××下宿屋木村番外編 ボニの内緒話××

 

あれっ?その日パパと中居くんの出てくるTVを見ていたボニは、ちょっとだけ驚きました。

TVでは、ヒスとロスマップのオーナーの格好をした中居くんが、とても嬉しそうににこにこしています。中居くんは野球がとても好きで、その日のゲストが野球の選手だからかなぁ?と思いました。

だけど、ゲストの人のチームを聞いて、ボニは驚いたのです。だって。

 

秋頃、パパと中居くんはいつもよりも一緒のお仕事が多くなりました。コンサートというお仕事です。同じお仕事が多いからか、パパと中居くんはおうちでも、いつもよりも沢山お話をします。ボニは何だか仲間はずれになったみたいで、ちょっと淋しかったです。

ある日中居くんが嬉しそうに言いました。

「今年こそ、日本一だよなっ!」

「いや、やっぱり、ダイエーじゃねぇ?」

パパが言いました。

「えーっ、おまえダイエーファンなの?」

「いいじゃん、あの前向きな感じ、いいと思うけど・・・・。それに俺らの世代だったら、ミスタージャイアンツと言うよりは世界の王でしょ?」

「・・・・いや、それだったら若大将・原・・・・じゃなくって、なんでだよ、今年はジャイアンツなの!!」

「いや、ダイエーの方がいいって」

2人はそんなことを言っていました。とにかくパパの好きなチームと、中居くんの好きなチームが試合をすると言うことらしかったです。

最初、2日間パパの機嫌がよかったので、パパの好きなチームが勝ったことがわかりました。次に、中居くんが元気になりました。中居くんの好きなチームが勝ったんだと思いました。

「俺らが大阪に行ってる間で決まるな」

中居くんが言いました。

「そうだな」

パパも言いました。

「ま、このままジャイアンツの優勝だろうけど」

「まさか?次からダイエーだろ?」

「何言ってんの、無理無理」

2人はしばらく色々と言っていましたが、やがて

「じゃあさ、ジャイアンツ負けたらどうすんの?」

「負けるわけねぇよ」

「じゃ、ダイエー勝ったら、なんでも俺の言うこときくこと!いい?」

「いいよ。負けるわけねぇもン!もちろんおまえだって、ダイエー負けたら俺の言うこときけよ?って、まぁおれが勝つの目に見えてるけど?」

「だから、それは俺が勝つから、そんな約束くらいなんでもねぇけど?」

2人はそんな約束をしていました。

・・・・男の人っていつまでたっても子どもみたいだなぁ、ボニはちょっとだけそんなことを思いました。

結局パパと中居くんが大阪に行っている間に、ジャイアンツが勝ったのだと思います。中居くんがとってもご機嫌で帰ってきたので、ボニはそう思いました。

中居くんがパパに何をさせたのか、ボニは知りません。ただ、パパの部屋にあったなんとかいう人のボールが、中居くんの部屋に置かれているのに最近気が付きました。

 

中居くんがにこにこにと話しているのは、そのダイエーの選手だって言うんです。どうして、ダイエーの選手とにこにこ出来るのかなぁ?と、ボニは不思議でした。でも、中居くんを見ているうちにボニにもわかりました。中居くんはチームなんて関係ないくらい、ほんとに野球が好きなんだなぁ、と思いました。