××下宿屋木村 少し辛い永遠××

 

くちゅっ、くちゅん!!

さっきから数えて何度目かの青組さんのくしゃみに、赤組さんは眉をひそめたなり。

昼過ぎから降り続いている雨のせいで、部屋の中はちょっと肌寒い感じで・・・・そのための青組さんのくしゃみだと思われたなり。

「どうしよう?」

赤組さんは思ったなり。なぜなら・・・・。

今日は久しぶりに二人揃ってのオフで、二人で出かけようと以前から、約束していたなり。けれども、朝食後、本当に些細なことで喧嘩をして、以来、二人ともずっと口をきいていなかったなり。

「めんどくせー、もう俺一人で勝手に出かけようか?」

そう思った赤組さんだったなりが、さすがにそれも出来ず、二人同じ部屋の居心地の悪い空気の中にいたなり。

「なぁ、大丈夫?」

どうしても、青組さんのくしゃみが気になって仕方のなかった赤組さんは、青組さんの隣に座ってそう訊いたなり。

「大丈夫」

青組さんは答えたなりが、それだけであとはお互い話すこともなく黙っていたなり。

青組さんの溜め息が赤組さんの耳に届いたなり。けれども、多分青組さんの耳にも赤組さんの溜め息が届いているのに違いなかったなり。

「このまま、今日は終わっちまうのかな?」

そう思うと赤組さんは何だか居ても立ってもいられない気持ちになっていたなり。

「なぁ」

思い切って赤組さんは口を開いたなり。

「夜になっちまう前に、出かけねぇ?」

青組さんは、赤組さんを一瞬じっと見つめたなり。けれども赤組さんにとって、それは永遠のようにも思われたなり。

そしてようやく、青組さんの口が開かれたなり。

「・・・・おっせぇんだよ、ばか」

その言い方は、あまりじゃねぇ?そんな気持ちで、青組さんを見つめた赤組さんは、はっと、そらせた青組さんの顔が照れくさそうなのに気付いたなり。

・・・・仕方ねぇか。

赤組さんは、車のキーを手にすると立ち上がり、青組さんに声をかけたなり。

「さぁ、出かけよう?」