「実はさぁ、後一個なんだよな」
ビストロの収録後、赤組さんが言ったなり。
「え?なになに?」
尋ねたオーナーに赤組さんは帽子のキスマークを指さしたなり。帽子には、99個分のキスマークが並んでいたなり。
「え、これって、99個ってことだよな?すっげーじゃん」
青組さんはキスマークを1つ1つ数え、もう1度ため息をついて、言ったなり。
「うん、すっげーよ!!」
「でしょっ!」
嬉しそうにしているツートップを横に、
「勝利の要因って・・・・オーナー好みに仕上げるのが大切、ってことなのかなぁ?・・・・そうなのかぁっ?」
ちょっと悩んでしまっている緑組さんだったなり(笑)
「でね」
赤組さんは言ったなり。
「キスマーク100個になったら、何かお祝い、ってあるのかなぁ?」
「あるでしょ?スタッフだって何か用意するだろうし・・・・」
「じゃなくってさ」
赤組さんは青組さんの顔をのぞき込んでいったなり。
「同居中のオーナーさんは、大家さんのシェフにお祝いしてくれないのかなぁ」
「はぁ?」
「あっ、でも、オーナーってば、ドラマの収録すっごーーく忙しいし、無理させちゃいけないよね」
収録のことをいって断ろうとした青組さんだったなりが、赤組さんの方が先にそう言いだしたなり。先にそう言い、にっこり笑ってみせることで、逆に青組さんに断りにくくさせるそのやり方は「さすがは木村・・・・!!」と赤組さんは油断がならないことを青組さんに再確認させていたなり。
「あ、いや、うん・・・・今度、100勝目になるまでに考えとくから・・・・」
言葉を濁した青組さんに
「ほんとっ?!ありがとっ!」
赤組さんはにっこり笑ったなり。
「これは・・・・100勝目もすぐだろうね?」
お兄ちゃんずから離れてぽつりとつぶやいた桃組さんの言葉に、それに気付かなかったお兄ちゃんたちを除くすべての人間が大きくうなずいたのだったなり。
とにかく、記念すべき100勝目までラスト1勝!!