××下宿屋木村 おつかれさま××

 

スマスマの罰ゲーム、沖縄の島の一周マラソンを終えた日、青組さんが下宿に帰ってきたのは、日付が変わろうとするちょっと前、だったなり。

「ただいま・・・・」

待ちかねていたようなボニータの頭を撫でてやってから、ソファに倒れ込むと、そのまま寝入ってしまった青組さんだったなり。

 

「中居、中居・・・・」

呼ぶ声にぼんやりと青組さんは目を開けたなり。いつの間に帰ってきていたのか、赤組さんが顔をのぞき込んでいたなり。

「おまえ、こんなとこで、寝てたら風邪ひくぞ」

「あ、うん」

答えながらも、目が閉じそうになっている青組さんの腕を、赤組さんはとったなり。そして・・・・

「何これ、おまえ、筋肉ぱんぱんじゃねぇ?明日辺り、筋肉痛ひどいよ、これじゃ」

赤組さんは驚いたように言って、

「ちょっと、そこに横になって」

青組さんに指示したなり。青組さんは言われたままに横になったなり。

「痛かったら、言えよ」

そう言うと、赤組さんは、青組さんの肩から腕から、背中から脚から、それは丁寧にマッサージを始めたなり。

「痛くねぇ?」

「ううん、すっげぇいいかんじ」

時々尋ねる赤組さんに、青組さんは答えたなり。

ほぼ1時間をかけて、青組さんの筋肉をもみほぐした赤組さんは汗びっしょりになっていたなり。

「わりぃ、先シャワー浴びてくるわ」

そう言う赤組さんの声を、落ち着いた、ちょっと眠いような気持ちで聞いた青組さんだったなり。

またしても、青組さんはうつらうつらしていたらしかったなり。

「シャワー浴びた方がいいって」

という赤組さんに、青組さんは起こされていたなり。

「ん」

青組さんは素直にうなずいたなり。そして

「俺があがってくるまで、眠らないで、待ってろよ」

そう言いおいて、シャワーに向かったなり。

 

青組さんがシャワーを浴びて戻ってくると、赤組さんはコーヒーを片手に台本を読んでいるところだったなり。青組さんに気付いて

「コーヒー、いれようか?」

そう言う赤組さんに首を振って、青組さんはその横に腰を下ろしたなり。

「相手してやろうか?」

青組さんは赤組さんの顔を見てにっと笑って言ったなり。

「おまえが杏子?遠慮しとくわ」

赤組さんも笑ったなり。青組さんは、その赤組さんの腕をとると、袖を思い切り捲り上げたなり。

シューッ。

「え?なに?なに?」

驚く赤組さんのもう一方の腕にも同じようにした青組さんなり。

「だってさ、柊二って、美容師だろ?カットすんのに疲れた腕で大丈夫なのかなって、思ってさ。俺が、マッサージ出来りゃよかったんだけど、下手なことしたら、筋とか痛めそうだし・・・・。それに風呂上がりすぐって、エアサロンパス痛かったりするし・・・・」

一気に言ってから、青組さんは、小さくつぶやいたなり。

「マッサージ、ありがと」