「んじゃ、うちは最終回、浜田を出すから」
そう来るかなぁ、とは思っていたなりが青組さんは考えたなり。
松ちゃん側が浜ちゃんを出してくるとなれば、青組さん側としても同等のゲストを出さざるをえなかったなり。青組さんとしても、SMAPメンバーの中の誰かをとは思っていたなりが、浜ちゃんと同等のインパクトを与えられるゲストと言えば・・・・。
「あいつしかいねぇだろうなぁ」
下宿に帰り着いた青組さんを飛びつかんばかりにしてボニータが迎えたなり。その頭を撫でてやりながら、青組さんは部屋の奥に向かったなり。
「おかえり、何か食う?」
ソファに座ってビデオを見ていたらしい赤組さんが青組さんに声をかけたなり。
「ん・・・・なんかある?」
「まぁ、ちょっとくらいなら、どうにかなるけど?」
そう言って準備のためにキッチンに向かおうとした赤組さんを青組さんは引き留めたなり。
「あっ、ちょっと待って」
「ん?何?」
「あのさ・・・・」
一瞬考える風だった青組さんはやがてゆっくりと口を開いたなり。
「今度の日曜って、お前スケジュール空いてる?」
「えっ?」
ちょっと考えて赤組さんは言ったなり。
「確かその日は波乗りに行く約束してるんだけど・・・・」
「波乗り・・・・それ、日にちずらせねぇ?」
「何で?」
「実は・・・・」
青組さんは、最終回のゲストについて簡単に説明を始めたなり。
「・・・・今のドラマさぁ、最終回に、サービスって言うか、ゲストを出そうって話になってんだよね。で、松本さんの方は浜田さんを出すって言うから・・・・。うちからで浜田さんの存在感に負けないゲストって言ったらもう、おまえしかいないじゃん。だから・・・・できたらおまえに出て欲しいなぁ・・・・なんて思ったんだけど・・・・」
「それだけ?」
赤組さんは青組さんの顔をのぞきこむようにして言ったなり。
「え?」
「それだけだったら、答は簡単。俺、波乗り行くからさ」
そう言い置いて、赤組さんは立ち上がると、
「スパゲティとサラダでいい?」
と言いながらキッチンへと向かったなり。
あまりにあっさりと断られて、しばらく何も考えられなかった青組さんはその背をぼんやりと見つめていたなりが、はっと気付いて赤組さんを追いかけたなり。
「・・・・ゲストっていうか・・・・これってば本当に友情出演でさ。・・・・だから、友達として出てもらえねぇ?」
赤組さんの背中に向かってそんなふうに言うと、
「いいよ」
にっこり笑って答えた赤組さんだったなり。