××下宿屋木村番外編 あっちむいてホイ!××
赤組さんが「これ、はやるって!」と言った予言の通りに、いつの間にか「あっちむいてホイ!」が大ブレイクしていたなり、SMAP間で。
その日もスマスマの待ち時間を使って、あっちむいてホイ!トーナメント大会が開かれていたなり。
第1回戦は、青組さん対緑組さんだったなり。
「もらったな」
と余裕の青組さんに、
「いつまでも負けてばかりと思うなよっ!」
の緑組さんだったなりが、
「ふぅん、同じこと、ちゃーんと俺の顔見て言ってみな」
と、青組さんにドスの利いた声で言われた挙げ句に簡単にストレート負けを喫したなり。
「だって、しょうがないよねぇ?」
「うん、何たって、木村くんと中居くんって、慎吾にしたらSMAP内の良心(?)もとい両親だもの。中居くんが右って言ったら右、左って言ったら左って、もう、完璧にすり込みが出来あがっちゃってるよねぇ・・・・」
とは、それを見ていた桃組さんと黄組さんの感想だったなり。それを聞いていた青組さんと赤組さんは何やらひそひそとやっていたなりが、
「ちょっと、やってみねぇ?」
と赤組さんが緑組さんに声をかけたなり。
「じゃんけんっ!」「あいこでっ!」「あいこでっ!」
あいこの続く勝負を制したのは、緑組さんだったなり。
「おーい、じゃんけん勝たなくちゃ、意味ねーぞ」
「うっせ!」
どうにかかわして、もう一度じゃんけんをしたなり。
「あっちむいてホイっ!」
赤組さんの指の方向にしっかり顔を向けてしまった緑組さんだったなり。
「やっぱり、慎吾、この二人には勝てないようになってるんだよ」
桃組さんが励ますようにそっと緑組さんの肩に手を置いたなり。
「嫌だーーーっ!こんな条件反射みたいな負けかたぁぁぁ!!」
叫んだ緑組さんに黄組さんの冷静な一言。
「って言うか、みたいなんじゃなくって、条件反射だよ、それって」
2回戦は赤組さん対黄組さんだったなり。
「剛」
静かに囁くように赤組さんが言ったなり。
「ずりぃぞ、またそんな手を使うー!」
文句を言う青組さんだったなりが、赤組さんは聞こえない振りで続けたなり。黄組さんの後ろ頭に手をやり、ちょっと自分の方に引き寄せるようにして
「好きだよ」
耳元に囁いた赤組さんだったなり。
「え?え?」
ドラマばりの演出の赤組さんにより、動揺してしまった黄組さんでは勝負にならなかったなり。赤組さん勝利。
「ずっりぃ〜!!」
青組さんの抗議に
「作戦だもん」
と涼しい顔の赤組さんだったなり。
「ふぅん、作戦ねぇ・・・・」
3回戦は青組さん対桃組さんだったなり。
「じゃんけんっ!」
かけ声と同時に青組さんは怒鳴りつけていたなり。
「吾郎っ!」
「えっ?」
そこをすかさず、
「あっちむいて、ホイっ!」
何度か繰り返せば、それなりの対応も出来たと思われたなりが、結局2回連続で負けてしまった桃組さんだったなり。
いよいよ決勝戦。赤組さん対青組さん。青組さんとしても、さすがにSMAP内両親の立場を利用できない相手だったなり。
「木村・・・・」
青組さんは、ちょっと首をかしげると上目遣いに赤組さんを見つめて言ったなり。
「今まで、口にしたことなかったけど・・・・俺、おまえのこと、好きだよ」
「え?」
すかさず、勝負!!青組さんの作戦勝ちだったなり。
「何で、そのくらいのことで固まるの。絶世の美女の告白ってわけでもないのに」
とあきれたような桃組さんに
「だって、今まで、12年の付き合いだけど、こいつ一度もそんなこと言ったことなかったんだもん。ずりぃよ、中居!!」
「作戦、作戦」
カカカと笑う青組さんに、
「絶対今度こそ負けないんだから、リベンジ!リベンジ!!」
とつぶやく緑組さん、
「そうだよ、木村くんと当たらなきゃ大丈夫なんだ。しかし、心理作戦か・・・・大丈夫かなぁ、これから」
という黄組さん・・・・。
「あっちむいてホイ!」のSMAP内ブームはまだまだ続きそうだったなり。