「はい、おまえが欲しかった写真」

ちょっと不機嫌に赤組さんは青組さんに写真を渡したなり。

「おっ、サンキュー!!」

青組さんはとっても上機嫌でそれを受け取ったけれど、それすらも面白くない赤組さんだったなり。青組さんが欲しかった写真、それは青組さんと巨人の上原のツーショットで、青組さんはそれはそれは嬉しそうに、こぼれるような笑顔で写っていたなり。

「仕事でもなきゃ、笑わねぇんじゃ、ねかったのかよ?」

ぶつぶつ言っているのに気づいているのかいないのか、青組さんは

「雑誌に出る分以外でも、一緒に写真撮っていいって言われて、慌てて写ルンです買ってきたんだよなぁ・・・・」

なんて言いながら、その写真をあきることなく眺めていたなり。それを見ていた赤組さんは、やがてため息をついて、立ち上がろうとしたなり。

「あ、ネガ」

ふと、思い出したように青組さんが言ったなり。思い出さなければよかったのに・・・・そう思いながら、赤組さんは、ネガを取りに向かおうとしたなり。そして、赤組さんも思い出したなり。

「そう言えば、おまえ、love×2何歌うの?」

 

青組さんが歌うのは、チェインギャングと言うブルーハーツの歌と、SMAPの俺たちに明日はある、だったなり。しかも、俺たちに〜のパートは赤組さんのパートだったなり。

「え?あのパート歌うんだ?ちょっと歌ってみて?」

「いいって、なんでここで歌わなきゃなんねぇんだよ?」

「聞いてみてやるって言ってんの」

不服そうだったなりが、青組さんも練習はしておかなくてはならなかったから、結局赤組さんの言うとおりに歌いだしたなり。

「一度き〜りの・・・・」

「あ、結構いい感じ!あとはさぁ・・・・」

「え?そんな風に入れてみるわけ?」

大体のイメージ、そして小さなポイントなんかを繰り返し練習したなり。

 

「うん、そんな感じ」

赤組さんが言ったのは、それからしばらくたってのことだったなり。

「これで大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫!まぁ、中居が本気で歌ったら、絶対誰でも引き込まれると思うけど」

「・・・・そんなのはおまえだけだろ?それって、ほめすぎ」

言いながらも青組さんは嬉しそうだったなり。

「じゃ」

赤組さんはそのままその場を去ろうとしたなり。その背中に青組さんの声がかかったなり。

「写真のネガ」

「・・・・はい」

赤組さんの目の前で、灰皿の上に置かれたネガは燃やされたなり。残念な気持ちで見ていた赤組さんに青組さんは言ったなり。

「あとさ、これの写真は?」

「え?」

「おまえのことだから、現像してないってことはねぇよな?」

諦めて写真を取りに行こうとした赤組さんに、そっぽを向いて青組さんは言ったなり。

「絶対にうちのドアの外に持ち出すんじゃねぇぞ!!それから、人には見せんなよ」

「いいの?」

青組さんの返事はなかったなりが、赤組さんは嬉しくなって青組さんの頭を抱え込んだなり。

「何してんだよ、鬱陶しい!」

「だって・・・・」

いつの間にか部屋の外に聞こえてくる笑い声は二つになっていて、ボニータは小さくあくびを一つしたなり。