その日、久々のオフが二人重なって、赤組さんの運転で、赤組さんと青組さんは海に出かけたなり。以前は赤組さんだけの趣味だった波乗りも、いつの間にか青組さんも興味を持っていて、だから一日中二人で波に乗ったりして海につかっていたなり。
さすがにそんな一日を過ごせば帰りはとても眠くなって・・・・。運転する赤組さんの横で、青組さんの瞳はいつの間にか閉じられていたなり。
信号で車が止まったときの振動は、そんなに大きくなかったはずだったなり。
なのに、静かに青組さんの瞼は開かれたなり。
幾度かゆっくりと大きな瞬きをした後で、青組さんはしっかりと目を覚ましていたなり。そうして煙草を取り出すとそれに火を点けたなり。
あぁあ、ミスったよなぁ。
軽い失望を感じる赤組さんだったなり。
無事に家に帰り着いて、「着いたぞ、起きろ」と青組さんに声をかけるのが、赤組さんの秘かな楽しみだったなり。いつもだったら、顔を見つめようとすると、
「なんだよ、うざい」
と不機嫌になる青組さんでも、寝顔だけは好きなだけ見つめられたなり。
そして、助手席で、専用のクッションを抱えて眠り込む青組さんの寝顔は大げさでなく、まさしく「天使の」寝顔だったなり。助手席、と言うことで緊張も解けるのか、青組さんは赤組さんの車の助手席で、大抵いつも眠り込んでいたなり。それが、まるで青組さんからの赤組さんへの信頼のようにも感じられて、それもまた嬉しかった赤組さんだったなり。
あーぁミスったよなぁ・・・・。
もう一度そう思って赤組さんは、青組さんの方を見たなり。そして思わず微笑んでいたなり。
青組さんは・・・・。
煙草を消して、いつの間にかもう一度眠り込んでいたなり(笑)
赤組さんは、今度こそ起こすことのないように細心の注意を払って運転を続けたなり。赤組さんの自動車は、二人の住むマンションへと静かに走り続けたなり。