××下宿屋木村番外編 今夜はカレーライス!!××

 

その日スマスマの収録は、ゲストの都合により、急に、早めに切り上げられてしまったなり。こんな時間に、五人が五人とも仕事が上がるのは、とにかく珍しくて、

「ねえっ、久しぶりだしさ、みんなで何かしようよ?」

緑組さんの提案に誰も反対しなかったなり。とりあえず、誰かの家を会場に、ということで、下宿屋が選ばれたなり。

みんなで何か作って食べようと言うことになり、ビストロシェフが四人も揃っていたなりに、何故かメニューがカレーライスになっていたのは、こんな風に五人で揃った感じが昔を思い出させたからだったなり。

厳正なるジャンケン三回勝負により、買い出し部隊は緑組さんと青組さんになったなり。二人してスーパーにむかい、牛肉に、タマネギ、ニンジンに・・・・とカートに乗せていったなり。五人分、のはずなりが、さすがに食べ盛り(笑)を抱えた五人だったなりから、見る見るカートは山盛りになっていたなり。

最後にルーを買うことになり、緑組さんは迷うことなく、バーモンドカレーの甘口を手にしたなり。

「え?甘口?」

青組さんが言ったなり。

「だって、中居くん、辛いのって駄目じゃん」

緑組さんが言うと、青組さんはその箱を取り上げて、バーモンドカレーの辛口と取り替えたなり。

「大丈夫だって、ガキじゃねぇんだからさ」

辛口といったってバーモンドカレーという時点で、充分にガキ臭いけどね、と緑組さんは思ったなりが、青組さんの名誉と、自分の安全のために、口にはしなかったなり。

材料さえ揃ってしまえば、後の手際は非常によかったなり。

見る見るうちにテーブルが整えられ、

「いただきまーす!!」

五人はカレーを頬張ったなり。

 

食事を終えて、リビングの外にいた青組さんに、氷を浮かべた冷たい水の入ったグラスが差し出されたなり。

「はい、辛かったんでしょ?」

そこには、赤組さんがグラスを手に、笑いながら立っていたなり。

「うるせぇっ」

青組さんは言ったなりが、素直にグラスを受け取って、水を飲んだなり。

「・・・・あいつらは?」

「大丈夫」

弟くんたちを気にする青組さんに赤組さんはそう答えたなりが、弟くんたちもみんな、実は青組さんのことに気付いていたのは、青組さんにはナイショ、だったなり。