが原因で窮地に陥ったりもするのだが、
何となく流されるばかりで、主人公として何か積極的に動くようなところがない。
エド・ハリスの存在は面白くなりそうだが、これもたいして出番がないし。

2003/09/18
「シアトル猟奇殺人捜査」
 パレなら何でも見るが、ちょっと老けたか花がなくなった感じ。
普段は実業家である猟奇犯を追う刑事で、相棒が女性と言うのも面白いのだが、
正直、パレは全然活躍しておらず、
何となく犯人が途中から急に暴走し始めて、勝手に自滅しては拍子抜け。
なぜ猟奇的な事をしでかしたとか、そう言うのはまったくわからない。
相棒刑事はちょっと良さげだったが、簡単に殺されてはダメだ。

2003/09/02
「リアリティ・バイツ」
 Xジェネレーションと言う連中が出ている映画として話題になったが
どうもとりとめもない生活を描いた感じで、
ライダーの作ったドキュメンタリーを改悪されたと怒るシーンも、
じゃあ、何を描きたかったのかと言うのもピンと来ないし。
後半は2人の男の間で揺れ動く感じで、別に目新しい気もしない。

2003/09/01
「魅せられて」
 リブ・タイラーとかがどうも脱いでるらしいとの話で見ると、
確かに脱いでるし、まだ脇役だったレイチェル・ワイズも脱いでるからお得かも。
ただし、話の方はどうにもとりとめもない感じで、
ベルトルッチと言う人への思い入れもないので、ちょっとつらいところも。
何となくどこかで見た事のある映画の寄せ集めという気もするし。
若い男連の区別が付かないのも難。

2003/08/31
「17歳のカルテ」
 アンジェリーナ・ジョリーがアカデミー賞を取ったと言うので
いずれは見ねばと思ったが、なかなか放送しないのでレンタルで見る。
ウイノナ・ライダーが主演とは知っていたが、
どんな話かと思えば、精神科の病院の話で、実話に基づいた話らしい。
これはちょっと重い話かとも思ったが、見ているとなかなか面白い。
主人公が比較的普通の少女と言うのがミソで、
極端な症状ではないので、
いろんな症状の連中のそれぞれに、微妙に接点を感じてとまどうところがポイント。
ただ、アンジェリーナ・ジョリーは暴れ回ったりして熱演と言うのはわかるが、
本当に他にもっといい作品はなかったのか、気になるところ。

「クライム&ダイヤモンド」
 最近とんと見かけなくなったクリスチャン・スレーターだが
小粒なアクション系にはまだまだ出ている模様。
今回の作品は、脱走したスレーターが身代わりに使用した死体の人物が、
ギャングに追われていたために、彼が狙われる羽目になると言う話で、
隠したダイヤの場所が、今では刑務所になっていたと言う展開も含めて
おもしろい発想ではあるのだが、
それを、映画好きの殺し屋ティム・アレンが聞きながら、
殺すかどうか決めると言う部分がちょっと微妙なところで、
何かといろんな過去の名作を思い出すあたりに、製作者サイドの映画好きが伺えるが
見ている方としては、マニアックな殺し屋と言う設定に抵抗を感じる。
スレーターが、命を狙われているのでおもしろく思わせようと、
ホラ話をしている風にも当初は思え、
事実かホラかと言うあたりもおもしろくできるポイントだったと思うのだが、
途中から殺し屋がスレーターらの行動を見ている描写が出てきて、
そこの部分はホラではあり得ないし、
結局ひねりも何もなく、すべて事実だったので拍子抜け。
何か一発大逆転的な展開もなく、
安易にハッピーエンドになっているのもちょっと抵抗がある。
ラストの雨に唄えばはちょっと面白いけど。

2003/08/29
「パイソン」
 巨大な蛇が暴れる話で、CGだから動きが妙に早いと言うのは
アナコンダと同じパターンだが、ジャングルの奥地でなく町に出現。
ただ、食われるのでなく酸でやられると言うのが、何か妙な感じで
殺人と疑われると言うサスペンス色を出そうとするが、そもそもそんな話ではない。
おびき寄せるとか言って、車についてくる巨大な蛇が
道路をずっと移動する姿はかなりマヌケ。

2003/08/27
「ファイナル・レジェンド」
 まだ続くバン・ダムのアクション作で
何かレイダースのような趣も出しているが、
いかんせん、主人公はかなり頭が悪そうで、
物語も彼も出たとこ勝負と言う感じ。
バン・ダムも歳をとったのか、かつてほどキレがなく、
あまり強そうに見えない。

2003/08/21
「タービュランス2」
 シリーズだか何だかわからない疑惑のシリーズで、
トム・ベレンジャーが久々にいい役なのを見たが、出番は少ない。
飛行機恐怖症の乗客が大挙して乗った飛行機が乗っ取られ、
そこにはなぜか毒ガスがなんて、思いつきだけで事件が起こるが、
そういうアイデアの割に、展開はたいして面白くもなく
犯人が意外に暴れないで、地上に降りてから暴れ出すのも困りもの。

2003/08/02
「スリーピング・ディクショナリー」
 1にも2にもなく、ダーク・エンジェルのマックスこと
ジェシカ・アルバが主演していて、劇場では日本で1ヶ所くらいしか見られないまま。
そうしたらビデオが出て、ジャケットを見たら尻見せの奮闘で
さては、TVの仕事がなくなって、開き直ったかなんて思って見た。
現地の人からすると種族が違うような気もするし、妙に背が高いのも気になるが
ジェシカはエキゾチックな顔立ちで、まあそれなりに見える。
行政官と現地の娘の悲恋て感じで、どこかで聞いたような話だが、
まあ、同じような目的で見た「サンドラ・ブロックinアマゾン」に比べれば
かなり上出来と言える。
何か主人公の態度がはっきりしなかったり、
周囲の人がだいたいいい人だったりするのに、ちょっと変な気もするが
ジェシカはやっぱりきれいだし、まあいい話では。
ただ、胸とジェシカの顔は同時に映っておらず
露骨にカットが変わってだまされた感じ。無理に胸見せなくてもいいのでは?

「タービュランス3」
ひいき俳優のガブリエル・アンウォーとルトガー・ハウアーが出演。
タービュランスシリーズと言うのも、「乱気流 タービュランス」の
本家と元祖みたいな怪しいシリーズの一派で、まあ見てしまうわけ。
ところがふたを開けてみると、原題のサブタイトルは「ヘビメタル」。
イヤな予感がしたが、ヘビメタのバンドと観客が人質に取られるという話で
発想は面白くても、上空の狭い機内でライブをするのも無理があるし
地上のハッカーが着陸を指示するのも無理。
そんな無茶な話でも、出演者の描写では共感が持てたのだろうが、
派手なメイクで、観客を処刑すると脅すリーダーが奮戦すると言うのがどうも。。。
肝心のルトガー・ハウアーは何やら太っていて、敵の一味で、
後半までただ何もせずに操縦していただけ。
ガブリエル・アンウォーは地上で、ハッカーに振り回されてるだけ。何か損した感じ。

2003/07/28
「メジャーリーグ」
 ダメチームが奮起して、エリートチームに勝利するなんて話は
昔から山ほどあるわけで、まあそのダメぶりの描写がどこまで面白いかがミソ。
トム・ベレンジャーとか、チャーリー・シーンとか、
当時は人気のあった連中が中心になって楽しませるが、
意外や意外、ウエスリー・スナイプスが今とは違う軽いキャラで、苦労を忍ばせる。

2003/07/27
「ディープクライシス」
 潜水艦を舞台にしたB級アクションかと思ってみたが、
どちらかと言うと、設定だけのタイムパラドックスもの。
未来と言っても、話で言ってるだけで、登場人物は限りなく少なく、
アンドロイドが作れる以外は、特に進歩した人々とも思えない。
そして、主人公の子孫が反乱軍のリーダーになるだなんて、
ターミネーターのパクリのごとき設定も、そらぞらしく、
設定だけは大風呂敷広げたが、内容が伴っていない感じ。
登場人物が少ないのに、2名しか出てこない女性キャストが、
なぜか両方とも脱がされるのも変な話だ。

2003/07/26
「トム・クランシーのネット・フォース」
 トム・クランシー原作で、小説はシリーズになっているようだが、
このTV作品らしき代物は、まあ紹介編と言う感じ。
それにしても、いろいろ奇想天外な話がいっぱいあるなかで、
インターネット犯罪を取り締まる組織があるなんて話は、目新しくも何ともなく、
新型ブラウザが世界を支配するとか言って
マイクロソフト等の存在を無視して物語を作られても、空々しい感じ。

2003/07/12
「ターミネーター3」
☆☆☆★★

 10年以上の間をおいて第3弾が登場。
シュワ以外は監督もキャストも替わって、戦争は回避されたはずなのに
またまたジョンの所に現れて、なぜと言うのが今回の主な展開。
敵の雰囲気も物語も、T2の時の繰り返しみたいで、
時間もちょっと短くなっているので、出がらしを出しましたという感じもするが
カーチェイスのシーンなんかの、実際の撮影した迫力は、
最近はやりのCGばかりの作品と違って見応えがある。
例えば、ジュラシックパークシリーズなら、
多少出来が悪くても恐竜が出てくれば、それなりに面白いと言うのがあるだろうが
このターミネーターだと、アクションを派手にするしかない。
考えてみれば、1作目はSFテイストのあるアクションだったが
2作目で怪しい世界観のSFになったのがいけない気がする。
3作目も、出がらしとは言えボチボチ奮闘していると思うし、
敵の女ターミネーターにも魅力がある。(ヒロインよりも)
ラストは予想をちょっと裏切った衝撃の終わり方で、
ここだけがT2と違うところだが、よくよく考えれば、
これはシリーズ化するためには仕方ない終わり方かも。
まあ6作目まで作るなんて話もあるけど、まだ次は見るかもね。

2003/07/07
「ザ・メキシカン」
 ブラッド・ピットとジュリア・ロバーツなんて組み合わせで
二人が、映画が始まる前から恋人関係なんて設定はちょっとどうかと思ったが、
前半は二人がどんどんトラブルに巻き込まれる感じで、
しかも、それが別に進行するというあたりが面白かった。
しかし、それも半分くらいまでで、後半になるといつまでやってるんだと言う感じで
あと30分短くすれば良かった感じ。
二人が再会してからも長いし、
名前を偽っていた殺し屋が、本当に悪い人かもわからないまま。
どうせ暴発する銃なら、
その点を利用して敵が自滅したら面白かったと思うのは短絡的だろうか。

2003/07/06
「ギフト」
 キアヌ・リーブスが出てる映画というイメージで見たが
実際にはかなり脇役で、しかも悪いヤツ。
ただ、「意外な真犯人」が出てきそうな展開から、
早い段階で彼が犯人でない事はわかってしまい、彼自身も物語から退場。
後は、いろんな怪しい連中が右往左往して、
まあ誰が犯人でもいいじゃんという感じ。
TVフレンズで、ちょっと違う世界にいる男を演じた人が、
本作でも似たような役柄で登場。
彼が何かしでかすとは思ったが、まあラストはちょっと面白いかも。

2003/07/03
「アビス」
ジェームズ・キャメロンが
ターミネーターとエイリアン2で注目された後に監督した作品。
当然期待は膨らんだわけで、海底を舞台に、
水の特撮とかも話題になったわけだが、
いかんせん物語の方は、水中の対決やら、米ソの対立やら
怪しい宇宙人やらが入り乱れて、どれがメインかわかりづらい。
基本的には宇宙人の部分がメインのはずなんだが、
やはり派手な見せ場を作りたくなったという感じで、
一番印象に残るのは、何と言っても仮死状態のヒロインを蘇生するシーン。
あの後だと、何だか作り話にしか思えない宇宙人が出てきても
そらぞらしいだけで、そこらへんがイマイチこの映画が当たらなかった理由かも。

2003/06/30
「ベン・ハー」(26)
 後にチャールトン・ヘストンでリメイクされた
ベンハーの物語を、同じ制作者が戦前に作っていたという代物。
白黒でサイレント映画なのだが、なぜか時々カラーになる。
その変わる意味がよくわからないが、当時としては画期的な技術を披露したのかも。
まあ弁士つきの放送を見たので、吹き替え版みたいだが、
物語の構成はしっかりしており、やや長めで退屈になりそうな話も面白く見れる。
リメイクは、最後の最後に「実はイエスの話だったんです」という展開だったが、
このバージョンは最初から事あるごとにイエスの話が出てきて構成はやや異なる。
ガレー船や戦車のシーンもちゃんとあって楽しめる。

2003/06/28
「チャーリーズ・エンジェル フル・スロットル」
☆☆☆★★

 TVチャーリーズ・エンジェルの映画版2弾目で
今回も冒頭から3人がキャーキャー叫びながら、派手なアクションで問題解決。
まあワイヤーアクションは相変わらずで、それはいいとしても
冒頭から、3人と保護した要人4人で、橋から落下中のヘリに飛び乗り
それからエンジンをかけて脱出するなんて見せ場は、
例えば007が1人でやってもどうかと思うのに、素人まで連れていたのでは、
それは無理だろうという感じで、ちょっと冒頭から逆効果を受ける。
前作のやせ男とか、バルモアちゃんの元恋人とか、いろんな連中が出てきて
敵が誰なのかがわかりづらく、痛快な格闘シーンもちょっと散発的と言う感じ。
他方、3人の家族とか過去とかを掘り下げるのだが、
前作の印象がそれほど強いわけでもなく、
まあどういう設定でもいいんじゃないと言う気がする。
冒頭でロバート・パトリックは出てきた瞬間から悪役とわかり、
ブルース・ウイリスは「ダイハード」のようになりかけてすぐに殺され、
「フレンズ」のジョーイが、ジョーイそのもののキャラで出ていたりするなんて
ゲストの使い方はボチボチ面白い。(ジョーイはレギュラーか)
2代目Qことジョン・クリースがルーシー・リューの父で、
本来コメディアンなのに、驚いてる表情だけでは物足らない。
元祖エンジェルのジャクリーン・スミスが何やら妖精かのように出てくるのも妙。
現場を調べる時に、CSIの扮装でTV「CSI」の曲が流れたのはグーだが、
動物の出産シーンで「ボーンフリー」とか、溶接工の扮装で「フラッシュダンス」、
尼さんに扮すると「サウンド・オブ・ミュージック」なんてベタな選曲は引っかかる。
バルモアちゃんの元恋人は「ケープフィアー」のパクリだし、
全体的に、いろいろ盛り込みたかったのはわかるが、ええとこどりなのは否めず、
過ぎたるは及ばざるがごとしと言うわけで、何かあまり感心しない。
CMで使われてる曲好きなんですが、劇中では使われないし。

2003/06/27
「ネル」
 山から外へ出なかった女性ジョディ・フォスターが見つかり
彼女を再教育すべきだなんて言う博士や、好奇の目で見るマスコミに対し
自然に生きる彼女のすばらしさに気づいたリーアム・ニースンが
これを何とか阻止しようとすると言う話で、
考えてみれば、この手の話は「ターザン」や「ジャングルブック」と同じようで
目新しくもなく、なぜかジョディ・フォスターがやたら裸になって
セリフもない役を熱演するが、
皆が彼女に共感を覚えるラストなんかあまりピンと来ない。

2003/06/24
「まごころを君に」
 日本でも人気のある(らしい)
「アルジャーノンに花束を」の映画版で
主役のクリフ・ロバートソンはこれでアカデミー賞を受賞。
何だかんだで、ストーリーはわかっていたので、意外な展開はないが
ロバートソンの演技はなかなかそれっぽい。
最後に元に戻るところが、ハッキリは描写されず、
あっという間にエンディングになるのが、
余韻を残すという事かも知れないが、今の人には物足らないかもと言う感じ。

2003/06/23
「ソロモンとシバの女王」
 なぜか髪の毛のあるユル・ブリンナーが主役の
十戒やらを思わせる史劇で、
シバの女王とかソロモンという名前にも聞き覚えがあるが、
その物語は、長い割には何だか盛り上がりに欠け、
やられていたのにシバが祈ったら急に形勢が逆転したり、
盾を磨いたら、次から次へと敵が崖下へ落ちていくなんて、
ちょっとどうかと思う。

2003/06/21
「ミニミニ大作戦」
☆☆☆★★

 昔の作品のリメイクで、アクションは今風なのに、
タイトルは昔風なのがおしゃれ。
キャストもボチボチ豪華な配役で、
悪いヤツから盗むけど、殺しはしないなんて義賊的一団が、
人殺しもしちゃう、かつての仲間と対決するなんてルパン的話で、
綿密な計画もどこかで聞いた事ある感じ。
一応、途中で計画がばれて、予定変更になる事はあるものの
さほど奇想天外な作戦とも思えず。
ミニを利用して階段を降りたり、地下鉄を走り抜けたりする面白いアクションも。
それでも、やはりどこかで聞いたような話であるのは否めず、
各方面のトップを集めるなんてあたりも、
マーク・ワールバーグが出損なったと言う「オーシャンズ11」みたいだし
地味な公開で、本当は「掘り出し物だった」と言いたい感じだが
実際の所は、まあそこそこと言う感じ。

2003/06/15
「エリート・コマンドー〜GEKICHIN」
 戦艦がテロリストに乗っ取られて一大事に
と言うと、「沈黙の戦艦」みたいな話で、
リーダーもユルゲン・プロホノフだが、どこかトミー・リーぽいキャラになっている。
まあ、それならそれでパクリもいいのだが、
主人公の5人組は、かつて事故で両親を殺され、
なぜかプロのコマンドーとして極秘に鍛えられたと言う素性の連中で、
どうしてそうなっちゃったのかは語られず。
5人ともいわば若造で、何が起こっても動揺しない小生意気な連中で共感がもてず。
爆発は例によってCGで、
2回ある市街地でのカーチェイスで、はじき飛ばすイスが、
場所が違うのになぜか同じデザインだったり、
一味が戦艦を乗っ取る時は、乗員は妙に少なかったのに、
逆に反撃する時は、敵1人に対してやたら多い人数で取り囲んだりして
どうもおかしい。
戦艦を乗っ取る作戦中なのに、計画にちょっとだけ気づいた主人公たちを抹殺するため
陸に結構な人数が残してあったのも変な話だ。
てなわけで、何となく思いつきで作ってみて、評判が良ければ、
5人についてもう少し掘り下げたシリーズを作ろう言う感じの安易な話。

2003/06/14
「マトリックス・リローデッド」 ☆☆☆

 前作は比較的地味に公開されたはずのこのシリーズも
その後に評判が上がったのか、続編は2作まとめて製作され、
国内を上げて大騒ぎの公開ぶり。
コンピュータの中のプログラムとかが、人間と対決するという話は、
実は目新しくないのだが、
コンピュータの中だからこその、無敵な力を得た登場人物たちが
見た事もないアクションで対決するシーンが話題に。
今回もそれは引き継がれるのだが、やはり派手なアクションは延々と続くものの
シリーズだからと言う事で、人間と敵との対決の話の世界観は広まり、
と言うか広めすぎて、前作の記憶も怪しい者には何の事かサッパリ。
眠気を誘うシーンが続いて、後は派手な戦いばかり。
派手とは言っても、何しろ何でもできてしまう人々の戦いだから、
緊迫感があまりなく、かと思ったら敵を倒せちゃったり、味方がやられたり。
どのあたりで死んで、どこからはダメなのかもよくわからない。
高速道路の戦いなんかも派手なんだが、CMで見たものばかりだし。
物語としては、やはり面白いとは思えないし、
見せ場が派手でも映画としては、どうしたものか。
最後に3作目の予告があるが、目新しさも感じられず、あまり期待できない。

2003/05/31
「トゥー・ウィークス・ノーティス」 ☆☆☆★★

 ラブロマンスのドリームチームと言われる
サンドラ・ブロックとヒュー・グラントのコンビで、
サンドラは毎度毎度の男勝りだが、実は恋もしたい女性の役。
ヒューの方は毎度毎度のインチキプレイボーイとくれば
どこかで見たような感じで、「この2人共演してなかったっけ?」と言う感じ。
物語の方もそんな調子で、サンドラが製作もしているので
ちょっといい子ぶった話にしようとしたのかなとか、
中盤で現れる泥棒猫のような女は、何とか懲らしめられないのかとか
ちょっと気になるところはあるものの
まあお約束的展開で楽しめる。

2003/05/30
「ファルコンダウン」
 カーク船長が出ているから見たが、
日本未公開ビデオ作品みたいな感じで、
物語全体の雰囲気は、ファイヤーフォックス風。
ただ、1人で乗り込むのではなく、チームで乗り込むあたりが違い
彼らがすべて敵だったと言うわけ。
しかし、敵味方が同じ機にいるのに、意外にのんきにやられていくのがマヌケ。
なぜか敵でも女性は助けたりして、変な感じ。
機が海底に沈んでも平気だと言っていたのに、結局ダメだし。。。
何かアイデアだけで、おかしな事ばかり。

2003/05/24
「ハンテッド」 ☆☆☆★★★

 トミー・リー・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ、
そしてウイリアム・フリードキン監督と言うアカデミー賞トリオで
戦場で心を病んだデル・トロが、帰還して殺人を犯すようになり
かつての教官トミー・リーと対決すると言う「ランボー」な話。
しかし、ランボーでは上官は指示するだけだったが、
今回は教官も実地へ出て直接対決するのがポイント。
急所だけを狙うような、本物のプロの殺し屋と、
折れた木の枝や足跡等から相手を追いつめていく追跡者の描写は、なかなか面白い。
冒頭はコソボでのデル・トロの実際の戦場での姿を描くわけで、
こういうシーンがあるのもいいが、これがちょっと長め。
それからなぜ彼が心を病んだかの説明はないに等しく、
動物には敬意を払えとか何とか言って、何人か殺人を犯し、
後は追っ手を殺していくだけだから、ランボー1作目のような演説はいらないにしても
もう少し理論づけが欲しいところ。
トミー・リーとデル・トロの対決は3回。
いきなり前半で対決して、割に簡単に逮捕される。
そしてお約束のように逃走するわけだが、護送車を転覆させて逃げる様は
「逃亡者」を連想させる。
ここまで映画の半分くらいが経過しており、ここからようやく本調子にと言う感じ。
その間、デル・トロの恋人とか、FBIの女捜査官とか出てくるのだが、
これがどう見てもおまけのようで、恋人はチラッと出ただけで再会もせず。
トミー・リーが逐一報告してるわけでもないのに、
要所要所にかけつける女捜査官も、おまけという印象を強める。
一方で、逃亡者の話は、追跡者の描写が安易になりがちで、
いつも後手後手になるような映画が多いが、この映画に関してはそこは大丈夫。
街から効果の地下鉄まで必死に追う様は、
「フレンチ・コネクション」なんか連想させるが、ここが一番の見せ場かも。
そして、クライマックスは山の中で3度目の対決。
デル・トロが自らナイフを作るのはいいとしても、
なぜかトミー・リーまでナイフを石から作り、野生のような対決。
ザクザク刺さって痛そうなところがポイント。
そこで決着がつくと、あっさりとしたエンディングで、
1時間半の短めの作品で、中盤の追跡シーンが一番の見せ場となると
もう少し見せ場を派手にして、設定の描写を細かくすればもっと良かったのだが。

2003/05/18
「ワイルド・スピード」
 潜入捜査した刑事が、組織の人物と親しくなり
逮捕に戸惑ってしまうだなんて話は、何度も聞いた事のある話で目新しくもない。
もっぱら見所は、激しいカーチェイスシーンと言うわけだが、
最初と最後の襲撃、前半のレース以外は、これと言って迫力もなく
中国人(?)グループに疑いがかかるあたりも
こんなに早く疑いがかかると言う事は、真犯人ではあるまいと思わせてしまうし。
意外に日本車の出番が多いのも妙な感じ。
ヴィン・ディーゼルには、変な魅力があるが、
それにしても結局犯人だったのに、見逃されてしまって、
続編でまた出てくるなんて、何かしっくり来ない。
中国人グループのリーダーは、「ダイ・アナザー・デイ」のザオの人。
監督は「ドラゴン」「トリプルX」の人で、
皆で「ドラゴン」のビデオを見るシーンあり。

「キャッツ&ドッグス」
 犬と猫が、実は妙に高度な文化を持っており、
人間に飼われてやっているが、実は共存してたり、滅ぼそうとしてたり
暗躍するという展開で、スパイものをベースにしているが
まあ、発想としては「スパイキッズ」とかと変わらず、目新しくもない。
結局の所、犬と猫をいかにかわいく見せられるかがポイントで、
そう言う意味では前半は善戦しているが、
後半になると、この設定自体の面白さが薄れ惰性で引っ張られる感じ。
ラストに「何かいいことないか、子猫ちゃん」が流れるあたりのセンスは抜群だが。
007の悪玉ブロフェルドはいつも猫を抱いているが、
今回、こいつが猫の親玉になってような雰囲気。

2003/05/17
「シカゴ」
☆☆☆☆

 久々のミュージカルだが、
見ていると昔からよくある、突然歌い出すタイプのミュージカルではなく
何かのシーンに、その登場人物の気持ちを表現するような感じで
舞台に場面が変わり、登場人物が舞台の衣装で歌うような演出に。
これで、従来のミュージカルに抵抗があった人が平気にあるかは不明だが、
変わった見せ方だと感じた。
冒頭にキャサリン・ゼータ・ジョーンズの迫力の歌があり、
ミュージカルを劇場で見るのも久々で、かつての記憶は定かでないが
今風の見せ方なのかもと感じた。
物語はその後、レニー・ゼルウィガーを中心に展開。
彼女がデビューさせてやるという男にだまされ、彼を射殺して逮捕される。
あこがれていたゼータ・ジョーンズも同様に逮捕されて刑務所仲間に。
弁護士リチャード・ギアは、実は悪徳弁護士で、
彼は世間の人気を操作して、最終的に無罪を勝ち取るという手法だった。
このやり方のコツをつかんだゼルウィガーは、たちまち人気を得るが
世間の人気は移り変わりやすかった。
と言う物語は、実は戦前の戯曲が元らしいので、古典的なパターンで
さほど難解な話ではない。
登場人物が披露する歌の方も面白く、中でもゼルウィガーの腹話術演技が笑える。
しかし、ちょっとむやみに歌にしているような所もあり。
アカデミー賞を取るような作品は、2時間半以上であると言う偏見をよそに
この作品は2時間未満だったが、
1時間半くらいに短くしたら、もう少し締まったかも。

2003/05/10
「X−メン2」
☆☆☆★★

 スパイダーマンとかのアメコミに対し、
ヒーローがチームを組んで戦うというシリーズの第2弾。
1つのキャラに収まらず、いろんな新しいキャラを登場させられるメリットはあるが
人数が増えすぎて、収拾がつかないと言うか、
誰が中心人物だかわからなくなると言う難もあり。
主役は前回も今回もヒュー・ジャックマンで、
彼らを指揮するリーダーがピカード艦長こと、パトリック・スチュアート。
前作ではアンナ・パキンが中心に物語が展開したが、
今回はハル・ベリーに移った様子。
前作では脇役だったのに、さすがはアカデミー賞を受賞すると扱いも変わるものだ。
と思ったら、映画ではハル・ベリーの出番は意外に少ない。
前作で敵だったイアン・マッケランや、ちょっと変な魅力のあるヘビ女が味方に。
代わりに日本人だと言う敵が登場。
今回の敵はもっぱら人間で、ミュータント同士が手を組むのだが。。。
ピカードは前回も今回も、敵にやられて役立たず。
と言うか、今回は敵に操られて危険な事に。
全ミュータントを抹殺しようとし、ミュータントが弱りかけるが、死ぬ者はおらず、
それはその後、人間が抹殺されそうになった時も同様。
ミュータントならではの派手な戦いぶりが、この映画の魅力で
それぞれが見せ場を見せるが、実は嵐を起こすハル・ベリーが割に地味な感じ。
それではいけないと思ったか、最後にピカードを助ける役を彼女が受け持つ。
味方になって魅力半減かに思えたイアン・マッケランも、
やはり悪玉だったと言う本領を発揮。
ある意味ハル・ベリーより注目しているファムケ・ヤンセンが活躍するが、
意外や死んでしまうが、パンフによるとマンガではよく甦るとの事。
まあ、そんな連中だから、何でもできてしまうわけだが
戦闘機に襲われて、嵐で倒すがミサイルは撃たれたり、
メンバーは助けるがダム決壊は止められないなんて調子で、
見せ場を派手にしようと言う狙いが見え隠れ。
そう言えば、この前に見たスタートレックと同様で、
キャラが多すぎて、前作とかを見ていないとちょっとピンと来ない所もあり。
とりあえず本作でシリーズを完結させようなんて感じは、みじんも感じられない。
まあ、派手な戦いぶりが面白いから、しばらくは続ける気だろう。

2003/05/08
「ネメシスSTX」
☆☆☆★★

 新スタートレック映画版の第4弾は、
このメンバーでの最終作らしい。
旧メンバーの映画版と違って、同時代のTVシリーズが日本ではまだ進行中で
ボイジャーのジェーンウェイ艦長が、平気な顔して地球にいたり
ドミニオンとの戦いでロミュランと協力したなんて話が出たりして
あれらのシリーズも終わっていると言う事なのねと、ちょっと説明がほしい。
ライカーとトロイの結婚式で始まり、
ガイナンやウエスリーなんてゲストもいたりするのだが、ホンのちょい役。
ところでこのシーン、「ジェネレーションズ」のウォーフの昇進祝いを思わせる。
トロイはウォーフとくっつきかけたなんて経緯もあり、
映画の前作で寄りを戻したのだが、
やはりそこらへんも飛ばして見たりしていると、ピンと来ず、
「シリーズは全部見ているのが当然だ」と言う製作サイドの気持ちが見え隠れ。
物語はピカードのクローンとの対決で終始し、展開としてはさほどヒネリがない。
この事件を通じて、ロミュランと仲良くなるなんて狙いが見えて
そう言えば、旧メンバーの最終作ではクリンゴンと仲良くなったし。。。
と思ったが、実はドミニオンとの戦いで、ロミュランとは手を組んだ経緯あり。
データの同型が現れて大騒ぎするが、
兄弟ローアもいたので、今さら何をと言う気も。
そして、この同型、さほど物語に影響したとは思えない。
クローンことシンゾンが強敵だと言うのはわかるが、
なぜロミュラン内で、彼らのような存在がのさばるようになったのかがわからず、
そして彼らの遮蔽テクノロジーが、ロミュランの他の連中にも破れないのかも。
この戦いは、カーク対カーンを意識したとの事で
特撮技術の向上か、迫力は十分だが、どうに頭を使った戦いという気がしない。
一応はレギュラー全員にそこそこ出番があり、
クライマックスは、またまた自爆寸前の事態に。
4作中3作で、艦が破壊、あるいは自爆指令を出す所まで来ると言うのは
映画だから派手にしたいのはわかるが、ちょっとヤマトな気分。
そして、自爆できないなら体当たりと、派手な見せ場もあり、艦が壊れる壊れる。
それでもなぜかシールドのような物があって、乗員は無事。
エネルギーとか全然ないはずなのに。。。
データが死ぬらしいと言うのは聞いていたが、やはり派手な見せ場あり。
ちょっとホロリとさせ、ライカーらが独自の艦に異動。
データの同型に、何やら期待するエンディングも良くて
全体的にそこそこ面白く見られた。
もっとも、それはシリーズやキャラクターを知っているからこそで、
初めてシリーズに接した人にすれば、意味不明で面白くも何ともなさそう。
劇場もガラガラかと思ったが、そこそこ人はいて、大半かマニア風だった。

2003/04/26
「レア・魔性の肉体」
 エリザベス・シューも魔性の女を演ずるようなので見るが
さほどHな展開もなく、もっぱら登場するのはウディ・ハレルソン。
ここでは彼も比較的まともな人柄で、何となく巻き込まれる感じ。
まあこういう話だから、裏がありそうなのは最初からわかっていたが、
娘がニセ物だったりしたあたりからがヒネリどころ。
安易などんでん返しという感じではないので、そこそこ面白いが
結局の所、エリザベス・シューは何が狙いだったのやら。。。

「RPM エキゾースト・ヒート」
 車泥棒とか派手なカーチェイスとか期待したのだが、
何だかキャノンボールとかその手の映画の、
車泥棒のシーンだけがピックアップされた感じで、派手なシーンはほとんどなし。
ファムケ・ヤンセンはいつも似たような役柄だが、
主人公の妹だったという設定は、ちょっと違和感あり。
全体として、何だか安っぽい感じ。

2003/04/12
「デアデビル」 ☆☆☆

 アメコミの中で日本では知名度が低い(と言うか知らない)
デアデビルと言う奴の映画版が登場。
主役を演ずるのは、すでにトップ俳優であるベン・アフレックだから、
楽しんでやっているという感じか。
パンフによると、マーヴェルコミックという雑誌のマンガは、
すべて同じ編集者の思いつきが元になっているようで、
そう言う意味ではダブる設定も少なくないようだ。
それでこのデアデビルも、スパイダーマン的であり、バットマン的でもある。
視力を失った事によって、超人的な聴覚を得たとか
少年時代から平衡感覚を養ったと言う説明があり、
だから強敵とも戦えると言う事らしいのだが、
聴覚はともかく、平衡感覚の方は、鍛える間に死んでしまいそうな感じ。
100分という短さの中で、誕生から恋愛、最初の強敵との対決まで描くので
1つ1つは片づけ仕事的にどんどんと展開。
登場人物のすべてが、なぜか格闘の達人だと言うのはよしとして
恋人エレクトラが父をデアデビルに殺されたと思いこみ復讐しようとするが、
その正体が実はベンと気づき、あらそうたっだのねと心変わりするまで約10分。
友人に恨まれたまま続編に続くスパイダーマンと比べると、
かなり簡単な復讐劇で、この恋人との対決が延々と続くと思っていたから拍子抜け。
負傷したベンのマスクを元に戻して立ち去るのもマヌケ。
ベンもいろんな連中にすぐ正体がばれ、正義のヒーローとしての命も風前の灯火。
クライマックスに3つの対決が連続で展開するが、どれも迫力不足ですぐ終わる。
死んだはずのエレクトラが、スピンオフでシリーズになると読んだが
そもそもあの映画を見た感じでは、死んだように思えないし。
ちょっとお手柄に作りすぎましたねと言う感じで、
ベンでなければ、ビデオ直行系と言う感じ。

「ラッキー・ナンバー」
 ジョン・トラボルタがくじで金を得るために細工をするがと言う話で
誰でも考えそうなアイデアを実際に着手したと言う展開で
いろんな連中が狙ったり、いろんな連中に気づかれたのではとハラハラしたりするが
何か見ていて当たり前すぎて、意外性には欠ける。

2003/03/31
「ニュールンベルグ裁判」
 第二次大戦に関する裁判を描いた作品で、
見る前から堅そうな気はしたが、実際堅い話でしかも長い。
ナチの虐殺行為を正当化する法案を通した判事たちを裁く話で、
虐殺行為はなかったとするドイツ国民の感情や、
ソ連の台頭で、ドイツと争っている場合ではないと言うあたりに
面白い物があるが、いかんせん話が長い上にややこしくて
結局の所、どういうテーマかと言うのがとらえづらい。
検事の助手みたいな役で、カーク船長ことウイリアム・シャトナーが出ていて
カーク船長よりもさらに若くてりりしい。

2003/03/29
「トラフィック」
アカデミー賞とかも取った作品で、出演陣もなかなか豪華。
物語は3つくらいの部分に分かれ、マイケル・ダグラスの部分、
ベネチオ・デル・トロの部分、キャサリン・ゼータ・ジョーンズの部分。
これらが同じ麻薬犯罪の物語の周囲をウロウロしつつ、
どのように絡むのかと言うのが一番の期待で見たが
最後まで言っても、3つの話はほとんどからまず、
それぞれの世界でそれなりに解決したが、
基本的には麻薬組織と戦うのは大変だと言う事か。
ベネチオ・デル・トロはアカデミー賞を取ったので、さぞ凄いのかと思ったが、
少なくとも私の期待していた凄さとは違ったようだ。

2003/03/23
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」 ☆☆☆☆

 ハリウッドきっての名監督スピルバーグは
ジャンルを問わず取り組んでいるので、どうにも彼らしい色というのが見えない。
(好きそうなテーマと言うのはあるものの)
彼らしさと言えば、近年の作品で言えるのは、どうにも長いと言う点だ。
それも満を持しての作品ならば、気合いの見せようもあるだろうが、
大監督にしては、本数がやたら多い。
つい最近も「マイノリティリポート」があったばかりだ。
あれもその前の「A.I.」もそうだが、テーマは面白そうだが
やはりやたら長い作品になっているせいか、どうも評価はよくない。
本作では、少年なのに世界を股にかけた詐欺師という実話を元にしており
その手口が物語の重要な部分を占めるはずで、これも面白い話になりそうだ。
だがまたまた長さは2時間半。イヤな予感もぬぐいきれない。
しかし、いざ見ると、転校した高校で生徒たちをだましたのを皮切りに
パイロット、医師、弁護士に扮して次々人々をだましていき
FBIに後一歩まで追いつめられても、とっさのでまかせで逃げてしまう。
犯罪者なのに応援したくなるのは、描き方によるところが強い。
おとな顔負けの手口にもかかわらず、どこか子供ぽい所も見え隠れしそれも楽しめる。
007やベン・ケーシーとか、当時のファッションなど60年代テイストも見せて
そう言う意味でも楽しめ、そう言えば冒頭のソールバス風タイトルもいい。
流れる曲が、本家007でなく「カジノ・ロワイヤル」と言うのも面白い。
2時間半も、面白い展開で見せるが、
後半の捕まってからのシーンが、若干長い気がする。
ここをもう少し縮めて2時間程度にすれば良かった気もするが。
司法試験に合格した手口をオチにしたくなるのはわかるが、
司法試験に受かったのは、彼の詐欺歴ではかなり後半なので、
ずっと隠しておいた面白さがあまり出ない。
どうせ物語を前後させて描くなら、そこをうまく描けなかったものか。

2003/03/20
「ハリケーン」
 差別で虐げられてきた黒人ボクサーが、
一度は再審をあきらめていたが、古本市で彼の伝記を見た少年に励まされると言う
時間の流れを感じさせる展開がうまい。
普通なら、古本市に伝記がある人など、もう死んでそうな感じだが
まだ戦ってたんだと言う感じで、それからいろいろ彼の仲間が奔走するのだが
そこまでの彼の伝記的部分とは物語の色もはっきり変わって
ちょっと調子狂わされる。
まあ、実話とは言え、最後に勝利を勝ち取るのはお約束。
でも、明らかに犯罪を犯している警部におとがめがあったかどうかはわからず
運転手がどうなったかも。。。

2003/03/19
「サンドラ・ブロックinアマゾン」
 サンドラ・ブロックが出るから見たのだが、
何やら主役は男の記者の方で、
熱帯雨林を焼き払う一味と戦うという、社会派風の話なのだが、
一味がムキになって隠す陰謀の正体はよくわからず、
最後には何やらマヌケな撃ち合いで、次々死んでいき唖然とする。
封印していたと言う肝心のサンドラの裸は、それほどハッキリ見られず。

2003/03/18
「クロコダイル・ダンディーinL.A.」
 それほど人気があるとも思えないシリーズの久々の新作。
ニューヨークへ行った時とパターンとしては同じで、
息子がいたり、映画製作に関わるあたりが目新しいところか。
まあ、その価値観の違いから、時折クスリと笑わせるシーンはあるものの
全体的には繰り返しで、間が空いた分、主役の老けが気になる。

2003/03/17
「ドクター・ドリトル2」
 と言うわけで、人気にかげりの出たエディ・マーフィが、
ナッティ・プロフェッサーと並んで、過去の作品のリメイクで当て
両方とも続編を作ったという1作。
まあマーフィなので、下品なギャグも多少あるが、比較的押さえ気味で
最後に動物がストをして人間を困らせるあたりは面白い。
ここを中心に物語をした方が良かったのでは。

2003/03/15
「ロード・オブ・ザ・リング 2つの塔」 ☆☆☆★★

 シリーズも第二弾。
世界はともかく、日本はファンタジーブームでハリー・ポッターと合わせて大ヒット。
本作は、予告編を見た時から難しそうと思ったが、
本編を見るとその感覚はさらにアップした。
何しろ、前作の説明はほとんど皆無で、(少しだけダブるシーンはあるものの)
3つのグループがそれぞれ物語を展開しつつ、
よくわからない別のグループも現れて混乱。
ホビットとかエルフは何とかわかるのだが、
ゴンドールとかドワーフとかアイゼンガルドとか、
何だったっけと言いたくなる固有名詞が、説明もなく当たり前のように出てくると
1年前に前作を1回見ただけの者にはかなりつらい。
サウロンとサルマンも紛らわしいし、
ガンダルフも衣装が替わって、サルマンと区別がつきにくくなったとか
もう少し見る者に親切にしてくれればと言う気もする。位置関係もわからないし。
何しろ3時間というのはちと長い。
2時間くらいが、この難しげな物語を見続けられる限度では。
まあ、考えてみれば、ドラクエのゲームをする時とかでも、
登場人物の名前をすべて把握していたわけでもないし、
雰囲気を楽しむと言う意味では全然問題ないかも。
途中、ドラクエの雄大な実写版だなと感じさせられるシーンもあった。
何だかわからないが窮地に陥った一同が、命の危険を冒して戦う決意をしたり
木の精が戦うために動き出すあたりは、予想通りの展開だが、
ちょっと感激させる感じ。
どんなに激しい戦闘でも、レギュラーは死なないだろうと思わせるとその通りに。
3部作と言っても、2作目で何が変わったかと3作目を見る前に振り返ると
何も状況が変わっていない気がする。
それにしても、リブ・タイラーは相変わらず出番がほとんどないし、
肝心のイライジャ・ウッドさえも今回は出番が少ない。指輪もあまり出てこない。

2003/03/13
「世にも不思議なアメージング・ストーリー」
 トワイライトゾーンで味を占めたスピルバーグらが、
自前のTV新シリーズを作ったその劇場版。
3作合わせて、有名俳優も出てお得そうだが、
いかんせんTVならではという感じの、世界観の狭さと、
物語を妙に引っ張った間延びした感じがあり、
まあ、TVだったらねと言う感じ。

2003/03/11
「狼たちの午後」
 銀行の立てこもり事件をドラマ化したもので
計画的な犯行と言うよりは、場当たり的で、人質とも親しくなったりして、
その危なげな感じが面白い。
次第に周囲の人々の声援を浴びるようになったりして、
どう収束するかが最大の関心事となるが、案外当たり前な終わり方で拍子抜け。
しかし、実は実話らしい。

2003/03/10
「ふたりの男とひとりの女」
 ジム・キャリーが二重人格になり騒動を起こすと言う話で、
最初の内は、今までのキャラとは少し変えてみたコメディかと思ったが、
やはり暴れ出すといつものジム・キャリーのキャラで、食傷気味。
それぞれの性格にいい面があるというのはわかるが、
1人でケンカし合うシーンなんか、ちょっとつらい感じもある。
口は悪いが、頭が良くて父親思いの息子たちはなかなか面白い。

2003/03/09
「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」
 苦学生のクリス・オドネルが
頑固者の盲目の元軍人アル・パチーノに振り回される話で、
盲目なんだけど、なかなかそれを感じさせない洞察力で
振り回されながらも、どこか頼れる存在になっていくのだが、
彼には彼の悩みがあったなんて展開。
最後に校長をやりこめるところなどは、痛快感あり。
アル・パチーノの盲目演技もいいのだが、
個人的にはガブリレル・アンウォー狙いで見たところもあり、
あんなにチラリとしか出ないとはまいった。

2003/03/08
「007/ダイ・アナザー・デイ」 ☆☆☆★★★

 シリーズ20作目で40周年の本作は、
各国に3ヶ月以上遅れての日本公開となり、今まで最も待ちこがれた作品と言える。
前作もやや異色作だったが、今作も冒頭にボンドが捕らわれてしまい、
14ヶ月も監禁されたあげく、人質交換で帰還するものの
用済みとして00要員からはずされてしまうなんて展開で、
シリーズになじんでいない人には、(なじんでいる人にも)
何だかキョトンとしてしまうような話だ。
だが、結局命令違反を犯して宿敵を追うと、消されたライセンス的で、
あの時は敵がたいした事なかったが、今回は北朝鮮を敵にしているわけだから
話はなかなかスケールがでかい。
当初の敵は北朝鮮のザオだが、途中からダイヤ王グレーブスと言う奴が現れる。
しかし、その正体は、割に早い段階で判明。
さらに、ボンドを裏切った英国諜報員がいるらしいとわかるのだが、
その正体も、何しろ英国諜報員が他に出てこないので、すぐにわかってしまう。
活躍するはずのハル・ベリーは意外に活躍せず、ボンドに助けられてばかり。
そんなわけで、物語の意外性と言うのはそんなにないが、
やはり派手なアクションは、このシリーズに勝る物なし。
冒頭のホバークラフト、そして中盤の氷上のカーチェースも激しい。
特に、アストンマーチンが氷上でクルッと回るシーンに、前々から期待していたが、
映画ではそれさえあっさりとした物で、全体的にかなり激しい。
ただ、激しすぎて何をやっているのかわからない感も。
氷のドーム内でのカーチェースになると、もうカーチェースとは言えない感じで
SF映画のような感じだ。
そしてかなり気になったのは、ボンドがパラシュートで攻撃から逃げるシーン。
これはもろCGだ。
衛星や爆発はCGでも許せるとしても、人間のアクションシーンは実演してほしいもの。
シリーズの過去の秘密兵器や、過去の作品で見たようなアクションが出てくるのも
ある程度はオマージュ的でいいのだが、やりすぎるとネタ不足ではと勘ぐりたくなる。
シリーズ以外に、スタートレックやエアーウルフや
ターミナルベロシティみたいシーンもあり。
衛星で韓国を攻撃しようとするクライマックスも、
わざわざ北から徐々に攻めずに、最初から韓国を攻撃すればと言う気もする。
だいたい、黒幕は最終的に何を目指していたのやら。
全体的に物語は割にご都合主義的でお約束的だが、
派手なアクションの連発で飽きさせないと言う事か。
そうなると、トリプルXとかと変わらない気もするが、
シリーズの蓄積してきた魅力と、公開を待たされた事によるテンションの高まりを
プラスして評価したい。

2003/03/06
「CLIFESEVEN人質奪還指令」
 ナンシー・アレンとランス・ヘンリクセンなんて組み合わせで
アレンが最初は凄腕ぽくって良かったのだが、
中盤からはただ娘が心配な母親になり、何やら素人の協力まで得てしまう。
どう見ても彼女が凄腕には思えず、(銃を撃つたびにビクッとしてるし)
謎の倉庫やら、一味の陰謀もよくわからず。

2003/03/05
「キス・オブ・ザ・ドラゴン」
 リュック・ベッソンが関係するフランス映画にジェット・リー登場。
おかげでどこか無国籍的な話で、フランスなんだかアメリカなんだかピンと来ない。
戦わせたら無敵のジェット・リーの格闘シーンは、
いわゆる香港流のそれよりも見ていて迫力があっていいが、
とどめは鍼で倒すなんて、北斗の拳のような感じ。
最初は事件に巻き込まれたはずの彼が、
後半はブリジット・フォンダを助ける話に様変わりし、
そもそもあの悪徳刑事は、なぜ容疑者を殺す必要があったのか、
それはよくわからない。

2003/03/04
「プレジデントマン 地獄のステルスコマンド」
 最近見かけないと思っていたチャック・ノリスだが
60歳だと言うのにまだやっていた。
大統領だけが命令を出せる兵隊なんて設定は
どこかで聞いた事があるような気もするが、B級的で面白い。
普通の映画だと、その大風呂敷な設定にもかかわらず、事件は1つだけだったりするが
ここでは、いくつかの事件を担当し、それはそれで好感が持てるが、
逆にスケールが小さくなっている気も。
大統領直属ならば、例えば誰も手を出せない軍の陰謀を阻止するとか
そう言う話にすべきなのに、結局軍の特殊部隊とかでできそうな作戦ばかり。
ステルスからダイビングするので、ひそかに敵地へ潜入できると言う設定も
ほとんど生かされていない。

2003/03/03
「スぺース・パイレーツ」
 海賊ものは当たりはずれがあるようで、
凄く面白いのもあれば、そうでもないのもあり、
これはどちらかと言うとそうでもないパターン。
宇宙を舞台にした海賊という設定は全然問題ないのだが、
全体的にコメディ色を出そうとしたらしくて、それが半端な感じに。
凶悪な敵を倒したという痛快感はまったく感じられず、
時間の流れが速い空間で戦うという、変なところだけSF的。
アンジェリカ・ヒューストンは、「カリブの嵐」に続いて女海賊の役。

2003/03/02
「クロスゲージ」
 死刑囚ばかりの秘密部隊なんてのも面白そうだが、
まとまりは悪そうだし、
何のよりどころもないのに、勧誘されて、素直に入ってしまう主人公も何かマヌケ。
わざわざ彼を犯人に仕立てる大芝居を撃つが、
例えば照準がずれる仕掛けとかでも良かった気がするが。
その後の展開は、どこかで聞いたような感じで、
敵の本拠地に潜入するあたりは面白いが、
最後に刑事と将軍と製薬会社社長が一堂に介するシーンは、
もう展開が見えちゃって見えちゃって。
でも、なぜ刑事が主人公側についたかとか、ちょっと説明不足の感も。

2003/02/28
「裏切りのベストセラー」
 ブライアン・デネヒー刑事が、
殺し屋のジェームズ・ウッズに振り回される話で、
黒幕である人物を追うのだが、ウッズも信用できないと言う展開。
ウッズの怪しさはなかなかの物があり、
結局悪いヤツではなかったと言う風な描かれ方だが、それはどうかなと言う感じ。

2003/02/24
「追撃者」
 一世を風靡したスタローンも、シュワに比べると最近はパッとせず
ドリブンのような大作では脇役、さもなくばこの作品のような小粒な作品に。
とは言え、クリント・イーストウッドは、こういう線を維持してトップで居続けるし
作品がある内はよしと見るべきか。
物語の方は、スタローンが弟の死を追う話だが、
特に凶悪な敵がいるわけでなく、恐るべき陰謀があるわけでもなく
ただただしつこく調べ回るだけ。そして、スタローンがそれほど強くもなく
けっこうやられたりもするし、あまりスカッとした話ではない。

2003/02/16
「グリンチ」
 ほのぼのとした雰囲気を狙っていながら、
主人公が、何しろメイクしてもジム・キャリーなので
彼の独特のペースで振り回されるのは毎度の事。
どうせなら、もっとこてんぱんに皆を懲らしめてほしかったが
意外に悪いのは市長だけで、
他は人のいい人ばかりで特に恨まれもせず。
あの女の子が、なぜグリンチにずっと惹かれていたかもわからなければ
急に改心したのもわからない。

2003/02/15
「ボーン・コレクター」
 寝たきりの元刑事デンゼル・ワシントンが、
その現場分析の能力を買われて、警官アンジェリーナ・ジョリーを手足にして
現場を分析しつつ犯人を捜査すると言う展開は、
「羊たちの沈黙」的プロファイルの話に「裏窓」的要素をミックスした感じで
主人公が一度も部屋から出ないと言う設定も面白い。
しかし、犯人がデンゼルに挑戦して、いろいろ証拠を残したと言っても
何となく混乱させてるだけと言う感じで、いろんな疑問がさーっと解ける痛快感なし。
何と言っても、人が殺されすぎで、どうにもスカッとしない。

2003/02/14
「ブルーヒート」
 ブライアン・デネヒーがリーダーとなり、
はみ出し刑事の集団が、政府とかのからんだ陰謀に立ち向かうという話だが
いかんせん家族ぐるみで遊ぶようなシーンが多く、
退職して勝手に行動するようになっても、
どこか仲間同士で遊んでるようで緊迫感に欠ける。
今となっては一番知名度が高いはずのビル・パクストンは、
途中であっさり殺され、あまり目立たない。

2003/02/13
「大怪獣出現」
 かつてサンダーバード劇場版の併映用に使われたという作品で
どこがカタツムリなのかと思ったら、
劇中でハッキリそう言っているから仕方ない。
古代の巨大生物が、地震でよみがえるという設定は、
ある意味放射能で巨大化するよりももっともらしく、
まあ前半は、製作当時の時代を考えれば、そこそこ面白いかと思ったが、
後半はかなりダラダラと湖を警備したりしているシーンが続き、
いくら何でも、ちょっとのんきすぎるんじゃないのと言う感じ。
ラストで部屋の中に突然現れるシーンは、
この映画にあってはなかなかショッキングなクライマックスと言えるが、
特に奇抜な方法で倒したわけでなく、ただ銃で撃っただけとなると、
例えば熊とかと同じじゃんと言う感じ。

2003/02/11
「アポロ11 史上最大のミッション」
 宇宙開発ものは好きで、
ライトスタッフやアポロ13も面白かったが、
肝心のアポロ11号の話がドラマ化。
当時の映像ぽいモヤモヤした映像で雰囲気を出すが
例えば、ライトスタッフのような過酷な訓練をしたわけでなし
アポロ13のような激しいハプニングに襲われたわけでなし。
訓練時のハプニングはそこそこあっても、盛り上がりには欠ける。

2003/02/09
「レッド・ドラゴン」 ☆☆☆★★★

 アンソニー・ホプキンス演ずる人食いレクターシリーズの第3弾で
原作で言うと第1弾。1度映画化された事もあり、リメイクでもあるが
ホプキンスが演ずる事で、完璧版にしたという感じか。
全体の展開は、「羊たちの沈黙」と同じ感じで、
刑務所にいるレクターが、殺人犯の追跡に協力すると言うもの。
刑務所にいるのに怖いという、レクターの描写が絶妙だったのに対し
続編のハンニバルは、レクターが逃げ出してしまい、
人食いという気持ち悪さばかりが目立って、正直感心しなかった。
今回は、冒頭でレクターが逮捕され、最後まで逃げないはずだから
そう言う意味では、気持ち悪いシーンはあまりないはず。
「羊たちの沈黙」的面白さが期待できるはずと思って見た。
彼自身が犯人をやってもいい感じのエドワード・ノートンが、FBI役で
何とかヒントを引き出そうとする展開はなかなか面白い。
「羊たちの沈黙」では、むしろ印象の薄かった犯人も、
今回はレイフ・ファインズだから出番が増え
オリジナルの「刑事グラハム」では脇役だったレクターも当然出番が多いと言う
絶妙なバランスか。
犯人が倒錯した理由も、オリジナルより細かく描かれている感じ。
インチキくさい記者は、出てきた途端に「殺され役」だとわかってしまうが
盲目の女性の扱いが殺されるか否かが関心どころ。
基本的な筋はオリジナルと同じだが、やはり豪華になったという感じ。
バットマン的にやたら盛り上げるダニー・エルフマンの音楽は多少気になったが
全体的に面白い。
しかし、やはり「羊たちの沈黙」と同じ展開というあたりがマイナスで
目新しさは半減し、牢屋での面会シーンの怖さもあまりない。
対して、「ハンニバル」の気持ち悪さがないのはプラス要素。
最後の最後に、どうもクラリスが来たらしいと思わせるエンディングもいい。

2003/02/08
「エアポート2001」
 インチキシリーズの1作。
まあ今回は乗客もそこそこいるようだが、機体はCGだしやはりチープ。
ストーカーに追われる妻のおかげで窮地に陥るなんて
そもそもがしょぼい事件という感じで、
爆弾のフタを開けるのに警戒しすぎと言う気もするが、
その描写や、ガスが吹き出してから逃げまどうあたりは、ボチボチ面白い。

2003/02/07
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
 なかなか話題になった映画と思って見る。
ミュージカル風だが、サウンド・オブ・ミュージックの劇の練習はともかく
普段歌い出すあたりは、何だか気がふれたような感じで、妙な感じ。
失明する運命の親子とか、濡れ衣で死刑にされそうになると言う展開が
ちょっと面白いので、それなりに見られるが、
全体的に暗い雰囲気はぬぐえず、どんでん返しでもあるのかと思えば
全然ないので困ってしまう。

2003/02/03
「カオスファクター」
 ベトナム時代の極秘の化学兵器にまつわる
よくあるサスペンスなのかと思えば、
化学兵器についてはほとんど描かれず、
もっぱらそれに携わったフレッド・ウォードの悪事がメイン。
それを追う人物の真の目的は別にあったと言うが、
種を明かせば、オデッサファイルのなぞりのような話で
それに、アクションシーンとかをからめて1本作ってみましたという感じ。
前半で恋人が撃たれて死ぬあたりはショッキングかと思ったが
後半で代わりのヒロインが出てきて、結局ご都合主義なのかと言う感じだ。
政府の要人をいきなり殺してしまったのに特に責任を問われず、
「ほら、犠牲者の日記に書いてあるでしょ」と言うと、皆鵜呑みにするのも困りもの。

2003/02/02
「ゲット・ア・チャンス!」
 老いたポール・ニューマンが往年の強盗で、
ぼけたフリしているが再び強盗に乗り出すだなんて、
スペースカウボーイ的な作品だが、
看護婦夫婦の、仲の良いようなそうでもないような微妙な関係が
どうもしっくり来ず、結局ニューマン側にひっついてしまって、
あれあれと言う感じ。
強盗の方もたいして派手なシーンはないし。

2003/02/01
「背信の行方」
 ニック・ノルティ、ジェフ・ブリッジスと
シャロン・ストーンと言う3人の男女について
昔の幸せな頃とくたびれた頃を描いて、使用前使用後という感じ。
時代順に描かず、時々バックして過去に何があったかが次第に明らかになったり、
なぜか3人と関係のないところで、カップルができたり
ちょっと面白い部分もあるが、全体的に何が彼らに起きたのかいまいちピンと来ない。

2003/01/30
「ブラック・セプテンバー 五輪テロの真実」
 ブラックサンデーにも登場した「黒い九月」による
ミュンヘン五輪襲撃事件を描いたドキュメンタリーで、
基本的にこの事件は、パレスチナゲリラ対イスラエル特殊部隊の話かと
勝手に思っていたのだが、実際には特殊部隊が出る幕はまったくなく
五輪会場であるドイツ警察が中心に。
そして敗戦国であるドイツの特殊な事情が、
状況を悪化させたという事がわかって面白かった。
ドイツ警察による空港での失態後、いよいよ特殊部隊が一味を次々始末するのだが
そこの部分は軽く流されてしまい、そこも見たかった。

2003/01/29
「殺しの分け前 ポイント・ブランク」
 聞いた事のある題名で
主演がリー・マービンで、監督がジョン・プアマン。
ダーティハリーの市長も裏切った相棒役なんかで出ていて
よくよく調べると、メル・ギブソンの「ペイバック」の元ネタだと言うから
これは面白くなりそうなのだが、
どうにもリー・マービンの悪夢のようなシーンがやたら多くて
どうなっているのか見ている方には分かりづらく、
ようやく相棒に仕返ししたら、あっさり標的が組織の方に変わってしまって
ラストとかも、してやったりという痛快感に乏しい。
普通、リメイクはオリジナルの方が面白いものだが、
これはペイバックの方が面白かった。

2003/01/28
「ガンファイターの最後」
 皆に頼まれてやったはずの保安官が
やりすぎだとか言う批判を受けて、最後には殺されてしまうなんて
トム・ホーンによく似た話を、ドン・シーゲルが匿名で監督。
まあ、そんなわけだから、物語の方も似た感じで
目新しくはないが、映画としてはこちらの方が先。

2003/01/18
「クロコダイル2」
 スパイダーズを作った監督が作ったと言う巨大ワニもので
ビデオのパッケージには、ヘリに食いつく巨大ワニの写真があったので見るが
乱気流あり、テロリストあり(と言うか銀行強盗)と盛りだくさんで、
いかにもと言う感じ。
しかし、制作費の少なさを、CGでごまかしたという部分が逆に目立ち
やけに巨大なワニが暴れるシーンが、どう見てもCG。
小屋が崩れるシーンもCG。ヘリが爆発するシーンは小さな模型。
写真にあったヘリに食いつくシーンはなく、いかにもなCGでごまかされる。
物語は、当然のようにジョーズとかのバリエーションで、
唯一知った存在のマーチン・コーブが、ロバート・ショー的にがんばるかと思えば
ただの爆発で死ぬだけとあっては失望を隠せない。
かなり序盤で、メタンガスとか出てきて、またこれかと思わせるし。

2003/01/16
「ボーン・アイデンティティ」 ☆☆☆★★

 実はトップ工作員であるマット・デイモンが記憶喪失に。
大量の金やいろんな名前のパスポートを持っており、本能的に凄腕で相手を倒す。
そして、彼を始末しようとする一味に狙われ、
たまたま一緒に行動する事になった女性までもが追われるハメにと言う展開。
記憶喪失と言うのは、古くはヒッチコック、最近もメメントなどで使用され、
それがサスペンスを呼ぶという小道具に使えるわけで、
普通の人が記憶喪失になるよりも、工作員が記憶喪失になると言う面白さはある。
謎がふくらむ一方で、体が覚えていたとしか説明できない凄腕で、
敵を倒したり逃げたりするあたりは上出来と言える。
ところが、後半になるにしたがって、謎は急速にしぼんでいってしまう。
一味がマット・デイモンを始末せねばと総力をあげた作戦と言うのが、
ただ要人を始末するだけとは拍子抜け。
マット・デイモンを始末するのに、おそらくはトップクラスの殺し屋が3人も出るが
最後の1人は実力のほどが不明だが、あとの2人はあっさり倒されるし。
デイモンが持っている6つくらいのパスポートがあるにも関わらず
わずかな情報も得たいはずの彼が、なぜかその中の2つの名前しか調査せず、
その2つだけで、事件が一応解決してしまうし。
彼が子供好きなので暗殺に失敗したと言うのはいいとして
仮にもトップ工作員なのだから、何の説明もなくそんな失敗を犯すのはひどい。
大ボスが自分の身可愛さで、関係者を始末したのもわかるが、
それでもなお、デイモンや女スパイとかを見逃しのもわからないところ。
死体をクッションにしたからと言って、6階くらいから飛び降りて
骨折すらしないなんて言うのもおかしい。
と言う感じで、もう突っ込みどころ満載で、
前半に謎とか期待を広げるだけ広げただけに、
おいおいそれだけの話かいと、後半の失望も大きい。

2003/01/13
「ギャング・オブ・ニューヨーク」
☆☆☆★★

 同時多発テロで公開が遅れたと言う話で、
その後さらに遅れて2回も遅れるとなると、何だかだらしない感じも受けて
たいした作品じゃないのではと言う気もしたが、見てみるとなかなか面白かった。
物語は、ニューヨークを舞台に、ネイティブ派と移民派の対立を中心に描いており
ネイティブ派のダニエル・デイ・ルイスと
移民派のレオナルド・デュカプリオの関係が中心に。
レオの父リーアム・ニースンの死後、レオは少年院に入れられ、
退院後デイ・ルイスと再会するが、デイ・ルイスは正体に気づかず、
いろいろできる奴と気に入ったりすると言う展開で、
復讐のために敵の懐に入り込むと言うのは、この手の話の鉄則だが面白い。
そして、その抗争と言うのが、単なる殴り合いでなく、
斧とか鉄棒とかで殴り合うわけだから、かなり痛そうで死体がゴロゴロ。
この描写も凄く、デイ・ルイスが実は肉屋で、ブッチャーと呼ばれているのも面白い。
しかし途中で正体がばれ、再び2つの派閥の対立になるがと言う展開で、
さすがにそれだけでは一般受けしないと思ったのか、
キャメロン・ディアスが色を添えるわけで、
彼女には彼女の、いろいろ苦労してきたのよと言う設定があるのだが、
どうにも添え物的な印象しか受けず、言ってみれば浮いた感じ。
背景では南北戦争が長期化し、徴兵制度やら何やらでゴタゴタするのだが
それが2つの派閥の抗争にほとんど影響せず、どうした事かと思えば
最後の見せ場にからむわけで、何やら水を差された感じと言うか
あまりにも突然の出来事で、抗争なんかどうでもよくなっちゃったと言う感じ。
実は、最後のシーンが、同時多発テロまでのニューヨークで
最大の死者が出た事件だそうで、どうしてもそれを描きたかったようなのだが
唐突な印象は否めず、直角カーブを曲がったようだ。
最後に墓場のシーンからどんどん時代が進み、貿易センタービルのある現代まで行くが
肝心のレオらがその後どうなったかはわからず、
同時多発テロでちょっと物語を変えたのではと言う気もするが、
どうせなら抗争のその後とかをもう少ししっかり描いた方が良かったかも。
3時間と思っていたが、実際は2時間半で、だから思ったほど長くない。

「ザ・ファントム」
 アメコミ出身のヒーローものも数多くあるが
そろそろネタが尽きたらしくて、日本ではなじみのない物まで登場。
主役が、この後、タイタニックで観客の反発を一心に受けたビリー・ゼインで
そもそもそれだけで引っかかるのだが、
ジャングルで育った正義の味方とは言っても、ターザンのような姿ではなく
なぜかジャングルで紫色の全身タイツで白馬に乗り、言葉はペラペラ話し
それよりも何よりも、強くも何ともなく、普通に死ぬらしい。
ただ、息子が同じ扮装で戦うので、相手は「奴は不死身らしい」とだまされるようだが
普通は別人ではと疑うべきところだ。
2つのドクロを合わせると、強大な力を持つ3つ目のドクロの場所を光線で示すのだが
なぜか、そこにたまたま地図があって、その地図の場所に隠されているなんて
作品を通した雰囲気はいたってマジメなのだが、
どうにもマジメに作っているとは思えない。

2003/01/11
「メメント」
 10分しか記憶を保持できない男が、
多数のメモを残しつつ、何かを追い続けると言う展開で、物語は次第にバックする。
「パルプ・フィクション」も時間の流れに逆らっていたが、
あれはあれで、何部かの物語に分かれているようにも感じられたのに対し
この作品では、主題は確かに1つ。そして周囲には彼をだまそうとする者もおり
次第に謎が明確になっていくと言う本来の流れに対し、
結果を最初に見せられ、どんどん逆行するわけで、
そう言えば、最初ってどんな風だっけ?とかなり混乱させられる作り。
そう言う意味で、最後まで見た上で、
もう一度見ないと理解できないような作りではあるが
逆に言うと、冒頭で見せられた結末より、
物語が展開するわけではないと言うふくらみのなさがあるのも事実だ。

2003/01/05
「ビッグ・ママス・ハウス」
 捜査官が奇妙な設定の潜入捜査をするハメになり
そのために珍騒動を巻き起こすなんて話は、
正直それほど目新しくなく、この映画もそんな感じ。
まあ、正体がばれて恋人が怒って、
真犯人は捕まり、恋人とはうまく行くなんて展開が、
見る前から予想できてしまい、だからいいのか、悪いのか。
妙な期待をしなければ面白い。

2003/01/02
「ゴジラ×メカゴジラ」
☆☆★★★

 21世紀になってからのゴジラシリーズは
物語としては単発ばかりで、毎回、第1作以外はなかった事にと言う路線で
設定だけがちょっとずつ変わる物を毎年続けていて、そんなシリーズ聞いた事がなく、
正直、物語が続いているよりも評価は低い。
前作は3匹も敵を出して、ちょっと見せ方はまずかったような気もしたが
そこそこ面白かったかと思ったが、
今年は対するのがまたメカゴジラ。
ゴジラに対抗するにはメカしかないと言う発想で、通算4回目の対決で
その発想に目新しさはまったくない。
操縦するのが釈由美子で、女の子に操縦させるあたり、
アニメとか、VSキングギドラのエミーとか、そこらを意識した感じ。
最初は遠隔操作していたのだが、
「どうせ乗り込むはず」と思ったら案の定その通りに。
DNAを複製して生み出したとか、釈と他の隊員の確執とか
多少ヒネリを入れようとはしているものの、特に珍しい設定とも思えず
戦う場所も、八景島シーパラダイスなんてパッとしない場所で
有名なビル街で戦う、このシリーズの面白みも生かされず。
メカゴジラの登場は2回だけで、
90分物だから仕方ないのかも知れないがあっさりしすぎ。
わざわざエンドタイトル後に2分のシーンがあるからと言われたので留まったが
別にどうと言う事のないシーンだし。来年はもうやらないらしいが。

翌年へ 前年へ