××下宿屋木村 P.V.××

 

それは、プロモゲリラの放送日のすぐあとのSMAP×SMAPの収録日のことだったなり。

「あのね、つよぽん、しゃべったあとの中居くんの表情がいいことくらい、俺だって、ずーーーーっと前から、知ってるんだからねっ!」

ぴしぃっと黄組さんを指さして、それだけを言い置いて、楽屋を出た緑組さんだったなり。

「何?あれ?」

あとには、何とも納得のいかない顔の黄組さんが残されたなり。そのやりとりをあまり興味なさそうに見ていた桃組さんだったなりが、さすがに黄組さんの様子を気の毒に思ったのか

「なんかさ、プロモゲリラ見て、末っ子スイッチ入っちゃったみたいだよ。大好きなママをお兄ちゃんにとられるもんかって、そんな感じみたい」

そう言うと苦笑いして見せたなり。

「そっかぁ、ママかぁ」

やっと、納得がいった黄組さんだったなり。しかし、それと同時に楽屋の隅から不満を訴える声があがったなり。

「納得してんじゃねぇよ!大体どうして男のおいらが、ママなんだよっ?」

「え?でも、中居くんはSMAPのお母さんだよねぇ」

桃組さんに同意を求めようとした黄組さんだったなりが、桃組さんは我関せず、と言った顔で答えなかったなり。

「ふざけんなよ!」

「だって!」

言っているところに赤組さんが戻ってきたなり。

「何?どうしたの?一体・・・・」

そう言う赤組さんに青組さんは言ったなり。

「あー、俺木村に撮ってもらいたかったなぁ」

「アフロのかつらでもいいの?」

黄組さんがすかさず言ったなりが、赤組さんはちょっとだけ考えて言ったなり。

「そうだなぁ、中居を撮るんだったら、隠しカメラにするかなぁ」

えーっ、アフロじゃないのぉ?と、少し不満な気もした黄組さんだったなりが、

「どこに隠しカメラ仕掛けるの?」

と聞いていたなり。

「楽屋とか、前室とか。おまえらと馬鹿なことやってるところとか、ビストロのゲストの資料を一生懸命読んでるところとか、スタッフと打ち合わせしているところとかを撮るの。あ、あとソファの隅っこで丸くなって眠っちゃってるところも欲しいかな?」

・・・・なるほど、黄組さんは頷かされたなり。確かにそうすれば、青組さんのいい表情が撮れるはずなり。そして、カメラの存在に気付いた時点で、青組さんがすべてを嘘にしてしまいそうなものだったなり。が、

「やっぱだめだ、木村には撮らせねぇ!」

青組さんは言ったなり。

「何でだよ?」

「だって、俺、寝顔なんて冗談じゃねぇよ、趣味わりぃ!」

「趣味?だったら、おまえならどんなのを撮るっての?」

「え?おれが木村?」

青組さんはちょっと考えたなり。

「ほんとはさ、吾郎が慎吾にやったヤツ、あれ木村に一番に合うと思うんだよな。・・・・でも、それじゃ面白くねぇし・・・・。吾郎にやったのとちょっと被るけどさ、木村にも真っ赤な薔薇を抱えてもらうかなぁ。ただし、格好はセーターとGパン。薔薇の花束はさ、ラッピング無しで一抱えくらいあるの。で、それを肩にして、走らないで悠々と街の中を歩いてもらう」

「無理だろ?んなことしたらパニックだよ?」

「その辺はそれ、木村のオーラで通行人を近づかせない!(笑)」

「無茶言うなって!」

「だったらさ、今度一緒にサタ☆スマの撮影に行こうぜ?そこでおまえにも赤ん坊の世話をしてもらう。赤ん坊をあやしている木村って、結構いい感じだと思うんだけどなぁ」

「・・・・おまえもあんまり人のこと言えないと思う・・・・」

「えーっ、木村の考えたヤツよりいいと思うけど?」

「俺の方がましだって!」

「だったら、今度撮影して、こいつらに見てもらおうぜ!」

いつの間にか、自分たちの勝手でメンバーまで巻き込んだプロジェクトは、静かに進行中らしいなり(笑)