赤組さん青組さんの2人が下宿屋に帰ってくると、暗い部屋でボニータがカレンダーの前にじっと座っていたなり。
「?何してんのボニ?」
赤組さんが訊いたなり。青組さんもボニの顔とカレンダーを見比べたなり。一体このお嬢さんは何をしているなりか?2人は互いに顔を見合わせたなり。
「ボニ、一体なんかあったの?」
赤組さんが首を傾げ、
「カレンダー、なんか書いてる?・・・・3月3日って・・・・?」
青組さんも言ったなり。
もしかして・・・・青組さんがはっとしたなり。
「もしかして今日って雛祭りとか言う・・・・?」
「えっ?それでボニ・・・・?」
赤組さんの問いにボニータはくぅんと鳴いたなり。
「木村ぁ、おまえ自分ちの娘の雛人形くらいちゃんと飾ってやっとけよ?」
青組さんはそう言い、
「だって・・・・最近忙しかったし・・・・中居だって忙しかったから忘れてたんだろ?」
「あのなぁ、誰んちの娘?おまえもっとしっかりしとけよな」
「・・・・えっと、・・・・今から飾ってても大丈夫・・・・かな?」
赤組さんはちょっと焦ったように雛人形をしまった物置に視線をやったなり。
「大体今もう0時超えてるから、4日じゃん?もう飾れないんじゃねぇ?」
「やっぱ・・・・まずいかなぁ?」
「まずいっていうか・・・・3日を超えて飾ってると嫁き遅れるとか、お嫁にいけなくなるとか言うじゃん・・・・。やっぱり女の子にそれって可哀想なんじゃないの?」
「別に可愛そうじゃねぇって、俺、ボニを嫁にやる気なんてないし」
「うわぁ、汚ねぇ親のエゴ!!ボニってば可哀想だよなぁ」
青組さんはボニの首を抱き締めてボニに頬ずりしたなり。
「可哀想じゃねぇよ、なぁボニ」
赤組さんもボニの首を引き寄せてその頭を撫でたなり。
「親なら娘の幸せを祈るべきじゃねぇ?」
そう言う青組さんに、
「でも最近はそればっかりが幸せとも言わないしさ」
赤組さんは言ったなり。
2人はそれから顔を見合わせて、首を傾げたなり。
「・・・・で、どうすんの?雛人形」
尋ねた青組さんに赤組さんもしばらく考えて
「やっぱり出してやるわ、ボニも待ってたみたいだし」
「だなぁ・・・・」
2人はそういうと、わくわくと見つめているボニータの目の前で物置から雛人形を出しはじめたなり。
「じゃ、明日俺ボニに桃の花でも買ってくる」
青組さんはボニの頭を撫でてそう言い、ボニは嬉しそうに鼻を鳴らしたなり。