××下宿屋木村 同学年××

 

[ 同学年・SMAP・中居正広(27)1972.8.18 ]

 

「おっ、こんばんばーんっ!!」

明るく青組さんは言ったなり。

「何それ?嫌がらせ?」

赤組さんが苦笑いをするのに

「べっつにぃ(笑)」

にっこりと笑った青組さんだったなり。

 

赤組さんはそばのスケッチブックを取り上げるとすらすらと言葉を書き込んだなり。

 

【今、しあわせ?】

 

「妙なこと訊くなぁ、おまえ」

青組さんは困ったような顔をしたなり。

「そっかなぁ?なんかさぁ、気になって」

「しあわせねぇ・・・・睡眠時間削るようにして働いてて、なかなかオフはとれないし、プライベートじゃマスコミいつも気にしてなくちゃならないし、そんな状態でしあわせねぇ?」

青組さんは考え考え言ったなり。

「じゃ、しあわせじゃない?」

赤組さんは尋ね返したなり。

「勝手に人のこと決めつけんなって!」

苦笑した青組さんだったなり。

「じゃ、しあわせなの?」

「木村、おまえも、何て言うか、せっかちだよなぁ。確かに、しあわせって、言えない部分も多いんだけど。でもSMAPでいられて、仕事が充実してて、・・・・どっちかって言ったら、しあわせになんのかなぁ?・・・・って言うか、木村この質問難しすぎ」

青組さんは少し上目遣いに赤組さんを見つめたなり。はっきりとした答えにはならなかったなりが、それだからこそ、それが青組さんの今の本当の気持ちだと、赤組さんにも伝わってきたなり。

「そう?じゃあさ、最後にもう一つ訊いていい?」

赤組さんは質問を変えたなり。

「何だよ?」

「中居にとってSMAPって?」

赤組さんの質問はまたしても、青組さんにとっては直球のストレートで、青組さんはもう一度苦笑いを浮かべていたなり。

「おまえ、俺にそれを訊くわけ?1日ずーーーっと話してもいい?その位の覚悟がなきゃ、聞けねぇぞ?」

ちょっと悪戯っぽく笑って答えた青組さんに

「1日?それはちょっとなぁ(笑)」

赤組さんも笑わずにはいられなかったなり。

「だべ?(笑)じゃ、質問返し、な。木村にとってSMAPって何?」

不意に青組さんが真剣な顔をして尋ねてきたなり。突きつけられた質問に一言で答えるのは赤組さんにとっても、困難なことだったなり。

「えーっ?・・・・確かに難しいわ、これって」

「ほら、見ろ」と言うように青組さんはじっと赤組さんを見つめたなり。

「・・・・まぁ、色々あったけど・・・・」

と、突然そこで照明がおちたなり。

「・・・・おい、何でここで照明落ちるわけ?」

 

部屋の灯りがついたなり。

「で、わざわざ疲れて帰ってきた人間を付き合わせて何するかと思ったら!」

ソファの上で伸びをしながら青組さんは言ったなり。

「だって、同学年じゃん、やっぱり話したかったし・・・・」

少し歯切れの悪い赤組さんの言葉に

「おまえなぁ。だったら何で最後に照明落とすよ?」

そう言いつつも、青組さんは結構機嫌良く笑っていて、その青組さんの耳元に赤組さんは小さく囁いていたなり。

「さっきの質問の続き」

「さっきのって?」

「俺にとってのSMAP」

「何だよ?」

「・・・・・・・・」

本当に小さな声だったなりが、赤組さんの声はしっかり青組さんに届いたなり。

「・・・・ばぁか」

青組さんがそう呟くのを聴いて、これ以上は付き合ってらんないわ、とボニータは、立ち上がると部屋を静かに出ていったなり。